南みなみ閉伊へい郡ぐん

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南みなみ閉伊へい郡ぐん（みなみへいぐん）は、岩手いわて県けんにあった郡ぐん。

郡ぐん域いき

明治めいじ12年ねん（1879年ねん）に行政ぎょうせい区画くかくとして発足ほっそくした当時とうじの郡ぐん域いきは、下記かきの区域くいきにあたる。

上閉伊かみへい郡ぐん大槌おおつち町まちの全域ぜんいき
釜石かまいし市しの大だい部分ぶぶん（唐丹とうに町まちを除のぞく）

歴史れきし

郡ぐん発足ほっそくまでの沿革えんかく

幕末ばくまつ時点じてんでは陸奥みちのく国こくに所属しょぞくし、全域ぜんいきが盛岡もりおか藩はん領りょうであった。「旧きゅう高こう旧領きゅうりょう取調とりしらべ帳ちょう」に記載きさいされている、閉伊へい郡ぐんのうち後ごの本郡ほんぐ域いきの明治めいじ初年しょねん時点じてんでの村むらは以下いかの通とおり。（13村むら）

大槌おおつち村むら^[1]、小槌こづち村むら^[2]、甲子こうし村むら、平田ひらた村むら、釜石かまいし村むら、両石りょういし村むら、箱崎はこざき村むら、鵜住居うのずまい村むら、片岸かたぎし村むら、栗林くりばやし村むら、橋野はしの村むら、吉里吉里きりきり村むら^[3]、金沢かなざわ村むら

明治めいじ元年がんねん12月7日にち（1869年ねん1月がつ19日にち）
- 陸奥みちのく国こくの分割ぶんかつにより、陸りく中国ちゅうごくの所属しょぞくとなる。
- 盛岡もりおか藩はんが戊辰戦争ぼしんせんそう後ごの処分しょぶんにより、領地りょうちを没収ぼっしゅうされる。後ごの南みなみ閉伊へい郡ぐん全域ぜんいきが信濃しなの松本まつもと藩はん取締とりしまり地ちとなり、花巻はなまき県けんを称しょうする^[4]。
明治めいじ2年ねん8月がつ18日にち（1869年ねん9月23日にち） - 花巻はなまき県けんが江刺えさし県けんに編入へんにゅう。
明治めいじ4年ねん11月2日にち（1871年ねん 12月13日にち） - 第だい1次じ府県ふけん統合とうごうにより盛岡もりおか県けん（第だい3次じ）の管轄かんかつとなる。
明治めいじ5年ねん1月がつ8日にち（1872年ねん 2月がつ16日にち） - 盛岡もりおか県けん（第だい3次じ）が岩手いわて県けんに改称かいしょう。
明治めいじ11年ねん（1878年ねん）11月26日にち - 郡こおり区く町村ちょうそん編制へんせい法ほうの岩手いわて県けんでの施行しこうにより、行政ぎょうせい区画くかくとしての閉伊へい郡ぐんが発足ほっそく。

郡ぐん発足ほっそく以降いこうの沿革えんかく

明治めいじ12年ねん（1879年ねん）1月がつ4日にち - 閉伊へい郡ぐんが分割ぶんかつし、釜石かまいし村むらほか13村むらの区域くいきをもって南みなみ閉伊へい郡ぐんが発足ほっそく。郡ぐん役所やくしょが釜石かまいし村むらに設置せっち。

21.釜石かまいし町まち 22.大槌おおつち町まち 23.甲子こうし村むら 24.鵜住居うのずまい村むら 25.栗橋くりはし村むら 26.金沢かなざわ村むら（紫むらさき：釜石かまいし市し赤あか：上閉伊かみへい郡ぐん大槌おおつち町まち 1 - 11は西にし閉伊へい郡ぐん）

明治めいじ22年ねん（1889年ねん）4月がつ1日にち - 町村ちょうそん制せいの施行しこうにより、以下いかの町村ちょうそんが発足ほっそく。特記とっき以外いがいは全域ぜんいきが現げん・釜石かまいし市し。（2町まち4村むら）
- 釜石かまいし町まち ← 釜石かまいし村むら、平田ひらた村むら
- 大槌おおつち町まち ← 大槌おおつち村むら、小槌こづち村むら、吉里吉里きりきり村むら（現げん・上閉伊かみへい郡ぐん大槌おおつち町まち）
- 甲子こうし村むら （単独たんどく村むら制せい）
- 鵜住居うのずまい村むら ← 鵜住居うのずまい村むら、片岸かたぎし村むら、箱崎はこざき村むら、両石りょういし村むら
- 栗橋くりはし村むら ← 栗林くりばやし村むら、橋野はしの村むら
- 金沢かなざわ村むら （単独たんどく村むら制せい。現げん・上閉伊かみへい郡ぐん大槌おおつち町まち）
明治めいじ30年ねん（1897年ねん）4月がつ1日にち - 郡ぐん制せいの施行しこうにより、南みなみ閉伊へい郡ぐん・西にし閉伊へい郡ぐんの区域くいきをもって上閉伊かみへい郡ぐんが発足ほっそく。同日どうじつ南みなみ閉伊へい郡ぐん廃止はいし。

