(Translated by https://www.hiragana.jp/)
主日 - Wikipedia

おも(しゅじつ)とは、キリスト教きりすときょう日曜日にちようびしていう言葉ことばである[1]。「おも」「聖日せいじつ」ともばれる。あるじイエス・キリスト復活ふっかつであることから、おもとしてこのようにぶ。安息日あんそくび同一どういつされることもあるが、教派きょうはによって解釈かいしゃくことなり、正教会せいきょうかいカトリック教会きょうかいでは元々もともと安息日あんそくび土曜日どようびであるとして、おもとは区別くべつしている。

概要がいよう

編集へんしゅう

新約しんやく聖書せいしょによると、イエス・キリストは「安息日あんそくびわってしゅうはじめの」すなわち日曜日にちようび復活ふっかつした[2]。このためヨハネの黙示録もくしろく1しょう10せつの「おも」にもとづき、キリストきょうではキリストの復活ふっかつ記念きねんして、復活ふっかつである日曜日にちようびを「おも」とび、礼拝れいはいおこなうようになった。また、おもとく記念きねんして聖餐せいさんしきおこなったのはキリスト教きりすときょうのごく初期しょきからのことである[1]おおくの教会きょうかいで、おもかなら礼拝れいはいミサ聖体せいたい礼儀れいぎ)をおこなうべきものとかんがえられている。

キリスト教きりすときょう祭日さいじつのうち、以下いか祭日さいじつは、かならおも日曜日にちようび)におこなわれる。

名称めいしょう起源きげん比較ひかく

編集へんしゅう

日曜日にちようびを「しゅキリストの」のである「おも」と言語げんごには

などがある。これらの言語げんごでの日曜日にちようび呼称こしょうはこの「おも」の意味合いみあいである。またベトナム日曜日にちようび意味いみする「Chủ nhật」も「おも」のベトナムみである。

以下いかは、「おも」の呼称こしょう日曜日にちようび呼称こしょう比較ひかくをあげる。

かく教派きょうはでのあつか

編集へんしゅう

正教会せいきょうかい

編集へんしゅう

正教会せいきょうかいでは、おもハリストス復活ふっかつ成就じょうじゅした曜日ようびとしてとく記憶きおくし、おもちいさな復活ふっかつさいとしてもとらえている[4]。そのため、おも土曜日どようび日没にちぼつからしゅ日日ひにちぼつまで)の祈祷きとうぶん大半たいはん復活ふっかつをテーマにしたものとなっている。正教会せいきょうかい優勢ゆうせい地域ちいきであるギリシャロシア場合ばあい、ギリシアでは日曜日にちようび上記じょうきとおり「Κυριακή(キリアキ)」であり「おも」という意味いみであるが、ロシアでは日曜日にちようびを「Воскресенье(ヴァスクリセーニイェ)」すなわち「復活ふっかつ」とぶことにもそれはあらわれている。

おも聖体せいたい礼儀れいぎ

編集へんしゅう
 
おもにおける、徹夜てつやいのり聖体せいたい礼儀れいぎおこなわれるときあいだたいしめ教会きょうかいれきいちにち日没にちぼつからはじまり日没にちぼつわる。個々ここ教会きょうかいごとに、おこなわれる時刻じこく多少たしょうのばらつきがある。

正教会せいきょうかいでは、おも聖体せいたい礼儀れいぎは、にちちゅうかつ午前ごぜんちゅうおこなうことがさだめられている。ぜんばんである土曜日どようび日没にちぼつおもかぞえ、ばんいのりおこなう。司祭しさい以上いじょう神品しんぴん一人ひとりたからひとつにつき、聖体せいたい礼儀れいぎおこなうことがゆるされるのはいちにちいちかいのみであるため、必然ひつぜんてき神品しんぴん一人ひとりしかいないか、たからひとつしかない教会きょうかい場合ばあいおも聖体せいたい礼儀れいぎはそのいちかいのみしかおこなえないこととなる。

