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ティターンズ - Wikipedia
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ティターンズ

ガンダムシリーズの登場とうじょう組織そしき

ティターンズ (Titans) は、「ガンダムシリーズ」のうち宇宙うちゅう世紀せいきを舞台ぶたいとする作品さくひんに登場とうじょうする架空かくうの軍閥ぐんばつ。初出しょしゅつは、1985年ねん放送ほうそうのテレビアニメ『機動きどう戦士せんしΖぜーたガンダム』。

一いち年ねん戦争せんそう終結しゅうけつ後ごも敗戦はいせんを認みとめず、各地かくちで抵抗ていこうを続つづけていたジオン公国こうこく軍ぐんの残党ざんとうを掃討そうとうすることを目的もくてきに設立せつりつされた地球ちきゅう連邦れんぽう軍ぐんの特殊とくしゅ部隊ぶたい。「地球ちきゅう至上しじょう主義しゅぎ」を唱となえ、スペースコロニーの居住きょじゅう者しゃである「スペースノイド」に対たいしても強硬きょうこうな姿勢しせいをとっており、反発はんぱつする連邦れんぽう軍ぐん将兵しょうへいによって対抗たいこう軍閥ぐんばつであるエゥーゴが設立せつりつされている。

歴史れきし

編集へんしゅう

設立せつりつの経緯けいい

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宇宙うちゅう世紀せいき0083年ねん10月がつに勃発ぼっぱつした、当時とうじ地球ちきゅう圏けん最大さいだいのジオン残党ざんとう勢力せいりょく「デラーズ・フリート」による反乱はんらん（デラーズ紛争ふんそう）は、地球ちきゅう連邦れんぽう政府せいふに公国こうこく軍ぐん残党ざんとうに対たいする脅威きょういを認識にんしきさせる。同年どうねん12月がつ、デラーズ紛争ふんそう時じの地球ちきゅう連邦れんぽう軍ぐん准じゅん将しょうであるジャミトフ・ハイマンの提唱ていしょうにより、連邦れんぽう軍ぐん内ないに「ジオン残党ざんとう狩かり」を目的もくてきとした精鋭せいえい特殊とくしゅ部隊ぶたいが設立せつりつされた。これが「ティターンズ」である。

名称めいしょうはギリシア神話しんわに登場とうじょうするティーターン神かみ族ぞくに由来ゆらいしており、「大地だいちの子こら」という意味いみであることからも、彼かれらのエリート意識いしきとアースノイド至上しじょう主義しゅぎを如実にょじつに表あらわしている。また、旧きゅう世紀せいきからの歴史れきしを持もつ秘密ひみつ結社けっしゃローゼンクロイツとの繋つながりも有ゆうしているという[1]。

部隊ぶたい章あきらは“翼つばさを広ひろげた猛禽もうきん”がモチーフとなっている[2]。

勢力せいりょくの拡大かくだい

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ティターンズの創設そうせつ者しゃ兼けん最高さいこう司令しれい官かんとなったジャミトフは、地球ちきゅうに住すむ人々ひとびとの一いち年ねん戦争せんそうの傷きずとスペースノイドへの恐おそれを利用りようし、彼かれらが第だい2のジオン公国こうこくを生うみ出だす恐おそれがあるという旨むねを唱となえ、予算よさんを獲得かくとくしていく[要よう出典しゅってん]。また、ジャミトフは大陸たいりく復興ふっこう公社こうしゃと、地球ちきゅうの賭博とばく組合くみあいであるインターナショナル国債こくさい管理かんり公社こうしゃの総裁そうさいでもあり[3]、それが彼かれの資金しきん源げんとなる[4]。

デラーズ紛争ふんそう直後ちょくごのジオン残党ざんとうに対たいする危機きき感かんが募つのっていた時代じだいでもあるため、ティターンズは連邦れんぽう軍ぐん内部ないぶで勢力せいりょくを徐々じょじょに拡大かくだい。アポロ作戦さくせんの前後ぜんごには地球ちきゅう連邦れんぽう政府せいふ議会ぎかいで地球ちきゅう連邦れんぽう軍ぐんをティターンズの傘下さんかに置おく法案ほうあん決議けつぎが満場一致まんじょういっちで可決かけつされ、一時いちじは連邦れんぽう軍ぐんの全権ぜんけんを掌握しょうあくするまでに至いたった。しかしティターンズの行動こうどうには強引ごういんなものが多おおく、30バンチ事件じけんなどといった非ひ人道的じんどうてき作戦さくせんもしばしば遂行すいこうしている。このことがティターンズへの反発はんぱつを強つよくし、反対はんたい勢力せいりょくを結束けっそくさせていくことになる。その代表だいひょうともいうべき勢力せいりょくが、連邦れんぽう軍ぐんのブレックス・フォーラ准じゅん将しょうなどによって反はんティターンズ派はの連邦れんぽう軍人ぐんじんを中心ちゅうしんに組織そしきされたエゥーゴであった。

