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人事 - Wikipedia

人事じんじ(じんじ)とは、団体だんたい組織そしきにおける職員しょくいん処遇しょぐうなどの決定けっていかんする業務ぎょうむ

人事じんじ制度せいどとは従業じゅうぎょういん処遇しょぐう決定けっていする仕組しくみをいい、狭義きょうぎには、等級とうきゅう制度せいど職能しょくのう職務しょくむ役割やくわり)、評価ひょうか制度せいど能力のうりょく職務しょくむ役割やくわり)、報酬ほうしゅう制度せいど基本給きほんきゅう手当てあて賞与しょうよ)の3つの制度せいどから構成こうせいされる[1]広義こうぎには、勤務きんむ形態けいたい労働ろうどう時間じかん福利ふくり厚生こうせいなど従業じゅうぎょういんかんするすべての仕組しくみを[1]人事じんじけんとは採用さいよう配置はいち異動いどう人事考課じんじこうか昇進しょうしん昇格しょうかく懲戒ちょうかい処分しょぶんなど、労働ろうどうしゃ地位ちい変動へんどう処遇しょぐうかんする使用しようしゃ決定けってい権限けんげん[2]

概説がいせつ

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人事じんじ制度せいどは、従業じゅうぎょういん企業きぎょうたいするエンゲージメントをたかめるため、目標もくひょう設定せってい評価ひょうかレビュー、能力のうりょく開発かいはつ/後継こうけいしゃ育成いくせい褒賞ほうしょう密接みっせつ連携れんけいして運営うんえいされる体系たいけいである[3]人事じんじ制度せいどは、従業じゅうぎょういん意識いしきさらに組織そしき風土ふうどおおきな影響えいきょうあたえるほか、人件じんけん負担ふたん増加ぞうかにも影響えいきょうあたえる[4]

米国べいこく発祥はっしょうのHuman resource management(HRM)の日本語にほんごやくである人材じんざいマネジメントの概念がいねんがあり、米国べいこくでは従来じゅうらい労務ろうむ管理かんり(personal management)にかわって登場とうじょうした概念がいねんである[5]従来じゅうらい労務ろうむ管理かんり(personal management)は、短期たんきてき受動じゅどうてきで、雇用こようかんする視点してん集団しゅうだんてき、システムも機械きかいてき集権しゅうけんてきひとたいして規定きていされた役割やくわりもとめるといった特徴とくちょうがあった[6]。また、従来じゅうらい労務ろうむ管理かんり実行じっこう責任せきにんしゃ会社かいしゃ人事じんじ部門ぶもんとされ、評価ひょうか基準きじゅんはコストの最小さいしょうにあった[6]。これにたいして人材じんざいマネジメント(Human resource management)は、長期ちょうきてき能動のうどうてきで、雇用こよう関係かんけいかんする視点してん個人こじんにあり、システムも権限けんげん移譲いじょうなど柔軟じゅうなん役割やくわり規定きていされる特徴とくちょうがある[6]。また、人材じんざいマネジメントでは実行じっこう責任せきにんしゃ会社かいしゃ人事じんじ部門ぶもんではなくラインマネージャーとされ、評価ひょうかもコストの最小さいしょうよりも人材じんざい最大限さいだいげん活用かつようにある[6]

入社にゅうしゃから退職たいしょくまでの一連いちれんながれをリソースフローという[7]

等級とうきゅう制度せいど

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等級とうきゅう制度せいどとは、個人こじん能力のうりょく職務しょくむ内容ないようおうじた等級とうきゅう資格しかく職階しょっかい)をさだめて、企業きぎょうないでの従業じゅうぎょういん位置いちづけを決定けっていすることをいう[1]一般いっぱんてきに、職責しょくせき職務しょくむ)や能力のうりょくかいをつけ、上位じょうい等級とうきゅうほど賃金ちんぎんたかくなるようになっている。

