佐島 直子
略歴
お
人物
自衛隊 の制服 組 が国民 や政治 家 から急速 に認知 され台頭 したことを危険 視 しており、橋本 龍太郎 首相 が首相 官邸 に自衛隊 の高級 幹部 を躊躇 なく招 いたことや、政府 専用 機 の機内 で航空 自衛隊 のジャンバーを着 たことに言及 し、橋本 首相 が制服 組 を重用 したことを「おもちゃの兵隊 のようにはべらせた」と批判 し、制服 組 を重視 する橋本 首相 の姿勢 を喜 ぶ制服 組 を危険 視 していた[4]。橋本 首相 が進 めた自衛隊 と中国 人民 解放 軍 の中堅 幹部 による防衛 交流 を、「かつて、満蒙 の軍閥 と本国 のコントロールが及 ばなくなった日本 の関東軍 の軍人 が個人 的 に手 を組 んで何 をしたか思 い出 してほしい」と批判 していた[4]。制服 組 に批判 的 であり、自衛隊 の幹部 自衛 官 はその道 の専門 家 に留 まるべきだとし、自衛隊 を政治 や外交 のおもちゃにしてはいけないし、政治 やマスコミにちやほやされるなと主張 していた[5]。制服 組 を危険 視 する立場 から、防衛大学校 に社会 科学 系 の学部 や大学院 が創設 されたことを疑問 視 しており、「自衛 官 が政治 や社会 のことを勉強 し、理解 するのは当然 であるとしても、専 門 として履修 する集団 を作 り出 すのはいかがなものか?」「勉強 すればするほど、自衛隊 とそれを取 り巻 く国内 国外 の環境 に不合理 さを感 じ、なんとかしたい、と思 うのは当然 である。結果 として自衛 官 に政治 に関与 したい、という動機 を醸成 することになる」として否定 的 な見解 を示 していた[6]。防衛庁 の背広 組 による文官 統制 (文官 優位 )を、「よく防衛庁 では『シビリアン・コントロール(政治 の軍事 に対 する優位 )』がシビリアン(背広 組 )による制服 組 へのいじめのように誤用 されている、といわれるけど、こと国会 対策 を通 じて、制服 組 が直接 政治 にタッチしないように内局 を介在 させているのは、合理 的 でよくよく出来 たシステムだった」と肯定 しており、「制服 組 が政治 に汚染 されることを、よく制御 していた」としていた[7]。また、防衛庁 の内局 の権限 が低下 すれば、軍事 (自衛隊 )が政治 のおもちゃとなるとしていた[8]。政府 委員 制度 の廃止 により政治 主導 の国会 運営 が定着 すれば、首相 や防衛庁 長官 は素人 の内局 よりも、軍事 に精通 した幕僚監部 の自衛 官 と直接 話 したいと思 うようになり、制服 組 の重用 に繋 がるだろうとし、それが自衛 官 の台頭 と暴走 に繋 がるとしていた[7]。
著書
単 著
- 『
安全 保障 ってなんだろう』(勁草書房 ,2011年 ) - 『
誰 も知 らない防衛庁 ――女性 キャリアが駆 け抜 けた、輝 ける歯車 の日々 』(角川書店 [角川 Oneテーマ21], 2001年 ) - 『
国際 安全 保障 論 I ――転換 するパラダイム』(内外 出版 , 2007年 )
共著
- Japanese Sea Power (Canberra: Sea Power Centre, Australia, 2009)
- 『
国際 安全 保障 論 II―アジア・太平洋 の戦略 文化 ―』(内外 出版 , 2010年 )
編著
- 『
現代 安全 保障 用語 事典 』(信 山 社 出版 , 2004年 )
論文
- 「ANZUS
危機 と同盟 関係 」『青山 国際 ビジネス紀要 』2号 (1994年 ) - 「
冷戦 の終焉 と地域 主義 への転換 ――ANZUSの場合 」『国防 』1994年 4月 号 - 「
五 ヶ国 防衛 取 極 の今日 的 意義 」『外交 時報 』1995年 10月 号 - 「
軍隊 の平和 的 役割 に関 する一 考察 ――ニュージーランド軍 の戦力 組成 が示唆 するもの」『波涛 』1996年 5月 号 - 「ニュージーランド
軍 の戦力 組成 とその平和 的 な役割 」『日本 ニュージーランド学会 誌 』2号 (1996年 ) - 「『
日米 安全 保障 共同 宣言 』に対 する内外 の反 応 とその背景 」『防衛 研究 』2巻 2号 (1996年 ) - 「
何故 、協定 は結 ばれたか?――豪州 ・インドネシア安保 協定 締結 までの軌跡 」『外交 時報 』1996年 11・12月 合併 号 - 「
日 豪 関係 の史的 展開 ――安全 保障 の視点 から」『波涛 』1997年 1月 号 - 「
変容 するANZUS同盟 ――『南北 の錨 』の将来 を探 る」『国際 問題 』446号 (1997年 5月 ) - 「ニュージーランドの
平和 ・安全 保障 問題 」日本 ニュージーランド学会 編 『ニュージーランド入門 』(慶應義塾大学 出版 会 , 1998年 ) - "A Northeast Asian Nuclear Weapon-Free Zone: A Japanese perspective" in Rumesh Thakur ed., Nuclear Weapons-Free Zones (London: MacMillan, 1998).