日本にっぽんハリストス正教会せいきょうかいニコライどうにはたから複数ふくすうあり、きわめてわずかな期間きかん(1950年代ねんだい前半ぜんはん、および1964ねん)であったものの、おも聖体せいたい礼儀れいぎが1にちに2かいおこなわれていた時期じきもあった[5]ことにもみられるように、司祭しさい以上いじょう神品しんぴん複数ふくすうたから複数ふくすうある教会きょうかいでは、おも聖体せいたい礼儀れいぎをそのあたりにふくすうかいおこなうことも可能かのうである(担当たんとうする司祭しさいわらなければならない)。

ただし、こまかくさだめられた製法せいほうまも自家製じかせい発酵はっこうパンを一定いっていりょう用意よういすることは、たから複数ふくすうようするようなだい教会きょうかいであればあるほど信徒しんとすうわせて作成さくせいりょう手間てまのかかるものであり、さらにせい器物きぶつ祭具さいぐ)の用意よういかかさだめられた事項じこう多岐たきわたるなどの事情じじょうから、おもふくすうかい聖体せいたい礼儀れいぎおこな教会きょうかい海外かいがいでもおおくはない。

カトリック教会きょうかい

編集へんしゅう

カトリック教会きょうかいでは、イエス・キリストが「しゅうはじめの」に復活ふっかつしたことを記念きねんし、キリストの復活ふっかつによって開始かいしされたあたらしい創造そうぞうしめ記念きねんであるとしている[6]おも日曜日にちようび)をいわい、祭儀さいぎおこなうことが教会きょうかい生活せいかつ中心ちゅうしんであり、「おもおよびそのまもるべき祝日しゅくじつには、信者しんじゃミサにあずかる義務ぎむゆうする」と新教しんきょうかい法典ほうてんさだめられている[7]

現代げんだいのカトリック教会きょうかいでは、土曜日どようび日没にちぼつ以降いこうおもミサ(聖体せいたい祭儀さいぎ)をおこなうことができる。正教会せいきょうかいちがい、同一どういつ司祭しさい同一どういつ祭壇さいだんいちにちふくすうかいミサをおこなうこともできる。

せい公会こうかい

編集へんしゅう

おも聖餐せいさんしき教会きょうかいひろおこなわれる。現代げんだいのカトリック教会きょうかい同様どうようせい公会こうかいでも同一どういつ司祭しさいぶん場合ばあい執事しつじ)が同一どういつ祭壇さいだんいちにちふくすうかい聖餐せいさんしきおこなうこともできる。

プロテスタント

編集へんしゅう

プロテスタントには、様々さまざま内実ないじつ教派きょうはがあり、おも呼称こしょうあつかいについても、おもにどのような礼拝れいはい活動かつどうおこなうかも、教派きょうはかく教会きょうかいによってまちまちである。正教会せいきょうかい・カトリック教会きょうかいせい公会こうかい同様どうようただせい変化へんかかんする見解けんかいはこれらの教会きょうかいことなることほとんどである)の聖餐せいさんしきおこな場合ばあいもあれば、特別とくべつ礼拝れいはいおこなわない場合ばあいもある。おも特別とくべつ礼拝れいはいおこな教会きょうかいでも、回数かいすういちがついちかいなどに限定げんていされている場合ばあいもある。

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう
  1. ^ a b キリスト教きりすときょうだい事典じてん 改訂かいてい新版しんぱんだい9はんきょうぶんかん、1988ねん
  2. ^ 新約しんやく聖書せいしょマタイによる福音ふくいんしょ』28しょう1せつ - 6せつ、『ヨハネによる福音ふくいんしょ』20しょう1せつ
  3. ^ 現代げんだいギリシャかか内容ないようであるため、現代げんだいみの転写てんしゃほんこうでは採用さいようする。
  4. ^ 参考さんこう文献ぶんけん高橋たかはし保行やすゆき『ギリシャ正教せいきょう講談社こうだんしゃ学術がくじゅつ文庫ぶんこ
  5. ^ 出典しゅってん:『東京とうきょう復活ふっかつだい聖堂せいどう修復しゅうふく記念きねん日本にっぽんハリストス正教会せいきょうかい教団きょうだん(1998年刊ねんかん)91ぺーじどう97ぺーじ
  6. ^ カトリック教会きょうかいのカテキズム』 2174、2190 (日本語にほんごばん p638、p643)
  7. ^ カトリック教会きょうかいのカテキズム』 2177、2180 (日本語にほんごばん p639、p640)

関連かんれん項目こうもく

編集へんしゅう