(Translated by https://www.hiragana.jp/)
クラウドコンピューティング - Wikipedia

クラウドコンピューティング

共有きょうゆうのコンピュータ処理しょりリソースやデータ、のデバイスをオンデマンドで提供ていきょうするインターネットベースのコンピュータ

クラウドコンピューティング(クラウド計算けいさんえい: Cloud computing)は、インターネットなどのコンピュータネットワーク経由けいゆして、コンピュータ資源しげんサービスかたち提供ていきょうする利用りよう形態けいたいである[1]りゃくしてクラウドばれることもおおく、cloud とは英語えいごで「くも」を意味いみする。クラウドの世界せかいてき普及ふきゅうでオンラインであれば必要ひつようとき必要ひつようなサービスをけられるようになり、あらゆる業務ぎょうむ効率こうりつされ、社会しゃかい創造そうぞうせいたかめることに成功せいこうした。

イメいめジ図じず。ユーザーからてクラウド(くも、ネットワーク)のなかにプロバイダが提供ていきょうする各種かくしゅサービスがある。

用語ようご 編集へんしゅう

商業しょうぎょうてき確立かくりつされた定義ていぎとしてのクラウドコンピューティングは、2006ねんGoogleCEOであったエリック・シュミットにより提唱ていしょうされた。しかし、Google先駆さきがけて用語ようごとして最初さいしょ使用しようしたとされるのは1994ねん4がつのWiredの記事きじ当時とうじGeneral Magic共同きょうどう創業そうぎょうしゃでエンジニアのアンディ・ハーツフェルドのちにGoogleの社員しゃいんとなる)の言葉ことばとして引用いんようされている[2]。しかし、この当時とうじ具体ぐたいてきなサービスとしてのクラウドコンピューティングはひろ使つかわれることはなく、すべてのコンピュータやネットワークや通信つうしん能力のうりょくひくぎ、限定げんていされた実装じっそう試験しけんサービスにとどまっていた[3]

前史ぜんしとして、「クラウド」(くも)に類似るいじした図形ずけいは、1977ねん ARPANET[4]、1981ねん CSNET[5]、コンピュータ機器ききのネットワークをあらわすものとして使用しようされており、両者りょうしゃのちインターネット発展はってんした。「クラウド」の用語ようごはインターネットのメタファーとして使用しようされてきている。また「クラウド」の用語ようごは、1993ねん 分散ぶんさんコンピューティング分野ぶんやでも使用しようされていた[6]。これらはたんなるコンピュータネットワーク記号きごうとしての原始げんしてき定義ていぎであり、Webサービス普及ふきゅう以後いごのものとは定義ていぎおおきくことなる。

概要がいよう 編集へんしゅう

従来じゅうらいのコンピューティングは利用りようするハードウェア、ソフトウェア自体じたい利用りようしゃ必要ひつようなだけ購入こうにゅう利用りよう契約けいやくをしていた(それらの資源しげん構内こうないオンプレミスとして設置せっちされたり、遠隔えんかくのデータセンタに設置せっちされた)。たいしてとう方式ほうしきではハードウェアやソフトウェアそのものではなく利用りようしたりょう予定よていされるりょう利用りよう契約けいやくがされる。

従来じゅうらいのコンピューティングでは、購入こうにゅう契約けいやくしたハードウェアの限界げんかいえると動作どうさおそくなったり、ストレージの容量ようりょうえたらそれ以上いじょう記憶きおく出来できないが、クラウドコンピューティングでは、契約けいやく変更へんこうしたり超過ちょうかした資源しげん使用しようりょう支払しはらうことによって業務ぎょうむ継続けいぞくできる。

ユーザーがインターネットなどのネットワークをて、外部がいぶ組織そしき保有ほゆうする情報じょうほうシステムから各種かくしゅ情報処理じょうほうしょりサービスをける方法ほうほうる。ユーザーがわ必要ひつようなものは最低限さいていげん接続せつぞく環境かんきょうパーソナルコンピュータ携帯けいたい情報じょうほう端末たんまつなどのクライアント、そしてサービス利用りよう料金りょうきんである。実際じっさい処理しょり大半たいはん実行じっこうするコンピュータぐんサーバ、ストレージとう)はサービス提供ていきょう事業じぎょうしゃがわデータセンターうち設置せっちされており、それらの資産しさん管理かんり運用うんよう保守ほしゅなどはサービス提供ていきょう事業じぎょうしゃがわ実施じっしする。