これらの非ひ人道的じんどうてき作戦さくせんの多おおくはティターンズの実戦じっせん部隊ぶたいトップであるバスク・オム大佐たいさやその腹心ふくしんであるジャマイカン・ダニンガン少佐しょうさによって指揮しきされており、創設そうせつ者しゃジャミトフの意向いこうに沿そったものではないことが小説しょうせつ版ばんでは明あきらかにされている。ただ、ティターンズの将兵しょうへいのほとんどは非ひ人道的じんどうてきな作戦さくせんの情報じょうほう自体じたいを知しらず、ダカール守備しゅび隊たいのアジス・アジバ中尉ちゅういのように他た部隊ぶたいの悪行あくぎょうに介入かいにゅうせず（むしろダカール守備しゅび隊たいはアウドムラ追撃ついげき作戦さくせん中ちゅうのジェリドのバイアランの攻撃こうげきを阻止そししている）、実直じっちょくにただジャミトフだけを尊敬そんけい崇拝すうはいしている人物じんぶつもいる。しかし、ジャミトフが政治せいじ活動かつどうに専念せんねんしていたこともあり、次第しだいにティターンズはバスクの私物しぶつと化かしていき、さらにグリプス戦役せんえき後期こうきにはパプテマス・シロッコが台頭たいとうしていった事ことで、ジャミトフはティターンズの舵取かじとりができなくなっていった。

曽野その由よし大だいの漫画まんが作品さくひん『機動きどう戦士せんしガンダム カタナ』では、UC0084に起おきた事件じけんによって連邦れんぽう軍ぐん内ないで優勢ゆうせいだった2つの派閥はばつが衰退すいたいした結果けっか、ティターンズの台頭たいとうを招まねいたとしている。

衰退すいたい

編集へんしゅう

宇宙うちゅう世紀せいき0087年ねん3月がつ2日にち、ティターンズが開発かいはつした新型しんがたモビルスーツ (MS)・ガンダムMk-IIが、エゥーゴによって奪取だっしゅされたことがきっかけに、エゥーゴ・ティターンズの間あいだに約やく1年間ねんかんに及およぶグリプス戦役せんえきが勃発ぼっぱつする。初はじめは宇宙うちゅう空間くうかんで小競こぜり合あいがおこなわれる程度ていどだが、両者りょうしゃの争あらそいが激はげしさを増ますにしたがい、ティターンズは次第しだいに過激かげきな活動かつどうを行おこなうようになる。

以下いかは劇げき中ちゅうに登場とうじょうした具体ぐたい例れいである。

なお、漫画まんが『機動きどう戦士せんしΖぜーたガンダム Define』ではその行動こうどうはさらに横暴おうぼうさと過激かげきさを増まし、ジャブローを脱出だっしゅつした連邦れんぽう軍ぐん将兵しょうへいを口くち封ふうじのために集団しゅうだん虐殺ぎゃくさつするほどである。

それでも情報じょうほうの隠蔽いんぺいなどによってティターンズは地球ちきゅう連邦れんぽうでの影響えいきょう力りょくを保持ほじしていたが、エゥーゴのクワトロ・バジーナ大尉たいいことシャア・アズナブルが地球ちきゅう連邦れんぽう議会ぎかいを占拠せんきょして行いったダカール演説えんぜつで連邦れんぽう軍ぐんの私物しぶつ化かを非難ひなんされ、さらにジェリド率ひきいる部隊ぶたいが連邦れんぽう軍ぐんのダカール防衛ぼうえい隊たいを攻撃こうげきし、議事堂ぎじどうに流ながれ弾だまを命中めいちゅうさせる様さまがテレビで生なま中継ちゅうけいされることでその暴虐ぼうぎゃくぶりを自みずから証明しょうめいする形かたちとなり、議員ぎいんのみならず地球ちきゅうの一般いっぱん市民しみんや連邦れんぽう軍ぐんから非難ひなんの的まととなり信用しんよう・支持しじまでも失うしない、各地かくちで反対はんたい運動うんどうが展開てんかいされることとなる。

