雲仙うんぜん鉄道てつどう

雲仙うんぜん鉄道てつどう（うんぜんてつどう）は、かつて長崎ながさき県けん南高来みなみたかき郡ぐん愛野あいの村むら（現げん・雲仙うんぜん市し）の島原しまばら鉄道てつどう愛あい野村のむら駅えき（現げん・愛野あいの駅えき）から同どう県けん南高来みなみたかき郡ぐん小浜おばま町まち（現げん・雲仙うんぜん市し）の雲仙うんぜん小浜おばま駅えき（開業かいぎょう時じは肥前ひぜん小浜おばま駅えき）を結むすんでいた鉄道てつどう路線ろせん、およびその運営うんえい会社かいしゃである。1938年ねん（昭和しょうわ13年ねん）に全線ぜんせんが廃止はいしされた。

雲仙うんぜん鉄道てつどう

小浜おばま鉄道てつどう社しゃ章あきら
種類しゅるい	株式会社かぶしきがいしゃ
本社ほんしゃ所在地しょざいち	日本にっぽん 長崎ながさき県けん南高来みなみたかき郡ぐん小浜おばま町まち乙おつ777
設立せつりつ	1921年ねん（大正たいしょう10年ねん）8月がつ25日にち
業種ぎょうしゅ	鉄てつ軌道きどう業ぎょう
事業じぎょう内容ないよう	旅客りょかく鉄道てつどう事業じぎょう、バス事業じぎょう
代表だいひょう者しゃ	社長しゃちょう 本多ほんだ親ちかし宗むね
資本しほん金きん	540,000円えん（払込はらいこみ額がく）
特記とっき事項じこう：上記じょうきデータは1937年ねん（昭和しょうわ12年ねん）4月がつ1日にち現在げんざい。

概要がいよう
現況げんきょう	廃止はいし
起おこり終点しゅうてん	起点きてん：愛野あいの村むら駅えき（現げん・愛野あいの駅えき） 終点しゅうてん：雲仙うんぜん小浜おばま駅えき
駅えき数すう	9駅えき
運営うんえい
開業かいぎょう	1923年ねん5月がつ5日にち (1923-05-05)（温泉おんせん軽便鉄道けいべんてつどう） 1927年ねん3月がつ10日とおか（小浜おばま地方ちほう鉄道てつどう）
廃止はいし	1938年ねん8月がつ15日にち (1938-8-15)
所有しょゆう者しゃ	温泉おんせん軽便鉄道けいべんてつどう→温泉おんせん鉄道てつどう 小浜おばま地方ちほう鉄道てつどう→小浜おばま鉄道てつどう→ 雲仙うんぜん鉄道てつどう+温泉おんせん鉄道てつどう→雲仙うんぜん鉄道てつどう
使用しよう車両しゃりょう	使用しよう車両しゃりょうの節ふしを参照さんしょう
路線ろせん諸しょ元もと
路線ろせん総そう延長えんちょう	17.34 km (10.77 mi)
軌間きかん	1,067 mm (3 ft 6 in)
電化でんか	全線ぜんせん非ひ電化でんか

停車場ていしゃじょう・施設しせつ・接続せつぞく路線ろせん（廃止はいし当時とうじ）
凡例はんれい 島原しまばら鉄道てつどう：島原鉄道線しまばらてつどうせん 0.0 愛あい野村のむら駅えき 1.7 愛あい津つ駅えき 3.8 水晶すいしょう観音かんおん駅えき 4.9 浜はま駅えき ↑温泉おんせん軽便鉄道けいべんてつどうの開業かいぎょう区間くかん 9.3 千々石ちじわ駅えき ↓小浜おばま地方ちほう鉄道てつどうの開業かいぎょう区間くかん 10.5 上うえ千々石ちじわ駅えき 12.9 木津きづノ浜はま駅えき 15.3 富津とみつ駅えき 17.3 雲仙うんぜん小浜おばま駅えき

