フォレスト・J・アッカーマン

フォーレスト・J・アッカーマン（Forrest J Ackerman 1916年ねん11月24日にち - 2008年ねん12月4日にち）は、アメリカ人じんのSF/ホラー関連かんれんの編集へんしゅう者しゃ、版権はんけん代理人だいりにん、作家さっか。

フォーレスト・J・アッカーマン Forrest J Ackerman
アッカーマンションにいるアッカーマン
ペンネーム	Weaver Wright, Spencer Strong, Walter Chinwell, Allis Villette, Alus Kerlay, Laurajean Ermayne, Alden Lorraine, J. Forrester Eckman, Fisher Trentworth, SF Balboa, Hubert G. Wells, Jacues De Forest Erman, Jone Lee Heard, Sgt. Ack-Ack, and Dr. Acula. 共同きょうどうペンネーム: Jacques de Forrest Erman (with Wilfred Owen Morley), Geoffrey Giles (with Walter Gillings)
誕生たんじょう	(1916-11-24) 1916年ねん11月24日にち アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく カリフォルニア州しゅうロサンゼルス
死没しぼつ	2008年ねん12月4日にち(2008-12-04)（92歳さい没ぼつ） アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく カリフォルニア州しゅうロサンゼルス
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また、SF/ホラーに関連かんれんする本ほん（英語えいご圏外けんがいも含ふくむ）、映画えいがグッズなどの膨大ぼうだいな数かずのコレクターであり、彼かれの住居じゅうきょは「アッカーマンション」と呼よばれる個人こじんミュージアムとなっていた。

アッカーマンはまた、アメリカのSFファンダムの初期しょきから長年ながねんに渡わたって活動かつどうしたSFファンとしても非常ひじょうに有名ゆうめいであり、フォーリー（Forry, 4e）、フォーレストJ（4SJ)、ミスターSFなどという愛称あいしょうでも呼よばれた。1953年ねんには、ヒューゴー賞しょうのNumber 1 Fan Personality部門ぶもんを受賞じゅしょうした。日本にっぽんのSF関係かんけい者しゃとも交流こうりゅうが深ふかく、矢野やの徹とおるとの交友こうゆうの深ふかさは伝説でんせつ的てきである。また、後のちにはワールドコン常連じょうれんとなった柴野しばの拓美たくみの親友しんゆうとなったが、あまり酒しゅを飲のめない（柴野しばの本人ほんにんは「自分じぶんは下戸げこではなく量りょうが飲のめないだけ」と主張しゅちょうしていた）柴野しばのに気きを使つかって柴野しばのの前まえでは全まったく飲酒いんしゅせず、柴野しばのは死しぬまでアッカーマンをアルコール・アレルギーだと思おもい込こんでいた。しかし、ワールドコンのジャパン・パーティーでは、柴野しばのの前まえ以外いがいでは日本酒にほんしゅを愛飲あいいんしていた。この機微きびに関かんしては宇宙塵うちゅうじんメンバーで、ワールドコンにも参加さんかしていた者もの達たちの証言しょうげんがほぼ一致いっちしているが、これを文献ぶんけん的てきに残のこした物ものは無ない様ようである。

言葉ことば遊あそびが好すきで新語しんごも数々かずかず生うみ出だしており、サイエンス・フィクションの略称りゃくしょうとして「SCI-FI（サイファイ）」を提唱ていしょうした。

スティーブン・キングらが愛好あいこうしたホラー映画えいが専門せんもん雑誌ざっし『フェイマス・モンスターズ・オブ・フィルムランド』の編集へんしゅう者しゃとしても知しられている。また、アッカーマン自身じしん、SF小説しょうせつも発表はっぴょうしている。

多おおくのSF映画えいが／テレビにカメオ出演しゅつえんし、また脚本きゃくほん担当たんとうやプロデューサーも務つとめていた。ラス・メイヤーへのリスペクト映画えいがであるダブルD・アベンジャー にもゲスト出演しゅつえんしている。

映画えいがブレードランナーに登場とうじょうしたロサンゼルスの有名ゆうめいな建物たてもの「ブラッドベリー・ビル」を設計せっけいした、ジョージ・H・ワイマンは祖父そふ。