公国こうこく軍ぐん残党ざんとうの掃討そうとうを目的もくてきに設立せつりつされた組織そしきでありながら、エゥーゴに対抗たいこうするために紛争ふんそう中期ちゅうきには本来ほんらいの戦たたかうべき相手あいてである、地球ちきゅう圏けんへ帰還きかんした公国こうこく軍ぐん残党ざんとう組織そしき「アクシズ」と共闘きょうとうを模索もさくしている。最終さいしゅう的てきにアクシズとは数すう度どの戦闘せんとうと会談かいだんを経へて決裂けつれつしたうえ、最後さいごの会談かいだんではアクシズ摂政せっしょうハマーン・カーンが「地球ちきゅう連邦れんぽう軍ぐんはティターンズと手てを切きりたがっている」と発言はつげんしており、ティターンズに協力きょうりょくしない姿勢しせいを示しめされる。

グリプス戦役せんえき終盤しゅうばんには拠点きょてんのゼダンの門もんを失うしない、さらに切きり札ふだとして用意よういしていたコロニーレーザー「グリプス2」がアクシズに制圧せいあつされ追おい込こまれていく中なか、シロッコがハマーンとの会談かいだんの混乱こんらんに乗じょうじて指導しどう者しゃのジャミトフを暗殺あんさつ、さらにジャミトフ亡なきあとの後継こうけい者しゃの地位ちいを確実かくじつなものとするため、シロッコの部下ぶかであるレコア・ロンドによってバスクを暗殺あんさつする。以後いごのティターンズはシロッコによってほぼ完全かんぜんに実権じっけんを掌握しょうあくされるものの、すでにエゥーゴとアクシズの両りょう勢力せいりょくに対抗たいこうするだけの力ちからは失うしなわれていた。

最終さいしゅう的てきに宇宙うちゅう世紀せいき0088年ねん2月がつ20日はつか、エゥーゴがアクシズから奪取だっしゅしたグリプス2の周辺しゅうへん宙ちゅう域いきに展開てんかいするエゥーゴ艦隊かんたいに対たいして総そう攻撃こうげきを開始かいしするも、2日にち後ごの2月がつ22日にちにエゥーゴによるグリプス2のレーザー照射しょうしゃによりティターンズ艦隊かんたいは大だい打撃だげきを被こうむる。また、戦力せんりょく回復かいふくを図はかって撤退てったいしようとしたシロッコも戦死せんししたため、ティターンズは実質じっしつ的てきに壊滅かいめつし、生いき残のこったティターンズの将兵しょうへいは大半たいはんが連邦れんぽう軍ぐんに投降とうこうした[5]。

追おい詰つめられたティターンズのテルアビブ分遣ぶんけん艦隊かんたいは、地球ちきゅう全土ぜんどに核かく攻撃こうげきを仕掛しかけようと独断どくだん行動こうどうをとるが、いずれもエゥーゴに阻止そしされている[注釈ちゅうしゃく 1]。

グリプス戦役せんえき後ご

編集へんしゅう

グリプス戦役せんえき終結しゅうけつ直後ちょくごには、小惑星しょうわくせいペズンに駐留ちゅうりゅうする教導きょうどう団だんの一部いちぶ青年せいねん将校しょうこうがティターンズが唱となえた地球ちきゅう至上しじょう主義しゅぎに共鳴きょうめいし、スペースノイド主体しゅたいのエゥーゴが連邦れんぽう軍ぐんの主導しゅどう権けんを握にぎることを良いしとせずに「ニューディサイズ」を名乗なのり、武装ぶそう決起けっきする事件じけん（ペズンの反乱はんらん）が発生はっせいしている。

「ガンダム・センチネル」を参照さんしょう

また、元もとティターンズの兵士へいしの一部いちぶは、連邦れんぽう軍ぐんから責任せきにんをなすり付つけられる形かたちで裁判さいばんに掛かけられ、不当ふとうな処罰しょばつを受うけている[注釈ちゅうしゃく 2]。さらに、戦後せんごは連邦れんぽう軍ぐんの一部いちぶであったことすら認みとめられていないような描写びょうしゃもあり、第だい二に次じネオ・ジオン抗争こうそう期きにはシャアやアムロ・レイ、ブライト・ノアから反はん地球ちきゅう連邦れんぽう運動うんどうのレッテルを貼はられている。このため、ティターンズ出身しゅっしんというだけで冷遇れいぐうされ、トリントン基地きちのような僻地へきちに送おくられた兵士へいしもいる[注釈ちゅうしゃく 3]。