路線ろせんデータ

• 路線ろせん距離きょり（営業えいぎょうキロ）：17.34km
• 軌間きかん：1067mm
• 駅えき数すう：9駅えき（起おこり終点しゅうてん駅えき含ふくむ）
• 複線ふくせん区間くかん：なし（全線ぜんせん単線たんせん）
• 電化でんか区間くかん：なし（全線ぜんせん非ひ電化でんか）
• 閉塞へいそく方式ほうしき：

歴史れきし

島原しまばら鉄道てつどうの愛あい野村のむら駅えきから南側みなみがわに分岐ぶんきして島原半島しまばらはんとう西部せいぶを横断おうだんし、半島はんとう中西部ちゅうせいぶの温泉おんせん地ちである小浜おばまに至いたる路線ろせんであった。島原半島しまばらはんとうに島原しまばら鉄道てつどう・口之津くちのつ鉄道てつどうを開業かいぎょうさせていた植木うえき元太郎げんたろうが温泉おんせん（うんぜん）軽便鉄道けいべんてつどう（後ごの温泉おんせん鉄道てつどう）を設立せつりつし、同社どうしゃの手てにより1923年ねん（大正たいしょう12年ねん）に愛野あいの村むら - 千々石ちぢわ間あいだを開業かいぎょうした。続つづいて本多ほんだ親ちかし宗むねらが設立せつりつした小浜おばま地方ちほう鉄道てつどう（後ごの小浜おばま鉄道てつどう）が1927年ねん（昭和しょうわ2年ねん）に温泉おんせん鉄道てつどうと接続せつぞくする形かたちで千々石ちぢわ - 肥前ひぜん小浜おばま間あいだを開業かいぎょうし、諫早いさはや - 肥前ひぜん小浜おばま間あいだの直通ちょくつう運転うんてんを実施じっしした。しかし肥前ひぜん小浜おばま駅えき（後ごの雲仙うんぜん小浜おばま駅えき）が小浜おばま町まちの中心ちゅうしん部ぶから北きたに2kmほど離はなれていたこともあり業績ぎょうせきはふるわなかった。温泉おんせん鉄道てつどうは自動車じどうしゃに客きゃくを奪うばわれ政府せいふ補助ほじょ金きんを受うけていてもなお欠損けっそんを生しょうじた結果けっか10数すう万まん円えんの負債ふさいを抱かかえることになった。このため小浜おばま鉄道てつどうとの合併がっぺいを画策かくさくするも鉄道てつどう財団ざいだん抵当ていとう権けん者しゃである日本興業銀行にほんこうぎょうぎんこうの了解りょうかいをえられなかった。また小浜おばま鉄道てつどうへ路線ろせんを賃貸ちんたいすることもできず、小浜おばま鉄道てつどうへ営業えいぎょう管理かんり委託いたくを計画けいかくしていたさなか競売きょうばいにかけられる事態じたいになってしまった。窮地きゅうちに陥おちいった温泉おんせん鉄道てつどうは銀行ぎんこうと折衝せっしょうした結果けっか、1、債務さいむを保証人ほしょうにんにより代位だいい弁済べんさいする。2、鉄道てつどう及および営業えいぎょう権けんを小浜おばま鉄道てつどうへ譲渡じょうとし会社かいしゃは解散かいさんする。3、小浜おばま鉄道てつどうは鉄道てつどう及および営業えいぎょう権けんを譲受ゆずりうけしその代金だいきん支払しはらいを代位だいい弁済べんさいした保証人ほしょうにんに支払しはらう。以上いじょうの条件じょうけんで路線ろせんを残のこすことになった。こうして1933年ねん（昭和しょうわ8年ねん）に雲仙うんぜん鉄道てつどう（←小浜おばま鉄道てつどう）は温泉おんせん鉄道てつどうの路線ろせんを引継ひきつぐことになった。その後ごも経営けいえいは好転こうてんせず1935年ねん（昭和しょうわ10年ねん）には島原しまばら鉄道てつどうに経営けいえい委託いたくしたが、1937年ねん（昭和しょうわ12年ねん）3月がつに政府せいふ補助ほじょ金きんが支給しきゅう期限きげん満了まんりょうし、さらに損失そんしつに対たいし私財しざいを提供ていきょうしていた社長しゃちょうも6月がつに死亡しぼうしたことから1938年ねん（昭和しょうわ13年ねん）に廃止はいしされた。

