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ヘルペスウイルス - Wikipedia

ヘルペスウイルスは2ほんくさりDNAをゲノムとするDNAウイルスのうち、Tすう16のカプシドエンベロープつつまれ直径ちょっけい200 nm(ナノメートル程度ていど球状きゅうじょう粒子りゅうし形作かたちづくるものの総称そうしょうウイルスの分類ぶんるいうえヘルペスウイルス(ヘルペスウイルスもく、Herpesvirales)をあてる。たんヘルペスぶこともあるが、これは本来ほんらいこのウイルスがこす疱疹のことである。

ヘルペスウイルス
ヘルペスウイルスの電子でんし顕微鏡けんびきょう写真しゃしん
分類ぶんるい
レルム : ドゥプロドナウィリア Duplodnaviria
さかい : ヒョンゴンウイルスかい Heunggongvirae
もん : ペプロウイルスもん Peploviricota
つな : ヘルウィリウイルスつな Herviviricetes
: ヘルペスウイルス Herpesvirales

構造こうぞう 編集へんしゅう

ゲノムは単一たんいつせんじょう2ほんくさりDNAで、ゲノムサイズは一般いっぱんおおきい。カプシドはせい20面体めんていじょう(Tすう16)で直径ちょっけい110 nm程度ていどで、そのまわりにタンパク質たんぱくしつからなるテグメント、さらにエンベロープつつんでいる。

病原びょうげんたい 編集へんしゅう

ヒトの病原びょうげんたいとしては、単純たんじゅんヘルペスウイルス水痘すいとう帯状疱疹たいじょうほうしんウイルスエプスタイン・バール・ウイルスサイトメガロウイルスなどがある。獣医じゅういがく領域りょういきではうしヘルペスウイルス1がた5がたぶたヘルペスウイルス1がたうまヘルペスウイルス1がた4がたねこヘルペスウイルス1がた鳥類ちょうるい伝染でんせんせい喉頭こうとう気管きかんえんウイルスなどがしばしば問題もんだいになる。また水産すいさんがく領域りょういきではコイヘルペスウイルス危険きけん病原びょうげんたいとして認識にんしきされている。

分類ぶんるい 編集へんしゅう

国際こくさいウイルス分類ぶんるい委員いいんかい(2014ねん)によれば、319ぞく94しゅみとめられている。

命名めいめいほう 編集へんしゅう

ヘルペスウイルスの学名がくめいは、自然しぜん宿主しゅくしゅぞくする(または)の英名えいめいつづけてherpes virusとし、あとはアラビア数字すうじ機械きかいてきれんばんをつける慣習かんしゅうになっている。このうちもちいるのは霊長れいちょうウシかぎられており、またヒト自然しぜん宿主しゅくしゅとする場合ばあい例外れいがいてきHumanとする。ただしこの方式ほうしき確立かくりつする以前いぜんからひろられていたウイルスなどは、学名がくめいとはことなる名称めいしょう同様どうよう通用つうようする場合ばあいがある(たとえばエプスタイン・バール・ウイルス)。

歴史れきし 編集へんしゅう

ヘルペスウイルスは1960ねんにイギリスの獣医じゅうい学者がくしゃWalter Plowrightオグロヌーから見出みいだしたのが最初さいしょである。1971ねん国際こくさいウイルス分類ぶんるい委員いいんかい発表はっぴょうした最初さいしょ報告ほうこくしょで、ヘルペスウイルスぞくHerpesvirus)が設立せつりつされた。だい2はん(1976ねん)で昇格しょうかくし(ただしHerpetoviridaeというまぎらわしい名前なまえだった)、だい3はん(1979ねん)でヘルペスウイルスHerpesviridae)に改称かいしょうされた。その水生すいせい生物せいぶつ宿主しゅくしゅとするウイルスの系統けいとう関係かんけいあきらかになったことから、だい9はん(2009ねん)で昇格しょうかくした。