ティターンズの残存ざんそん戦力せんりょくの大半たいはんは連邦れんぽう政府せいふによる原隊げんたい復帰ふっき命令めいれいに従したがい、順次じゅんじ恭順きょうじゅんしていくが、一部いちぶにはティターンズを利用りようするだけ利用りようした体制たいせい側がわ（連邦れんぽう政府せいふ）がエゥーゴに同調どうちょうしてティターンズを切きり捨すてたことを許ゆるせなかったり、連邦れんぽう軍ぐんの実権じっけんを握にぎったエゥーゴによる元もとティターンズ兵へいへの報復ほうふく的てきな処罰しょばつを恐おそれたなどの理由りゆうで、親おやティターンズ派はの月面げつめん都市としエアーズへ逃のがれたり[6]、彼かれらが本来ほんらい討うつべき対象たいしょうであるはずのジオン軍ぐん残党ざんとうであるネオ・ジオン軍ぐんの一部いちぶ隊たいとしてその後ごの戦乱せんらんを戦たたかったものも少すくなからず存在そんざいする[注釈ちゅうしゃく 4]。さらに、トリスタンを中心ちゅうしんとする一派いっぱは公国こうこく軍ぐん残党ざんとう同士どうしが争あらそう火星かせいに落おち延のび、ガンダムTR-6を手土産てみやげに劣勢れっせいの「レジオン」に合流ごうりゅうするが、同どう勢力せいりょくが勝利しょうり後ごに戦力せんりょくの一切いっさいを取とり上あげられ、のちに敗やぶれた「ジオンマーズ」と結託けったくして叛乱はんらんを起おこしている[注釈ちゅうしゃく 5]。ほかにも、民間みんかん軍事ぐんじ会社かいしゃテミスが元もとティターンズ兵へいを受うけ入いれている[7]。

宇宙うちゅう世紀せいき0160年代ねんだいに活動かつどうが確認かくにんできる地球ちきゅう連邦れんぽう軍ぐんの特殊とくしゅ部隊ぶたい「キュクロープス」はティターンズの後継こうけい組織そしきを自称じしょうしている。ティターンズのものを踏襲とうしゅうした制服せいふくを採用さいようしているほか、当時とうじの連邦れんぽう政府せいふの著いちじるしい統制とうせい力りょくの低下ていかから正規せいき軍ぐんですら第だい2期きモビルスーツやビーム兵器へいきといった先進せんしん装備そうびの製造せいぞう・運用うんように不安ふあんを抱かかえているという背景はいけいもあり、辛かろうじて製造せいぞうラインが稼働かどうしていたジェムズガンの他ほかにアッシマーやハンブラビといった往年おうねんの大型おおがたTMAを再さい設計せっけいした機体きたいを戦力せんりょくに採用さいようしている[注釈ちゅうしゃく 6]。

構成こうせい人員じんいん

編集へんしゅう

最高さいこう司令しれい官かんはジャミトフ。軍事ぐんじ的てきな指揮しきはグリプス方面ほうめん軍ぐん司令しれい[8]のバスク・オムが執とる。主おもなメンバーについては機動きどう戦士せんしΖぜーたガンダムの登場とうじょう人物じんぶつ（ティターンズ）、ティターンズ・テスト・チーム（T3部隊ぶたい）をそれぞれ参照さんしょう。

代表だいひょう的てきな部隊ぶたいには、コンペイトウ方面ほうめん軍ぐん司令しれいのオットー・ペデルセンの率ひきいるT3部隊ぶたいやジュピトリスを母艦ぼかんとするパプテマス・シロッコの部隊ぶたいがある。組織そしきの理念りねん上じょう構成こうせい員いんのほとんどは地球ちきゅう出身しゅっしん者しゃ（アースノイド）であるが、ごく稀まれにスペースコロニー出身しゅっしんの者ものが加くわわり[注釈ちゅうしゃく 7]、末期まっきには木星もくせい船団せんだんのシロッコをその能力のうりょくを見込みこんだジャミトフが傘下さんかに加くわえた。一いち年ねん戦争せんそうやデラーズ紛争ふんそうを戦そよい抜ぬいたベテランのほか、ガンダムのパイロット経験けいけん者しゃも所属しょぞくしているうえに、選抜せんばつ過程かていが難関なんかんであるため、連邦れんぽう軍ぐんに於おける特権とっけん階級かいきゅう・エリートとして認知にんちされ、ジオン残党ざんとうを排除はいじょする精鋭せいえい部隊ぶたいとして、実力じつりょくのある将校しょうこうや意欲いよく的てきな若わかい士官しかんが集あつまることにより、実戦じっせん的てきな組織そしきとしての実力じつりょくも充実じゅうじつしていく[9]。

