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ハイダ語 - Wikipedia

ハイダ(ハイダご、Haida)は、カナダブリティッシュコロンビアしゅうハイダ・グワイアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくアラスカしゅうプリンスオブウェールズとうむ、ハイダぞく固有こゆう言語げんご母語ぼご話者わしゃは3集落しゅうらくすうじゅうにん減少げんしょうしており消滅しょうめつ危惧きぐされるが、わか世代せだいへの教育きょういくこころみもされている。

ハイダ
X̱aat Kíl
はなされるくに カナダの旗 カナダ (ハイダ・グワイ)、アラスカ (プリンスオブウェールズとう)
民族みんぞく ハイダぞく
話者わしゃすう 推定すいてい 55 (1995ねん) から285 (2001ねん) にん
言語げんご系統けいとう
孤立こりつした言語げんご
  • ハイダ
表記ひょうき体系たいけい ラテン文字もじ
公的こうてき地位ちい
公用こうよう Council of the Haida Nation
統制とうせい機関きかん 統制とうせいなし
言語げんごコード
ISO 639-2 hai
ISO 639-3 haiマクロランゲージ
個別こべつコード:
hdn — 北部ほくぶハイダ
hax — 南部なんぶハイダ
Glottolog haid1248[1]
消滅しょうめつ危険きけん評価ひょうか
Critically endangered (Moseley 2010)
 
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系統けいとう

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文法ぶんぽうてきていることから、エドワード・サピアはハイダナ・デネ語族ごぞくふくめた。しかしその研究けんきゅうにより孤立こりつ言語げんごとするのが定説ていせつとなっている。2008ねんに、ナ・デネ語族ごぞくとシベリアのケット(エニセイ語族ごぞく)を同系どうけいとする研究けんきゅう発表はっぴょうされ有力ゆうりょくされているが、この研究けんきゅうでもハイダ同系どうけいとする証拠しょうこ見出みいだされていない[2][3]

方言ほうげん

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ハイダおおきくみなみきたりょう方言ほうげんけられる。北部ほくぶ方言ほうげんはさらにアラスカ方言ほうげんとマセット(Masset)方言ほうげんけられる。南部なんぶ方言ほうげんにはスキドゲート(Skidegate)方言ほうげんおよびすで消滅しょうめつしたニンスティンツ(Ninstints)方言ほうげんけられる。

音韻おんいん

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母音ぼいんは、方言ほうげんによりちがうが長短ちょうたん区別くべつふくめて7ないし10種類しゅるいある。子音しいんおびおん放出ほうしゅつおん声門せいもんおとなどをふくみ30種類しゅるい以上いじょうある。音節おんせつ構造こうぞうは、たん母音ぼいん前後ぜんご単数たんすうまたは複数ふくすう子音しいんがつく構造こうぞう基本きほんとする。声調せいちょうまたは高低こうていアクセントがあり、かたり弁別べんべつにはあまり重要じゅうようでないが語形ごけい変化へんか影響えいきょうする場合ばあいがある。

文法ぶんぽう

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ぶん構造こうぞう語順ごじゅん代名詞だいめいしかく表示ひょうじこうおけなどでち、動詞どうしかなら文末ぶんまつる。語順ごじゅんSOVがた一般いっぱんてきだが、主語しゅごSが目的もくてきOよりも「上位じょうい」(たとえば動物どうぶつたいして人間にんげん無生物むせいぶつたいして動物どうぶつ、さらに社会しゃかいてき地位ちいなど)であればOSVがたでも表現ひょうげんできる(逆行ぎゃっこうがた参照さんしょう)。

名詞めいしかずかくによる変化へんか動詞どうし人称にんしょうかずによる一致いっちはないが、動詞どうし主語しゅご目的もくてきあらわせっかたち代名詞だいめいし、また動詞どうし種類しゅるいによっては目的もくてきなどの数量すうりょう類別るいべつあらわ接頭せっとうがつく場合ばあいがある。動詞どうしにはさらに多数たすう接辞せつじまたはせっおおくは動詞どうしのち)がついて文法ぶんぽうてき機能きのう派生はせい手段しゅだんあらわ接頭せっとうやめ方向ほうこう場所ばしょあらわ接尾せつびなど)をあらわす。

動詞どうしには現在げんざい過去かこ推量すいりょうの3つの基本きほん活用かつようがたがあり、これに上記じょうきのような接辞せつじせっがつく。過去かこでも直接的ちょくせつてき経験けいけんによらない場合ばあい推量すいりょうがたもちい、未来みらい時制じせい現在げんざいがた接尾せつびをつけてあらわす。形容詞けいようし動詞どうし区別くべつがなく、また「おとこである」など人間にんげん種類しゅるいや、「~ある」などの数量すうりょう表現ひょうげんにも動詞どうしもちいられる。代名詞だいめいしにはおも(動作どうさぬし)かく目的もくてき(どうしゃ)かく区別くべつがあり、一人称いちにんしょう二人称ににんしょうには単数たんすう複数ふくすうがあり、それぞれ独立どくりつがた動詞どうしなどに接尾せつびするせっ語形ごけいがある。ハイダかつ格言かくげんかんがえられ、自動詞じどうしでは種類しゅるいにより主語しゅご他動詞たどうし目的もくてきおなかくどうしゃ)を場合ばあいおおい。せっ語形ごけい代名詞だいめいし名詞めいし所有しょゆうなどの表現ひょうげんにももちいられる。類別るいべつ接頭せっとうすうひゃく種類しゅるいのぼり、名詞めいし数量すうりょう一部いちぶ動詞どうし接続せつぞくする。

定冠詞ていかんし部分ぶぶん冠詞かんし相当そうとうする接尾せつびがある。助詞じょし相当そうとうするせっとして、こうおけかく助詞じょし相当そうとう)のほかに、ふく助詞じょし相当そうとうするものがあり、話題わだい標識ひょうしきふくむ。

関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Hammarström, Harald; Forkel, Robert; Haspelmath, Martin et al., eds (2016). “ハイダ. Glottolog 2.7. Jena: Max Planck Institute for the Science of Human History. http://glottolog.org/resource/languoid/id/haid1248 
  2. ^ Vajda, Edward (2008). A Siberian Link with Na-Dene Languages.
  3. ^ Dene-Yeniseic Symposium, Alaska Native Language Center, University of Alaska, Fairbanks.

参考さんこう文献ぶんけん

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外部がいぶリンク

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