等級とうきゅう制度せいどには、職能しょくのう資格しかく制度せいど職務しょくむ等級とうきゅう制度せいど役割やくわり等級とうきゅう制度せいどがある。

  • 職能しょくのう資格しかく制度せいど
    職務しょくむ遂行すいこう能力のうりょく職能しょくのう)におうじて等級とうきゅう決定けっていする仕組しくみを職能しょくのう資格しかく制度せいどという[8]一般いっぱんてきに、職能しょくのう要件ようけんしょなどとばれる等級とうきゅうごとの能力のうりょく定義ていぎおこない、従業じゅうぎょういん能力のうりょくをもとに等級とうきゅう位置いちづけをおこなうものである。昇格しょうかく基準きじゅんには、卒業そつぎょう方式ほうしき入学にゅうがく方式ほうしきがあり、前者ぜんしゃ現在げんざい等級とうきゅうもとめられる能力のうりょくたしたときに上位じょうい等級とうきゅう昇格しょうかくさせるもので、後者こうしゃ上位じょうい等級とうきゅうもとめられる能力のうりょくたしたときにその等級とうきゅう昇格しょうかくさせるものである。
  • 職務しょくむ等級とうきゅう制度せいど
    職務しょくむ内容ないよう職種しょくしゅおよ役職やくしょく)におうじて等級とうきゅう決定けっていする仕組しくみを職務しょくむ等級とうきゅう制度せいどという[8]
    なお職階しょっかいせいとは、おも公務員こうむいんなどにれられている制度せいどで、役職やくしょく等級とうきゅう一致いっちさせる制度せいどである。
    この制度せいどのメリットとしては、仕事しごと役割やくわり役職やくしょく)と賃金ちんぎんがマッチするので、納得なっとくかんやすいことであろう。その反面はんめんとして、賃金ちんぎん業務ぎょうむとの相関そうかん関係かんけい解析かいせきされることはなく、また上位じょういポストがいていないと本人ほんにんにどれだけ能力のうりょくがあっても昇進しょうしん昇格しょうかく)ができないため、モチベーションががってしまうことがある。
  • 役割やくわり等級とうきゅう制度せいど
    役割やくわり役職やくしょくおよ習熟しゅうじゅく)におうじて等級とうきゅう決定けっていする仕組しくみを役割やくわり等級とうきゅう制度せいどという[8]

等級とうきゅう制度せいどにおいて、上位じょうい等級とうきゅうがることを昇格しょうかく昇級しょうきゅう)といい、たとえば4きゅうだった従業じゅうぎょういんが5きゅうがるといったことである。なお、役職やくしょくがることを昇進しょうしんといい、たとえば課長かちょうだった従業じゅうぎょういん部長ぶちょうになるといったことである。

評価ひょうか制度せいど

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評価ひょうか制度せいどとは、人事考課じんじこうかあるいは査定さていともいい、従業じゅうぎょういん職務しょくむじょう成果せいか勤務きんむじょう態度たいど評価ひょうかして等級とうきゅう報酬ほうしゅう決定けっていすることをいう[1]

評価ひょうかは、従業じゅうぎょういん報酬ほうしゅう決定けってい昇格しょうかく昇進しょうしん決定けってい配置はいち異動いどう参考さんこう個人こじん能力のうりょく開発かいはつなどのためにおこなわれる[9]

使用しよう目的もくてきによる分類ぶんるい

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  • 昇給しょうきゅう考課こうか: 昇給しょうきゅう決定けっていするための評価ひょうか[9]
  • 賞与しょうよ考課こうか: 賞与しょうよ決定けっていするための評価ひょうか[9]

評価ひょうか内容ないようによる分類ぶんるい

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  • 成果せいか評価ひょうか業績ぎょうせき評価ひょうか): 仕事しごとじょう実績じっせき売上うりあげ目標もくひょう生産せいさん個数こすうなど)による評価ひょうか[9]
  • 能力のうりょく評価ひょうか: 仕事しごと遂行すいこうじょう能力のうりょく判断はんだんりょくなど)による評価ひょうか[9]
  • 情意じょうい評価ひょうか: 仕事しごとへのみや勤務きんむ態度たいど積極せっきょくせいなど)やコンプライアンス(法令ほうれい遵守じゅんしゅ)による評価ひょうか[9]