構成こうせい員いんにはエリート意識いしきが強つよく横柄おうへいな人間にんげんもおり、第だい2話わではバスクに抗議こうぎした連邦れんぽう軍人ぐんじんのブライトに対たいしてカクリコン・カクーラーは彼かれより階級かいきゅうが下したであるにもかかわらず「ティターンズでは一般いっぱんの軍律ぐんりつは通用つうようしない」として殴なぐりつけ、他たのメンバーも加くわわり袋叩ふくろだたきにしているのを、バスクは平然へいぜんと黙認もくにんしている。さらには実戦じっせんや現場げんばの状況じょうきょうを理解りかいできない温室おんしつ育そだちの人物じんぶつもおり、同おなじく第だい2話わでブライトがジェリド・メサに対たいしそれを指摘してきしている。MS事故じこや一般いっぱん兵へい・民間みんかん人じんへの暴行ぼうこうをたびたび起おこしていることや、スペースノイドに対たいする強つよい差別さべつ意識いしきから弾圧だんあつを加くわえることもあり、彼かれらからの印象いんしょうは良よくない。また、「ティターンズは一般いっぱん軍人ぐんじんより1階かい級きゅう上じょうとして遇ぐうされる」というローカルルールを作つくっており、ジャマイカン・ダニンガンが第だい6話わで連邦れんぽう軍人ぐんじんのライラ・ミラ・ライラに対たいし、それを語かたる場面ばめんがある。このようなことから、先述せんじゅつのライラやブラン・ブルタークのような一いち年ねん戦争せんそう時代じだいから実戦じっせん経験けいけん豊富ほうふな連邦れんぽう軍人ぐんじんには嫌きらわれている。小説しょうせつ版ばん第だい1巻かん冒頭ぼうとうでも、「ジャブローの連邦れんぽう軍人ぐんじんにとって、慇懃無礼いんぎんぶれいで鼻持はなもちならない連中れんちゅうの代名詞だいめいしになっていた」との記述きじゅつがある。

なお、T3部隊ぶたいを筆頭ひっとうとするコンペイトウ駐留ちゅうりゅう部隊ぶたいは穏健おんけん的てきで、上記じょうきのような横暴おうぼうさはなかったと言いわれている。また、ダカール防衛ぼうえい隊たいも一般人いっぱんじんに迷惑めいわくをかける連邦れんぽう兵へいをたしなめたり、街まち中ちゅうで暴あばれまわる自軍じぐん機きを制止せいししようとするなど、劇げき中ちゅうでは比較的ひかくてき良識りょうしきが強調きょうちょうされている[注釈ちゅうしゃく 8]。上司じょうしのオットー・ペデルセンはスペースノイドへの偏見へんけんがなかったとも言いわれるが、上層じょうそう部ぶのジャミトフやバスクとは折おり合あいが悪わるく、彼かれらの横暴おうぼうを阻止そしできずにいる[8]。

「権力けんりょくに驕おごって横暴おうぼうの限かぎりを尽つくし、結局けっきょくは地球ちきゅう環境かんきょうを破壊はかいするアースノイド」の急先鋒きゅうせんぽうのようなイメージが持もたれているが、ジャミトフの真意しんいはアースノイドの既得きとく権益けんえきの庇護ひごではなく、戦乱せんらんを利用りようして増ふえすぎた人口じんこうを減へらすこと自体じたいにあり、それによって地球ちきゅうの環境かんきょう汚染おせんを食くい止とめ、己おのれが人類じんるいを管理かんりするものであるらしく、劇げき中ちゅうではシロッコがジェリドとマウアー・ファラオに対たいし語かたっている。ギレン・ザビにも似にた考かんがえ方かたであるが、実際じっさいジャミトフはギレンに強つよい影響えいきょうを受うけているようであり、思想しそうや理念りねんがバスクとは明確めいかくに異ことなる。また、ティターンズの初期しょきの活動かつどうについて、エリアルド・ハンターの弁護べんごを担当たんとうしたコンラッド・モリスは「発足ほっそく当時とうじのティターンズは優秀ゆうしゅうな将校しょうこうや兵士へいしが集あつまる、掛かけ値ねなしのエリート部隊ぶたいであり、テロ行為こういの激減げきげん・戦後せんご初期しょきの急速きゅうそく的てきな進行しんこうが、それらを証明しょうめいしている。」と語かたるシーンもある。ただし、以後いごのティターンズは上記じょうきのように自みずからが権力けんりょくと迎合げいごうした白色はくしょくテロを再三さいさん行いった上うえ、独断どくだんで地球ちきゅう全土ぜんどへの無む差別さべつ核かく攻撃こうげきを企くわだてたテルアビブ分遣ぶんけん艦隊かんたいのニシザワ中佐ちゅうさのように完全かんぜんな極右きょくうテロリストと化かした例れいもある。

