ヘンリー・ディアボーン

ヘンリー・ディアボーン（Henry Dearborn, 1751年ねん2月がつ23日にち - 1829年ねん6月6日にち）は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの医師いし、政治せいじ家か、軍人ぐんじん。アメリカ独立どくりつ戦争せんそうおよび米べい英えい戦争せんそうに参加さんかし、1801年ねんから1809年ねんまで第だい5代だいアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく陸軍りくぐん長官ちょうかんを務つとめた。

ヘンリー・ディアボーン

生おい立たちと家族かぞく

1751年ねん2月がつ23日にち、ディアボーンはニューハンプシャー植民しょくみん地ちノースハンプトンにおいて、サイモン・ディアボーン (Simon Dearborn, 1706-1750) とサラ・マーストン (Sarah Marston, 1706-1775) の第だい12子しとして誕生たんじょうした。ディアボーンは幼少ようしょう時代じだいをエッピングで過すごし、公立こうりつ学校がっこうで教育きょういくを受うけた。その後ごディアボーンは医学いがくを学まなび、1772年ねんにノッティンガムで開業医かいぎょういとなった。

1771年ねん9月22日にち、ディアボーンはニューハンプシャー植民しょくみん地ちのノッティンガムにおいて、メアリー・バートレット (Mary Bartlett, 1751-1778) と結婚けっこんした。2人ふたりの間あいだにはソフィア・ディアボーン (Sophia Dearborn, 1773-1814) とパメラ・オーガスタ・ディアボーン (Pamela Augusta Dearborn, 1775-1799) の2女じょが生うまれた。ディアボーンは1778年ねんにソフィアと死別しべつすると、1780年ねん3月28日にちにドーカス・オズグッド (Dorcas Osgood, 1752-1810) と再婚さいこんした。2人ふたりの間あいだにはジュリア・カスカライン・ディアボーン (Julia Cascaline Dearborn, 1781-1867)、ヘンリー・アレクサンダー・スキャンメル・ディアボーン (Henry Alexander Scammell Dearborn, 1783-1851)、ジョージ・ローリー・ディアボーン (George Raleigh Dearborn, 1784-1806) の2男なん1女じょが生うまれた。ディアボーンは1810年ねんにドーカスと死別しべつすると、1813年ねん11月にサラ・ボードン (Sarah Bowdoin) と再婚さいこんした。2人ふたりの間あいだには子供こどもは生うまれなかった。

アメリカ独立どくりつ戦争せんそう

アメリカ独立どくりつ戦争せんそうが開戦かいせんすると、ディアボーンはジョン・スターク大佐たいさ率ひきいるニューハンプシャー第だい1連隊れんたいに大尉たいいとして所属しょぞくし、バンカーヒルの戦たたかいで60人にんのボストン市し民兵みんぺいを指揮しきした。その後ごディアボーンはベネディクト・アーノルドの下したでカナダ侵攻しんこう作戦さくせんに参加さんかしたが、1775年ねん12月31日にちにケベックの戦たたかいでイギリス軍ぐんに拘束こうそくされた。

1776年ねん5月、ディアボーンは仮釈放かりしゃくほうを受うけた。その後ごディアボーンは再ふたたび大陸たいりく軍ぐんに参加さんかし、1777年ねん3月がつに少佐しょうさとなった。ディアボーンはタイコンデロガの戦たたかい、フリーマン農場のうじょうの戦たたかい、そしてサラトガの戦たたかいに参加さんかした。1777年ねん冬ふゆ、ディアボーンはジョージ・ワシントンの直属ちょくぞく軍ぐんに中佐ちゅうさとして加くわわり、バレーフォージに駐留ちゅうりゅうして越冬えっとうした。ディアボーンは1778年ねんのモンマスの戦たたかいに参加さんかし、1779年ねんのサリバン遠征えんせいではジョン・サリバン少将しょうしょうに随伴ずいはんし、ニューヨーク州しゅう北部ほくぶでイロコイ族ぞくと対峙たいじした。1781年ねん、ディアボーンは大佐たいさに昇進しょうしんし、副ふく補給ほきゅう局長きょくちょうとしてワシントンの補佐ほさ役やくに加くわわった。ディアボーンはヨークタウンの戦たたかいでチャールズ・コーンウォリス率ひきいるイギリス軍ぐんが降伏ごうぶくする場面ばめんに立たち会あった。

