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リベラリズム (国際関係論) - Wikipedia

リベラリズム (国際こくさい関係かんけいろん)

リベラリズム英語えいご: Liberal international theory or Liberalism in IR)とは、現実げんじつ主義しゅぎなら国際こくさい関係かんけいろん主要しゅよう学派がくはのひとつである。多元たげん主義しゅぎ理想りそう主義しゅぎ国際こくさい協調きょうちょう主義しゅぎともばれることがある。

18世紀せいきフランスのモンテスキューやドイツのカント、19世紀せいきイギリスのジェレミ・ベンサムジョン・スチュアート・ミルなどの思想しそう源流げんりゅうとなっている。代表だいひょうてき政治せいじとしては、だいいち世界せかい大戦たいせんのち国際こくさい連盟れんめい創設そうせつ提唱ていしょうしたアメリカ大統領だいとうりょうウッドロウ・ウィルソンげられる。

概要がいよう

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国家こっか能力のうりょくよりも国家こっか選好せんこう国家こっか行動こうどうおも決定けってい要因よういんであると主張しゅちょうする。国家こっか単一たんいつ主体しゅたいとみる現実げんじつ主義しゅぎことなって、リベラリズムは国家こっか行為こういにおける多元たげんせい許容きょようする。それゆえに選好せんこう国家こっかによってわり、文化ぶんか経済けいざい体制たいせい政治せいじ体制たいせいのような要因よういん依存いぞんする。リベラリズムはまた国家こっかあいだ相互そうご作用さよう政治せいじレベルに限定げんていされるだけでなく(ハイポリティクス)、企業きぎょう国際こくさい機構きこう個人こじんつうじて経済けいざい分野ぶんや(ローポリティクス)にまでおよぶと主張しゅちょうする。したがって協調きょうちょうけたおおくの機会きかいや、文化ぶんか資本しほんのような広範こうはん権力けんりょく概念がいねんふくまれる。

もうひとつの前提ぜんていは、絶対ぜったい利得りとく協調きょうちょう相互そうご依存いぞんつうじてられ、平和へいわ達成たっせいされるというものである。

リベラリズムにはすうおおくの潮流ちょうりゅう存在そんざいする。商業しょうぎょうてきリベラリズム、(ネオ)リベラル制度せいどろん理想りそう主義しゅぎレジームろんなどがふくまれる。

ネオリベラリズム

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国際こくさい関係かんけいろんでは、他国たこくとの相対そうたい利得りとくよりも絶対ぜったい利得りとく優先ゆうせんてきかんがえる学派がくはネオリベラリズムぶ。この理論りろんは、ゲーム理論りろんのような共通きょうつう方法ほうほうろんてきツールを利用りようするため、経済けいざいがくイデオロギーとしてのネオリベラリズムとよく混同こんどうされる。

ネオリベラル国際こくさい関係かんけいろん研究けんきゅうしゃは、しょ国家こっかがなぜ協調きょうちょうするのかを説明せつめいするためにゲーム理論りろんもちいる[1]。プラスサムの可能かのうせい強調きょうちょうする傾向けいこうがあるため、このましい配置はいち妥協だきょううなが制度せいど研究けんきゅうしゃたちは関心かんしんっている。

ネオリベラリズムは、ネオリアリズムへの応答おうとうとして登場とうじょうしてきた。国際こくさいシステムのアナーキー性格せいかく否定ひていしない一方いっぽうで、ネオリベラリズムは、アナーキーの重要じゅうようせい効果こうか誇張こちょうされていると指摘してきする。ネオリベラリズムの議論ぎろんは、分権ぶんけんてきなシステムにおいて協調きょうちょう行動こうどう可能かのうであること、またその形態けいたい多様たようせいをネオリアリズムが過小かしょう評価ひょうかしているてん焦点しょうてんけている[2]。しかし、両方りょうほう理論りろんとも、国家こっかおよびその利益りえき分析ぶんせき中心ちゅうしんてき主題しゅだいであるとかんがえている。

自律じりつてき合理ごうりてきなアクターからなるアナーキーなシステムであっても、規範きはん、レジーム、制度せいど創設そうせつつうじた協調きょうちょうまれるとネオリベラリズムはろんじる。

ネオリベラリズムとネオリアリズムの論争ろんそうは、双方そうほう実証じっしょう主義しゅぎてきで、基本きほんてき分析ぶんせき単位たんいとして国家こっかシステムに焦点しょうてんおもてているため、パラダイム内部ないぶ論争ろんそうである。

ロバート・コヘインジョセフ・ナイがネオリベラリズムの学派がくは提唱ていしょうしゃかんがえられている。コヘインの著書ちょしょ覇権はけん国際こくさい政治せいじ経済けいざいがく』はこの分野ぶんや古典こてんである。

出典しゅってん

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  1. ^ ロバート・コヘイン『覇権はけん国際こくさい政治せいじ経済けいざいがくあきらよう書房しょぼう、1998ねん
  2. ^ Evans, Graham. The Penguin Dictionary of International Relations. London: Penguin Books 

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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