軍服ぐんぷくは、黒くろと赤あかを基調きちょうとしたデザインのものを着用ちゃくようしている者ものが多おおい[注釈ちゅうしゃく 9]が、ヤザン・ゲーブルやシロッコのように独自どくじのものを着用ちゃくようする者ものもいる。ノーマルスーツはエゥーゴと同様どうようのデザインだが、“黒地くろじに赤あかライン”の物ものが支給しきゅうされ、ガンダムMk-IIなどのガンダム系けいMSおよびジム・クゥエルなどのティターンズが独自どくじ調達ちょうたつした機体きたいは、俗ぞくに「ティターンズ・カラー」と呼よばれる暗くら青色あおいろで塗装とそうされている。

ジオン公国こうこく軍ぐんの残党ざんとう狩かりという目的もくてきを掲かかげているため、設立せつりつ当初とうしょは連邦れんぽう政府せいふ内ないや軍部ぐんぶでティターンズの活動かつどうを支持しじする者ものも多おおかった。これには、一いち年ねん戦争せんそう後ごも連邦れんぽう軍ぐん内部ないぶで根強ねづよく残のこっているスペースノイドに対たいする差別さべつ意識いしきや危機きき意識いしきも関係かんけいしている。ティターンズの組織そしきとしておこなった行為こういは残虐ざんぎゃくであるが、一般人いっぱんじんどころか構成こうせい員いんですら情報じょうほう操作そうさにより30バンチ事件じけんなどを知しらなかった。そのため、のちにエゥーゴへ転向てんこうしたティターンズのエマ・シーンやソウイチ・オビノは、この事実じじつを知しって衝撃しょうげきを受うけている。

当とうのジャミトフも30バンチ事件じけんや月つきへのコロニー落おとし、サイド2への無む差別さべつ攻撃こうげき、グリプス2をコロニーレーザーへ改造かいぞうするなど、世間せけんからの反感はんかんを増幅ぞうふくしかねない急進きゅうしん派はの行為こういには、難色なんしょくを示しめしていたようである。実際じっさい、これらの行為こういはバスクやジャマイカンをはじめとする急進きゅうしん派はがほとんど独断どくだんでおこなったものであり、組織そしきとしての統制とうせいも規律きりつも自制じせいもグリプス戦役せんえきの終結しゅうけつを待またずして失うしなわれていく。