温泉おんせん軽便鉄道けいべんてつどう→温泉おんせん鉄道てつどう

• 1919年ねん（大正たいしょう8年ねん）12月2日にち : 温泉おんせん軽便鉄道けいべんてつどうに対たいし鉄道てつどう免許めんきょ状じょう下付かふ（高来たかき郡ぐん愛野あいの村むら-同どう郡ぐん千々石ちじわ村むら間あいだ）
• 1920年ねん（大正たいしょう9年ねん）7月がつ6日にち : 温泉おんせん軽便鉄道けいべんてつどう設立せつりつ（社長しゃちょう植木うえき元太郎げんたろう）。
• 1923年ねん（大正たいしょう12年ねん）5月5日にち : 愛野あいの村むら - 千々石ちぢわを開業かいぎょう。
• 1924年ねん（大正たいしょう13年ねん）5月31日にち : 温泉おんせん鉄道てつどうに社名しゃめいを変更へんこう
• 1926年ねん（大正たいしょう15年ねん）
  • 1月がつ21日にち : 植木うえき元太郎げんたろうが取締役とりしまりやくを辞任じにん。
  • 7月がつ1日にち : 浜はま駅えき開業かいぎょう。
• 1927年ねん（昭和しょうわ2年ねん）6月がつ : 島原しまばら鉄道てつどう・温泉おんせん鉄道てつどう・小浜おばま鉄道てつどうの3社しゃで諫早いさはや - 肥前ひぜん小浜おばま間あいだの直通ちょくつう運転うんてんを開始かいし。
• 1932年ねん（昭和しょうわ7年ねん）11月 : 島原しまばら鉄道てつどうとの直通ちょくつう運転うんてんを廃止はいし。
• 1933年ねん（昭和しょうわ8年ねん）10月2日にち : 鉄道てつどう敷設ふせつ免許めんきょを雲仙うんぜん鉄道てつどうに譲渡じょうと。会社かいしゃ解散かいさん。

小浜おばま地方ちほう鉄道てつどう→小浜おばま鉄道てつどう→雲仙うんぜん鉄道てつどう

• 1920年ねん（大正たいしょう9年ねん）12月2日にち : 小浜おばま地方ちほう鉄道てつどうに対たいし鉄道てつどう免許めんきょ状じょう下付かふ（高来たかき郡ぐん千々ちじ岩村いわむら-同どう郡ぐん小浜おばま村むら間あいだ）。　
• 1921年ねん（大正たいしょう10年ねん）8月がつ25日にち : 小浜おばま地方ちほう鉄道てつどう設立せつりつ（社長しゃちょう本多ほんだ親ちかし宗むね）。
• 1927年ねん（昭和しょうわ2年ねん）
  • 3月がつ10日とおか : 千々石ちぢわ - 肥前ひぜん小浜おばま（後ごの雲仙うんぜん小浜おばま）を開業かいぎょう
  • 5月24日にち : 小浜おばま鉄道てつどうに社名しゃめいを変更へんこう。
  • 6月がつ : 島原しまばら鉄道てつどう・温泉おんせん鉄道てつどう・小浜おばま鉄道てつどうの3社しゃで諫早いさはや - 肥前ひぜん小浜おばま間あいだの直通ちょくつう運転うんてんを開始かいし。
• 1929年ねん（昭和しょうわ4年ねん）10月がつ18日にち : 鉄道てつどう免許めんきょ取消とりけし（1920年ねん12月2日にち免許めんきょ小浜おばま町まち地内じない 工事こうじ竣功しゅんこうセザルタメ）
• 1932年ねん（昭和しょうわ7年ねん）11月 : 島原しまばら鉄道てつどうとの直通ちょくつう運転うんてんを廃止はいし。
• 1933年ねん（昭和しょうわ8年ねん）
  • 7月がつ27日にち : 雲仙うんぜん鉄道てつどうに社名しゃめいを変更へんこう。
  • 10月2日にち : 温泉おんせん鉄道てつどうから鉄道てつどう敷設ふせつ免許めんきょを譲受じょうじゅ。
• 1935年ねん（昭和しょうわ10年ねん）6月1日にち : 島原しまばら鉄道てつどうに経営けいえい委託いたく開始かいし。1年ねん後ご期間きかん満了まんりょうにより委託いたく解除かいじょ。
• 1937年ねん（昭和しょうわ12年ねん）6月がつ10日とおか : 本多ほんだ親ちかし宗そう現職げんしょくのまま死亡しぼう。
• 1938年ねん（昭和しょうわ13年ねん）8月がつ15日にち : 愛野あいの村むら - 雲仙うんぜん小浜おばま間あいだ全線ぜんせん廃止はいし。

