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会計ソフトウェア - Wikipedia

会計かいけいソフトウェア(かいけいソフトウェア、えい: accounting software)は、会計かいけい記録きろく処理しょりするアプリケーションソフトウェアであり、買掛かいかけきん台帳だいちょう売掛金うりかけきん台帳だいちょう賃金ちんぎん台帳だいちょう試算しさんひょうといった機能きのうモジュールからる。企業きぎょう組織そしき自製じせいする場合ばあいサードパーティーから購入こうにゅうする場合ばあいサードパーティー各種かくしゅアプリケーションをわせて使つか場合ばあいがある。機能きのう価格かかく様々さまざまである。

この市場いちばは、欧米おうべいでは1990年代ねんだいなか以降いこうベンダーの合併がっぺいつづき、淘汰とうたすすんでいる。日本にっぽん国内こくないにおいて企業きぎょうけのローエンド製品せいひんは、クラウドコンピューティングもちいた会計かいけいソフト話題わだいになることがおお今後こんご普及ふきゅう見込みこまれている。

2016ねん12月、経済けいざい産業さんぎょうしょうフィンテック活用かつよう促進そくしんするため「財務ざいむ会計かいけい業務ぎょうむでのクラウドサービスの活用かつようりつなどをもと数値すうち目標もくひょう策定さくてい[1]するひとし日本にっぽん中小ちゅうしょう企業きぎょうたい会計かいけいソフトウェアとしてクラウドがた会計かいけいソフト積極せっきょくてき使用しよううなが政策せいさくした。また、同月どうげつ会計かいけいソフトウェア大手おおてである弥生やよい株式会社かぶしきがいしゃ個人こじん事業主じぎょうぬしけのクラウド会計かいけいソフト「やよいの白色はくしょく申告しんこく オンライン」を永年えいねん無償むしょうする[2]ひとし会計かいけいソフトウェアのシェアをめぐる競合きょうごう活発かっぱつとなっている。クラウドがた会計かいけいソフトウェアと金融きんゆう機関きかんむすびつきにかんしては、けいさんしょうの「サービスとう生産せいさんせい向上こうじょうIT導入どうにゅう支援しえん事業じぎょう」にえらばれる金融きんゆう機関きかん[3]るなど従来じゅうらいよりもみがすすんでいる。そして、2017ねん税務ぜいむ申告しんこく時期じきわせて、全国ぜんこく商工しょうこう会議かいぎしょのなかにはクラウドがた会計かいけいソフト導入どうにゅうセミナー[4]企画きかくする商工しょうこう会議かいぎしょあらわれるなど、会計かいけいソフトウェアの利用りよう市場いちばにおいて大幅おおはば普及ふきゅうしている。そのため、会計かいけいソフトウェア利用りようそう(個人こじん法人ほうじん)におけるオンプレミスからクラウドへの移行いこう加速かそくしていく見通みとおしである[5]

会計かいけいソフトウェアは、会計かいけいかかわる特定とくてい部分ぶぶんあつかうモジュールの集合しゅうごうたいとなっていることがおおい。典型てんけいてきなモジュールとしては、つぎのようなものがある。

中核ちゅうかくモジュール

編集へんしゅう
売掛金うりかけきん台帳だいちょう
企業きぎょうはいってくる金銭きんせん記録きろくする。
買掛かいかけきん台帳だいちょう
企業きぎょう支払しはら金銭きんせん記録きろくする。
そう勘定かんじょう元帳もとちょう
企業きぎょうの「帳簿ちょうぼ
請求せいきゅうしょ作成さくせい
顧客こきゃくやクライアントけの請求せいきゅうしょ作成さくせいする。
棚卸たなおろし資産しさん在庫ざいこ
企業きぎょう棚卸たなおろし資産しさん在庫ざいこ)を管理かんりする。
発注はっちゅう
企業きぎょう在庫ざいこ注文ちゅうもんする。
受注じゅちゅう処理しょり
顧客こきゃく注文ちゅうもん記録きろく管理かんりする。

