(Translated by https://www.hiragana.jp/)
宮脇昭 - Wikipedia

宮脇みやわきあきら

日本にっぽん生態せいたい学者がくしゃもと国際こくさい生態せいたい学会がっかい会長かいちょう

宮脇みやわき あきら(みやわき あきら、1928ねん昭和しょうわ3ねん1がつ29にち - 2021ねんれい3ねん7がつ16にち)は、日本にっぽん生態せいたい学者がくしゃ横浜国立大学よこはまこくりつだいがく名誉めいよ教授きょうじゅ地球ちきゅう環境かんきょう戦略せんりゃく研究けんきゅう機関きかん国際こくさい生態せいたいがくセンターちょうもと国際こくさい生態せいたい学会がっかい[1][2]会長かいちょう[3]

宮脇みやわき あきら
(みやわき あきら)
2019ねん
生誕せいたん (1928-01-29) 1928ねん1がつ29にち
岡山おかやまけん川上かわかみぐん成羽なりわまちげん高梁たかはし成羽なりわまち
死没しぼつ (2021-07-16) 2021ねん7がつ16にち(93さいぼつ
国籍こくせき 日本の旗 日本にっぽん
研究けんきゅう分野ぶんや 生態せいたいがく
出身しゅっしんこう 広島ひろしま文理ぶんり大学だいがく
おも受賞じゅしょうれき 毎日まいにち出版しゅっぱん文化ぶんかしょう
朝日あさひしょう
紫綬褒章しじゅほうしょう
くんとう瑞宝章ずいほうしょう
ブループラネットしょう
プロジェクト:人物じんぶつでん
テンプレートを表示ひょうじ

岡山おかやまけん川上かわかみぐん成羽なりわまちげん高梁たかはし成羽なりわまち出身しゅっしん広島ひろしま文理ぶんり大学だいがく生物せいぶつ学科がっか卒業そつぎょう児童じどう文学ぶんがくしゃ宮脇みやわき紀雄としおあに

人物じんぶつ来歴らいれき

編集へんしゅう
 
宮脇みやわきが「こんうえ密植みっしょくがた植樹しょくじゅ」として提唱ていしょうする鎮守ちんじゅもり丹波たんば篠山しのやま

国内外こくないがい土地とち本来ほんらい潜在せんざい自然しぜん植生しょくせいぐん中心ちゅうしんに、そのもり構成こうせいしている多数たすう種類しゅるいしゅぜて植樹しょくじゅする「こんうえ密植みっしょくがた植樹しょくじゅ」を提唱ていしょう活動かつどうしている。

日本にっぽん常緑じょうりょく広葉樹こうようじゅおもとする照葉樹しょうようじゅりんたいでは土地とち本来ほんらいもりは0.06%しかのこっていない。ほとんど人間にんげんれてりん人工じんこうてき単一たんいつじゅしゅ画一かくいつ樹林じゅりんにしてしまった。これが台風たいふう地震じしん洪水こうずいなどのさい自然しぜん災害さいがいもどし(2災害さいがい)がこる諸悪しょあく根源こんげんである。その土地とち本来ほんらい潜在せんざい植生しょくせいは、「鎮守ちんじゅもり」を調しらべればわかる。大抵たいてい、シイ、タブノキ、カシるい木々きぎしげっているはずだ。」とう。

とくに、「スギやヒノキ、カラマツ、マツなどの針葉樹しんようじゅりんは、人間にんげん材木ざいもく生産せいさんするため人工じんこうてき造林ぞうりんしたもので、ひとつづけなければ維持いじできない。本来ほんらい植生しょくせい内陸ないりくではシラカシなどの常緑じょうりょく広葉樹こうようじゅ海岸かいがんはタブノキ、シイとうのいずれも照葉樹しょうようじゅりん本来ほんらい姿すがたである。現在げんざい針葉樹しんようじゅでは20ねんいちかい伐採ばっさいと3ねんいちかい下草したくさりが前提ぜんていで、それをやらないと維持いじできない偽物にせものもりである。マツにしても、元々もともと条件じょうけんわる山頂さんちょうなどに限定げんていしてえていただけのものを人間にんげんひろげてしまったのだからマツクイムシだい発生はっせい自然しぜん摂理せつりである。その土地とち本来ほんらいもりであれば、火事かじ地震じしんなどの自然しぜん災害さいがいにもえられる能力のうりょくつが、人工じんこうてきもりではえられない。手入ていれのとどかない人工じんこうてきもりもともどすのが一番いちばんであり、そのためには200年間ねんかんもり人間にんげんへんくわえないこと。200ねんもともどる」と主張しゅちょうしている。門下生もんかせいとして、藤原ふじわらいち大野おおの啓一けいいち中村なかむら幸人ゆきと鈴木すずき伸一しんいちなどの生態せいたい学者がくしゃしている。