運行うんこう形態けいたい

温泉おんせん軽便鉄道けいべんてつどうとして開業かいぎょうした当時とうじは1日にち7往復おうふくが運行うんこうされていた。

輸送ゆそう・収支しゅうし実績じっせき

温泉おんせん軽便鉄道けいべんてつどう→温泉おんせん鉄道てつどう

年度ねんど	乗客じょうきゃく（人ひと）	貨物かもつ量りょう（トン）	営業えいぎょう収入しゅうにゅう（円えん）	営業えいぎょう費ひ（円えん）	益金えききん（円えん）	その他た損金そんきん（円えん）	支払しはらい利子りし（円えん）	政府せいふ補助ほじょ金きん（円えん）
1923	111,307	4,735	32,590	38,961	▲ 6,371		21,240	0
1924	124,748	5,293	32,331	42,933	▲ 10,602		31,780	0
1925	135,947	5,252	34,174	46,078	▲ 11,904	雑ざつ損そん1,521	36,975	40,101
1926	135,618	6,107	34,345	43,487	▲ 9,142	雑ざつ損そん220	35,475	27,720
1927	171,932	6,384	46,026	42,437	3,589	雑ざつ損そん3,573	35,322	27,284
1928	162,084	8,168	45,165	49,438	▲ 4,273		34,997	27,304
1929	142,434	5,976	38,198	39,149	▲ 951	雑ざつ損そん6,507	37,911	27,744
1930	108,365	5,434	29,500	38,123	▲ 8,623	雑ざつ損そん2,285	35,641	27,809
1931	86,150	2,674	20,088	25,594	▲ 5,506	雑ざつ損そん562	38,064	27,847
1932	65,974	2,050	23,007	26,861	▲ 3,854	雑ざつ損そん1,934	8,013	27,770
1933	33,298	528	6,089	12,696	▲ 6,607	雑ざつ損そん97	4,381	2,556

小浜おばま地方ちほう鉄道てつどう→小浜おばま鉄道てつどう

年度ねんど	乗客じょうきゃく（人ひと）	貨物かもつ量りょう（トン）	営業えいぎょう収入しゅうにゅう（円えん）	営業えいぎょう費ひ（円えん）	益金えききん（円えん）	その他た損金そんきん（円えん）	支払しはらい利子りし（円えん）	政府せいふ補助ほじょ金きん（円えん）
1926	6,643	18	3,744	2,422	1,322
1927	150,446	1,789	33,922	48,105	▲ 14,183	雑ざつ損そん202	66,340
1928	133,519	2,540	30,854	43,061	▲ 12,207		38,568	63,866
1929	123,972	2,222	27,000	39,166	▲ 12,166	雑ざつ損そん670	41,537	43,475
1930	96,005	1,744	20,328	33,549	▲ 13,221	雑ざつ損そん15,740	46,459	43,707
1931	58,576	1,231	14,006	18,627	▲ 4,621	雑ざつ損そん1,276	51,034	21,913
1932	42,309	1,005	11,077	19,946	▲ 8,869	雑ざつ損そん4,802	39,964	36,423
1933	65,288	1,229	12,386	34,559	▲ 22,173	雑ざつ損そん20,644	40,045	43,719

