外傷がいしょう学がく

外傷がいしょう学がく（がいしょうがく、英語えいご: traumatlogy）とは事故じこ、暴力ぼうりょくや自じ傷きず行為こういによって生しょうじた様々さまざまな外傷がいしょうが人体じんたいに及およぼす影響えいきょうやその治療ちりょう法ほうなどについて研究けんきゅうする外科げか学がくの一いち分野ぶんやである。 英語えいごではtraumatlogy、ロシア語ごではтравматоло́гияと呼よぶが、それらはギリシャ語ごで「傷きず」や「怪我けが」を表あらわすτたうρろーαあるふぁῦμみゅーαあるふぁに「～学がく」という意味いみの接尾せつび辞じであるλόγος が合あわせられた語かたりである。

大腿だいたい骨こつ骨折こっせつの手術しゅじゅつの様子ようす

欧米おうべい諸国しょこくにおいては外傷がいしょう学がくが独自どくじに発展はってんしていたが、日本にっぽんにおいては救急きゅうきゅう医学いがくや外科げか学がくの一部いちぶに過すぎなかった。重症じゅうしょう外傷がいしょう患者かんじゃでは、多おおくの場合ばあい、身体しんたいの複数ふくすうの部位ぶいが損傷そんしょうを受うけるため、臓器ぞうき別べつ診療しんりょう科かによる対応たいおうでは診療しんりょうが困難こんなんな場合ばあいが生しょうじる。緊急きんきゅう度ど・重症じゅうしょう度どの高たかい外傷がいしょうに対たいして、横断おうだん的てきに検査けんさや治療ちりょうの優先ゆうせん順位じゅんいを判断はんだんできる医師いしの必要ひつよう性せいにもとづいて、外傷がいしょう専門医せんもんいが存在そんざいする。救急きゅうきゅう科か専門医せんもんいには外傷がいしょう初期しょき診療しんりょう能力のうりょくが求もとめられるが、難易なんい度どの高たかい蘇生そせいや周しゅう術じゅつ期きの集中しゅうちゅう治療ちりょうを行おこなう能力のうりょくまでは必要ひつようとされていない。また、外科げか系けい専門医せんもんいには外傷がいしょう診療しんりょう能力のうりょくが求もとめられているものの、横断おうだん的てきな知識ちしきや判断はんだん能力のうりょくは必須ひっすとされていない。外傷がいしょう専門医せんもんいは救急きゅうきゅう科か、外科げか、整形せいけい外科げか、脳神経のうしんけい外科げか、麻酔ますい科か、放射線ほうしゃせん科か、形成けいせい外科げかなどの専門医せんもんい取得しゅとくの上うえに更さらなる臨床りんしょう経験けいけんを積つみ、高度こうどな外傷がいしょう診療しんりょうの知識ちしきと技能ぎのうを修得しゅうとくしている。

日本にっぽんにおける外傷がいしょう専門医せんもんいの要件ようけんとしては、外傷がいしょう患者かんじゃの救命きゅうめいに不可欠ふかけつな手術しゅじゅつやIVRの実施じっしだけでなく、蘇生そせいに必要ひつような高度こうどな技術ぎじゅつとして気道きどう緊急きんきゅう時じの気管きかん挿管困難こんなん例れいに対たいして輪状りんじょう甲状こうじょう靭帯じんたい切開せっかい術じゅつを施行しこうできることが求もとめられる。そのほかには、心こころタンポナーデに対たいする心こころ嚢穿刺せんしおよび心こころ嚢開窓まど術じゅつを行おこなう能力のうりょく、緊張きんちょう性せい気胸ききょうに対たいして胸腔きょうこうドレナージを行おこなう能力のうりょく、大動脈だいどうみゃく閉鎖へいさバルーンや蘇生そせい的てき開ひらき胸むね術じゅつを行おこなう能力のうりょくなどが必要ひつようである。2024年ねん6月がつ現在げんざい、日本にっぽん外傷がいしょう学会がっかいが認定にんていする専門医せんもんいは194名めいである。外傷がいしょう専門医せんもんいを24時じ間あいだ365日にち体制たいせいで確保かくほするためには一いち施設しせつに少すくなくとも5名めいを必要ひつようとするため、外傷がいしょう専門医せんもんいは著いちじるしく不足ふそくしている。そのため、日本にっぽんにおいて外傷がいしょう診療しんりょうは外科げか系けい医師いしが行おこなっている。多おおくの先進せんしん国こくにおいては、外傷がいしょう専門医せんもんいが交代こうたい勤務きんむし24時じ間あいだ体制たいせいで様々さまざまな外傷がいしょうを受うけ入いれる外傷がいしょうセンターが設置せっちされている。日本にっぽんにおいては三さん次じ救命きゅうめい救急きゅうきゅうセンターで対応たいおうしているが、重症じゅうしょう外傷がいしょうに対応たいおう可能かのうな外科げか系けい医師いしが交代こうたい勤務きんむし、常時じょうじ緊急きんきゅう手術しゅじゅつが可能かのうな体制たいせいが整ととのっている三さん次じ救命きゅうめい救急きゅうきゅうセンターは存在そんざいしない。

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