活動かつどう

編集へんしゅう
 
万里ばんり長城ちょうじょう宮脇みやわきプロジェクトでえられたもり

1970ねんのちに「宮脇みやわき方式ほうしき」とばれる、土地とち本来ほんらい植生しょくせいをポットなえもちいてえる方法ほうほうによる環境かんきょう保全ほぜんりんづくりをはじめてしん日本にっぽん製鐵せいてつ大分おおいた製鐵せいてつしょおこなう。このもりづくりの成功せいこうによって、企業きぎょう地方自治体ちほうじちたいなど宮脇みやわき方式ほうしきれたもりづくりがさかんになった。

1980ねんからやく10ねんかけて日本にっぽん全国ぜんこくめぐり、潜在せんざいてき自然しぜん植生しょくせい調査ちょうさし『日本植生にほんしょくせいぜん10かん至文しぶんどう)』にまとめた。

1990ねんから国外こくがいにおいて、熱帯ねったい雨林うりん再生さいせいプロジェクトに参加さんかする。マレーシアでは、充満じゅうまんしたポットなえ植樹しょくじゅする方法ほうほうで、再生さいせい不可能ふかのうとまでいわれている熱帯ねったい雨林うりん再生さいせい成功せいこうする。1998ねんからは、中国ちゅうごく万里ばんり長城ちょうじょうでモウコナラの植樹しょくじゅおこなうプロジェクトをすすめている。

2000年代ねんだい後半こうはんごろから、潜在せんざい自然しぜん植生しょくせいろん一定いってい成果せいかられるようになると、自然しぜんりんりんちがい、長所ちょうしょ共存きょうぞんといった総合そうごうてき研究けんきゅうもとめられるようになった。また、横浜国立大学よこはまこくりつだいがくのキャンパスには宮脇みやわき設計せっけいした森林しんりんひろがっている。

また、神奈川かながわけんにある湘南国際しょうなんこくさいむらでは、市民しみん企業きぎょう行政ぎょうせい一緒いっしょおこなきょうはたらけ参加さんかがたもりづくり「めぐりのもり」の指導しどうにあたっている[4]。これは、市民しみん企業きぎょう行政ぎょうせいともおこなうきょうはたらけ参加さんかがたもりづくりで、神奈川かながわけんのコア事業じぎょうである。土地とち本来ほんらい中心ちゅうしん多様たようしゅ苗木なえぎえることで、成長せいちょうはやく、やまいちゅう雨風あめかぜつよもりづくり目指めざすものである。植樹しょくじゅさいは2009ねん以降いこう毎年まいとしおこなわれており[5]歌舞伎かぶき役者やくしゃ市川いちかわ海老蔵えびぞう[6]日本にほんテレビ鈴江すずえ奈々ななアナウンサーなども参加さんかしている[7]

2012ねん6がつテレビ神奈川てれびかながわ(tvk)社会しゃかい福祉ふくし法人ほうじん進和しんわ学園がくえん」の協力きょうりょくによる大型おおがたプロジェクト「どんぐりドリームだい作戦さくせん」を開始かいしした。神奈川かながわ県内けんないの「どんぐり」をひろやく3年間ねんかんをかけてなえそだてたのち植樹しょくじゅおこなう。同局どうきょくかく番組ばんぐみない紹介しょうかいされ、今後こんご継続けいぞくてき活動かつどうおこなっていく。

現在げんざい「めぐりのもり」では、宮脇みやわきしきをリノベーションし、「生態せいたいけい機能きのう回復かいふくしき 植生しょくせい復元ふくげん」により もりづくりががれている。これは、従来じゅうらいマウンドづくりに大型おおがた重機じゅうき使用しようさせず、従前じゅうぜん施工しこうを50〜70%カットすることで持続じぞく可能かのうせいしたうえで、自然しぜんへの負荷ふかおおきくらした方法ほうほうである。宮脇みやわき自身じしんもこの方法ほうほう承認しょうにんし、名誉めいよ顧問こもんつとめる営利えいりがた一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじんSilva[8]発案はつあんによるもので、「こんうえ密植みっしょく方式ほうしき植樹しょくじゅ推進すいしんグループ」グループちょうつとめ、どう法人ほうじん連名れんめい主催しゅさい植樹しょくじゅ事業じぎょう推進すいしんしている。