また、SF界かいでも有名ゆうめいなエスペラント支持しじ者しゃだった。

生涯しょうがい

1916年ねん11月24日にち、ロサンゼルスでフォーレスト・ジェームズ・アッカーマン (Forrest James Ackerman) として生うまれる。ただし本人ほんにんは1930年代ねんだいからミドルネームをピリオドなしの"J"で表あらわしている。父ちちはニューヨーク出身しゅっしん、母はははオハイオ出身しゅっしんで、母ははの方ほうが父ちちより7歳さい年上としうえだった。カリフォルニア大学だいがくバークレー校こうに約やく1年ねん（1934年ねん-1935年ねん）だけ通かよい、映写えいしゃ技師ぎしとして働はたらき、1942年ねん8月がつ15日にちから3年間ねんかんアメリカ陸軍りくぐんに勤務きんむした。

教師きょうしで翻訳ほんやく家かの Wendayne (Wendy) Wahrman (1912–1990) と結婚けっこんし、死別しべつするまで添そい遂とげている。

アッカーマンは国際こくさい補助ほじょ語ごのエスペラントを流暢りゅうちょうに話はなし、かつて俳優はいゆうのレオ・G・キャロルと腕うでを組くみ、ハリウッド大通おおどおりを歩あるきながらエスペラントの歌うた「ラ・エスペーロ」を歌うたったことがあるという。

経歴けいれきとファンダム活動かつどう

1922年ねんに映画えいが One Glorious Day に出会であって衝撃しょうげきを受うけ、1926年ねんに初はじめてSF雑誌ざっしアメージング・ストーリーズを買かい、1930年ねんには The Boys' Scientifiction Club を結成けっせいした（Boysとあるのは、当時とうじ女性じょせいSFファンはユニコーンの角かくよりも珍めずらしかったため）。1932年ねんには世界せかい初はつと言いわれているSFファンジン The Time Traveller に関かかわり、後のちにスーパーマンで名声めいせいを勝かち取とることになるシーゲルとシャスターが創刊そうかんしたファンジン Science Fiction にも関かかわった。アッカーマンの名なは Science Fiction 第だい3号ごうに掲載けいさいされた "The Reign of the Super-Man" の中なかにリポーターとして登場とうじょうしている。彼かれはロサンゼルス・サイエンス・ファンタジー協会きょうかい (LASFS) の初期しょき会員かいいんの1人ひとりでもあり、数すう十じゅう年ねんに渡わたって同どう協会きょうかいで活発かっぱつに活動かつどうした。

1939年ねんには第だい1回かいワールドコンに参加さんかし、世界せかい初はつのコスプレ（アッカーマンは "futuristicostume" と名付なづけた）をした。2回かいを除のぞいて、アッカーマンは生涯しょうがい全すべてのワールドコンに参加さんかしている。アッカーマンはロサンゼルスの繁華はんか街がいのカフェテリアで毎週まいしゅう集あつまっていた Science Fiction League のロサンゼルス支部しぶの集会しゅうかいにレイ・ブラッドベリを連つれて行いった。なお、この集あつまりが後のちにロサンゼルス・サイエンス・ファンタジー協会きょうかい (LASFS) となった。そこによく来きていた作家さっかとしては、ロバート・A・ハインライン、フレドリック・ブラウン、ヘンリー・カットナー、リイ・ブラケット、ジャック・ウィリアムスンらがいる。ブラッドベリは友人ゆうじんのレイ・ハリーハウゼンを伴ともなって参加さんかしていた。1939年ねん、ブラッドベリはアッカーマンから90ドルの資金しきん援助えんじょを受うけ、Futuria Fantasia というファンジンを立たち上あげている。

アッカーマンはSF映画えいが、ファンタジー映画えいが、ホラー映画えいがなどにゆかりのある品々しなじなを多数たすう収集しゅうしゅうしたコレクションを所有しょゆうし、2002年ねんまでそれらを "Son of Ackermansion" と名付なづけた18部屋へやもある自宅じたく兼けん博物館はくぶつかんに収おさめていた（もともとの「アッカーマンション」は1950年代ねんだいから1970年代ねんだいまで住すんでいた家いえで、現存げんそんしない）。この2代目だいめアッカーマンションには30万まん冊さつの本ほんと1951年ねんから2002年ねんまで収集しゅうしゅうした様々さまざまな映画えいがとSF関連かんれんの品しながあった。アッカーマンはここで5万まん人にんものファンを歓待かんたいし、ある夜よるなどは186人にんのファンとプロの作家さっか、さらには宇宙うちゅう飛行ひこう士しエドウィン・オルドリンまで訪おとずれたことがある。アッカーマンはシアトルの Science Fiction Museum and Hall of Fame の役員やくいんでもあり、今いまではそのコレクションの多おおくはそちらで展示てんじしている。

