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吉松隆 - Wikipedia

よしまつたかし

日本にっぽん作曲さっきょく

よしまつ たかし(よしまつ たかし、1953ねん3月18にち - )[1]は、日本にっぽん作曲さっきょく東京とうきょう渋谷しぶやまれ。

よしまつ たかし
出生しゅっしょうめい よしまつ たかし(よしまつ たかし)
生誕せいたん (1953-03-18) 1953ねん3月18にち(71さい
出身しゅっしん 日本の旗 日本にっぽん東京とうきょう渋谷しぶや代々木よよぎ
学歴がくれき 慶應義塾けいおうぎじゅく高等こうとう学校がっこう卒業そつぎょう
慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがく工学部こうがくぶ中退ちゅうたい
ジャンル クラシック
職業しょくぎょう 作曲さっきょく
活動かつどう期間きかん 1975ねん -
公式こうしきサイト よしまつたかしホームページ
松村まつむら禎三ていぞうなど

人物じんぶつ経歴けいれき

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幕末ばくまつ維新いしん国学こくがくしゃ大国おおくに隆正たかまさ子孫しそんとして東京とうきょう代々木よよぎまれそだつ。曾祖父そうそふ吉松よしまつこまづくり東宮とうぐう(のちの昭和しょうわ天皇てんのう)の侍医じい幼少ようしょういぬっており、散歩さんぽちゅう発見はっけんしたがらくたをてることを日課にっかとしていたという[2]

渋谷しぶや区立くりつ幡代はたしろ小学校しょうがっこう渋谷しぶや区立くりつ代々木よよぎ中学校ちゅうがっこうて、慶應義塾けいおうぎじゅく高等こうとう学校がっこう入学にゅうがく[3]当初とうしょ医学部いがくぶ進学しんがく目指めざしていたが、徐々じょじょ作曲さっきょく没頭ぼっとうするようになり、やがて交響曲こうきょうきょく作家さっか志望しぼう変更へんこう。「これからは音楽おんがくをやるにもコンピュータ必要ひつようだろう」とのかんがえから、慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがく工学部こうがくぶ進学しんがく[4]大学だいがく在学ざいがくちゅう松村まつむら禎三ていぞう弟子でしりする。作風さくふうにおいて影響えいきょうまったけなかったというが、1974ねんのピアノ独奏どくそうきょく「シリウスのともぼしによせる」(作品さくひん番号ばんごう1)には、松村まつむらふく現代げんだい音楽おんがく影響えいきょう濃厚のうこうである。和声わせい対位法たいいほうまなぶようすすめられ、東京藝術大学とうきょうげいじゅつだいがく教授きょうじゅ川井かわいまなぶ紹介しょうかいされたが数ヶ月すうかげつでレッスン受講じゅこう断念だんねん1974ねん3がつには大学だいがく退学たいがく[5]

またこのころには芸術げいじゅつ音楽おんがくとしての作曲さっきょくおこな一方いっぽうピンク・フロイドイエスEL&Pひとしプログレッシブ・ロック心酔しんすいし、キーボード奏者そうしゃとしてロックバンドにも参加さんかした。