主要しゅよう戦略せんりゃく拠点きょてん

編集へんしゅう
グリプス
サイド7宙ちゅう域いきのグリーン・ノアは、かつてV作戦さくせんにおけるガンダム等ひとしのモビルスーツを極秘ごくひ裏うらに開発かいはつしていたコロニーでホワイトベース隊たいのメンバーの居留きょりゅうした場ばでもある。
シャア・アズナブル少佐しょうさ（当時とうじ）麾下きかの部隊ぶたいがV作戦さくせん用ようの一連いちれんの兵器へいきを受領じゅりょうに来きたホワイトベース入港にゅうこうを偵察ていさつした際さい、交戦こうせん状態じょうたいに陥おちいったため1バンチコロニーは中ちゅう破やぶするが、戦後せんごに修復しゅうふくされてグリーン・ノア1（グリーン・オアシス）の名称めいしょうで通常つうじょうの居住きょじゅう区画くかくとして、主おもに軍ぐん関係かんけい者しゃや軍人ぐんじんが居住きょじゅうしている。
戦後せんごの復興ふっこう時じにサイド3より密閉みっぺい型がたコロニー2基きを移動いどうさせ、そのコロニーを繋つなぎ合あわせるという強引ごういんな手法しゅほうで2バンチコロニー、グリーン・ノア2を造つくり上あげる。このグリーン・ノア2にバスク・オムが付つけた別名べつめいがグリプスである[注釈ちゅうしゃく 10]。こちらには主おもに造兵ぞうへい工廠こうしょうおよび軍事ぐんじ拠点きょてんが存在そんざいする。なお戦後せんごの復興ふっこう事業じぎょうは一いち年ねん戦争せんそう当時とうじですら1バンチが建造けんぞう途中とちゅうだった事こともあってか大おおきく遅おくれているようで、エゥーゴの潜入せんにゅう作戦さくせん時じでも2バンチまでしか建造けんぞうされていない。
参謀さんぼう本部ほんぶが置おかれている。
グリプス戦役せんえき中盤ちゅうばん、ティターンズはグリーン・ノア2を分離ぶんりし、片方かたがたを移動いどう式しきコロニーレーザー（グリプス2）として改装かいそう、当時とうじエゥーゴの一大いちだい拠点きょてんであったサイド2付近ふきんへ回送かいそうしている。（なお残のこったグリプス1はサイド7に置おかれ、ルナツー、旧きゅうア・バオア・クーと共ともにゼダンの門もんを構成こうせいしている）グリプス戦役せんえき終盤しゅうばんはグリプス2を巡めぐりエゥーゴ、ティターンズ、アクシズによる争奪そうだつ戦せんが展開てんかいされている。
コンペイトウ
サイド1宙ちゅう域いきに浮うかぶ宇宙うちゅう要塞ようさい。かつてのジオン軍ぐんの宇宙うちゅう要塞ようさい「ソロモン」である。宇宙うちゅう世紀せいき0083年ねんの観艦式かんかんしき襲撃しゅうげき事件じけんの後のちも鎮守ちんじゅ府ふとして運用うんようされているが、『Ζぜーたガンダム』劇げき中ちゅうには登場とうじょうしない。後発こうはつ作品さくひんの『ADVANCE OF Ζぜーた ティターンズの旗はたのもとに』において、ティターンズの技術ぎじゅつ本部ほんぶが置おかれているとされた。基本きほん的てきにティターンズの兵器へいきはここで試験しけんされた後のちに実戦じっせん配備はいびされることになっているが、グリプスによるガンダムMk-II開発かいはつ発覚はっかく後ごにはおこなわれなくなっていき、各かく工廠こうしょう・研究所けんきゅうじょの独自どくじ開発かいはつの乱発らんぱつを招まねいていく[8]。後のちに駐留ちゅうりゅう連邦れんぽう軍ぐんの反乱はんらんと呼応こおうしたエゥーゴ艦隊かんたいの攻撃こうげきによって撤退てったいすることになる。
ニューギニア
ジャブローに替かわる地球ちきゅう上じょうの戦略せんりゃく拠点きょてんの一ひとつ。アウドムラ隊たいを中心ちゅうしんとしたカラバの攻撃こうげきによって陥落かんらくする。
キリマンジャロ
ニューギニアに替かわる地球ちきゅう上じょうの戦略せんりゃく拠点きょてんでアフリカ大陸たいりくでの連邦れんぽう軍ぐん最大さいだい拠点きょてん。山やま全体ぜんたいが要塞ようさい化かされており、宇宙うちゅう港みなとも有ゆうするなどジャブロー同様どうように巨大きょだいな軍事ぐんじ拠点きょてんとして描写びょうしゃされる。シャアによるダカール演説えんぜつの前まえに、エゥーゴ・カラバ連合れんごう軍ぐんによる攻撃こうげきで陥落かんらくするが、総帥そうすいのジャミトフは直前ちょくぜんに逃亡とうぼう。ここを失うしなったことでティターンズは地球ちきゅう上じょうの拠点きょてんを失うしない、戦たたかいの場ばは宇宙うちゅうへと移うつっている。
ダカール
連邦れんぽう議会ぎかいの所在地しょざいち。ダカール演説えんぜつではエゥーゴ･カラバの撃退げきたいにダカール防衛ぼうえい隊たいが出動しゅつどうするが、キリマンジャロからの自軍じぐん追撃ついげき部隊ぶたいが市街地しがいちで発砲はっぽうし始はじめたため、ティターンズでの同士討どうしうちに発展はってんしてしまう。
ゼダンの門もん
かつてのジオンの宇宙うちゅう要塞ようさい「ア・バオア・クー」を改装かいそうし、サイド7付近ふきんに移動いどうして再さい就役しゅうえきさせたもの。正確せいかくには旧きゅうア・バオア・クー、ルナツー、グリプス及およびその周辺しゅうへん宙ちゅう域いきを総称そうしょうしてゼダンの門もんという場合ばあいが多おおい。アクシズの衝突しょうとつにより旧きゅうア・バオア・クーが崩壊ほうかい。またルナツーの連邦れんぽう軍ぐんもティターンズから離反りはん[10]。これによりティターンズは宇宙うちゅうにおける一大いちだい拠点きょてんの一ひとつを失うしない、グリプス戦役せんえきは終局しゅうきょくへと向むかう。

所属しょぞくモビルスーツ

編集へんしゅう
ティターンズ工廠こうしょう以外いがいで開発かいはつ・生産せいさんされたMS　
ティターンズ工廠こうしょうで開発かいはつ・生産せいさんされたMS


ティターンズ工廠こうしょうの主おもな開発かいはつ技術ぎじゅつ

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう
[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく

編集へんしゅう
  1. ^ 『ADVANCE OF Ζぜーた 刻こくに抗こういし者しゃ』を参照さんしょう。
  2. ^ 『ADVANCE OF Ζぜーた ティターンズの旗はたのもとに』小説しょうせつ版ばんの法廷ほうてい編へんは、こういったグリプス戦役せんえき後ごの軍事ぐんじ裁判さいばんを舞台ぶたいとしている。
  3. ^ 『機動きどう戦士せんしガンダムUC』OVA版ばんでバイアラン・カスタムのパイロットは元もとティターンズのエースパイロットだった経緯けいいが漫画まんが『機動きどう戦士せんしガンダムUC 星ほし月がつの欠片かけら』にて描えがかれている。
  4. ^ 角川書店かどかわしょてん『機動きどう戦士せんしガンダム クライマックスU.C. 紡つむがれし血統けっとう』 『機動きどう戦士せんしガンダムΖぜーたΖぜーた外伝がいでん ジオンの幻まぼろし陽ひ』などを参照さんしょう。
  5. ^ 『A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢ゆめ-』を参照さんしょう。
  6. ^ 『機動きどう戦士せんしクロスボーン・ガンダム DUST』を参照さんしょう。
  7. ^ ジャマイカンがバスクに対たいしてスペースコロニー出身しゅっしん者しゃの割合わりあいを増ふやすように忠告ちゅうこくしている描写びょうしゃがある。
  8. ^ 『刻こくに抗こういし者しゃ』において、組織そしき規模きぼの拡大かくだいのためにティターンズの強引ごういんな手法しゅほうに馴染なじまない人員じんいんも編入へんにゅうしているが、彼かれらは参謀さんぼう本部ほんぶからは監視かんし対象たいしょうとなっている実態じったいが描えがかれている。
  9. ^ 番組ばんぐみ当初とうしょは色いろ違ちがいだけで基本きほん的てきに連邦れんぽう軍ぐん制服せいふくのデザインを逸脱いつだつしていなかったが、途中とちゅうからは敵てき味方みかたの差別さべつ化かのためにアレンジしたものへ変更へんこうされている。初期しょきには上うえからコートを着用ちゃくようする者ものが多おおいが、変更へんこう後ごは見みられなくなる。なお、ティターンズに名目めいもく上じょう属ぞくしたベン・ウッダーらの部下ぶかには、ティターンズ仕様しようの制服せいふくを連邦れんぽうのライトグレーに彩いろどったスタイルの者ものも見みられる。
  10. ^ なお、2基きのコロニーをつなぎ合あわせるこの手法しゅほうは、後のちにスウィートウォーター建造けんぞうにも応用おうようされている。

出典しゅってん

編集へんしゅう
  1. ^ ラポートデラックス『機動きどう戦士せんしΖぜーたガンダム大だい事典じてん』（復刻ふっこく版ばん、1999年ねん、ISBN 978-4897993928）P.168
  2. ^ “『機動きどう戦士せんしＺガンダム外伝がいでん 審判しんぱんのメイス』ヨーンの過去かこに深ふかい関かかわりがある「ティターンズ」とは？宇宙うちゅう世紀せいき用語ようごを徹底てってい解説かいせつ!!” (2016年ねん12月14日にち). 2020年ねん2月がつ9日にち閲覧えつらん。
  3. ^ アニメディア別冊べっさつ編集へんしゅう部ぶ 編へん『機動きどう戦士せんしΖぜーたガンダム完全かんぜん収録しゅうろく 復刻ふっこく特別とくべつ版ばん』 学研がっけんパブリッシング　p.104
  4. ^ 『機動きどう戦士せんしΖぜーたガンダム大だい事典じてん』 ラポート p.145
  5. ^ バンダイ『機動きどう戦士せんしガンダムキャラクター大だい図鑑ずかんII巻まき』P35より。
  6. ^ 大だい日本にっぽん絵画かいが 『ガンダムウォーズIII ガンダム・センチネル』 P.18
  7. ^ 角川書店かどかわしょてん 『機動きどう戦士せんしガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還きかん』第だい2巻かん[要ようページ番号ばんごう]
  8. ^ a b c 電撃でんげきホビーマガジン2012年ねん6月がつ号ごう。
  9. ^ バンダイ『機動きどう戦士せんしガンダムキャラクター大だい図鑑ずかんII巻まき』P35より。
  10. ^ 『ADVANCE OF Ζぜーた 刻こくに抗こういし者しゃ エゥーゴの蒼あおい翼つばさ』第だい3巻かん[要ようページ番号ばんごう]
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