地獄変じごくへん

『地獄変じごくへん』（じごくへん）は、芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけの短編たんぺん小説しょうせつ。説話せつわ集しゅう『宇治うじ拾遺しゅうい物語ものがたり』の「絵え仏師ぶっし良りょう秀家ひでいえの焼やきくるを見みて悦よろこぶ事こと」を基もとに、芥川あくたがわが独自どくじに創作そうさくしたものである。初出しょしゅつは1918年ねん（大正たいしょう7年ねん）5月がつ1日にちから22日にちまで『大阪毎日新聞おおさかまいにちしんぶん』『東京日日新聞とうきょうにちにちしんぶん』に連載れんさいされ、1919年ねん（大正たいしょう8年ねん）1月がつ15日にちに新潮社しんちょうしゃ刊行かんこうの作品さくひん集しゅう『傀儡かいらい師し』に収録しゅうろくされた。主人公しゅじんこうである良りょう秀しゅうの「芸術げいじゅつの完成かんせいのためにはいかなる犠牲ぎせいも厭いとわない」姿勢しせいが、芥川あくたがわ自身じしんの芸術げいじゅつ至上しじょう主義しゅぎと絡からめて論ろんじられることが多おおく、発表はっぴょう当時とうじから高たかい評価ひょうかを得えた。なお、『宇治うじ拾遺しゅうい物語ものがたり』では主人公しゅじんこうの名なの良りょう秀しゅうを「りょうしゅう」と読よむが、本ほん作さくでは「よしひで」としている。

地獄変じごくへん
訳わけ題だい	Hell Screen
作者さくしゃ	芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ
国くに	日本にっぽん
言語げんご	日本語にほんご
ジャンル	短編たんぺん小説しょうせつ
発表はっぴょう形態けいたい	新聞しんぶん掲載けいさい
初出しょしゅつ情報じょうほう
初出しょしゅつ	『大阪毎日新聞おおさかまいにちしんぶん』、『東京日日新聞とうきょうにちにちしんぶん』1918年ねん 5月1日にち-22日にち
刊本かんぽん情報じょうほう
収録しゅうろく	『傀儡かいらい師し』
出版しゅっぱん元もと	新潮社しんちょうしゃ
出版しゅっぱん年月日ねんがっぴ	1919年ねん1月がつ15日にち
ウィキポータル 文学ぶんがく ポータル 書物しょもつ

破棄はきされたと見みられていた直筆じきひつ原稿げんこうのうち2枚まいが、2007年ねん（平成へいせい19年ねん）12月に岡山おかやま県けん倉敷くらしき市しで見みつかり、同時どうじに未完みかん作さく『邪宗門じゃしゅうもん』の原稿げんこうも発見はっけんされた。

1969年ねんに映画えいが化かされた。

あらすじ

時ときは平安へいあん時代じだい。20年来ねんらい、堀川ほりかわの大殿おおいどの（おおとの）に奉公ほうこうしてきた人物じんぶつが、大殿おおいどのについて振ふり返かえり、いかに偉大いだいで尊敬そんけいされていたかを語かたる。様々さまざまな逸話いつわがあるなかで大殿おおいどのでさえも驚おどろいたほどに恐おそろしい、地獄変じごくへんの屏風びょうぶ絵えの由来ゆらいについて語かたり始はじめる。

当時とうじ、良りょう秀しゅう（よしひで）は、並ならび立たつ者ものはいないといわれるほどの名高なだかい絵師えしだった。歳としは50くらい、背せの低ひくい痩やせた老人ろうじんで、偉えらそうにして人ひとを見下みくだし、誰だれからも嫌きらわれていた。そんな良りょう秀しゅうも15になる娘むすめのことは、とても可愛かわいがっていた。早はやくに母親ははおやをなくしたせいか、思おもいやり深ふかく、利口りこうで、よく気けが利きく娘むすめであった。大殿おおいどのに命めいじられ、娘むすめは大殿おおいどのの邸やしき（やしき）に小しょう女房にょうぼうとして上あがっていた。そのことが良りょう秀しゅうには不服ふふくだった。大殿おおいどのから絵えの褒美ほうびに何なにが欲ほしいか問とわれると、娘むすめを返かえして欲ほしいと答こたえた。大殿おおいどのは「だめだ」と返かえした。そのようなことが何なん度どかあり、大殿おおいどのの心象しんしょうを悪わるくしていった。