1975ねん松村まつむら紹介しょうかい原田はらだ力男りきお出会であい、1978ねん11月28にち原田はらだ主催しゅさいのプライヴェート・コンサートで「わすれっぽい天使てんし」を発表はっぴょうし、作曲さっきょくとしてデビュー(ただし作曲さっきょくりょう無償むしょうだった)。そのあいだ、さまざまな作曲さっきょくコンクールに20かいほど応募おうぼしてことごとく落選らくせんしたが、1980ねん、オーケストラのための「ドーリアン」が交響楽こうきょうがく振興しんこう財団ざいだん作曲さっきょくしょう入選にゅうせんいで1981ねんに「朱鷺ときによせる哀歌あいか」が現代げんだい音楽おんがくてん'81で初演しょえんされ、たか評価ひょうかけ、わか世代せだい作曲さっきょく1人ひとりとして認知にんちされた。なお青島あおしま広志ひろし著書ちょしょ作曲さっきょく発想はっそうじゅつ』(講談社こうだんしゃ現代新書げんだいしんしょ2004ねん)には、「朱鷺ときによせる哀歌あいか」で尾高おだかしょう受賞じゅしょうしたという記述きじゅつがあるが(p.263)、あやまり。吉松よしまつ本人ほんにん自身じしんのサイトで否定ひていしている[6]シェーンベルクシュトックハウゼンクセナキスなど、メロディや和音わおん否定ひていした調音ちょうおんたのし中心ちゅうしんとする現代げんだい音楽おんがく音楽おんがくてき傾向けいこう反旗はんきをひるがえし、「現代げんだい音楽おんがく撲滅ぼくめつ運動うんどう」と「世紀せいきまつ抒情じょじょう主義しゅぎ」を提唱ていしょう1984ねん西村にしむらあきらとも世紀せいきまつ音楽おんがく研究所けんきゅうじょ設立せつりつ交響曲こうきょうきょく協奏曲きょうそうきょくなどすうおおくの作品さくひん発表はっぴょう1998ねんからイギリスシャンドスとレジデント・コンポーザーの契約けいやくむすび、交響曲こうきょうきょくをはじめとするおおくのオーケストラ作品さくひん録音ろくおんされた。

ちなみにトレードマークであるひげは、交響こうきょうきょくだい3ばん Op.75作曲さっきょくちゅう自室じしつやく3ヶ月かげつ作業さぎょう没頭ぼっとうしていたことから以降いこうはこのままの状態じょうたいでいこうとめたという[7]

プログレッシブ・ロック・ファンでもある吉松よしまつは2009ねんにEL&Pの「タルカス」をオーケストラに編曲へんきょく翌年よくねん「タルカス〜クラシックmeetsロック」としてCD発売はつばいされたほかNHK大河たいがドラマ平清盛たいらのきよもりげきちゅう音楽おんがくにも採用さいようされ話題わだいんだ[8]。コンサートでの反響はんきょうは「プログレ」ファンと「クラシック」ファンがかさなることによるものとの分析ぶんせきもあり、幅広はばひろ支持しじ吉松きちまつ音楽おんがくせい物語ものがた事例じれいとしてもとらえられる[9]

2013ねん室内しつない管弦楽かんげんがくのための作品さくひんである「京都きょうとによせる小品しょうひん」が6がつ京都きょうとえき[10]いずみシンフォニエッタ大阪おおさか委嘱いしょくさくである交響こうきょうきょくだい6ばんとり天使てんしたち」が7がつ13にちいずみホール飯森いいもりはんおや指揮しきによりおこなわれた[11]

主要しゅよう作品さくひん

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管弦楽かんげんがくきょく

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交響曲こうきょうきょく

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その管弦楽かんげんがくきょく

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協奏曲きょうそうきょく

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ピアノきょく

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  • シリウスのともぼしによせる Op.1(1974ねん
  • レグルス回路かいろ Op.7(1979ねん
  • プレイアデス舞曲ぶきょくしゅう I Op.27(1986ねん
  • プレイアデス舞曲ぶきょくしゅう II Op.28(1987ねん
  • プレイアデス舞曲ぶきょくしゅう III Op.35(1988ねん
  • プレイアデス舞曲ぶきょくしゅう IV Op.50(1992ねん
  • プレイアデス舞曲ぶきょくしゅう V Op.51(1992ねん
  • ピアノ・フォリオ(1997ねん
  • プレイアデス舞曲ぶきょくしゅう VI Op.71(1998ねん
  • プレイアデス舞曲ぶきょくしゅう VII Op.76(1999ねん
  • プレイアデス舞曲ぶきょくしゅう VIII Op.78a(2000ねん
  • プレイアデス舞曲ぶきょくしゅう IX Op.85(2001ねん
  • タピオラまぼろしけい Op.92(2004ねん
  • アイノラ抒情じょじょうきょくしゅう Op.95(2006ねん
  • ゴーシュ舞曲ぶきょくしゅう Op.96(2006ねん