宮脇みやわき方式ほうしきのミニ森林しんりんもうける活動かつどうがオランダ、フランス、イギリスなど12かこくおこなわれている[9]。フランスでは2018ねん3がつ騒音そうおん低減ていげん空気くうきのろ目的もくてきにパリにミニ森林しんりんはじめて設置せっちされた[9]

りゃく年譜ねんぷ

編集へんしゅう
 
紀伊田辺きいたなべ潜在せんざい自然しぜん植生しょくせいによる植樹しょくじゅ指導しどうする宮脇みやわきあきら(2007ねん)

著作ちょさくぶつ

編集へんしゅう

たんちょ

編集へんしゅう
  • 植物しょくぶつ人間にんげん 生物せいぶつ社会しゃかいのバランス』NHKブックス、1970ねん
  • 人類じんるい最後さいご 自然しぜん復讐ふくしゅう筑摩書房ちくましょぼう ちくま少年しょうねん図書館としょかん、1972ねん
  • きものの条件じょうけん 植物しょくぶつ生態せいたいがく立場たちばから』かしわいつきしゃかしわいつき新書しんしょ、1976ねん
  • みどり証言しょうげん ほろびゆくものときのびるもの』東京書籍とうきょうしょせきひがししょ選書せんしょ、1983ねん
  • もりはいのち エコロジーと生存せいぞんけん有斐閣ゆうひかく人権じんけんライブラリイ)、1987ねん
  • みどり回復かいふく処方箋しょほうせん 世界せかい植生しょくせいからみた日本にっぽん朝日あさひ選書せんしょ、1991ねん
  • みどり環境かんきょう植生しょくせいがく 鎮守ちんじゅもり地球ちきゅうもりに』NTT出版しゅっぱん、1997ねん
  • もりかえれ』だい日本にっぽん図書としょ(ノンフィクション・ワールド) 1999ねん
  • 『いのちをまもるドングリのもり集英社しゅうえいしゃ新書しんしょ、2005ねん
  • 苗木なえぎさん〇〇〇まんほんいのちのもりむ』日本にっぽん放送ほうそう出版しゅっぱん協会きょうかい、2006ねん
  • えよ!』新潮しんちょう選書せんしょ、2006ねん
  • もりいている もり地球ちきゅうのたからもの 1』ゆまに書房しょぼう、2007ねん
  • もり生命せいめいみなもと もり地球ちきゅうのたからもの 2』ゆまに書房しょぼう、2008ねん
  • もり未来みらい もり地球ちきゅうのたからもの 3』ゆまに書房しょぼう、2008ねん
  • 地球ちきゅう環境かんきょうへのまなざし あなたとあなたのあいするひとのために NHKシリーズ こころをよむ』日本にっぽん放送ほうそう出版しゅっぱん協会きょうかい、2008ねん放送ほうそうテキスト
  • 『いのちの未来みらいサンガ、2009ねん
  • さんほん植樹しょくじゅからもりまれる 奇跡きせき宮脇みやわき方式ほうしき祥伝社しょうでんしゃ ポケットヴィジュアル、2010ねん
  • 『4せんまんほんえたおとこのこ言葉ことば河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ、2010ねん[15]
  • 瓦礫がれきかす「もり防波堤ぼうはてい」がいのちまも植樹しょくじゅによる復興ふっこう防災ぼうさい緊急きんきゅう提言ていげん学研がっけん新書しんしょ、2011ねん
  • 『「もり長城ちょうじょう」が日本にっぽんすく列島れっとう海岸かいがんせんを「いのちのもり」でつなごう!』河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ 2012ねん
  • もりちから植物しょくぶつ生態せいたい学者がくしゃ理論りろん実践じっせん講談社こうだんしゃ現代新書げんだいしんしょ、2013ねん
  • 人類じんるい最後さいご びるために、自然しぜん再生さいせいを』藤原ふじわら書店しょてん、2015ねん
  • えないものをちから潜在せんざい自然しぜん植生しょくせい」の思想しそう実践じっせん藤原ふじわら書店しょてん、2015ねん
  • 東京とうきょうに「いのちのもり」を!』藤原ふじわら書店しょてん、2018ねん
  • 『いのちのもりづくり――宮脇みやわきあきら自伝じでん藤原ふじわら書店しょてん、2019ねん