中核ちゅうかくモジュール

編集へんしゅう
債権さいけん回収かいしゅう
売掛金うりかけきん回収かいしゅうじょうきょう監視かんしする。
電子でんしマネー処理しょり
経費けいひ
従業じゅうぎょういんによるビジネス活動かつどう経費けいひ記録きろくする。
わせ
編集へんしゅうなんらかの追加ついかをせずに、情報じょうほうをそのまま表示ひょうじする。
賃金ちんぎん台帳だいちょう
給料きゅうりょう賃金ちんぎん関連かんれんする税金ぜいきんなどを記録きろくする。
報告ほうこく
データのプリントアウトをおこなう。
就労しゅうろう時間じかん管理かんり
弁護士べんごしコンサルタントなどの専門せんもん職種しょくしゅで、かくクライアントのためにはたらいた時間じかん記録きろくし、それぞれのクライアントに請求せいきゅうするためのデータとする。
調達ちょうたつ
かく部門ぶもん発注はっちゅうをまとめ、効率こうりつてき発注はっちゅう作業さぎょうおこなえるようにする。

なお、ベンダーによってかくモジュールのことなる。

導入どうにゅう

編集へんしゅう

おおくの場合ばあいTCO考慮こうりょするとソフトウェアの機能きのうそのものよりもその導入どうにゅう形態けいたい重要じゅうよう要因よういんとなる。中規模ちゅうきぼ以上いじょうおおきなアプリケーションは、再販さいはん業者ぎょうしゃ開発かいはつ業者ぎょうしゃ、コンサルタントが独占どくせんてき販売はんばいしている。この場合ばあい、ライセンスりょうはソフトウェアベンダーにわたるが、それ以外いがいにインストール、カスタマイズ、サポートサービスについても料金りょうきん発生はっせいする。ソフトウェア本体ほんたい以外いがい料金りょうきんはソフトウェア本体ほんたい価格かかくのだいたい50%から200%になる。

ソフトウェアベンダーが再販さいはん業者ぎょうしゃかいさずに、直接ちょくせつ販売はんばい顧客こきゃくサポートをおこな場合ばあいもある。

分類ぶんるい

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個人こじん会計かいけい

編集へんしゅう

家庭かてい家計かけい簿として使つかうもので、おも買掛かいかけきん台帳だいちょう支出ししゅつ明細めいさい)の機能きのう中心ちゅうしんとし、安価あんかである。

企業きぎょうけのローエンド製品せいひんは、一般いっぱんてき会計かいけい機能きのうのほとんどを安価あんか提供ていきょうする。ベンダーは特定とくていくに会計かいけい方式ほうしきのみをサポートしていることがおおい。だい規模きぼベンダーは様々さまざまくに会計かいけい方式ほうしき対応たいおうした製品せいひんしている。

中規模ちゅうきぼ

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中規模ちゅうきぼ製品せいひんは、複数ふくすうくに会計かいけい原則げんそく対応たいおうでき、複数ふくすう種類しゅるい通貨つうかによる会計かいけい可能かのうである。

一般いっぱんてき会計かいけい機能きのうくわえ、経営けいえい情報じょうほうシステムとの統合とうごう連携れんけい可能かのうで、プロジェクト会計かいけいモジュールとの統合とうごう連携れんけいなどといった1つ以上いじょう市場いちば対応たいおうできる。

この規模きぼのソフトウェアは一般いっぱんつぎのような機能きのうつ。

  • 業界ぎょうかい標準ひょうじゅんのデータベース製品せいひんとの連携れんけいPostgreSQLMySQLMicrosoft SQL ServerOracle Databaseなど)。
  • 業界ぎょうかい標準ひょうじゅんのレポーティングツールとの連携れんけいコグノスCrystal Reports
  • アプリケーションの設定せってい拡張かくちょうのためのツールをそなえる(たとえば、SDK付属ふぞくする、ソースコードが付属ふぞくする、Visual Basic for Applications (VBA) で制御せいぎょできるなど)

もっと高価こうか複雑ふくざつ会計かいけいソフトウェアは、企業きぎょう資源しげん計画けいかく (ERP) ソフトウェアの一部いちぶとなっていることがおおい。

導入どうにゅうして実際じっさい稼動かどうするまで6カ月かげつ以上いじょうかかることがおおい。おおくの場合ばあい会計かいけいシステムとして稼動かどうさせるだけでも多大ただいなインテグレーション、コンフィギュレーション、カスタマイズを必要ひつようとする。

高度こうどなカスタマイズが可能かのうであるため、その企業きぎょう特有とくゆうしょう習慣しゅうかんわせることができる。ぎゃくえば、そのためにコストと準備じゅんび期間きかん膨大ぼうだいになる。