ある時とき、大殿おおいどのは地獄変じごくへんの屏風びょうぶ絵えを描えがくように良りょう秀しゅうに命めいじた。地獄変じごくへんに描えがく絵えの参考さんこうにするために良りょう秀しゅうは弟子でしを鎖くさりで縛しばり上あげたり、ミミズクに襲おそわせたりして、弟子でしたちは散々さんざんな目めにあわされた。下絵したえが8割わりくらい出来できたところで進すすまなくなった。良りょう秀しゅうは陰気いんきになり物言ものいいも荒あらくなり、どうかすると塗ぬり消けしてしまいかねない様子ようすだった。弟子でしたちは散々さんざんな目めにあわされたことで良よ秀しゅうに近ちかづかないようにしていたため理由りゆうはわからなかった。良りょう秀しゅうは涙なみだもろくなり、人ひとのいないところで泣ないていることもあった。その一方いっぽうで、邸やしきでは良りょう秀しゅうの娘むすめが泣ないている姿すがたが見みられるようになった。大だい殿様とのさまがいうことをきかせようとしているとの噂うわさが立たっていた。

夜よる、邸やしきの廊下ろうかを歩あるいていた「語かたり手て」は、ある部屋へやから人ひとが争あらそうような気配けはいがすることに気きがついた。狼藉ろうぜき者しゃなら捕つかまえてやろうと調しらべると、そこにいたのは服ふくの乱みだれた良りょう秀しゅうの娘むすめだった。逃にげていくもう一人ひとりを指差ゆびさして、あれは誰だれなのか娘むすめに尋たずねたが、娘むすめは唇くちびるをかみしめて首くびを振ふり、答こたえなかった。

しばらくして、良りょう秀しゅうは大殿おおいどのの邸やしきに行いき、大殿おおいどのに向むかって「燃もえ上あがる檳榔びろう毛げ（びろうげ）の車くるまの中なかで上うえ﨟（じょうろう）が苦くるしむところが、どうしても描えがけません。私わたしは見みたものしか描えがけません。車くるまを燃もやして見みせてください」と訴うったえた。さらに「もし、できることなら」と言いいかけたところで、大殿おおいどのは笑わらって「お前まえの望のぞみ通どおりにしてやる。あでやかな女おんなを一人ひとり、上うえ﨟の装よそおいをさせて乗のせてやろう。車くるまのなかで女おんながもだえ死しぬところを描えがこうとするとは、さすがだ」と言いった。それを聞きいた良りょう秀しゅうは青あおざめ、低ひくい声こえで礼れいを述のべた。

数日すうじつ後ごの夜よる、良りょう秀しゅうは都とから離はなれた荒あれた屋敷やしきに呼よび出だされた。これから火ひにかけられる車くるまには鎖くさりにしばられた女おんなが乗のせられていた。身みなりは違ちがうが良よ秀しゅうの娘むすめだった。驚おどろいた良りょう秀しゅうが車くるまに駆かけ寄よろうとすると、侍さむらいが刀かたなに手てをかけ良よ秀しゅうをにらんだ。大殿おおいどのが命めいじて、すぐに車くるまに火ひがかけられ、みるみる燃もえ上あがった。良りょう秀しゅうは足あしを止とめ、手てを車くるまに伸のばしたまま苦くるしそうな凄すさまじい顔かおで炎ほのおを眺ながめた。大殿おおいどのは唇くちびるを噛かんで時々ときどき気味悪きみわるく笑わらいながら車くるまを見みつめた。やがて、車くるまは炎ほのおの柱はしらとなり、車くるまのなかは黒くろい煙けむりの底そこに隠かくされた。良りょう秀しゅうは両りょう腕うでを組くんで立たち、炎ほのおを見みつめた。顔かおには言葉ことばでは表あらわせない輝かがやきを浮うかべ、その姿すがたは獅子王ししおうの怒いかりに似にた人間にんげんとは思おもえないくらいの厳おごそかさがあった。周まわりの者ものたちは、仏ふつでも見みるかのように良りょう秀しゅうを見みつめた。ただ、大殿おおいどのだけは、別人べつじんのように、青あおざめて、獣ししのようにあえいでいた。