変遷へんせん表ひょう

自治体じちたいの変遷へんせん

明治めいじ以前いぜん	明治めいじ初年しょねん - 明治めいじ11年ねん	明治めいじ12年ねん 1月がつ4日にち南みなみ閉伊へい郡ぐん発足ほっそく	明治めいじ22年ねん 4月がつ1日にち町村ちょうそん制せい施行しこう	明治めいじ29年ねん 4月がつ1日にち上閉伊かみへい郡ぐん発足ほっそく	現在げんざい
釜石かまいし村むら	釜石かまいし村むら	釜石かまいし村むら	釜石かまいし町まち	上閉伊かみへい郡ぐん釜石かまいし町まち	釜石かまいし市し
平田ひらた村むら	平田ひらた村むら	平田ひらた村むら	釜石かまいし町まち	上閉伊かみへい郡ぐん釜石かまいし町まち
鵜住居うのずまい村むら	鵜住居うのずまい村むら	鵜住居うのずまい村むら	鵜住居うのずまい村むら	上閉伊かみへい郡ぐん鵜住居うのずまい村むら
片岸かたぎし村むら	片岸かたぎし村むら	片岸かたぎし村むら
箱崎はこざき村むら	箱崎はこざき村むら	箱崎はこざき村むら
両石りょういし村むら	両石りょういし村むら	両石りょういし村むら
甲子こうし村むら	甲子こうし村むら	甲子こうし村むら	甲子こうし村むら	上閉伊かみへい郡ぐん甲子こうし村むら
栗林くりばやし村むら	栗林くりばやし村むら	栗林くりばやし村むら	栗橋くりはし村むら	上閉伊かみへい郡ぐん栗橋くりはし村むら
橋野はしの村むら	橋野はしの村むら	橋野はしの村むら	栗橋くりはし村むら	上閉伊かみへい郡ぐん栗橋くりはし村むら
大槌おおつち村むら	大槌おおつち村むら	大槌おおつち村むら	大槌おおつち町まち	上閉伊かみへい郡ぐん大槌おおつち町まち	大槌おおつち町まち
小槌こづち村むら	小槌こづち村むら	小槌こづち村むら
吉里吉里きりきり村むら	吉里吉里きりきり村むら	吉里吉里きりきり村むら
金沢かなざわ村むら	金沢かなざわ村むら	金沢かなざわ村むら	金沢かなざわ村むら	上閉伊かみへい郡ぐん金沢かなざわ村むら

行政ぎょうせい

特記とっきなき場合ばあい『上閉伊かみへい郡ぐん志こころざし』による^[5]。

南みなみ閉伊へい郡ぐん長ちょう

代だい	氏名しめい	就任しゅうにん年月日ねんがっぴ	退任たいにん年月日ねんがっぴ	備考びこう
1	原はら官かん次郎じろう	明治めいじ12年ねん（1879年ねん）4月がつ		郡ぐん書記しょき、郡ぐん長ちょう代理だいり
2	花輪はなわ博ひろし	明治めいじ12年ねん（1879年ねん）
3	江刺えさし恒ひさし承うけたまわ	明治めいじ13年ねん（1880年ねん）	明治めいじ13年ねん（1880年ねん）9月がつ	廃はい官かん

西にし閉伊へい・南みなみ閉伊へい郡ぐん長ちょう

代だい	氏名しめい	就任しゅうにん年月日ねんがっぴ	退任たいにん年月日ねんがっぴ	備考びこう
1	米内よない真しん豊ゆたか	明治めいじ13年ねん（1880年ねん）	明治めいじ18年ねん（1885年ねん）5月がつ	西にし閉伊へい郡ぐん長ちょうより転任てんにん
2	中村なかむら秀俊ひでとし	明治めいじ18年ねん（1885年ねん）5月がつ	明治めいじ29年ねん（1896年ねん）4月がつ
3	一いちノ倉くら貫一かんいち	明治めいじ29年ねん（1896年ねん）4月がつ	明治めいじ30年ねん（1897年ねん）3月がつ31日にち	南みなみ閉伊へい郡ぐん廃止はいし

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

^ 記載きさいは大だい鎚づち村むら。
^ 記載きさいは小鎚こづち村むら。
^ 記載きさいは吉里よしさと々々村むら。
^ 明治めいじ元年がんねん12月23日にち（1869年ねん2月がつ4日にち）の「諸しょ藩はん取締とりしまり奥羽おうう各かく県けん当分とうぶん御ご規則きそく」（法令ほうれい全書ぜんしょ通番つうばん明治めいじ元年がんねん太政官だじょうかん布告ふこく第だい1129）に従したがって設置せっちされた県けんだが、明治めいじ政府せいふが権けん知ち県けん事ごとを任命にんめいしたわけではなく、そのため明治めいじ政府せいふの公文書こうぶんしょには全まったく記録きろくが残のこっておらず、正式せいしきな県けんとは認みとめられていない。
^ 巌いわお手しゅ県けん教育きょういく会かい上閉伊かみへい郡ぐん部会ぶかい 1913, 123頁ぺーじ.

参考さんこう資料しりょう

巌いわお手しゅ県けん教育きょういく会かい上閉伊かみへい郡ぐん部会ぶかい編へん『上閉伊かみへい郡ぐん志こころざし』巌いわお手しゅ県けん教育きょういく会かい上閉伊かみへい郡ぐん部会ぶかい、1913年ねん。
「角川かどかわ日本にっぽん地名ちめい大だい辞典じてん」編纂へんさん委員いいん会かい編へん『角川かどかわ日本にっぽん地名ちめい大だい辞典じてん』 3 岩手いわて県けん、角川書店かどかわしょてん、1985年ねん2月がつ7日にち。ISBN 4040010302。