現代げんだいてきなクラウドのユーザーインターフェースはおもウェブアプリケーション形式けいしき提供ていきょうされる。1995ねんインターネット商用しょうよう利用りよう開始かいし直後ちょくごからアプリケーションサービスプロバイダひとしった類似るいじがた試行錯誤しこうさくごおこなわれてきたが、Javaアプレットひとしのベンダー固有こゆう技術ぎじゅつ依存いぞんした形式けいしきであった。2005ねんはじまるAjaxのブームでウェブアプリケーションおおきな可能かのうせい見出みいだされたのち2006ねんGoogleCEOであるエリック・シュミットにより提唱ていしょうされた。

この形態けいたい提供ていきょうされるサービスを「クラウドコンピューティングサービス」またはたんに「クラウドサービス」という。そのサービス事業じぎょうしゃを「クラウドサービスプロバイダ」またはたんに「クラウドプロバイダ」ともぶ。なお、あらたなパラダイムとして「スカイコンピューティング」[7]、ネットワークがよりデバイスにちか場合ばあいのサービスを、「フォグ・コンピューティング」や「エッジ・コンピューティング」という[8]。エッジはネットワークの外縁がいえんであり、コンテンツデリバリネットワーク事業じぎょうにおいてユーザーのアクセスにたいして斡旋あっせんされる最寄もよりのミラーサーバ典型てんけいれいである。

幅広はばひろいネットワークアクセス、迅速じんそく順応じゅんのうせい測定そくていされたサービス、オンデマンドのセルフサービス、およびリソースプーリングは、重要じゅうよう特性とくせいとしてアメリカ国立こくりつ標準ひょうじゅん技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ (NIST) によって定義ていぎされている[9]。NISTは、以下いかのように説明せつめいする[10]

ネットワーク、サーバ、ストレージアプリケーション、サービスなどの構成こうせい可能かのうなコンピューティングリソースの共用きょうようプールにたいして、便利べんりかつオンデマンドにアクセスでき、最小さいしょう管理かんり労力ろうりょくまたはサービスプロバイダあいだ相互そうご動作どうさによって迅速じんそく提供ていきょうされ利用りようできるという、モデルのひとつである。このクラウドモデルは可用性かようせい促進そくしんし、5つの基本きほん特性とくせいと、3つのサービスモデルと、4つの配置はいちモデルによって構成こうせいされる[11] — アメリカ国立こくりつ標準ひょうじゅん技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ

フルクラウド方式ほうしきであれば、端末たんまつとインターネット接続せつぞく環境かんきょう用意よういされていればく、社内しゃないIT設備せつび簡素かんそすることが可能かのうになる。したがって、機動きどうりょく中小ちゅうしょう企業きぎょう中心ちゅうしんに、軽量けいりょうノートPCからクラウドじょう業務ぎょうむシステムに接続せつぞくして業務ぎょうむおこな方法ほうほう選択せんたくし、社内しゃないIT設備せつび簡素かんそする企業きぎょう急速きゅうそく増加ぞうかちゅうである。フルクラウド方式ほうしき採用さいようによりはたらかた多様たよう可能かのうになり、リモートワークの推進すいしんにもやくっている。2010年代ねんだい後半こうはんからは人間にんげんあつか業務ぎょうむのフルデジタル目指めざしたデジタルトランスフォーメーション(DX)がブームとなっている。

前史ぜんし 編集へんしゅう

2006ねん用語ようご提唱ていしょう以前いぜんにも1980年代ねんだいスーパーコンピュータ時間じかんし(RCS)からはじまったユーティリティコンピューティング[12]や、1990年代ねんだい各社かくしゃ専用せんようWebサービスの提供ていきょうからはじまったアプリケーションサービスプロバイダ[13]ひとしたようなこころみがおこなわれてきているが、ビジネスてきなインパクトをあたえることなく、一過いっかせい流行りゅうこうわってしまった。また、コンピュータの処理しょり速度そくどやネットワークの通信つうしん速度そくどおそかったこと普及ふきゅうさまたげる原因げんいんとなった。