彼かれは20世紀せいき前半ぜんはんのSF作家さっかの多おおくと知しり合あいだった。版権はんけん代理人だいりにんとして200人にんの作家さっかの代理人だいりにんを務つとめていた。また、作家さっかの死後しごも代理人だいりにんを続つづけ、アンソロジーなどに作品さくひんが掲載けいさいされる場合ばあいの業務ぎょうむを行おこなっていた。作家さっかではないがエド・ウッドの代理人だいりにんも務つとめた。アッカーマンは同どう時代じだいの若わかい作家さっかの育成いくせいにも寄与きよしており、例たとえばレイ・ブラッドベリ、レイ・ハリーハウゼン、マリオン・ジマー・ブラッドリー、L・ロン・ハバードなどが彼かれの世話せわになっている。

作家さっかとしてのアッカーマンは50の小説しょうせつを商業しょうぎょう誌しで発表はっぴょうしている。A・E・ヴァン・ヴォークト、マリオン・ジマー・ブラッドリー、ドナルド・A・ウォルハイム、C・L・ムーアといった作家さっかとの合作がっさくもあるし、世界一せかいいち短みじかい1文字もじだけの短編たんぺん小説しょうせつという作品さくひんもある。その作品さくひんは6ヶ国かこく語ごに翻訳ほんやくされている。コミックのセクシーなキャラクターヴァンピレラの名付なづけ親おやでもあり、そのコミックの原作げんさくも手てがけている。

彼かれはまた "Laurajean Ermayne" というペンネームで Vice Versa という雑誌ざっしにレズビアン小説しょうせつを書かいたことがある。またレズビアン人権じんけん団体だんたい Daughters of Bilitis の初期しょきの広報こうほう活動かつどうを助たすけた。DOBのパーティでは「名誉めいよレズビアン」と呼よばれた。

1958年ねんから1983年ねんまで Famous Monsters of Filmland という雑誌ざっしを発行はっこうし、SF映画えいが、ファンタジー映画えいが、ホラー映画えいがの歴史れきしを若わかい世代せだいの読者どくしゃに紹介しょうかいした。多おおくの映画えいが雑誌ざっしがスターを中心ちゅうしんに扱あつかっていたのに対たいして、アッカーマンは映画えいが製作せいさくの現場げんばで活躍かつやくするアーティストに注目ちゅうもくした。そうしてアッカーマンは後ごのアーティストに大おおきな影響えいきょうを与あたえた。例たとえば、ピーター・ジャクソン、スティーヴン・スピルバーグ、ティム・バートン、スティーヴン・キング、ビリー・ボブ・ソーントン、ジーン・シモンズ（キッス）、リック・ベイカー、ジョージ・ルーカス、ダニー・エルフマン、フランク・ダラボン、ジョン・ランディス、さらには無数むすうの作家さっか、監督かんとく、アーティスト、職人しょくにんがこの雑誌ざっしに影響えいきょうを受うけた。

彼かれは世界中せかいじゅうの映画えいが雑誌ざっしにも寄稿きこうしていた。例たとえばアルゼンチンの雑誌ざっし La Cosa: Cine Fantástico には4年間ねんかんコラムを連載れんさいしていた。

1960年代ねんだい、アッカーマンはドイツのSFシリーズ「宇宙うちゅう英雄えいゆうペリー・ローダン」シリーズの英語えいご訳やくをアメリカで出版しゅっぱんすることを企画きかくした。史上しじょう最もっとも長ながい小説しょうせつシリーズである。1967年ねんから1977年ねんまでエース・ブックスで出版しゅっぱんされた。アッカーマンの妻つまはドイツ語ごも堪能かんのうで、ほとんどの翻訳ほんやくを行おこなった。アメリカ版ばんの同どうシリーズは不定期ふていきに月つき1冊さつから月つき4冊さつまで出版しゅっぱんされた。後のちにエース・ブックスの経営けいえい方針ほうしんが変かわったため、ペリー・ローダンはドイツ版ばんの126話わまでで打うち切きられた（2話わを1話わにしたものや、飛とばしたエピソードがあるため、実際じっさいのアメリカ版ばんの話はなし数すうは118だった）。後のちにアッカーマンはドイツ版ばんの127話わから145話わまでを出版しゅっぱんした。ちなみにドイツでは同どうシリーズは2007年ねんに2400話わを越こえ、今いまも続つづいている。

映画えいがその他たへの出演しゅつえん

SF「B級きゅう映画えいが」をこよなく愛あいしたアッカーマンは、『ハウリング』や『イノセント・ブラッド』などモンスター映画えいがやSF映画えいがの端役はやくを含ふくめれば210以上いじょうの映画えいがにカメオ出演しゅつえんしている。マイケル・ジャクソンの「スリラー」のミュージックビデオにもカメオ出演しゅつえんしている。