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく陸軍りくぐん長官ちょうかん

1783年ねん6月がつ、ディアボーンは大陸たいりく軍ぐんを退しりぞき、マサチューセッツ州しゅうガーディナー（現在げんざいのメイン州しゅう）に移住いじゅうした。ディアボーンはメイン地区ちく担当たんとうの連邦れんぽう保安ほあん官かんとなり、1793年ねんまで同職どうしょくを務つとめた。1793年ねん、ディアボーンは共和党きょうわとうから連邦れんぽう下院かいん議員ぎいんに選出せんしゅつされ、1797年ねんまで2期き4年ねん、同職どうしょくを務つとめた。1801年ねん3月がつ、トーマス・ジェファーソンが大統領だいとうりょうに就任しゅうにんすると、ジェファーソン大統領だいとうりょうはディアボーンを陸軍りくぐん長官ちょうかんに任命にんめいした。ディアボーンは陸軍りくぐん長官ちょうかんとして、インディアンをミシシッピ川がわ以西いせいに移住いじゅうさせる計画けいかくを支援しえんした。ディアボーンはジェファーソン大統領だいとうりょうの任期にんき満了まんりょうとなる1809年ねん3月がつまで同職どうしょくを務つとめた。

米べい英えい戦争せんそう

1809年ねん、ディアボーンはジェームズ・マディソン大統領だいとうりょうによってボストン港こうの徴税ちょうぜい官かんに任命にんめいされた。ディアボーンは同職どうしょくを1812年ねん1月がつまで務つとめた。1812年ねん1月がつ27日にち、ディアボーンは合衆国がっしゅうこく陸軍りくぐんに参加さんかし、上級じょうきゅう少将しょうしょうに任にんぜられた。ディアボーンはナイアガラ川がわからニューイングランド沿岸えんがんにかけての北東ほくとう部ぶ地域ちいきでの指揮しきを任まかされた。米べい英えい戦争せんそうが開戦かいせんすると、ディアボーンはモントリオール、キングストン、ナイアガラ要塞ようさい、そしてデトロイトに対たいする防備ぼうび計画けいかくを策定さくていし、同時どうじ攻撃こうげきに備そなえた。だが計画けいかくは完全かんぜんには遂行すいこうされず、デトロイトに十分じゅうぶんな兵力へいりょくを固かためることができなかった。その結果けっか、デトロイト包囲ほうい戦せんにおいて合衆国がっしゅうこく陸軍りくぐんのウィリアム・ハル将軍しょうぐんはアイザック・ブロック率ひきいるイギリス軍ぐんの威嚇いかくに耐たえられず、一いち戦せんも交まじえずにデトロイト砦とりでを明あけ渡わたしてしまった。ディアボーンは1813年ねん4月がつ27日にちにヨーク（現在げんざいのトロント）を、1813年ねん5月27日にちにジョージ要塞ようさいを獲得かくとくしたが、戦局せんきょくに大おおきな影響えいきょうをもたらすことはなかった。ディアボーンは1813年ねん7月がつ6日にちに前線ぜんせんから呼よび戻もどされ、ニューヨーク市しでの指揮しき管理かんりを任にんぜられた。その後ごディアボーンは、ウィリアム・ハルに対たいしてデトロイトでの敗北はいぼく責任せきにんを問とう軍法ぐんぽう会議かいぎで議長ぎちょうを務つとめ、ハルに有罪ゆうざい判決はんけつを下くだした。ディアボーンは1815年ねん6月15日にちに合衆国がっしゅうこく陸軍りくぐんを退しりぞいた。

晩年ばんねん

ディアボーンは陸軍りくぐんを退しりぞいた後のち、ジェームズ・マディソン大統領だいとうりょうから陸軍りくぐん長官ちょうかんへの就任しゅうにん要請ようせいを受うけた。だが上院じょういんの承認しょうにんを受うけられなかった。ジェームズ・モンローが大統領だいとうりょうに就任しゅうにんすると、ディアボーンは自みずから要請ようせいして、駐ちゅうポルトガル公使こうしとなった。ディアボーンは1822年ねん5月7日にちから1824年ねん6月30日にちまで駐ちゅうポルトガル公使こうしを務つとめた。

1824年ねん、駐ちゅうポルトガル公使こうしを退しりぞいたディアボーンは、マサチューセッツ州しゅうロックスベリーに隠居いんきょした。そして1829年ねん6月6日にち、ディアボーンはロックスベリーの自宅じたくで死去しきょした。ディアボーンの遺体いたいはボストン郊外こうがいのフォレストヒルズ墓地ぼちに埋葬まいそうされた。

外部がいぶリンク

• United States Congress. "ヘンリー・ディアボーン (id: D000178)". Biographical Directory of the United States Congress (英語えいご).
• Henry Dearborn biography at the United States Army
• Henry Dearborn biography at Famous Americans

公職こうしょく
先代せんだい サミュエル・デクスター	アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく陸軍りくぐん長官ちょうかん 1801年ねん3月5日にち - 1809年ねん3月4日にち	次代じだい ウィリアム・ユースティス