また、1980年代ねんだいには付加ふか価値かち通信つうしんもう(VAN)うネットワークしに各種かくしゅ処理しょり提供ていきょうするサービスも存在そんざいした。しかし、1980年代ねんだい段階だんかいでは通信つうしん回線かいせん高価こうかおそく、技術ぎじゅつ仕様しよう統一とういつされていなかったため、業務ぎょうむシステムの1要素ようそとして導入どうにゅうされる程度ていど限定げんていてき利用りようとどまった。

Amazon Web Services2004ねんはつのサービスとなるAmazon Simple Queue Service (SQS)提供ていきょうして以降いこう継続けいぞくてきにサービスを拡充かくじゅうし、クラウドコンピューティングの頂点ちょうてん君臨くんりんすることになった。1980年代ねんだいはじまった付加ふか価値かち通信つうしんもう(VAN)ユーティリティコンピューティングや、1990年代ねんだいはじまったアプリケーションサービスプロバイダなどのサービスも、際限さいげんなく高度こうどするクラウドコンピューティングのサービスに吸収きゅうしゅうされてった。

分類ぶんるい 編集へんしゅう

提供ていきょうサービスによる分類ぶんるい 編集へんしゅう

 
階層かいそうSaaSはApplicationを、PaaSはPlatformを、IaaSはInfrastructureを提供ていきょうする)

提供ていきょうするサービスの種類しゅるいによる分類ぶんるいには以下いかがある。

Software as a Service
Saas
インターネット経由けいゆソフトウェアパッケージの提供ていきょう電子でんしメールグループウェアCRMなど。マイクロソフトMicrosoft Online Services、GoogleのGoogle Apps、SAPS/4HANA CloudSAP Business ByDesignやSAP SuccessFactors、SAP Ariba、セールスフォースのSalesforce CRM、オラクルの Oracle Cloudなどがある。オープンソースのSaaS構築こうちくフレームワークとしてはLiferayがある。
Platform as a Service
PaaS
インターネット経由けいゆのアプリケーション実行じっこうようプラットフォーム提供ていきょう仮想かそうされたアプリケーションサーバデータベースなど。ユーザーが自分じぶんのアプリケーションを配置はいちして運用うんようできる。Amazon Web ServicesのAmazon S3やAmazon DynamoDBやAmazon SimpleDB、マイクロソフトのMicrosoft Azure、GoogleのGoogle App EngineAppScale、SAPのSAP Cloud PlatformSAP HANA Enterprise CloudIBMSoftLayer、セールスフォースのForce.comプラットフォームなど。
Infrastructure as a ServiceまたはHardware as a Service
IaaS / HaaS
インターネット経由けいゆハードウェアやインフラストラクチャの提供ていきょうサーバ仮想かそうデスクトップ仮想かそう共有きょうゆうディスクなど。ユーザーが自分じぶんオペレーティングシステム (OS) などをふくめてシステム導入どうにゅう構築こうちくできる。Amazon Web ServicesAmazon EC2VMware Cloud on AWS、IBMのSoftLayerなど。
XaaS
上記じょうき総称そうしょう

配置はいち形態けいたいによる分類ぶんるい 編集へんしゅう

 
クラウドコンピューティングの種類しゅるい(パブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウド)

配置はいち形態けいたい(デプロイ)による分類ぶんるいには以下いかがある。

パブリッククラウド
インターネット経由けいゆ一般いっぱんけサービス。狭義きょうぎのクラウドコンピューティングはパブリッククラウドのみをす。オンラインで提供ていきょうするサービス。クラウドを部分ぶぶんてき貸与たいよするサービス。
プライベートクラウド
企業きぎょうとうとう技術ぎじゅつ使用しようした環境かんきょう自社じしゃない構築こうちく設置せっちし、イントラネットなどを経由けいゆしてユーザー部門ぶもん利用りようする形態けいたい[14]。データセンターやサーバーとうは、自社じしゃ資産しさん場合ばあいアウトソーシング調達ちょうたつなどの場合ばあいもある。パブリッククラウドと比較ひかくして投資とうし運用うんよう管理かんり必要ひつよう反面はんめん、セキュリティや資産しさん保護ほご強化きょうかできる。計算けいさん資源しげんやストレージを運用うんようわせて増減ぞうげんさせる場合ばあいも、アプリケーションがわ改変かいへんをせずに、プラットフォームがわ変更へんこうだけで可能かのうである(クラウド技術ぎじゅつ使つかわない場合ばあいは、強化きょうかされた新設しんせつ機器ききへのデータ移行いこう追加ついかされたストレージをアプリケーションがわ意識いしきする必要ひつようがある。)。
ハイブリッドクラウド
上記じょうきのパブリッククラウドとプライベートクラウドをわせた形態けいたい業務ぎょうむ、データ、セキュリティとう要件ようけんおうじた使つかけ・連携れんけい可能かのうである。

