プロ志望しぼう届とどけ

プロ志望しぼう届とどけ（プロしぼうとどけ）は、プロスポーツを志こころざす日本にっぽんの学生がくせいが所属しょぞくする連盟れんめいに提出ていしゅつする届出とどけで書類しょるい。

現在げんざい、野球やきゅうやバスケットボールにおいて制度せいど化かされており、本ほん項こうでは双方そうほうについて解説かいせつする。

プロ野球やきゅう

正式せいしき名称めいしょうは「プロ野球やきゅう志望しぼう届とどけ」。

プロ野球やきゅう団だんに入団にゅうだんを志こころざす高等こうとう学校がっこう3年ねん在籍ざいせき者しゃが日本にっぽん高等こうとう学校がっこう野球やきゅう連盟れんめいに、大学だいがく4年ねん在籍ざいせき者しゃが全日本ぜんにほん大学だいがく野球やきゅう連盟れんめい傘下さんかの所属しょぞくする大学だいがく野球やきゅう連盟れんめいに提出ていしゅつする。「プロ野球やきゅう団だん」は日本にっぽん野球やきゅう機構きこう（NPB）、日本にっぽん国内こくないにおける独立どくりつリーグ（四国しこくアイランドリーグplus、ベースボール・チャレンジ・リーグなど。また、日本にっぽん女子じょしプロ野球やきゅう機構きこう所属しょぞく球団きゅうだんの入団にゅうだんを希望きぼうする女子じょし部員ぶいん含ふくむ）のほか、海外かいがいのものも含ふくまれている。

概要がいよう

全国ぜんこく高等こうとう学校がっこう野球やきゅう選手権せんしゅけん大会たいかい閉幕へいまく後ごに受付うけつけを開始かいしし、プロ野球やきゅうドラフト会議かいぎ開催かいさい日びの2週間しゅうかん前まえに締しめ切きる。プロ志望しぼう届とどけを出ださなかった者ものは大学だいがく進学しんがくもしくは一般いっぱん企業きぎょう就職しゅうしょく希望きぼう者しゃとみなされ、プロ野球やきゅうのドラフト指名しめいを受うけることができない。

なお、日本にっぽん国内こくないにおける独立どくりつリーグのトライアウトを受験じゅけんする目的もくてきで提出ていしゅつする場合ばあい、NPB締切しめきり日び以降いこうの提出ていしゅつも認みとめられる。

背景はいけい

2003年度ねんどまで、高校こうこう卒業そつぎょう見込みこみ者しゃがプロ野球やきゅう球団きゅうだん関係かんけい者しゃと交渉こうしょうするためには、日本にっぽん高等こうとう学校がっこう野球やきゅう連盟れんめいの地方ちほう組織そしきに退すさ部ぶ届とどけを提出ていしゅつする必要ひつようがあった。

しかし、大学だいがく進学しんがく希望きぼう者しゃや社会しゃかい人じん野球やきゅう希望きぼう者しゃをプロ球団きゅうだんが強行きょうこう指名しめいしてのトラブルが続出ぞくしゅつしたこと（1981年ねんの西武せいぶ・工藤くどう公こう康やすし、1985年ねんの巨人きょじん・KKドラフト事件じけん（桑田くわた真澄ますみ）、1994年ねんのダイエー・城島じょうしま健司けんじなどの例れい）や退すさ部ぶ届とどけ提出ていしゅつ者しゃは高校こうこう野球やきゅう部ぶとも縁えんが切きれるため、退すさ部ぶ後ごの規律きりつ違反いはん（未成年みせいねん喫煙きつえん・飲酒いんしゅ等とう）を問とえないといった問題もんだいがあり、こうした背景はいけいから2004年度ねんどよりプロ志望しぼう届とどけが制度せいど化かされ、プロ野球やきゅう球団きゅうだん関係かんけい者しゃとの交渉こうしょう条件じょうけんも「野球やきゅう部ぶ退すさ部ぶ」から「プロ志望しぼう届とどけ提出ていしゅつ」に変化へんかした。