この出来事できごとが世間せけんに知しられると批判ひはんの声こえが上あがり様々さまざまな噂うわさが立たった。なかでも、かなわぬ恋こいが原因げんいんだろうとの噂うわさが一番いちばん多おおかった。しかし、大殿おおいどのが言いうことには、絵えのために娘むすめを犠牲ぎせいにしようとした良りょう秀しゅうをこらしめるためであった。

ひと月がつ後ご、良りょう秀しゅうは地獄変じごくへんの屏風びょうぶ絵えを描えがき終おえ、早速さっそく、大殿おおいどのの邸やしきへ持もっていった。そのとき、良りょう秀しゅうをよく思おもわない僧侶そうりょも居合いあわせていたが、絵えを見みると「でかしおった」と言いい、それを聞きいた大殿おおいどのは苦笑にがわらいをした。それからは、邸やしきで良よ秀しゅうを悪わるく言いう者ものはいなくなった。

屏風びょうぶが出来上できあがった次つぎの夜よる、良りょう秀しゅうは自分じぶんの部屋へやで首くびをつり、この世よを去さった。

歌舞伎かぶき作品さくひん

地獄変じごくへん
訳わけ題だい	Hell Screen
作者さくしゃ	三島みしま由紀夫ゆきお
国くに	日本にっぽん
言語げんご	日本語にほんご
ジャンル	歌舞伎かぶき
幕まく数すう	1幕まく2場じょう
初出しょしゅつ情報じょうほう
初出しょしゅつ	書かき下おろし 1953年ねん11月18日にち
刊本かんぽん情報じょうほう
収録しゅうろく	『ラディゲの死し』 新潮社しんちょうしゃ 1955年ねん7月がつ20日はつか
初演しょえん情報じょうほう
公演こうえん名めい	12月興行こうぎょう 中村なかむら吉右衛門きちえもん劇団げきだん大だい歌舞伎かぶき
場所ばしょ	歌舞伎座かぶきざ 1953年ねん12月5日にち
ポータル 文学ぶんがく ポータル 舞台ぶたい芸術げいじゅつ

芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけの原作げんさくを元もとに三島みしま由紀夫ゆきおが1953年ねん（昭和しょうわ28年ねん）11月18日にちに1幕まく2場じょうの竹本たけもと劇げき（義太夫ぎだゆう語かたりを含ふくむ歌舞伎かぶき）の歌舞伎かぶき台本だいほん『地獄変じごくへん』を書かき下おろし、同年どうねん12月がつ5日にちに歌舞伎座かぶきざで中村なかむら吉右衛門きちえもん劇団げきだんにより、中村なかむら歌右衛門うたえもん、中村なかむら勘三郎かんざぶろうらの共演きょうえんで初演しょえんされた。これは三島みしまの最初さいしょの歌舞伎かぶき戯曲ぎきょくで、浄瑠璃じょうるりの文体ぶんたいを苦労くろうして再現さいげんした作品さくひんである。

始はじめ歌舞伎座かぶきざの方ほうから劇化げきかの話はなしを受うけた三島みしまは、1953年ねん（昭和しょうわ28年ねん）秋あき頃ごろに正式せいしきに執筆しっぴつ依頼いらいをされて一いちか月げつほどで仕上しあげた。三島みしまは〈現代げんだい語ごや中途半端ちゅうとはんぱの新しん歌舞伎かぶき調しらべセリフの新作しんさくがきらひ〉で、いつの日ひか〈形式けいしきもセリフもことごとく歌舞伎かぶきに則のりつた新作しんさくを書かきたい〉と考かんがえていたために、その依頼いらいは〈渡わたりに舟ふね〉ですぐに快諾かいだくした。