利用りよう技術ぎじゅつ 編集へんしゅう

とう方式ほうしき実現じつげんのために内部ないぶてき使用しようされているおも技術ぎじゅつには以下いかがある。

ネットワーク経由けいゆのコンピュータ資源しげん利用りよう自体じたいは、1950年代ねんだいのコンピュータ黎明れいめいよりおこなわれており基本きほんてきにはあたらしい技術ぎじゅつではない。従来じゅうらいからのれい用語ようごには、メインフレーム使用しようしたネットワーク経由けいゆ時間じかん単位たんい計算けいさんサービス提供ていきょう付加ふか価値かち通信つうしんもう (VAN)、あるいはアプリケーションサービスプロバイダネットワーク・コンピューティングユーティリティコンピューティング、SaaSなどが存在そんざいする。

しかし2000年代ねんだい以降いこうに「クラウドコンピューティング」とばれる用語ようごやサービス形態けいたい普及ふきゅうした背景はいけいには、オープン標準ひょうじゅん技術ぎじゅつというぜん世界せかい共通きょうつう手続てつづきが確立かくりつされ普及ふきゅうしたことおおきい。たとえば、インターネットおよびインターネット関連かんれん技術ぎじゅつ発展はってん各種かくしゅ標準ひょうじゅん進展しんてん高速こうそくてい価格かかくなどがあり、またプロバイダがわではオープンソース技術ぎじゅつ普及ふきゅうによる特定とくていメーカー制約せいやくすくないサーバーやソフトウェアの利用りよう各種かくしゅかくレベルの仮想かそう技術ぎじゅつによるコンピューティング資源しげん共有きょうゆうかく利用りようしゃおうじた柔軟じゅうなん提供ていきょう実現じつげん、などがある。従来じゅうらい類似るいじサービスはサービスあいだ障壁しょうへき技術ぎじゅつてき障壁しょうへきなどから開放かいほうてきでなく利用りよう開始かいしまでの手続てつづきも複雑ふくざつであり、もっとひろくても利用りようするサービスないでしか情報じょうほう伝達でんたつおこなえない状況じょうきょうにあったが、ぜん世界せかいだれでも容易ようい手続てつづきで利用りよう可能かのうで、サービスあいだ連携れんけい容易よういというてんおおきく前進ぜんしんしている。

またプロバイダによっては利用りようしゃ要件ようけんおうじ、インターネット経由けいゆではなく専用せんようせん接続せつぞく仮想かそうではなくベアメタル物理ぶつりサーバ単位たんい)の提供ていきょう独自どくじ技術ぎじゅつ提供ていきょうQuality of Serviceなど実績じっせきサービスレベルにおうじたサービス料金りょうきん体系たいけいなども採用さいようまたは併用へいようし、差別さべつおこなっている。だい規模きぼなプロバイダは巨大きょだいなデータセンターを世界せかい複数ふくすう拠点きょてん設置せっちして高速こうそく回線かいせん接続せつぞくすることにより、災害さいがい対策たいさくなど可用性かようせい向上こうじょう実現じつげんし、国籍こくせき企業きぎょうなどの利用りようしゃ企業きぎょう直近ちょっきんのアクセスポイントに接続せつぞくすれば自前じまえ国際こくさい回線かいせん不要ふようとなる、などの付加ふか価値かち提供ていきょうしている。

歴史れきし 編集へんしゅう

とう用語ようご最初さいしょ使用しようしたのは、2006ねん Google CEOエリック・シュミットによる発言はつげんだとされ、Google App EngineAmazon EC2などが登場とうじょうした2006ねんから2008ねんごろにかけて普及ふきゅうした。