- "New Zealand's Priorities: How to evolve its security roles?"『
日本 ニュージーランド学会 誌 』6号 (1999年 ) - 「
非核 地帯 ――その思想 と現実 」『防衛 研究所 紀要 』2巻 3号 (1999年 ) - "Japan: Strategic Culture at a Crossroads" in Ken Booth and Russell Trood eds., Strategic Cultures in the Asia-Pacific Region (London: MacMillan, 1999).
- "Japan-New Zealand Mutual Awareness" in Roger Peren ed., Japan and New Zealand 150 Years (Tokyo: Ministry of Foreign Affairs, 1999).
佐島 直子 ,「非核 政策 の法制 化 : ニュージーランドのケース」『日本 ニュージーランド学会 誌 』 7巻 2000年 p.2-21, doi:10.20598/jsnzs.7.0_2- 「バーナード・フライベルグ――
第 二 次 世界 大戦 でニュージーランドの名誉 を回復 」ニュージーランド研究 同人 会 編 『ニュージーランドの思想家 たち』(論 創 社 , 2001年 ) - 「
東 アジア・太平洋 地域 の戦略 環境 と同盟 関係 --日 豪 の比較 を中心 に」『専修大学 社会 科学 研究所 月報 』 461号 p.1-27, 2001-11-20, NAID 40002211043 - 「
東 アジアの地域 化 と日本 の『安全 保障 対話 ・防衛 交流 』」山影 進 編 『東 アジア地域 主義 と日本 外交 』(日本 国際 問題 研究所 , 2003年 ) - 「『テロ』
対策 の法制 化 ――ニュージーランドのケース」石川 明 編 『国際 経済 法 と地域 協力 』(信 山 社 , 2004年 ) - 「ニュージーランドの「
改革 」と三重 県 (2003年度 合宿 研究 会 報告 --夏期 :松本 ・伊那 、春期 :三重 県 )」『専修大学 社会 科学 研究所 月報 』第 495・496合併 号 p.24-48, 2004年 , NAID 40006617142 - 「ニュージーランドの『テロ』
対策 ――政策 から法 へ」『日本 ニュージーランド学会 誌 』12号 (2005年 ) - 「『
戦略 文化 』論 からみた『現代 中国 』」専修大学 社会 科学 研究所 編 『中国 社会 の現状 』(専修大学 出版 会 , 2006年 )
脚注
出典
- ^ 「【おくやみ】
佐島 直子 さん専修大 教授 、国際 政治 」 『東京 新聞 』 2017年 3月 14日 (2017年 3月 16日 確認 ) - ^ “
委員 ”.日本 国際 フォーラム. 2014年 2月 25日 閲覧 。 - ^ a b
原田 壽子 , 「追悼 :佐島 直子 先生 」『日本 ニュージーランド学会 誌 』 2017年 24巻 p.2, doi:10.20598/jsnzs.24.0_2 - ^ a b
佐島 直子 『誰 も知 らない防衛庁 ――女性 キャリアが駆 け抜 けた、輝 ける歯車 の日々 』 p.141-142 - ^
佐島 直子 『誰 も知 らない防衛庁 ――女性 キャリアが駆 け抜 けた、輝 ける歯車 の日々 』 p.143 - ^
佐島 直子 『誰 も知 らない防衛庁 ――女性 キャリアが駆 け抜 けた、輝 ける歯車 の日々 』 p.143-144 - ^ a b
佐島 直子 『誰 も知 らない防衛庁 ――女性 キャリアが駆 け抜 けた、輝 ける歯車 の日々 』 p.166 - ^
佐島 直子 『誰 も知 らない防衛庁 ――女性 キャリアが駆 け抜 けた、輝 ける歯車 の日々 』 p.168
関連 項目
海原 治 -防衛庁 官房 長 や国防 会議 事務 局長 を務 めた防衛 官僚 であり、徹底的 な文官 統制 により制服 組 を抑 え込 もうとした。