コンピテンシーおよ目標もくひょう管理かんり制度せいど

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評価ひょうか項目こうもく抽象ちゅうしょうてきだと考課こうかしゃ評価ひょうかするひと)の考課こうか能力のうりょくによっては結果けっかやすいという側面そくめんがある。成果せいか主義しゅぎれる企業きぎょうえてくれるにつれ、評価ひょうか制度せいど透明とうめいせい公平こうへいせい必要ひつようもとめられるようになった。そのあらわれとして、具体ぐたいてき行動こうどうをもとに評価ひょうかし、コンピテンシーや目標もくひょう管理かんり制度せいど導入どうにゅうする企業きぎょうえてきている。

コンピテンシー
目標もくひょう管理かんり
目標もくひょう管理かんりとは、期首きしゅ半期はんきもしくは通期つうき業務ぎょうむ目標もくひょう設定せっていし、その達成たっせい度合どあいで評価ひょうかするものである。しかしながら、目標もくひょう設定せっていにバラつきがあると効果こうかひくくなる側面そくめんがある。

エラー考課こうか

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人事考課じんじこうか誤差ごさ(エラー)は、意図いとてきなエラー考課こうか無意識むいしきてきなエラー考課こうか分類ぶんるいされる[10]

無意識むいしきてきなエラー考課こうか
  • ハロー効果こうか
  • 寛大かんだい傾向けいこう (Illusory superiority)
  • 中心ちゅうしん中央ちゅうおう)・極端きょくたん分散ぶんさん傾向けいこう (Central tendency)
  • 論理ろんり誤差ごさ
  • 対比たいひ誤差ごさ
  • 近接きんせつ誤差ごさ
  • 期末きまつ考課こうか
  • きん時点じてん効果こうかエラー
  • 先入観せんにゅうかんエラー
  • 親近しんきんかんエラー
  • 帰属きぞく要因よういんエラー
  • 厳格げんかく傾向けいこう
  • だいいち印象いんしょう効果こうか

報酬ほうしゅう制度せいど

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報酬ほうしゅう制度せいどとは、等級とうきゅう評価ひょうか結果けっかおうじて従業じゅうぎょういん月例げつれい給与きゅうよ賞与しょうよなどを決定けっていすることをいう[1]

賃金ちんぎん体系たいけいには、時給じきゅうせい日給にっきゅうせい日給にっきゅう月給げっきゅうせい月給げっきゅうせい年俸ねんぽうせいなどがあるが、一般いっぱんに、正社員せいしゃいんでは日給にっきゅう月給げっきゅうせい年俸ねんぽうせいをとることがおおい。また、そのがくをどのようにめるかでは、つぎの3つがおおきな要素ようそとなる。

  • 生活せいかつ生計せいけい保障ほしょう
    年齢ねんれい勤務きんむ場所ばしょ扶養ふよう家族かぞくすうなどの要素ようそ決定けっていされるもの。年齢ねんれいきゅう通勤つうきん手当てあてとく勤務きんむ手当てあて扶養ふよう手当てあてなどがあてはまる。
  • 業務ぎょうむ能力のうりょく対価たいか
    能力のうりょくたかさや業務ぎょうむ困難こんなんさによって決定けっていされるもの。職能しょくのうきゅう役職やくしょく手当てあてなどのほか、夜間やかん休日きゅうじつきゅう超過ちょうか勤務きんむ(いわゆる残業ざんぎょう手当てあて特殊とくしゅ勤務きんむ手当てあてなどがあてはまる。なお、公務員こうむいんおよ議員ぎいんとう賃金ちんぎんにおいては、税収ぜいしゅう総額そうがくおうじた業務ぎょうむ対価たいか性質せいしつへの転換てんかんつよもとめられている。
  • 労働ろうどう市場いちばでの価値かち
    一般いっぱんてきに、転職てんしょくすることによって仕事しごと処遇しょぐうのレベルアップをはかるアメリカにおいてられる方法ほうほうで、「この仕事しごとをできるひと採用さいようするのには、どのくらいの賃金ちんぎん必要ひつようか」「このポジションのひとめるのにはどのくらいの賃金ちんぎん必要ひつようか」などといった、労働ろうどう市場いちばでの価値かちもとづき賃金ちんぎん決定けっていする。