垂直すいちょくがた

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一部いちぶ会計かいけいソフトウェアは、特定とくてい業種ぎょうしゅとくした設計せっけいになっている。その業種ぎょうしゅ固有こゆう機能きのうっている。

業種ぎょうしゅ固有こゆうなアプリケーションにするか、汎用はんようアプリケーションにするかはむずかしい選択せんたくである。特定とくてい業種ぎょうしゅようアプリケーションは以下いかのような短所たんしょがある。

  • ベンダーの開発かいはつチームがちいさい。
  • ベンダーが小規模しょうきぼなので、サポートがられなくなる危険きけんせいす。

それにたいしてつぎのような長所ちょうしょもある。

  • カスタマイズをそれほど必要ひつようとしない。
  • 導入どうにゅうコストがひくくなる。
  • エンドユーザーのトレーニングが短時間たんじかんむ。

垂直すいちょくがた会計かいけいソフトウェアとしては、とくつぎのような業種ぎょうしゅのものがある。

ふくごうがた

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技術ぎじゅつ発展はってんにより、てい価格かかく高機能こうきのう会計かいけいソフトウェアが提供ていきょう可能かのうになってきた。そのようなソフトウェアはとく成長せいちょう企業きぎょうてきしている。成長せいちょう企業きぎょう小規模しょうきぼであっても急激きゅうげき多数たすう拠点きょてんったりげが増大ぞうだいするため、中規模ちゅうきぼやハイエンドの会計かいけいソフトウェアの機能きのう高度こうどなカスタマイズとスケーラブルなデータベースなど)を必要ひつようとする。さらに、海外かいがい進出しんしゅつ在宅ざいたく勤務きんむおこな企業きぎょうえ、小型こがたのクライアントを多数たすう接続せつぞくする必要ひつようした。このためにSaaSのようなインターネットを使つかって複数ふくすう拠点きょてんから同時どうじにアクセスできる技術ぎじゅつ提供ていきょうする方法ほうほうもある。今日きょうではクラウドコンピューティングもちいたクラウドがた会計かいけいソフト開発かいはつされ、利用りよう方法ほうほう簡単かんたんで、価格かかく低廉ていれんであることから普及ふきゅう見込みこまれている。

おも会計かいけいソフト

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商用しょうよう製品せいひん

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オープンソース

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無料むりょう会計かいけいソフト

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  • JDL IBEX 出納すいとうちょう Major
  • Main財務ざいむ管理かんり
  • フリーウェイ経理けいりLite

無料むりょうのクラウド会計かいけい

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  • えん簿青色あおいろ申告しんこく
  • ちまたの会計かいけい
  • やよいの白色はくしょく申告しんこくオンライン

関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ フィンテック活用かつよう促進そくしん数値すうち目標もくひょう 中小ちゅうしょう対象たいしょうけいさんしょう 2016/12/11 0:52日本経済新聞にほんけいざいしんぶん 電子でんしばん (閲覧えつらん2016.12.12)
  2. ^ 業界ぎょうかいはつ個人こじん事業主じぎょうぬしけのクラウド会計かいけいソフト「やよいの白色はくしょく申告しんこく オンライン」を永年えいねん無償むしょう〜すべての個人こじん事業じぎょうぬしのスムーズな確定かくてい申告しんこく支援しえん〜」弥生やよい株式会社かぶしきがいしゃ 2016ねん12月19にち閲覧えつらん:2016.12.19)
  3. ^ IT支援しえん事業じぎょうしゃ採択さいたく 北國きたぐにぎん金融きんゆう機関きかんはつ 北國きたぐに新聞しんぶん 2017/02/07 電子でんしばん閲覧えつらん:2017.2.26)
  4. ^ なやみの経理けいり業務ぎょうむ素早すばやく・簡単かんたんらくになる!クラウドがた会計かいけいソフト導入どうにゅうセミナー〜iPad・スマホからも簡単かんたんアクセス、自動じどう入力にゅうりょく” (PDF). さかい商工しょうこう会議かいぎしょ. 2017ねん2がつ26にち閲覧えつらん
  5. ^ ERP/業務ぎょうむソフトウェアの導入どうにゅう実態じったいアンケート調査ちょうさ実施じっし(2016ねん)〜財務ざいむ会計かいけいシステムでは、オンプレミスからクラウドへのシフトがすす見通みとおし〜” (PDF). 株式会社かぶしきがいしゃ 矢野やの経済けいざい研究所けんきゅうじょ. 2017ねん2がつ26にち閲覧えつらん