小説しょうせつにも登場とうじょう人物じんぶつとしてアッカーマンがでてくるものがいくつかある。デイヴィッド・マクダニエルの0011ナポレオン・ソロものの一いち作さく『ナポレオン・ソロ8／ソロ対たい吸血鬼きゅうけつき』やフィリップ・ホセ・ファーマーの『淫いん獣じゅうの妖宴』には実名じつめいで登場とうじょうしている。ラリー・ニーヴンとジェリー・パーネルの合作がっさく『天使てんし墜落ついらく』では、アッカーマンとアッカーマンションをモデルにした人物じんぶつと家いえが登場とうじょうする。

SF界かいをテーマにした2006年ねんのドキュメンタリー映画えいが Finding the Future にはアッカーマンが出演しゅつえんしており、様々さまざまなことを語かたっている。2007年ねんのドキュメンタリー映画えいが Famous Monster: Forrest J Ackerman はアッカーマンを対象たいしょうにしたものだが、イギリスでしか放映ほうえい・DVD販売はんばいされていない。

日本にっぽんSF界かいとの関かかわり

1953年ねん、SF雑誌ざっしの投書とうしょ欄らんで知しり合あった矢野やの徹とおるをアメリカに招待しょうたいし、半年はんとし間あいだ自宅じたくに滞在たいざいさせた。矢野やのはこの間あいだに第だい11回かいワールドコンPhilcon2に参加さんかし、多おおくの編集へんしゅう者しゃ・作家さっかの知遇ちぐうを得えた。 1977年ねん5月がつ、日本にっぽんSF作家さっかクラブはSF同人どうじん雑誌ざっし「宇宙塵うちゅうじん」発刊はっかん20周年しゅうねん式典しきてんにアッカーマン夫妻ふさいを日本にっぽんに招待しょうたいした。スターログ日本語にほんご版ばんでも氏しのコレクションなどが紹介しょうかいされた。また、新田にったたつおのコミック『怪人かいじんアッカーマン』の個性こせい的てきな主人公しゅじんこうにアッカーマンの名前なまえが使用しようされている。

死し

アッカーマンは「100歳さいまで生いきてSF界かいのジョージ・バーンズになる」と言いっていた。しかし健康けんこうが衰おとろえ、2008年ねん3月がつ19日にちがMySpaceへの最後さいごのログインとなった。友人ゆうじんやファンたちはメールで激励げきれいのメッセージを送おくった。同年どうねん11月がつ6日にちごろから早はやまった訃報ふほうが何なん回かいか伝つたえられた。ジョン・ランディスは後のちに「彼かれはかなり病状びょうじょうが悪化あっかしていたが、バラク・オバマに投票とうひょうするまでは死しねないと語かたり、その通とおりに投票とうひょうした」と語かたっている。

彼かれは2008年ねん12月4日にちに亡なくなった。

受賞じゅしょう歴れき

• ヒューゴー賞しょう: Number 1 Fan Personality（1953年ねん）
• ブラム・ストーカー賞しょう 生涯しょうがい功労賞こうろうしょう（1996年ねん）

参考さんこう文献ぶんけん

• フォレスト・J・アッカーマン - IMDb（英語えいご）
• フォレスト・J・アッカーマン - Internet Speculative Fiction Database（英語えいご）
• SFWA Obituary
• SFSite: Gary Westfahl's Biographical Encyclopedia
• Article on Ackerman's persona and life
• http://www.eigafan.com/archive/from_hw/20030522.html

関連かんれん書籍しょせき

• 週刊しゅうかん少年しょうねんマガジン増刊ぞうかん『アッカーマンSF博物館はくぶつかん』（講談社こうだんしゃ、1978年ねん7月がつ）
• 石田いしだ一はじめ編著へんちょ『フォーレスト・J・アッカーマン ホラーSFコレクション博物館はくぶつかん』（キャッスルカンパニー、2009年ねん8月がつ）

外部がいぶリンク

• Forrest J. Ackerman appears onstage at the 40th anniversary of "The Time Machine"
• Interview and shoot with Forrest J. Ackerman, Bizarre Magazine
• Audio Interview with Forrest J Ackerman
• Scientifilm Previews by Forrest J Ackerman
• A Close-up Look at the Ackermansion Treasures
• Forrest J. Ackerman @ MySpace.com
• "The Unfortunate Selling of Treasures," L.A. Times
• Director Peter Jackson Discusses Forrest J Ackerman
• Pedigree of Forrest J Ackerman