なお、人材じんざいマネジメントでははたらくことによってられるものすべてを「報酬ほうしゅう」とし、賃金ちんぎん退職たいしょくきん外的がいてき報酬ほうしゅうはたら甲斐がい内的ないてき報酬ほうしゅうとらえる[11]

広義こうぎ人事じんじ制度せいど

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人材じんざいマネジメント

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人材じんざいマネジメントは米国べいこく発祥はっしょうのHuman resource management(HRM)の日本語にほんごやくである[5]米国べいこくでは1950年代ねんだい後半こうはんから1960年代ねんだいにかけて従来じゅうらい労務ろうむ管理かんり(personal management)にかわって人材じんざいマネジメント(Human resource management)への転換てんかんしょうじ、ひと代替だいたい可能かのうなコストではなく投資とうしすべき資源しげんかんがえられるようになったといわれている[5]

人事じんじ評価ひょうか

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人事じんじ評価ひょうか人材じんざいマネジメントのための判断はんだん材料ざいりょうとなる情報じょうほうである[11]

採用さいよう

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人材じんざいマネジメントでは採用さいようはリソースフローの入口いりくちとらえられる[11]

新卒しんそつ採用さいよう

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新卒しんそつ採用さいようとは、正社員せいしゃいんとうとしての職務しょくむ経験けいけん社会しゃかい経験けいけんい、教育きょういく機関きかん卒業そつぎょうしたばかりのひと採用さいようすることである。したがって学生がくせい対象たいしょう採用さいよう活動かつどうおこなわれることになる。

経験けいけんしゃ採用さいよう中途ちゅうと採用さいよう

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経験けいけんしゃ採用さいようとは新卒しんそつ採用さいよう対義語たいぎごとして、一定いってい職務しょくむ経験けいけん社会しゃかい経験けいけんがあるひと採用さいようすることである(一方いっぽう、「中途ちゅうと採用さいよう」は定期ていき採用さいよう対義語たいぎごとして、定期ていき採用さいよう以外いがい時期じき採用さいようされる場合ばあいすこともある)。

採用さいよう手法しゅほう

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  • 新卒しんそつ採用さいよう場合ばあいは、公募こうぼ学校がっこう推薦すいせんの2種類しゅるい公募こうぼは「リクナビ」や「マイナビ」などの就職しゅうしょく情報じょうほう会社かいしゃのWebサイトや大学だいがくのWebサイトに求人きゅうじん情報じょうほう掲載けいさいするWeb媒体ばいたいと、就職しゅうしょく情報じょうほう会社かいしゃ大学だいがく開催かいさいする合同ごうどう会社かいしゃ説明せつめいかい出展しゅってんする方法ほうほうがある。中学校ちゅうがっこう高等こうとう学校がっこうハローワークつうじての求人きゅうじんとなる。
  • 経験けいけんしゃ採用さいようについて。人材じんざい紹介しょうかいごうアウトプレースメントなどをおこな会社かいしゃ登録とうろくされる人材じんざい紹介しょうかいしてもらう方法ほうほう特定とくてい個人こじん特定とくていスキルを人材じんざい直接ちょくせつ交渉こうしょう転職てんしょくをさせるヘッドハンティングかた人材じんざい紹介しょうかい利用りよう、「en社会しゃかいじん就職しゅうしょく情報じょうほう」や「リクナビNEXT」などの就職しゅうしょく情報じょうほう会社かいしゃのWebサイトに求人きゅうじん情報じょうほう掲載けいさい募集ぼしゅうする方法ほうほうがある。
  • 正規せいき社員しゃいん契約けいやく社員しゃいん、パートタイマー)の採用さいようは、ハローワーク求人きゅうじんしたり、フリーペーパー新聞しんぶん広告こうこくなどに求人きゅうじん情報じょうほうしたりして募集ぼしゅうすることがおおいが、人材じんざい紹介しょうかい会社かいしゃからの紹介しょうかいやWebサイトを使つかうこともある。