しかしやつてみると、ただ擬古ぎこ文ぶんといふだけでなく、浄瑠璃じょうるりのあのグロテスクな素朴そぼくなユーモアをたたへた悪あく趣味しゅみきはまる文体ぶんたいの再現さいげんは、実じつにむづかしかつた。（中略ちゅうりゃく）大体だいたい浄瑠璃じょうるり作者さくしゃの頭あたまには日本にっぽんや支ささえ那なの古事ふるごとに関かんする耳学問みみがくもんがいつぱい詰つめつてゐたが、浄瑠璃じょうるりを書かくのにじやまになるやうな教養きょうようは一ひとつもなかつた。ところが我々われわれは、文楽ぶんらくをきいた耳みみでハイフェッツをきき、帰かえりは酒場さかばでサルトルを論ろんずるといふ理不尽りふじんな生活せいかつをしてゐる。これで浄瑠璃じょうるりを書かかうといふのは虫むしが好よすぎる。自慢じまんにもならないが、やつと脱だつ稿こうして、歌舞伎座かぶきざで本読ほんよみの最中さいちゅうに息いきがつづかず、脳貧血のうひんけつを起おこしかけた程ほどである。 — 三島みしま由紀夫ゆきお「僕ぼくの『地獄変じごくへん』」

台本だいほんは1955年ねん（昭和しょうわ30年ねん）7月がつ20日はつか刊行かんこうの『ラディゲの死し』（新潮社しんちょうしゃ）、1962年ねん（昭和しょうわ37年ねん）3月がつ20日はつか刊行かんこうの『三島みしま由紀夫ゆきお戯曲ぎきょく全集ぜんしゅう』（新潮社しんちょうしゃ）などに収録しゅうろくされた。翻訳ほんやく版ばんは、中国ちゅうごくの申さる非ひ訳やく（中ちゅう題だい：地獄じごく図ず）で行おこなわれている。

公演こうえん

• 12月興行こうぎょう 中村なかむら吉右衛門きちえもん劇団げきだん大だい歌舞伎かぶき
  • 1953年ねん（昭和しょうわ28年ねん）12月5日にち - 26日にち 東京とうきょう・歌舞伎座かぶきざ
  • 演出えんしゅつ：久保田くぼた万太郎まんたろう。
  • 出演しゅつえん：中村なかむら歌右衛門うたえもん、中村なかむら勘三郎かんざぶろう、松本まつもと幸四郎こうしろう、市川いちかわ中車ちゅうしゃ、中村なかむら芝しば鶴づる、市川いちかわ八はち百ひゃく蔵ぞう、ほか
  • ※ 第だい二に部ぶ、長谷川はせがわ伸しん作さく『刺青しせい奇偶きぐう』ほかと併演。
  • ※ 1953年ねん（昭和しょうわ28年ねん）12月23日にちにNHKテレビで舞台ぶたい中継ちゅうけい。

• 9月興行こうぎょう大だい歌舞伎かぶき
  • 1954年ねん（昭和しょうわ29年ねん）9月がつ3日にち - 26日にち 大阪おおさか・大阪おおさか歌舞伎座かぶきざ
  • 演出えんしゅつ：郷田ごうだ悳とく。補綴ほてつ：川尻かわじり清きよし譚たん。振付ふりつけ：藤間とうま勘かん十じゅう郎ろう。
  • 出演しゅつえん：坂東ばんどう鶴づる之の助すけ、片岡かたおか仁左衛門にざえもん、坂東ばんどう蓑みの助すけ、林はやし又一郎またいちろう、市川いちかわ寿美としみ蔵ぞう、ほか
  • ※ 夜よるの部ぶ、岡本おかもと綺堂きどう作さく『箕輪みのわの心中しんちゅうの』ほかと併演。

