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参拝 - Wikipedia

参拝さんぱい

宗教しゅうきょう施設しせつおとずれて、神仏しんぶつ死者ししゃおがむ(またはいのる)行為こうい

参拝さんぱい(さんぱい)とは、神社じんじゃ寺院じいん教会きょうかいはかびょうなどの宗教しゅうきょう施設しせつおとずれて、神仏しんぶつ死者ししゃおがむ(またはいのる)行為こういのことである。祈願きがんしゃ本人ほんにんわって参拝さんぱいすることは代参だいさん(だいさん)、祈願きがんした神社じんじゃ寺院じいん参詣さんけいせずその方角ほうがくむかって参拝さんぱいすることは遥拝ようはい(ようはい)という。同様どうよう言葉ことばに「参詣さんけい(さんけい)」があるが、参拝さんぱいおがむこと(身体しんたいてき動作どうさ)に主眼しゅがんがあるのにたいし、参詣さんけい社寺しゃじもうでること(地理ちりてき移動いどう)に主眼しゅがんがある。ただし、社寺しゃじ参拝さんぱいするためにはそこへもうでることになるので、一般いっぱんには両者りょうしゃ同義どうぎ言葉ことばとみなされている。特定とくてい複数ふくすう社寺しゃじ教会きょうかいつづけて参拝さんぱいすることを巡礼じゅんれい巡拝じゅんぱいという。

初詣はつもうですずらす
鳥居とりいをくぐって境内けいだいへ(王子おうじさん稲荷いなり神社じんじゃ
拝殿はいでんまえでの拝礼はいれい

参拝さんぱい作法さほう

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日本にっぽん社寺しゃじ場合ばあい

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一般いっぱんてき参拝さんぱい作法さほうおおきなながれは、神社じんじゃ寺院じいんとも以下いかのようなものである[1]

  1. 鳥居とりいもんをくぐるまえ一揖いちゆうをする。帽子ぼうし着用ちゃくようしている場合ばあいぐ。
  2. 手水ちょうずしゃあらい、くちをすすぐ。神前しんぜん仏前ぶつぜんまいまえきよめる行為こういで、神社じんじゃ場合ばあい略式りゃくしきみそぎ(みそぎ)ということになる。
  3. 賽銭さいせん賽銭さいせんばこしずかにれる。
  4. ほんつぼすずすず)/鰐口わにぐち[注釈ちゅうしゃく 1]などをらす(すずらしたのち賽銭さいせんれると説明せつめいするひともいる)。
  5. 拝礼はいれいおこなう。
    神社じんじゃ場合ばあいはい拍手はくしゅいちはいはいふか辞儀じぎ)。寺院じいん場合ばあい合掌がっしょう

寺社じしゃによっては上記じょうきことなる参拝さんぱい方法ほうほう場合ばあいもあり、おおくはそのむね表示ひょうじがある。

  • 出雲いずも大社たいしゃ宇佐うさ八幡やはたでは拍手はくしゅではなくよん拍手はくしゅおこなう。また伊勢神宮いせじんぐう熱田あつた神宮じんぐうには特殊とくしゅ拍手はくしゅ八開はちかいしゅ)があるが、あくまでも神職しんしょくのみの作法さほうであり参列さんれつしゃおこなわない。
  • 神社じんじゃによってははいのうち、まえれいあさく、れいふかくするよう指定していされる場合ばあいもある。

一般いっぱんには拍手はくしゅいちはいあいだ、もしく合掌がっしょうのときに神仏しんぶつへの祈願きがんなどをおこなう。寺院じいんわせるのはインドとうでの挨拶あいさつはしはっするもので、拍手はくしゅとはことなる。神社じんじゃ祝詞のりと神社じんじゃはい)をとなえる場合ばあいは、はい拍手はくしゅいちはいあいだったり、再拝さいはいのち祝詞のりととな再度さいどはい拍手はくしゅいちはいおこなったりする。

正式せいしき参拝さんぱい

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上記じょうき社頭しゃとうにておこな略式りゃくしき参拝さんぱいであるが、に、拝殿はいでんがって(昇殿しょうでんして)おこな正式せいしき参拝さんぱいがある。正式せいしき参拝さんぱいは、社務しゃむしょにて正式せいしき参拝さんぱいおこないたいむねげ、拝殿はいでんがる。神職しんしょくによる修祓しゅうばつ祝詞のりと奏上そうじょうのち神前しんぜん玉串たまぐしささげて拝礼はいれいする。この場合ばあい一般いっぱんにははい拍手はくしゅいちはいであるが、神職しんしょく指示しじしたがう。その直会なおらいとして神酒みきをいただく。

古代こだいにおいては、参拝さんぱい参詣さんけいといえば近所きんじょ神仏しんぶつまいもうでるものであったが、平安へいあん時代じだいごろから遠方えんぽう社寺しゃじにももうでるようになった。平安へいあん時代じだい末期まっきごろから貴族きぞく中心ちゅうしんとして熊野くまの三山さんざん高野山こうのやま伊勢神宮いせじんぐうへの参詣さんけい巡礼じゅんれいさかんにおこなわれるようになった。とく熊野くまのまい人気にんきとなっておおくのひと参詣さんけいし、せま山道さんどう人々ひとびとれつをなしてようは「あり熊野くまのまい」とばれた。

近世きんせいになると、交通こうつうもう整備せいびともな庶民しょみん遠出とおでさかんになり、伊勢神宮いせじんぐう金刀比羅宮ことひらぐう善光寺ぜんこうじなどへ全国ぜんこくから参詣さんけいしゃおとずれるようになった。遠隔えんかくへの参詣さんけいには費用ひようがかかることから、人々ひとびとこう組織そしきし、おかねしあって代表だいひょうしゃ代参だいさんおこなうという習慣しゅうかんまれた。また、伊勢神宮いせじんぐうへの参詣さんけいでは、道中どうちゅう無一文むいちもんになっても沿道えんどう人々ひとびと援助えんじょによってたびつづけられるという「まいり」という風習ふうしゅうもあった。これは、援助えんじょをしたひと参詣さんけいしたひとおな御利益ごりやくられるとかんがえられたためである。

天皇てんのう参拝さんぱい

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歴史れきしてきには天皇てんのう神社じんじゃ参詣さんけいする場合ばあいには、行幸ぎょうこうかたりもちいられる。賀茂かも行幸ぎょうこういし清水しみず行幸ぎょうこうなどがそれである。はい天皇てんのう拝礼はいれい身体しんたいてき動作どうさとしての参拝さんぱい)を場合ばあいには、親拝しんぱい呼称こしょうする場合ばあいがある。親拝しんぱいとは、勅使ちょくしかいさず直接ちょくせつ拝礼はいれいすることである(「おや」とは「みずから」という同様どうようかたりれいとして「親筆しんぴつ」など)。親拝しんぱい対義語たいぎごは「だいはい」)。また天皇てんのう神宮じんぐう天皇陵てんのうりょう親拝しんぱいする場合ばあいにはしん呼称こしょうする(「おや謁」は、帝王ていおうがみずから宗廟そうびょう親拝しんぱいすることを意味いみするかたりである。おや謁のかたりは『あかり』『しんとうしょ』『ずいしょ』などの中国ちゅうごく古典こてんでも用例ようれい確認かくにんできる。)。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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出典しゅってん

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  1. ^ 仲尾なかおそうやすし神主かんぬしライフ!」(徳間書店とくましょてん、2010ねんISBN 978-4-19-863084-3)205ぺーじ

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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