人事じんじ異動いどうともいい、従業じゅうぎょういん担当たんとう業務ぎょうむ勤務きんむ変更へんこうす。人材じんざいマネジメントでは異動いどう適材適所てきざいてきしょ人材じんざい配置はいちのための重要じゅうよう手法しゅほうとしてとらえられる[11]。また、出向しゅっこう転籍てんせきがある。

出向しゅっこうとは、べつ会社かいしゃ異動いどうとなることをす。出向しゅっこうには、広義こうぎ意味いみでは「在籍ざいせき出向しゅっこう」と「転籍てんせき出向しゅっこう」があり、狭義きょうぎ意味いみでは「在籍ざいせき出向しゅっこう」をす。

出向しゅっこう在籍ざいせき出向しゅっこう

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出向しゅっこうとは、一時いちじてきないしは定年ていねんまでべつ会社かいしゃ団体だんたい異動いどう配置はいち転換てんかん)をおこな形態けいたいである。出向しゅっこうもととの労働ろうどう契約けいやくむすんだまま出向しゅっこうさきとのあいだにも労働ろうどう契約けいやく関係かんけい成立せいりつし、出向しゅっこうさき指揮しき命令めいれいけて労働ろうどう従事じゅうじする。
判例はんれいでは、就業しゅうぎょう規則きそく労働ろうどう協約きょうやく出向しゅっこうめいじうるむね規定きていがあり、出向しゅっこうによって賃金ちんぎん退職たいしょくきんその労働ろうどう条件じょうけんめんでの不利益ふりえきしょうじないように制度せいど整備せいびされ、出向しゅっこう実質じっしつてき配転はいてん同視どうしされるような場合ばあいには、労働ろうどうしゃ個別こべつてき同意どういがなくとも出向しゅっこうめいじることができる、とされる(新日鉄しんにってつ事件じけんさいはん平成へいせい15ねん4がつ18にち)。なお労働ろうどう契約けいやくほう14じょう使用しようしゃ出向しゅっこうめいずる権利けんりがある場合ばあいであっても濫用らんようである場合ばあいには無効むこうとする規程きていをおいている。
出向しゅっこう目的もくてきにはつぎのものがある。
  • 自社じしゃ加入かにゅうしている業界ぎょうかい団体だんたい研究けんきゅう機関きかん出向しゅっこうする場合ばあい
  • 自社じしゃにない技術ぎじゅつなどを習得しゅうとくするため、他社たしゃ親会社おやがいしゃ出向しゅっこうする場合ばあい
  • 自社じしゃっている技術ぎじゅつなどの伝達でんたつのため、子会社こがいしゃなどに出向しゅっこうする場合ばあい
  • グループ会社かいしゃない人材じんざい交流こうりゅうのため
  • 余剰よじょう人員じんいん削減さくげんのため
  • 人員じんいん一時いちじてき融通ゆうずうのため
※ごくまれ軽度けいど不祥事ふしょうじ損失そんしつ関与かんよした人物じんぶつさい教育きょういく名目めいもく関係かんけい会社かいしゃ出向しゅっこうさせられて、閑職かんしょくいやられるれいもある。