• 6月がつ花形はながた歌舞伎かぶき
  • 1978年ねん（昭和しょうわ53年ねん）6月がつ3日にち - 27日にち 東京とうきょう・新橋しんばし演舞えんぶ場じょう
  • 演出えんしゅつ：中村なかむら歌右衛門うたえもん、戌いぬ井い市郎いちろう。
  • 出演しゅつえん：坂東ばんどう玉三郎たまさぶろう、中村なかむら吉右衛門きちえもん、片岡かたおか孝夫たかお、市川いちかわ男女だんじょ蔵ぞう、坂東ばんどう蓑みの助すけ、ほか
  • ※ 夜よるの部ぶ、『藤ふじ娘むすめ』ほかと併演。

おもな収録しゅうろく本ほん

• 『ラディゲの死し』（新潮社しんちょうしゃ、1955年ねん7月がつ20日はつか）
  • B6判ばん。紙かみ装そう。機械きかい函はこ。青色あおいろ帯たい。全ぜん226頁ぺーじ。
  • 収録しゅうろく作品さくひん：「花火はなび」「離宮りきゅうの松まつ」「水音みずおと」「新聞紙しんぶんし」「不満ふまんな女おんなたち」「卵たまご」「海うみと夕ゆう焼しょう」「旅たびの墓碑銘ぼひめい」「ラディゲの死し」「地獄変じごくへん」「鰯いわし売うり恋こい曳網ひきあみ」「あとがき」