しかし「コンピュータ処理しょりをネットワーク経由けいゆでサービスのかたち提供ていきょうする」という形態けいたい自体じたい従来じゅうらいより存在そんざいしている。1960ねんだいからのタイムシェアリングシステムなどのデータセンター利用りよう中央ちゅうおう仮想かそう環境かんきょうをリモートからネットワーク経由けいゆ共有きょうゆうし、したがえりょうせいまたは定額ていがくせいでサービスとして課金かきんする)、1980ねんだいVAN1991ねんころからのインターネットをベースとしたアプリケーションサービスプロバイダ (ASP)、さらにはSaaSなどである。一般いっぱんてきには、このうち、おもパッケージソフトウェア利用りよう提供ていきょうするものをSaaSとばれるようになってきた。

歴史れきしてきなコンピュータの利用りよう形態けいたい変遷へんせんは、以下いかともわれている。

  1. メインフレーム全盛期ぜんせいき集中しゅうちゅう処理しょり
  2. 分散ぶんさんシステムオープンシステム)の抬頭によるクライアント・サーバなどの分散ぶんさん処理しょり
  3. インターネット代表だいひょうされるネットワーク中心ちゅうしんの、あたらしい集中しゅうちゅう処理しょり
  4. 世界せかい分散ぶんさんしたユーザーがサーバを意識いしきせずサービスをける(クラウドコンピューティング)

たとえば、日本にっぽん代表だいひょうてき自動車じどうしゃ会社かいしゃであるトヨタ自動車とよたじどうしゃ場合ばあいとう方式ほうしき一般いっぱんするまえからトヨタ自動車とよたじどうしゃのIT資産しさんイントラネットトヨタグループやく4,000しゃサプライヤー販売はんばいてんとう)につなぎ、ネットワーク経由けいゆでシステムを利用りようできる環境かんきょう提供ていきょうしている。

