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リミックス - Wikipedia

リミックス

複数ふくすう既存きそんきょく編集へんしゅうしてあらたな楽曲がっきょく手法しゅほう

リミックスremix)とは、複数ふくすう既存きそんきょく編集へんしゅうしてあらたな楽曲がっきょく手法しゅほうひとつ。リミックス・アルバムremix album)についても、解説かいせつする。

解説かいせつ 編集へんしゅう

複数ふくすうトラック録音ろくおんされた既存きそん楽曲がっきょくおと素材そざいさい構成こうせいしたり様々さまざま加工かこうくわえることによって、そのきょくあらたなバージョンを製作せいさくすること。

狭義きょうぎてき意味いみとしては、時代じだいわせたバランスにしなおことふくまれる(ミキシング)。アルバムさい発売はつばいするさいや、ベスト・アルバムあらためて収録しゅうろくするさいなどにおこなわれる。狭義きょうぎでは本来ほんらいはこちらを言葉ことばである。

また、派生はせいてき手法しゅほうとして上記じょうき意味いみだけならず、さらあたらしいおとしたりアレンジえた演奏えんそう追加ついかしたり、オリジナルバージョンの素材そざい一部いちぶだい部分ぶぶんくなど、積極せっきょくてきあたらしいバージョンを作成さくせいする、またはその楽曲がっきょくそのものもリミックスにふくまれる。上記じょうき両方りょうほうともに、あらためてミキシング(mixing)しなおすことから、mixに「再度さいど」を意味いみする接頭せっとうre-がついた。

本来ほんらい意味いみでのリミックスについてはミキシングこう参照さんしょうことほんこうでは後者こうしゃ派生はせいした意味いみでのリミックスをあつかう。

歴史れきし 編集へんしゅう

誕生たんじょう 編集へんしゅう

リミックスは、1970年代ねんだいジャマイカレゲエエンジニアであったキング・タビーによって偶然ぐうぜん発見はっけんされたダブはしはっする。

発展はってん 編集へんしゅう

リミックスが世界せかいてき普及ふきゅうしたきっかけは、1970年代ねんだい後半こうはんニューヨークにおけるディスコ・ブームであった。ファンクソウルのレコードのなかで、ダンスフロアでおどっている人々ひとびとに(おどりやすいという理由りゆうで)このまれる部分ぶぶん演奏えんそう時間じかんなにとかしてばしたいとかんがえたディスクジョッキーたちが、当初とうしょおなじレコードを2まい用意よういし、それらをならべていたターンテーブルで若干じゃっかん時間じかんけて再生さいせいし、ミキサーをもちいて手作業てさぎょうでそれらのレコードの「延長えんちょうしたい部分ぶぶん」を交互こうごにプレイしていたのであるが[注釈ちゅうしゃく 1]、やがて最初さいしょからDJが使つかいやすいように原曲げんきょくばしたり、ヴォーカルのぞいたり、おどりやすいブレイク英語えいごばん部分ぶぶんおとのパーツを強調きょうちょうしたレコードが発売はつばいされた。

最初さいしょのディスコけリミックスは、ニューヨークのDJであるウォルター・ギボンズががけたファンクバンド、ダブル・エクスポージャー(Double Exposure)の「TEN PERCENT」というきょくのロング・リミックスである。わずかすうぶん原曲げんきょくを9ふん以上いじょうばしたこのリミックスばん爆発ばくはつてきだいヒットとなった。のちにはダンスけでない普通ふつうポップスであっても、ディスコやクラブけてもらうことによるプロモーション効果こうかねらった「ダンス・リミックス」が12インチシングルにカップリングとして収録しゅうろくされるようになった。

その、リミックスの技法ぎほう発達はったつ成熟せいじゅくにより、ディスコで使用しようするためではなく、完全かんぜん原曲げんきょくさい構成こうせいしてまったくべつきょくつくすようなリミックスもあらわれた[注釈ちゅうしゃく 2]

2000ねん以降いこう 編集へんしゅう

パソコンおよびループシーケンサーひとしデジタル機器きき発達はったつによって、アマチュアミュージシャンでも気軽きがるにリミックスに挑戦ちょうせんする機会きかいあたえられ、裾野すそのひろがっている。れいとして、ニコニコ動画どうがとうでアマチュアミュージシャンがのアーティストのきょくをカバーし投稿とうこうする「○○をうたってみた」なども、その内容ないようしつわなければリミックスのうちの1つとえる。また、プロの現場げんばであってもWAVひとし音声おんせいファイル送信そうしん受信じゅしん短時間たんじかん国境こっきょうまでもえるほど簡易かんいてきになったため、その自由じゆう際限さいげんはほとんどくなったとえる。

評価ひょうか 編集へんしゅう

原曲げんきょくさい評価ひょうかつながることもある半面はんめん原曲げんきょくのイメージをえることにたいしては批判ひはんてき意見いけんもある。1998ねん発売はつばいされた「ルパンさんせい」シリーズのリミックスアルバム『PUNCH THE MONKEY!』はのちにシリーズされ、収録しゅうろくきょくアニメ本編ほんぺん使つかわれたれいもあるが、作曲さっきょくしゃ一人ひとりである大野おおの雄二ゆうじは「ルパンのきょく注目ちゅうもくされた」というてん好意こういてきめながらも、「なかには自分じぶんきょくをワンフレーズしか使つかっていないものもあって、(原曲げんきょくが)自分じぶんきょくである必要ひつようがあるのかとおもう」と、全面ぜんめんてきには肯定こうていしていないことをうかがわせる発言はつげんをしている[1]

脚注きゃくちゅう 編集へんしゅう

注釈ちゅうしゃく 編集へんしゅう

  1. ^ たとえばAという楽曲がっきょく間奏かんそう部分ぶぶん30秒間びょうかんばしたい場合ばあい、この楽曲がっきょくを30びょう時間じかんけて2つのターンテーブルで再生さいせいする。さき再生さいせい開始かいししたターンテーブルにかれたレコードの当該とうがい間奏かんそう部分ぶぶん終了しゅうりょうする直前ちょくぜんに、ミキサーをもちいてもうひとつのレコードの出力しゅつりょくえる。さらにこうやってばした30びょうあいだに、さき使用しようしたレコードのはり位置いちもどしておいて、おなじようにしてミキサーで出力しゅつりょくを「はり位置いちもどしたレコード」のほうえる。この作業さぎょうかえすことで、ディスクジョッキーは当該とうがい間奏かんそう部分ぶぶんてしなく再生さいせいつづけることが出来できる。
  2. ^ しかしながら、リミックスのなか一番いちばんおおきな需要じゅようがあるものは、依然いぜんとしてダンスフロアけのものである。アナログ・レコードで発売はつばいされるダンス・シングルのほとんどは、そのきょくのオリジナル・バージョンとはべつに1~3きょく程度ていどのリミックス・バージョンが収録しゅうろくされている。一方いっぽう日本にっぽんにおいては、カラオケ練習れんしゅうようとしての需要じゅようにより、シングルにヴォーカルだけをいたインストゥルメント・ミックス(オリジナルカラオケ)を収録しゅうろくすることがおおい。

出典しゅってん 編集へんしゅう

  1. ^ ルパンさんせいクロニクルSPECIAL LUPIN THE THIRD THE ORIGINAL-NEW MIX 2005- -REMIXED BY YUJI OHNO-』(2005ねんコロムビアミュージックエンタテインメント)のライナーノーツより。

関連かんれん項目こうもく 編集へんしゅう