全集ぜんしゅう収録しゅうろく

• 『三島みしま由紀夫ゆきお戯曲ぎきょく全集ぜんしゅう』（新潮社しんちょうしゃ、1962年ねん3月がつ20日はつか）
  • 四よん六ろく判ばん。2段だん組ぐみ。背せ角かく革かわ紙し継つぎぎ装そう。天金てんきん。貼は函はこ。
  • 収録しゅうろく作品さくひん：「只ただほど高たかいものはない」「夜よるの向日葵ひまわり」「若人わこうどよ蘇よみがえれ」「白蟻しろありの巣す」「鹿しか鳴な館かん」「ブリタニキュス」「薔薇ばらと海賊かいぞく」「女おんなは占領せんりょうされない」「熱帯ねったい樹じゅ」「黒くろ蜥蜴とかげ」「十日とおかの菊きく」「火宅かたく」「愛あいの不安ふあん」「灯台とうだい」「ニオベ」「聖女せいじょ」「船ふねの挨拶あいさつ」「三原色さんげんしょく」「演出えんしゅつ覚書おぼえがき（三原色さんげんしょく）」「大だい障碍しょうがい」「朝あさの躑躅つつじ」「近代きんだい能楽のうがく集しゅう（邯鄲かんたん、綾あやの鼓こ、卒塔婆そとうば小町こまち、葵あおい上じょう、班はん女おんな、道成寺どうじょうじ、熊野くまの、弱じゃく法師ほうし）」「あやめ」「艶つや競きおい近松ちかまつ娘むすめ」「地獄変じごくへん」「溶とけた天女てんにょ」「鰯いわし売うり恋こい曳網ひきあみ」「熊野くまの」「芙蓉ふよう露ろ大内おおうち実記じっき」「むすめごのみ帯おび取ど池いけ」
  • ※「近代きんだい能楽のうがく集しゅう」には「外国がいこくに於おける上演じょうえん目録もくろく」が欧文おうぶんで記載きさい。
• 『三島みしま由紀夫ゆきお全集ぜんしゅう21（戯曲ぎきょくII）』（新潮社しんちょうしゃ、1974年ねん12月25日にち）
  • 装幀そうてい：杉山すぎやま寧やすし。四六判しろくばん。背革せがわ紙し継つぎぎ装そう。貼は函はこ。
  • 月報げっぽう：矢代やしろ静一せいいち「とりとめもないこと」。《評伝ひょうでん・三島みしま由紀夫ゆきお 20》佐伯さえき彰一しょういち「伝記でんきと評伝ひょうでん（その11）」。《同どう時代じだい評ひょうから 20》虫明むしあけ亜あ呂りょ無な「『わが友ともヒットラー』をめぐって」
  • 収録しゅうろく作品さくひん：「地獄変じごくへん」「葵あおい上じょう」「若人わこうどよ蘇よみがえれ」「溶とけた天女てんにょ」「ボン・ディア・セニョーラ」「鰯いわし売うり恋こい曳網ひきあみ」「班はん女おんな」「熊野くまの」「三原色さんげんしょく」「船ふねの挨拶あいさつ」「白蟻しろありの巣す」「芙蓉ふよう露ろ大内おおうち実記じっき」「大だい障碍しょうがい」「鹿しか鳴な館かん」「道成寺どうじょうじ」
  • ※ 同どう一いち内容ないようで豪華ごうか限定げんてい版ばん（装幀そうてい：杉山すぎやま寧やすし。総そう革かわ装そう。天金てんきん。緑みどり革かわ貼は函はこ。段だんボール夫婦ふうふ外がい函はこ。A5変型へんけい版ばん。本文ほんぶん2色刷いろずり）が1,000部ぶあり。
• 『三島みしま由紀夫ゆきお戯曲ぎきょく全集ぜんしゅう 上巻じょうかん』（新潮社しんちょうしゃ、1990年ねん9月がつ10日とおか）
  • 四よん六ろく判ばん。2段だん組ぐみ。布ぬの装そう。セット機械きかい函はこ。
  • 収録しゅうろく作品さくひん：「東ひがしの博士はかせたち」「狐きつね会かい菊きく有明ありあけ」「あやめ」「火宅かたく」「愛あいの不安ふあん」「灯台とうだい」「ニオベ」「聖女せいじょ」「魔神まじん礼拝れいはい」「邯鄲かんたん」「綾あやの鼓つづみ」「艶つや競きおい近松ちかまつ娘むすめ」「卒塔婆そとうば小町こまち」「紳士しんし」「只ただほど高たかいものはない」「夜よるの向日葵ひまわり」「室町むろまち反魂香はんごんこう」「地獄変じごくへん」「葵あおい上じょう」「若人わこうどよ蘇よみがえれ」「溶とけた天女てんにょ」「ボン・ディア・セニョーラ」「鰯いわし売うり恋こい曳網ひきあみ」「ボクシング」「班はん女おんな」「恋こいには七ななツの鍵かぎがある」「熊野くまの」「三原色さんげんしょく」「船ふねの挨拶あいさつ」「白蟻しろありの巣す」「芙蓉ふよう露ろ大内おおうち実記じっき」「大だい障碍しょうがい」「鹿しか鳴な館かん」「オルフェ」「道成寺どうじょうじ」「ブリタニキュス」「朝あさの躑躅つつじ」「薔薇ばらと海賊かいぞく」「むすめごのみ帯おび取ど池いけ」〔初演しょえん一覧いちらん〕
  • ※ 下巻げかんと2冊さつ組ぐみでの刊行かんこう。
• 『決定けってい版ばん 三島みしま由紀夫ゆきお全集ぜんしゅう22巻かん 戯曲ぎきょく2』（新潮社しんちょうしゃ、2002年ねん9月がつ10日とおか）
  • 装幀そうてい：新潮社しんちょうしゃ装幀そうてい室しつ。装画そうが：柄澤からさわ齊ひとし。四六判しろくばん。貼は函はこ。布ぬのクロス装そう。丸まる背せ。箔押はくおし2色しょく。
  • 月報げっぽう：小林こばやし信彦のぶひこ「同どう時代じだいの一読いちどく者しゃとして」、岸田きしだ今日子きょうこ「わたしの中なかの三島みしまさん」、〔天球儀てんきゅうぎとしての劇場げきじょう2〕田中たなか美代子みよこ「詩しから戯曲ぎきょくへ」
  • 収録しゅうろく作品さくひん：「室町むろまち反魂香はんごんこう」「地獄変じごくへん」「葵あおい上じょう」「若人わこうどよ蘇よみがえれ」「溶とけた天女てんにょ」「ボン・ディア・セニョーラ」「鰯いわし売うり恋こい曳網ひきあみ」「ボクシング」「班はん女おんな」「恋こいには七ななツの鍵かぎがある」「熊野くまの」「三原色さんげんしょく」「船ふねの挨拶あいさつ」「白蟻しろありの巣す」「芙蓉ふよう露ろ大内おおうち実記じっき」「大だい障碍しょうがい」「鹿しか鳴な館かん」「『溶とけた天女てんにょ』創作そうさくノート」「『鹿しか鳴な館かん』創作そうさくノート」