SaaSの用語ようご一般いっぱんした以降いこう年表ねんぴょうしたしめす。

  • 1999ねん、セールスフォース・ドットコム(げんセールスフォース)が設立せつりつされ、CRMアプリケーションのSaaS形態けいたい提供ていきょうであるSalesforce CRMを開始かいし
  • 2002ねんAmazon.comAmazon Web Services (AWS) を開始かいし
  • 2005ねん11月13にちインテル バーチャライゼーション・テクノロジーx86仮想かそうPopekとGoldbergの仮想かそう要件ようけんたした)をサポートしたCPUを発表はっぴょう
  • 2006ねん8がつ9にち、エリック・シュミットが、米国べいこくカリフォルニアしゅうサンノゼ (San Jose, CA) で開催かいさいされた「検索けんさくエンジン戦略せんりゃく会議かいぎ」 (Search Engine Strategies Conference) のなかほん用語ようご最初さいしょ使用しようしたとされる。
  • 2006ねん8がつ25にち、Amazon EC2 のパブリックβべーた開始かいし
  • 2007ねん7がつ、セールスフォース・ドットコムが「SaaSからPaaSへ」というコンセプトを発表はっぴょう
  • 2007ねん11月15にちIBM現時点げんじてん実用じつよう可能かのうなものとして、Blue Cloud計画けいかく発表はっぴょう[15]
  • 2008ねん3月4にちYahoo!とインドのComputational Research Laboratories (CRL) が、研究けんきゅう支援しえん発表はっぴょう[16]
  • 2008ねん5月27にち、Googleが Google App Engine (GAE) の一般いっぱん公開こうかい発表はっぴょう
  • 2008ねん8がつ20日はつかAmazon Web ServicesがAmazon EC2でElastic Block Store対応たいおう
  • 2008ねん10月23にちAmazon Web ServicesのAmazon EC2からβべーた表記ひょうきはずれ、正式せいしきばんとなる。
  • 2008ねん10月27にち、マイクロソフトが Microsoft Professional Developers Conference 2008 (PDC 2008) で、プラットフォームであるMicrosoft Windows Azure発表はっぴょう[17]
  • 2008ねん11月17にち、マイクロソフトがグループウェアサービスであるMicrosoft Business Productivity Online Suiteのサービスを開始かいし
  • 2009ねん3月18にちサン・マイクロシステムズOpen Cloud Platform発表はっぴょう[18]
  • 2009ねん3がつ29にち、IBM、サン・マイクロシステムズ、シスコシステムズ、SAP、EMCAT&TノベルOMGレッドハットVMwareなどがOpen Cloud Manifesto発表はっぴょう[19]。なお、Amazon、Google、マイクロソフトの不参加ふさんか話題わだいとなった[20]
  • 2009ねん4がつ1にち、IBMがソーシャル・ネットワーキングとコラボレーションを統合とうごうしたLotusLive Engage発表はっぴょう[21]
  • 2009ねん7がつ30にち、IBMがIBM マネージド・クラウド・コンピューティング・サービス (IBM MCCS) を発表はっぴょう[22]
  • 2009ねん10がつ29にち開発かいはつ環境かんきょう「Ubuntu Enterprise Cloud」(UEC) を搭載とうさいしたOS、Ubuntu 9.10 (Karmic Koara) Server Edition がリリースされた。またデスクトップばんにおいて、オンラインストレージサービス「Ubuntu One」のクライアントソフトが標準ひょうじゅん搭載とうさいとなった。
  • 2009ねん11月19にち富士通ふじつう運用うんよう管理かんり技術ぎじゅつおよび仮想かそう技術ぎじゅつかんする国際こくさい標準ひょうじゅん団体だんたいDMTF (Distributed Management Task Force) におけるあいだ連携れんけい標準ひょうじゅんグループ「Open Cloud Standards Incubator」のリーダーシップボードに就任しゅうにん発表はっぴょう
  • 2010ねん4がつ、IEEE computer societyが月刊げっかん「Computer(ISSN 0018-9162)」に「ECONOMICS AND THE CLOUD」の特集とくしゅう記事きじ掲載けいさい
  • 2010ねん4がつトヨタデジタルクルーズげん トヨタシステムズ)がオールトヨタクラウドの提供ていきょう開始かいし
  • 2011ねん6月6にち、WWDC 2011の基調きちょう講演こうえんにおいてAppleのCEO、スティーブ・ジョブズが「iCloud」を発表はっぴょう
  • 2012ねん6がつ6にち、オラクルがOracle Cloudを発表はっぴょう
  • 2012ねん10がつどくSAPしゃ同社どうしゃのインメモリーデータベースSAP HANAをベースとしたPaaS「SAP HANA Cloud Platform」を提供ていきょう開始かいし。Amazon.comやGoogleとうのネット企業きぎょうくわえ、世界せかい4だいパッケージソフトウェア企業きぎょうべいマイクロソフト、べいIBM、べいOracle、どくSAP)のサービスが出揃でそろった。
  • 2013ねん7がつ8にちIBMSoftLayer買収ばいしゅう完了かんりょう発表はっぴょう

類似るいじ用語ようご 編集へんしゅう

類似るいじする概念がいねん用語ようご従来じゅうらいよりおおく、たんなる用語ようごのいいかえやバズワードであるという主張しゅちょうおおい。2008ねん4がつ サン・マイクロシステムズのCEO、ジョナサン・シュワルツは「クラウドとは、ネットワーク・コンピューティングあたらしい言葉ことばでいいかえたものだ」と発言はつげんした。2008ねん9がつ、オラクルのCEOであるラリー・エリソンは「すで我々われわれおこなっていることで、宣伝せんでん文句もんくわっただけ」と批判ひはんした[23]。「なんだかよくわからないが業界ぎょうかいトレンドらしいから」というだけの根拠こんきょ経営けいえいじん主導しゅどうして推進すいしんする企業きぎょうおお現場げんば技術ぎじゅつしゃまわしている、との主張しゅちょうもある[24]

これにたいし、従来じゅうらい概念がいねんとはことなり、だい規模きぼインフラの活用かつよう機会きかい個人こじん小規模しょうきぼグループにもひらかれたもので、社会しゃかい変革へんかくにつながる可能かのうせいもある、との見解けんかいもある[25]