また2007年ねん春はる、プロ野球やきゅうの球団きゅうだんから、大学生だいがくせいが金品きんぴんを授受じゅじゅしていた（日本にっぽん学生がくせい野球やきゅう憲章けんしょうで禁きんじられている）行為こういが再度さいど発覚はっかくした件けんを受うけ、プロ野球やきゅうへの希望きぼう入団にゅうだん枠わくが廃止はいしされ、ドラフト会議かいぎの日時にちじを学生がくせい野球やきゅうシーズンの最中さいちゅうに早はやめる案あん（高校こうこう・大学だいがく・社会しゃかい人じんの一本いっぽん化か案あん）が検討けんとうされた過程かていで、2007年度ねんどより大学生だいがくせいにもプロ志望しぼう届とどけの提出ていしゅつが義務付ぎむづけられた。ただし、プロ・アマ規定きていなどにより、プロ野球やきゅう団だんの入団にゅうだんテストを受うけるためには退すさ部ぶする必要ひつようがあり、それに伴ともない大学生だいがくせいは退すさ部ぶ届とどけを提出ていしゅつしていれば、指名しめいを受うけることも可能かのうとなっている。2009年ねんの育成いくせいドラフトで読売よみうりジャイアンツに5位い指名しめいされた神田かんだ直輝なおき（群馬大学ぐんまだいがく教育きょういく学部がくぶ）は同どう大学だいがくの準じゅん硬式こうしき野球やきゅう部ぶ出身しゅっしんでプロ志望しぼう届とどけは提出ていしゅつしていなかったものの、入団にゅうだんテスト受験じゅけんに際さいし退すさ部ぶ届とどけを提出ていしゅつしていたことからこの制度せいどが適用てきようされた。2013年ねんの育成いくせいドラフトで同どう球団きゅうだんに2位い指名しめいされた長江ながえ翔太しょうた（大阪経済大学おおさかけいざいだいがく）も同様どうようのケースで指名しめいされたが、その時間じかんでは全日本ぜんにほん大学だいがく野球やきゅう連盟れんめいに連絡れんらくを取とることができず（退すさ部ぶ届とどけ提出ていしゅつ者しゃ名簿めいぼは用意よういされておらず、その都度つど連盟れんめいに確認かくにんしていた）、保留ほりゅう扱あつかいとなった。翌日よくじつ、長江ちょうこうの退すさ部ぶ届とどけの提出ていしゅつが確認かくにんされ指名しめいが承認しょうにんされた。

提出ていしゅつ後ごの扱あつかい

プロ志望しぼう届とどけ提出ていしゅつ者しゃは、提出ていしゅつ後ごも学校がっこうに退すさ部ぶ届とどけを提出ていしゅつしなければ、野球やきゅう部ぶ在籍ざいせき者しゃとみなされる。

また、卒業そつぎょうまで、未成年みせいねん喫煙きつえん・飲酒いんしゅ等とうの規律きりつ違反いはんに対たいし、処分しょぶんの対象たいしょうとなる（卒業そつぎょう前まえのプロキャンプ中ちゅうの喫煙きつえんが発覚はっかくして謹慎きんしん処分しょぶんをうけたダルビッシュ有ゆうなど）。

その他た

2005年ねんまでは、プロ志望しぼう届とどけを提出ていしゅつしながらドラフト指名しめいのなかった高校生こうこうせいについて、プロ志望しぼう届とどけ提出ていしゅつのメリットは何なんら無むしに等ひとしかったが、2006年ねんからは、プロ志望しぼう届とどけ提出ていしゅつ者しゃで過去かこドラフト指名しめいを受うけなかった四国しこくアイランドリーグ在籍ざいせき者しゃは、高校こうこうを卒業そつぎょうした翌よく年度ねんどから、ドラフト指名しめいの対象たいしょうとなることが可能かのうとなった。この規定きていは2007年ねん以降いこう発足ほっそくのベースボール・チャレンジ・リーグなどの独立どくりつリーグにも適用てきようされている。

従来じゅうらい、高校こうこう3年ねん時じのドラフトで指名しめいされなかった者ものが高校こうこうを卒業そつぎょうした翌よく年度ねんどにドラフト指名しめいを受うけるには、自己じこ出費しゅっぴで野球やきゅう浪人ろうにんするしかなかったことに比くらべると（大学だいがくは途中とちゅう退学たいがくしても指名しめい対象たいしょうから外はずされ、社会しゃかい人じん野球やきゅうは高卒こうそつ後ごは3年間ねんかん在籍ざいせきしなければ休きゅう廃部はいぶの場合ばあいを除のぞいてドラフト指名しめいを受うけられない）、NPB昇格しょうかくを目指めざして野球やきゅうに専念せんねんできる環境かんきょうにいられることで、高校こうこう卒業そつぎょう見込みこみ時じにプロ志望しぼう届とどけを出だすことが大おおきな意味いみを持もつことになる。

提出ていしゅつ者しゃ数すう

「プロ野球やきゅう志望しぼう届とどけ」を提出ていしゅつし、かつ「NPBドラフト対象たいしょう選手せんしゅ」として公示こうじされた人数にんずうは以下いかの通とおり。高校生こうこうせいの対象たいしょう者しゃは高野連こうやれんが、大学生だいがくせいの対象たいしょう者しゃは全日本ぜんにほん大学だいがく野球やきゅう連盟れんめいが発表はっぴょうする。下記かきの人数にんずうには含ふくまれないが「NPBドラフト対象たいしょう外がい」選手せんしゅの名簿めいぼも両りょう連盟れんめいから逐次ちくじ発表はっぴょうされている。