転籍てんせき転籍てんせき出向しゅっこう

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転籍てんせきとは、従業じゅうぎょういんべつ会社かいしゃ異動いどうさせ、かつ、せきまでうつす(出向しゅっこうもととの労働ろうどう契約けいやく解消かいしょうする)ことである。出向しゅっこうしゃ定年ていねん間近まぢかであったり子会社こがいしゃ資本しほん関係かんけい変更へんこうなどのケースでは、出向しゅっこうしゃがそのまま出向しゅっこうさき転籍てんせきするケースもめずらしくない。
在籍ざいせき出向しゅっこう場合ばあいことなり、判例はんれいでは、命令めいれい転籍てんせきしゃ個別こべつてき同意どうい必要ひつようがあり、就業しゅうぎょう規則きそく労働ろうどう協約きょうやく出向しゅっこうめいじうるむね規定きていがあったとしても、これを根拠こんきょ転籍てんせきめいじることはできない、とされる(日東にっとうタイヤ事件じけんさいはん昭和しょうわ48ねん10がつ19にち)。

退職たいしょく

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退職たいしょくについては、退職たいしょく参照さんしょうのこと。

人材じんざい開発かいはつおよ教育きょういく訓練くんれん

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人材じんざい開発かいはつ企業きぎょうひと投資とうしして育成いくせいおこなうことをいう[11]

OJT (on the job training) とは、職場しょくばない研修けんしゅうともやくされ、職場しょくば先輩せんぱい上司じょうしから後輩こうはい部下ぶかたいし、業務ぎょうむつうじて教育きょういくほどこ制度せいどである。ただし、指導しどうしゃだれにするか、達成たっせい目標もくひょうをどのレベルに設定せっていするかを明確めいかくにしないと、OJTというのもとに放置ほうちさせてしまう危険きけんせいがある。

Off・JT (off the job training) とは、職場しょくば業務ぎょうむそとおこな教育きょういく訓練くんれん制度せいどで、教育きょういく訓練くんれん制度せいど狭義きょうぎ意味いみでは、Off・JTをす。

階層かいそうべつ教育きょういく
階層かいそうべつ教育きょういくとは、職種しょくしゅわず、おな経験けいけん企業きぎょうない位置いちづけにある社員しゃいんあつめておこな教育きょういく訓練くんれん制度せいどのことである。新入しんにゅう社員しゃいん研修けんしゅう新任しんにん管理かんりしょく教育きょういくなどがこれにあてはまる。
職能しょくのうべつ研修けんしゅう
職能しょくのうべつ研修けんしゅうとは、たような職種しょくしゅ社員しゃいんあつめておこな教育きょういく訓練くんれん制度せいどのことである。

自己じこ啓発けいはつ

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自己じこ啓発けいはつとは、社員しゃいんみずからの意思いしにより教育きょういく訓練くんれんのことである[12]

  • 読書どくしょ
  • セミナーなどへの参加さんか
  • オーディオセミナー、オンラインセミナーの聴講ちょうこう
  • コーチング、カウンセリングをける
  • 業種ぎょうしゅ交流こうりゅうかいへの参加さんか
  • 旅行りょこう

組織そしき開発かいはつ

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計画けいかくてき組織そしき効果こうかたかめるためのみを組織そしき開発かいはつという[11]

福利ふくり厚生こうせい

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法定ほうてい福利ふくり法定ほうていがい福利ふくり

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福利ふくり厚生こうせい制度せいどとは、賃金ちんぎんとはべつ従業じゅうぎょういん労働ろうどう意欲いよく向上こうじょうのためのしょ政策せいさくであり、2つに大別たいべつできる。

法定ほうてい福利ふくりかんして、保険ほけんりょうは、健康けんこう保険ほけん厚生こうせい年金ねんきん雇用こよう保険ほけんはそれぞれ労使ろうし折半せっぱん労災ろうさい保険ほけん健康けんこう診断しんだん会社かいしゃがわ全額ぜんがく負担ふたんすることになっている。