システム構成こうせい観点かんてんではネットワーク・コンピューティング、プロバイダの観点かんてんではアプリケーションサービスプロバイダ、ソフトウェア提供ていきょう形態けいたい観点かんてんではSaaS、課金かきん方法ほうほう観点かんてんではユーティリティ・コンピューティングであるシステムやサービスを、利用りようしゃ視点してんから「クラウド」(くも)と呼称こしょうしたものともかんがえられる。

既存きそん類似るいじ用語ようごには以下いかげられる。

脚注きゃくちゅう 編集へんしゅう

出典しゅってん 編集へんしゅう

  1. ^ クラウドコンピューティング 【 cloud computing 】
  2. ^ Levy, Steven (1994ねん4がつ). “Bill and Andy's Excellent Adventure II” (英語えいご). Wired. ISSN 1059-1028. https://www.wired.com/1994/04/general-magic/ 2022ねん9がつ13にち閲覧えつらん. "The beauty of Telescript," says Andy, "is that now, instead of just having a device to program, we now have the entire Cloud out there, where a single program can go and travel to many different sources of information and create sort of a virtual service." 
  3. ^ スマホの源流げんりゅうをたどる 栄光えいこう挫折ざせつ物語ものがたり”. NHK生活せいかつ情報じょうほうブログ. 2022ねん9がつ13にち閲覧えつらん
  4. ^ Internet History 1977
  5. ^ National Science Foundation, "Diagram of CSNET," 1981
  6. ^ What Is The Cloud? - AT&T (1993)
  7. ^ Life after Google(George Gilderちょ)レビュー。なぜGoogleの時代じだいわるのか。
  8. ^ IoTプラットフォームの構造こうぞうあたらしいビジネスの可能かのうせい
  9. ^ ウィリアム・スターリングス『Foundations of Modern Networking: SDN, NFV, QoE, IoT, and Cloud』Addison-Wesley Professional、2015ねん ISBN 0134175395
  10. ^ NIST Definition of Cloud Computing(2011ねん9がつ)、NISTによるクラウドコンピューティングの定義ていぎ情報処理じょうほうしょり推進すいしん機構きこうによる日本語にほんごやく、2011ねん12がつ
  11. ^ Cloud Computing
  12. ^ 日経にっけいクロステック(xTECH). “ユーティリティ・コンピューティング”. 日経にっけいクロステック(xTECH). 2021ねん10がつ11にち閲覧えつらん
  13. ^ 日経にっけいクロステック(xTECH). “ASPは情報じょうほうシステムの究極きゅうきょく姿すがた”. 日経にっけいクロステック(xTECH). 2021ねん10がつ11にち閲覧えつらん
  14. ^ 内輪うちわゆえの強固きょうこなセキュリティがつよみ:「プライベート」クラウドコンピューティングが人気にんき上昇じょうしょうちゅう”. ITmedia エンタープライズ. eWEEK. (2008ねん11月07にち 0800ふん) 
  15. ^ IBM、現時点げんじてん実用じつよう可能かのうなクラウド・コンピューティングを発表はっぴょう
  16. ^ べいヤフー、クラウドコンピューティングの研究けんきゅう支援しえんでインドの研究けんきゅう機関きかん提携ていけい
  17. ^ マイクロソフト、Professional Developers ConferenceにおいてWindows Azureを発表はっぴょう
  18. ^ 米国べいこくサン、「Open Cloud Platform」を発表はっぴょう
  19. ^ Open Cloud Manifesto
  20. ^ 「Open Cloud Manifesto」のめる暗雲あんうん
  21. ^ IBM、企業きぎょうにクラウドのソーシャル・ネットワーキングとコラボレーション・サービスを提供ていきょう
  22. ^ IT資源しげんしたがえりょうせい提供ていきょうするあらたなパブリック・クラウド・サービス - IBM
  23. ^ OracleのエリソンCEO、「クラウドコンピューティングさわぎ」をこきろす
  24. ^ ニコラス・G・カー『ネット・バカ インターネットがわたしたちののうにしていること』青土おうづちしゃ、2010ねん ISBN 4791765559
  25. ^ もり正弥まさや「クラウドは人類じんるい社会しゃかい変革へんかく加速かそく

参考さんこう文献ぶんけん 編集へんしゅう

関連かんれん項目こうもく 編集へんしゅう

外部がいぶリンク 編集へんしゅう