映像えいぞう作品さくひん

映画えいが

地獄変じごくへん
監督かんとく	豊田とよだ四郎しろう
脚本きゃくほん	八はち住じゅう利雄としお
原作げんさく	芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ
製作せいさく	田中たなか友幸ともゆき
出演しゅつえん者しゃ	中村なかむら錦之助きんのすけ
音楽おんがく	芥川あくたがわ也寸志やすし
編集へんしゅう	黒岩くろいわ義民ぎみん
製作せいさく会社かいしゃ	東宝とうほう
公開こうかい	1969年ねん9月がつ20日はつか
上映じょうえい時間じかん	95分ふん
製作せいさく国こく	日本にっぽん
言語げんご	日本語にほんご

1969年ねんに『地獄変じごくへん』として映画えいが化かされた。東宝とうほう製作せいさく。1969年ねん9月がつ20日はつか公開こうかい。カラー・シネマスコープ作品さくひん。95分ふん。

スタッフ

• 監督かんとく：豊田とよだ四郎しろう
• 製作せいさく：田中たなか友幸ともゆき
• 脚本きゃくほん：八はち住じゅう利雄としお
• 音楽おんがく：芥川あくたがわ也寸志やすし
• 編集へんしゅう：黒岩くろいわ義民ぎみん

キャスト

• 中村なかむら錦之助きんのすけ：堀川ほりかわの大殿おおいどの
• 仲代なかだい達矢たつや：絵師えし・良りょう秀しゅう
• 内藤ないとう洋子ようこ：娘むすめ・良りょう香が
• 大出おおいで俊しゅん：弟子でし・弘見ひろみ
• 下川しもかわ辰平たっぺい：弟子でし・成岡なるおか
• 内田うちだ喜郎よしろう：弟子でし・金きむ茂しげる
• 中村なかむら吉よし十郎じゅうろう：公卿くぎょう
• 鈴木すずき治夫はるお：側近そっきんの者もの
• 天本あまもと英世ひでよ：家人かじん
• 大久保おおくぼ正信まさのぶ：使者ししゃ
• 音羽おとわ久米子くめこ：女房にょうぼう
• 猪俣いのまた光世みつよ：小しょう女房にょうぼう
• 沢村さわむらいき雄ゆう：大だい史し
• 今福いまふく正雄まさお：老人ろうじん

同時どうじ上映じょうえい

『奇々怪々ききかいかい 俺おれは誰だれだ?!』

映像えいぞうソフト

1997年ねん11月1日にち、本ほん作さくを収録しゅうろくしたVHSビデオソフトが東宝とうほうから発売はつばいされた。

テレビドラマ

• 舞踊ぶようホール『地獄変じごくへん』（NHK教育きょういくテレビ） 1962年ねん（昭和しょうわ37年ねん）6月がつ2日にち 21時じ00分ふん - 22時じ00分ふん
  • 脚本きゃくほん：三島みしま由紀夫ゆきお。脚色きゃくしょく：松浦まつうら竹夫たけお。演出えんしゅつ：三枝さえぐさ孝たかし栄さかえ
  • 出演しゅつえん：坂東ばんどう蓑みの助すけ、柳やなぎ永二郎えいじろう、鳳おおとり八千代やちよ、文ぶん野の朋子ともこ、平田ひらた守まもる、内田うちだ稔みのる
  • ※ 舞踊ぶよう劇げきとして放映ほうえい。終了しゅうりょう後ごに三島みしま由紀夫ゆきおが出演しゅつえんし、斉藤さいとう光太郎こうたろうアナウンサーと対談たいだん。