• 2004年ねん：高校生こうこうせい77人にん
• 2005年ねん：高校生こうこうせい112人にん
• 2006年ねん：高校生こうこうせい103人にん
• 2007年ねん：高校生こうこうせい106人にん・大学生だいがくせい101人にん
• 2008年ねん：高校生こうこうせい94人にん・大学生だいがくせい112人にん
• 2009年ねん：高校生こうこうせい113人にん・大学生だいがくせい104人にん
• 2010年ねん：高校生こうこうせい95人にん・大学生だいがくせい98人にん
• 2011年ねん：高校生こうこうせい87人にん・大学生だいがくせい77人にん
• 2012年ねん：高校生こうこうせい95人にん・大学生だいがくせい85人にん
• 2013年ねん：高校生こうこうせい71人にん・大学生だいがくせい56人にん
• 2014年ねん：高校生こうこうせい94人にん・大学生だいがくせい71人にん
• 2015年ねん：高校生こうこうせい78人にん・大学生だいがくせい81人にん
• 2016年ねん：高校生こうこうせい105人にん・大学生だいがくせい111人にん
• 2017年ねん：高校生こうこうせい106人にん・大学生だいがくせい105人にん
• 2018年ねん：高校生こうこうせい123人にん・大学生だいがくせい127人にん
• 2019年ねん：高校生こうこうせい139人にん・大学生だいがくせい108人にん
• 2020年ねん：高校生こうこうせい215人にん・大学生だいがくせい158人にん
• 2021年ねん：高校生こうこうせい159人にん・大学生だいがくせい139人にん
• 2022年ねん：高校生こうこうせい154人にん・大学生だいがくせい187人にん
• 2023年ねん：高校生こうこうせい139人にん・大学生だいがくせい172人にん

プロバスケットボール

日本にっぽんプロバスケットボールリーグ（bjリーグ）を志こころざす高等こうとう学校がっこう3年ねん在籍ざいせき者しゃが全国ぜんこく高等こうとう学校がっこう体育たいいく連盟れんめいバスケットボール専門せんもん部ぶに提出ていしゅつする。2011-12シーズンの新人しんじん選手せんしゅ契約けいやく制度せいど改定かいていに伴ともない明確めいかく化かされた。

プロ志望しぼう届とどけは全国ぜんこく高等こうとう学校がっこうバスケットボール選抜せんばつ優勝ゆうしょう大会たいかい閉幕へいまく後ごより受付うけつけを開始かいし。プロ志望しぼう届とどけ提出ていしゅつ者しゃは交渉こうしょう選手せんしゅ登録とうろく名簿めいぼに記載きさいされ、bjリーグ合同ごうどうトライアウトを経へることなく球団きゅうだんと契約けいやく交渉こうしょうを行おこなう権利けんりを得えることができるとされる。全日本ぜんにほん総合そうごうバスケットボール選手権せんしゅけん大会たいかいまでに記載きさいされればアーリーエントリーとして在学ざいがく中ちゅうより選手せんしゅ登録とうろくが可能かのうとなる。

なお、大学だいがく4年ねんや合同ごうどうトライアウトを受験じゅけんしてbjリーグ球団きゅうだんと契約けいやくを目指めざす者もの、ナショナル・バスケットボール・リーグ（NBL）及およびナショナル・バスケットボール・デベロップメント・リーグ（NBDL）のチームとプロ契約けいやく交渉こうしょうを行おこなう者もの、海外かいがいでプロを目指めざす者ものに対たいしてはプロ志望しぼう届とどけの提出ていしゅつ義務ぎむは課かされない。

また、2016年ねんにbjリーグとNBL・NBDLが統合とうごうして発足ほっそくされたジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ（B.LEAGUE）では現時点げんじてんでプロ志望しぼう届とどけは存在そんざいしないが、2025年ねんに第だい1回かいを開催かいさい予定よていとしているドラフト会議かいぎで採用さいようを検討けんとう中ちゅうの段階だんかいにある。

脚注きゃくちゅう

関連かんれん項目こうもく

• 日本にっぽん野球やきゅう機構きこう
• 日本にっぽんプロバスケットボールリーグ

外部がいぶリンク

• 高等こうとう学校がっこう野球やきゅう部員ぶいんのプロ野球やきゅう団だんとの関係かんけいについての規定きてい - 財団ざいだん法人ほうじん日本にっぽん高等こうとう学校がっこう野球やきゅう連盟れんめい公式こうしきサイト より。