共著きょうちょ

編集へんしゅう

編著へんちょ

編集へんしゅう
  • 藤沢ふじさわ植生しょくせい 都市とし環境かんきょう保全ほぜんたいする植物しょくぶつ社会しゃかいがくてき基礎きそ研究けんきゅう藤沢ふじさわ生活せいかつ環境かんきょう環境かんきょうみどり、1972ねん
  • 横浜よこはま植生しょくせい 都市とし環境かんきょう保全ほぜんとみどりの環境かんきょう創造そうぞうたいする植物しょくぶつ社会しゃかいがくてき研究けんきゅう横浜よこはま、1972ねん
  • 神奈川かながわけん潜在せんざい自然しぜん植生しょくせい神奈川かながわけん、1976ねん
  • 日本にっぽん植生しょくせい学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃ、1977ねん4がつ
  • 日本植生にほんしょくせい』(ぜん10かん至文しぶんどう)、1980ねん-89ねん
  • 日本にっぽん植物しょくぶつ群落ぐんらく図説ずせつ奥田おくだ重俊しげとし共編きょうへんちょ至文しぶんどう、1990ねん2がつ
その地方自治体ちほうじちたい植生しょくせい調査ちょうさ多数たすう

翻訳ほんやく

編集へんしゅう
  • 植生しょくせい地理ちりがくシュミットヒューゼンドイツばん朝倉書店あさくらしょてん、1968ねん全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:68004249
  • 図説ずせつエコロジー環境かんきょう生態せいたい百科ひゃっかキース・リード[16]伊藤いとう秀三しゅうぞうともやく小学館しょうがくかん、1979ねん7がつ全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:79023945

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう
  1. ^ えい: International Association for Ecology略称りゃくしょうはINTECOL。デジタル大辞泉だいじせんINTECOL』 - コトバンクより。
  2. ^ The International Association for Ecology英語えいご - 公式こうしきサイト
  3. ^ History | The International Association for Ecology英語えいご参照さんしょう名前なまえが"Akira Miyaki"とあやまってしるされている。
  4. ^ こんうえ密植みっしょく方式ほうしき植樹しょくじゅ推進すいしんグループ”. めぐりのもり. 2020ねん6がつ5にち閲覧えつらん
  5. ^ 植樹しょくじゅ累計るいけい本数ほんすう 52630ほん達成たっせい”. めぐりのもり. 2020ねん6がつ5にち閲覧えつらん
  6. ^ だい8かい 湘南国際しょうなんこくさいむらめぐりのもり植樹しょくじゅさいレポート”. めぐりのもり. 2020ねん6がつ5にち閲覧えつらん
  7. ^ 12月25にち 鈴江すずえ 奈々なな”. 日本にほんテレビリレーエッセイ (2014ねん12月25にち). 2020ねん6がつ5にち閲覧えつらん
  8. ^ 営利えいりがた一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじんSilvaホームページ”. 2021ねん9がつ18にち閲覧えつらん
  9. ^ a b “ヨーロッパで、日本にっぽんはつ宮脇みやわき方式ほうしき」の植樹しょくじゅ急速きゅうそく拡大かくだい従来じゅうらいの10ばいはやさで成長せいちょうし、地球ちきゅう環境かんきょう保全ほぜんふだに”. FINDERS. (2020ねん7がつ6にち). https://finders.me/kqFQpDIxMDA/1 
  10. ^ 連邦れんぽう植生しょくせい研究所けんきゅうじょとも表現ひょうげんできる。ドイツ連邦れんぽう自然しぜん保護ほご景観けいかん生態せいたいがく研究所けんきゅうじょドイツばん、1993ねん以降いこうドイツ連邦れんぽう自然しぜん保護ほごちょうドイツばん英語えいごばん一部いちぶ
  11. ^ 日本にっぽん列島れっとう水田すいでん植生しょくせい群落ぐんらくがくてき研究けんきゅうならびに中部ちゅうぶ欧州おうしゅうとの比較ひかく考察こうさつ書誌しょし詳細しょうさい国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんオンライン
  12. ^ 朝日あさひしょう 1971-2000年度ねんど”. 朝日新聞社あさひしんぶんしゃ. 2022ねん8がつ25にち閲覧えつらん
  13. ^ A World Disrupted: The Leading Global Thinkers of 2014 | Akira Miyawaki英語えいご
  14. ^ 後藤ごとう新平しんぺいかい - だい9かい(2015ねん(2015ねん6がつ25にち時点じてんアーカイブ
  15. ^ 宮脇みやわきあきらいま 4000まんほんえたおとこ”. いのちのもりづくり. 2020ねん8がつ1にち閲覧えつらん
  16. ^ Keith Reid - Profiles - University of Tasmania, Australia英語えいご - タスマニア大学だいがくのキース・リードのプロフィールページ

関連かんれん項目こうもく

編集へんしゅう

外部がいぶリンク

編集へんしゅう