室内楽しつないがくきょく

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邦楽ほうがく

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  • あめがつ Op.11(1980ねん尺八しゃくはちじゅうなな
  • そうさかな Op.26(1986ねん尺八しゃくはちじゅう
  • ななさんさんさく
    • もゆらのツ Op.41(1990ねんじゅう
    • なばりのさんツ Op.54(1992ねんじゅうなな
    • すばるのななツ Op.78(1999ねんじゅう
  • とりゆめまい Op.69(1997ねん
  • ゆめあわせゆめたがえ Op.74(1998ねんじゅう絃、クラリネット、ヴァイオリン、チェロ
  • ほしゆめまい(ほしゆめのまい) Op.89(2002ねん横笛よこぶえ尺八しゃくはち4、篳篥ひちりきしょう三味線しゃみせん琵琶びわじゅう三絃さんげん4、じゅう絃2、じゅうなな絃2、打楽器だがっき2
  • ゆめ寿ことぶき(ゆめ・ほぎうた) Op.100(2007ねん

マンドリンオーケストラ

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  • 虹色にじいろ機関きかん Op.53(1993ねん
  • マーマレイド回路かいろ(1984ねん

放送ほうそう映画えいが音楽おんがく

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編曲へんきょく

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著書ちょしょ

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  • さかな音楽おんがくろん音楽之友社おんがくのともしゃ(1987ねん
  • 世紀せいきまつ音楽おんがくノオト』音楽之友社おんがくのともしゃ(1994ねん
  • 図解ずかいクラシック音楽おんがくだい事典じてん学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃ(2004ねん
  • 吉松よしまつたかし楽勝らくしょう!クラシック音楽おんがく講座こうざ学習がくしゅう研究けんきゅうしゃ(2004ねん
  • 吉松よしまつたかし空耳そらみみ!クラシック名曲めいきょくガイド』学習がくしゅう研究けんきゅうしゃ(2005ねん
  • ゆめみるクラシック交響曲こうきょうきょく入門にゅうもんちくまプリマー新書しんしょ(2006ねん
  • 『クラシック音楽おんがくは「ミステリー」である』講談社こうだんしゃ+αあるふぁ新書しんしょ(2009ねん
  • 『「運命うんめい」はなぜハ短調たんちょうとびらたたくのか? 調しらべせいくクラシック』ヤマハミュージックメディア(2010ねん
  • 知識ちしきゼロからの世界せかいの10だい作曲さっきょく入門にゅうもん幻冬舎げんとうしゃ(2012ねん
  • 作曲さっきょくとりのごとく』春秋しゅんじゅうしゃ(2013ねん
  • 吉松よしまつたかし調しらべせいくクラシック』(1さつでわかるポケット教養きょうようシリーズ)ヤマハミュージックメディア 2014
  • 吉松よしまつたかし図解ずかいクラシック音楽おんがくだい事典じてん』イラスト・ぶん. 学研がっけんパブリッシング 2015

共著きょうちょ編著へんちょ

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  • 究極きゅうきょくのCD200 クラシックの自由じゆう時間じかんたてふう書房しょぼう(1995ねん構成こうせい編著へんちょ
  • 『200CD クラシック音楽おんがく探求たんきゅう 古楽こがくへの招待しょうたいたてふう書房しょぼう(1996ねん共著きょうちょ
  • 『アダージョ読本とくほん音楽之友社おんがくのともしゃ(1998ねん編著へんちょ
  • 西村にしむらあきら吉松よしまつたかしのクラシックだい作曲さっきょく診断しんだん学習がくしゅう研究けんきゅうしゃ(2007ねん西村にしむらあきらとの共著きょうちょ