法定ほうていがい福利ふくりかんしては、一般いっぱんに(勤続きんぞく長期ちょうきにより給付きゅうふレベルにはあるものの)従業じゅうぎょういん一律いちりつ設定せっていされるものであり、その福利ふくり厚生こうせい制度せいど利用りようできるひととそうでないひと発生はっせいし、不公平ふこうへいかん発生はっせいすることがある(たとえば、うわ社宅しゃたく制度せいどにおいて、一定いっていがく賃貸ちんたいりょう補助ほじょする場合ばあいにおいて、いえひと親元おやもとから通勤つうきんするひとにはこのメリットを享受きょうじゅできないなどといったこと)てんや、保養ほようしょなどの施設しせつ福利ふくり厚生こうせい施設しせつ)の建設けんせつ維持いじ管理かんり費用ひよう負担ふたんとなるてんなどの問題もんだいがある。

また、企業きぎょう規模きぼ大小だいしょうが、法定ほうていがい福利ふくり充実じゅうじつ直結ちょっけつしている。

近年きんねん後述こうじゅつするカフェテリアプラン採用さいようしたり、福祉ふくし削減さくげんするわりに一部いちぶ賃金ちんぎん上乗うわのせする制度せいど導入どうにゅうするなどの改革かいかくられる。

カフェテリアプラン

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カフェテリアプラン[13]とは、選択せんたくがた福利ふくり厚生こうせいともい、カフェテリアしき食堂しょくどうのようにきな(べたい)ものを自分じぶんえらぶのにているところから名前なまえいた福利ふくり厚生こうせい制度せいどで、福利ふくり厚生こうせいメニューのうち自分じぶんのポイント(付与ふよ金額きんがく)の範囲はんいで、自分じぶん必要ひつようなメニューを選択せんたくできるものである。

アメリカでまれ発展はってんしたといわれている。日本にっぽんにおいてはベネッセコーポレーションが1995ねん導入どうにゅうしたのが最初さいしょ事例じれいとされる。4だい監査かんさ法人ほうじん健康けんこう保険ほけん組合くみあい例外れいがいなくカフェテリアプランを導入どうにゅうしている。

具体ぐたいてきには、従業じゅうぎょういん各自かくじにポイント(職階しょっかい勤続きんぞく年数ねんすうおうじて多寡たかがある場合ばあいもある)が一定いってい期間きかんごとに付与ふよされる。会社かいしゃがわは、「1ポイント=1,000えん」というようにレートを設定せっていし、資格しかく取得しゅとく費用ひよう補助ほじょ住宅じゅうたく補助ほじょ、レクリエーション施設しせつ利用りようというように利用りよう可能かのうサービスを提示ていじする。そして、従業じゅうぎょういん利用りようしたサービスの費用ひようを、付与ふよされたポイントを消費しょうひするかたち会社かいしゃがわ費用ひよう補助ほじょおこなう。

カフェテリアプランは、上述じょうじゅつのような従来じゅうらい制度せいど問題もんだいてん解決かいけつでき、福利ふくり厚生こうせい効率こうりつ福利ふくり厚生こうせい総額そうがく管理かんりがしやすい)や従業じゅうぎょういんのモラルをたかめられるとかんがえられる。しかし、サービスの内容ないようによって課税かぜいされるもの、非課税ひかぜいのものが混在こんざいしており、導入どうにゅう運用うんよう複雑ふくざつであったり、税務ぜいむ当局とうきょくとの対立たいりつ火種ひだねになる可能かのうせいがあるなどの問題もんだいてんもある。

研修けんしゅう

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総務そうむしょう公務員こうむいんにおいては、つぎのようなテーマをげて研修けんしゅうおこなっている[14]