その他た

• あらすじで楽たのしむ世界せかい名作めいさく劇場げきじょう - 番組ばんぐみ内ないの作品さくひんの一ひとつ。市川いちかわ春猿しゅんえんプロデュースによる影絵かげえと春猿しゅんえんの歌舞伎かぶきの併用へいよう。
• エスパー魔ま美び - 「リアリズム殺人さつじん事件じけん」の回かいで本ほん作さくを忠実ちゅうじつに再現さいげんしようとした映画えいが監督かんとくのエピソードが描えがかれる。
• 地獄変じごくへん - 作画さくが：一いち峰みね大だい二に、構成こうせい：塚本つかもと裕美子ゆみこ。暁あかつき教育きょういく図書としょ『コミグラフィック. 日本にっぽんの文学ぶんがく』の一いち編へん。1988年ねん。

参考さんこう文献ぶんけん

• 三島みしま由紀夫ゆきお『決定けってい版ばん 三島みしま由紀夫ゆきお全集ぜんしゅう22巻かん 戯曲ぎきょく2』新潮社しんちょうしゃ、2002年ねん9月がつ。ISBN 978-4106425622。 
• 三島みしま由紀夫ゆきお『決定けってい版ばん 三島みしま由紀夫ゆきお全集ぜんしゅう28巻かん 評論ひょうろん3』新潮社しんちょうしゃ、2003年ねん3月がつ。ISBN 978-4106425684。 
• 佐藤さとう秀明ひであき; 井上いのうえ隆史たかし; 山中やまなか剛史たけし 編へん『決定けってい版ばん 三島みしま由紀夫ゆきお全集ぜんしゅう42巻かん 年譜ねんぷ・書誌しょし』新潮社しんちょうしゃ、2005年ねん8月がつ。ISBN 978-4106425820。 
• 井上いのうえ隆史たかし; 佐藤さとう秀明ひであき; 松本まつもと徹とおる 編へん『三島みしま由紀夫ゆきお事典じてん』勉つとむ誠まこと出版しゅっぱん、2000年ねん11月。ISBN 978-4585060185。 
• 長谷川はせがわ泉いずみ; 武田たけだ勝彦かつひこ 編へん『三島みしま由紀夫ゆきお事典じてん』明治めいじ書院しょいん、1976年ねん1月がつ。NCID BN01686605。 
• 細川ほそかわ正義まさよし「芥川あくたがわ「地獄変じごくへん」の世界せかい」『人文じんぶん論究ろんきゅう』第だい24巻かん第だい2号ごう、関西学院大学かんせいがくいんだいがく、1974年ねん8月がつ、16-31頁ぺーじ、ISSN 02866773、NAID 110001068571。 

関連かんれん項目こうもく

• 絵え仏師ぶっし
• 青あおい文学ぶんがくシリーズ

外部がいぶリンク

小説しょうせつ

• 『地獄変じごくへん』：新字しんじ旧きゅう仮名かめい - 青空あおぞら文庫ぶんこ
• 『地獄変じごくへん』：旧きゅう字じ旧きゅう仮名かめい - 青空あおぞら文庫ぶんこ
• 『地獄変じごくへん』 - 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション
• 『絵え仏師ぶっし良りょう秀しゅう』現代げんだい語ご訳やく - マナペディア
• 橋浦はしうら洋志ひろし「「地獄変じごくへん」考こう」『茨城大学いばらきだいがく教育きょういく学部がくぶ紀要きよう 人文じんぶん・社会しゃかい科学かがく・芸術げいじゅつ』第だい35号ごう、茨城大学いばらきだいがく教育きょういく学部がくぶ、1986年ねん3月がつ、21-34頁ぺーじ、ISSN 0386765X、NAID 40004439103。 
• 芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ「地獄変じごくへん」への一いち考察こうさつ -<絵師えし良りょう秀しげる>と<父ちち良りょう秀しげる>- - 大阪教育大学おおさかきょういくだいがく附属ふぞく図書館としょかん
• 木股きまた知とも史し「芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ『地獄変じごくへん』覚書おぼえがき : イメージの相互そうご関連かんれん性せいの視点してんから」『甲南大學こうなんだいがく紀要きよう. 文学ぶんがく編へん』第だい167号ごう、甲南大学こうなんだいがく文学部ぶんがくぶ、2017年ねん3月がつ、一いち-十じゅう五ご、doi:10.14990/00002343、ISSN 0454-2878、NAID 120006246629。 

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