受賞じゅしょうれき

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出演しゅつえん

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関連かんれん人物じんぶつ

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  • 藤岡ふじおか幸夫ゆきお - 指揮しきしゃ[15]吉松よしまつ作品さくひんみ、吉松よしまつ言葉ことばでは「悪魔あくまてきに」んできた。おおくの作品さくひん初演しょえん録音ろくおんとく交響こうきょうきょくだい3ばんは(吉松よしまつ当初とうしょ予定よていにはなかったことだが)藤岡ふじおか献呈けんていされたきょくである。また交響こうきょうきょくだい4ばんだい2楽章がくしょうおとがたには藤岡ふじおか名前なまえがある。シャンドスに吉松よしまつ紹介しょうかいしたのも藤岡ふじおかとされ、高校こうこう大学だいがくつうじての後輩こうはいでもある。藤岡ふじおか吉松よしまつに「(いまはそのいきまでたっしていないが)人生じんせい半分はんぶんけてもいい」とかたるほどんでおり、吉松よしまつ藤岡ふじおか出会であったことで「あたらしい右手みぎてた」とかたっている。

脚注きゃくちゅう

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出典しゅってん

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  1. ^ 日本にっぽん作曲さっきょくきん現代げんだい音楽おんがく人名じんめい事典じてん日外にちがいアソシエーツ、2008ねん、733-734ぺーじISBN 978-4-8169-2119-3 
  2. ^ 作曲さっきょくとりのごとく 2013, p. 8.
  3. ^ biography”. yoshim.music.coocan.jp. 2022ねん8がつ28にち閲覧えつらん
  4. ^ 作曲さっきょく道具どうぐ~ピアノからコンピュータへ”. yoshim.music.coocan.jp. 2022ねん8がつ28にち閲覧えつらん
  5. ^ 作曲さっきょくとりのごとく 2013, p. 75.
  6. ^ よしまつたかし. “Q&A vol.04”. よしまつたかし 交響曲こうきょうきょく工房こうぼう. 吉松よしまつたかし公式こうしきサイト. 2007ねん12月28にち20:08閲覧えつらん
  7. ^ 作曲さっきょくとりのごとく 2013, p. 218.
  8. ^ 平清盛たいらのきよもり×吉松よしまつたかし:音楽おんがくぜん仕事しごと NHK大河たいがドラマ《平清盛たいらのきよもり》オリジナル・サウンドトラック[Limited Edition] 商品しょうひん説明せつめい”. Amazon.co.jp (2012ねん11月). 2012ねん11月4にち閲覧えつらん
  9. ^ 日本にほんコロムビア (2010ねん7がつ). “タルカス クラシック meets ロック 〜吉松よしまつたかし”. 2012ねん11月4にち閲覧えつらん
  10. ^ よしまつたかし (2013ねん4がつ15にち). “幻視げんし幻聴げんちょう”. ぶん音符おんぷ憂鬱ゆううつ. ニフティ. 2013ねん4がつ20日はつか閲覧えつらん
  11. ^ しん音楽おんがく未来みらいへのたびシリーズ いずみシンフォニエッタ大阪おおさか だい31かい定期ていき演奏えんそうかい 吉松よしまつたかし 新作しんさく交響こうきょうきょくだい6ばん!”. いずみホール. 2013ねん4がつ20日はつか閲覧えつらん
  12. ^ 公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん 日本にっぽん交響楽こうきょうがく振興しんこう財団ざいだん ホームページ - コンサート・作曲さっきょくコンクールの実施じっしなどをつうじて交響楽こうきょうがく普及ふきゅう”. www.symphony.or.jp. 2023ねん9がつ29にち閲覧えつらん
  13. ^ 音楽之友社おんがくのともしゃ レコード・アカデミーしょう歴代れきだい受賞じゅしょうばん”. 20世紀せいきBOX. 2023ねん9がつ29にち閲覧えつらん
  14. ^ 日本にっぽんアカデミーしょう公式こうしきサイト”. www.japan-academy-prize.jp. 2023ねん9がつ29にち閲覧えつらん
  15. ^ 作曲さっきょくとりのごとく』春秋しゅんじゅうしゃ、2013ねん3がつ、194-195ぺーじISBN 978-4-393-93574-3 

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 作曲さっきょくがゆく:西村にしむらあきら対話たいわしゅう春秋しゅんじゅうしゃ、2007ねん5がつ、p181-206。ISBN 978-4-393-93516-3
  • よしまつたかし作曲さっきょくとりのごとく』春秋しゅんじゅうしゃ、2013ねん3がつ20日はつかISBN 978-4-39-393574-3 

外部がいぶリンク

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