  • 人事じんじ制度せいど改革かいかく必要ひつようせい
  • 人事じんじ制度せいど改革かいかく効果こうか
  • 現状げんじょう打破だは
  • 人事じんじ部門ぶもん役割やくわり
  • ひとはたら理由りゆう
  • 個人こじん組織そしきのありかた
  • キャリアの形成けいせい
  • 管理かんり職員しょくいん意識いしき改革かいかく
  • 人事じんじのオープン
  • 人材じんざい育成いくせい観点かんてん
  • 職員しょくいん参加さんかがた制度せいど設計せっけい
  • 制度せいど構築こうちくのための情報じょうほう収集しゅうしゅう
  • 職務しょくむ把握はあく分類ぶんるい
  • キャリア選択せんたく仕組しく
  • 評価ひょうか試行しこう見直みなお
  • 納得なっとくせいたかめる方法ほうほう
  • 評価ひょうかしゃ評価ひょうかしゃ訓練くんれん
  • 能力のうりょく評価ひょうかのありかた
  • 機能きのうする目標もくひょう管理かんり制度せいど
  • 評価ひょうか結果けっか活用かつよう
  • フィードバックの必要ひつようせい

出典しゅってん

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  1. ^ a b c d e 深瀬ふかせ勝範かつのり図解ずかい!「人事じんじ」のすべて」秀和しゅうわシステム、2011ねん、96ぺーじ
  2. ^ 改訂かいてい新版しんぱん 世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん人事じんじけん
  3. ^ 入江いりえ 2018.
  4. ^ 深瀬ふかせ勝範かつのり図解ずかい!「人事じんじ」のすべて」秀和しゅうわシステム、2011ねん、97ぺーじ
  5. ^ a b c 坪谷つぼや邦生くにお図解ずかい 人材じんざいマネジメント入門にゅうもん 人事じんじ基礎きそをゼロからおさえておきたいひとのための「理論りろん実践じっせん」100のツボ』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2020ねん、3ぺーじ 
  6. ^ a b c d 坪谷つぼや邦生くにお図解ずかい 人材じんざいマネジメント入門にゅうもん 人事じんじ基礎きそをゼロからおさえておきたいひとのための「理論りろん実践じっせん」100のツボ』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2020ねん、11ぺーじ 
  7. ^ 坪谷つぼや邦生くにお図解ずかい 人材じんざいマネジメント入門にゅうもん 人事じんじ基礎きそをゼロからおさえておきたいひとのための「理論りろん実践じっせん」100のツボ』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2020ねん、18ぺーじ 
  8. ^ a b c 深瀬ふかせ勝範かつのり図解ずかい!「人事じんじ」のすべて」秀和しゅうわシステム、2011ねん、98ぺーじ
  9. ^ a b c d e f 深瀬ふかせ勝範かつのり図解ずかい!「人事じんじ」のすべて」秀和しゅうわシステム、2011ねん、104ぺーじ
  10. ^ 人事じんじマネジメント:いま、なぜ「考課こうかしゃ研修けんしゅう」が必要ひつようなのか? - 『日本にっぽん人事じんじ 2009ねん6がつ15にち
  11. ^ a b c d e f 坪谷つぼや邦生くにお図解ずかい 人材じんざいマネジメント入門にゅうもん 人事じんじ基礎きそをゼロからおさえておきたいひとのための「理論りろん実践じっせん」100のツボ』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2020ねん、3ぺーじ 
  12. ^ 自己じこ啓発けいはつとは?ビジネス心理しんりがく
  13. ^ 黒田くろだ関口せきぐち(2003ねん
  14. ^ 人事じんじ制度せいどかんがえる ヒント21(平成へいせい17ねん4がつ

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 入江いりえ, 仁之ひとし『「すぐまる組織そしき」のつくりかた ー OODAマネジメント』フォレスト出版しゅっぱん、2018ねんISBN 978-4-866800-09-7 
  • 黒田くろだ兼一けんいち関口せきぐち定一さだいち現代げんだい人事じんじ労務ろうむ管理かんり八千代やちよ出版しゅっぱん、2003ねんISBN 4842912049

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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