雲仙うんぜん鉄道てつどう

年度ねんど	乗客じょうきゃく（人ひと）	貨物かもつ量りょう（トン）	営業えいぎょう収入しゅうにゅう（円えん）	営業えいぎょう費ひ（円えん）	益金えききん（円えん）	その他た損金そんきん（円えん）	支払しはらい利子りし（円えん）	政府せいふ補助ほじょ金きん（円えん）
1934	130,511	3,555	28,708	36,263	▲ 7,555	雑ざつ損そん26,793	21,690	43,730
1935	127,382	4,173	28,249	39,439	▲ 11,190	雑ざつ損そん17,251	15,181	43,783
1936	163,786	5,134	35,414	53,969	▲ 18,555	雑ざつ損そん償却しょうきゃく金きん8,376	17,103	43,836
1937	160,279	4,070	34,139	48,685	▲ 14,546	雑ざつ損そん14,473、自動車じどうしゃ426	11,046	19,527

1937年度ねんどに債務さいむ免除めんじょ200,000円えんを計上けいじょうしている。

• 鉄道てつどう省しょう鉄道てつどう統計とうけい資料しりょう、鉄道てつどう統計とうけい資料しりょう、鉄道てつどう統計とうけい各かく年度ねんど版ばん

駅えき一覧いちらん

愛あい野村のむら駅えき - 愛あい津つ駅えき - 水晶すいしょう観音かんおん駅えき - 浜はま駅えき - 千々石ちじわ駅えき - 上うえ千々石ちじわ駅えき - 木津きづノ浜はま駅えき - 富津とみつ駅えき - 雲仙うんぜん小浜おばま駅えき

接続せつぞく路線ろせん

• 愛あい野村のむら駅えき：島原しまばら鉄道てつどう島原鉄道線しまばらてつどうせん

車両しゃりょう

温泉おんせん軽便鉄道けいべんてつどう開業かいぎょう時じに用意よういされた車両しゃりょうは機関きかん車しゃ（雨宮あまみや製作所せいさくしょ製せい）1両りょう、二に・三さん等とう合ごう造づくりボギー客車きゃくしゃホロハ1・2（岡部おかべ鉄工てっこう所しょ製せい、定員ていいん66人にん二に等とう14人にん三さん等とう52人にん）、四よん輪りん有蓋ゆうがい貨車かしゃワ1・2（岡部おかべ鉄工てっこう所しょ製せい）、四よん輪りん有蓋ゆうがい緩急かんきゅう車しゃワフ1・2（岡部おかべ鉄工てっこう所しょ製せい）、他たに島原しまばら鉄道てつどうより機関きかん車しゃ4号ごうを借入かりいれ。1924年ねん（大正たいしょう13年ねん）3月がつに四よん輪りん三さん等とう手荷物てにもつ緩急かんきゅう車しゃハニ1（定員ていいん38人にん）が竣功しゅんこう。同月どうげつ四よん輪りん無蓋むがい貨車かしゃ（ト1-5）5両りょうを島原しまばら鉄道てつどうより購入こうにゅう（1924年ねん4月がつ使用しよう認可にんか）。1925年ねん（大正たいしょう14年ねん）7月がつに全ぜん車両しゃりょうが自動じどう連結れんけつ器きに交換こうかん。1927年ねん（昭和しょうわ2年ねん）島原しまばら鉄道てつどうより機関きかん車しゃと客車きゃくしゃを購入こうにゅう（機関きかん車しゃ（3）1両りょう、四よん輪りん二に・三さん等とう合ごう造づくり客車きゃくしゃ（島原しまばらロハ3→ロハ10）1両りょう、四よん輪りん三さん等とう客車きゃくしゃ（島原しまばらハ4・5→ハ20・21）2両りょう）。1927年ねん（昭和しょうわ2年ねん）島原しまばら鉄道てつどうへ二に・三さん等とう合ごう造づくりボギー客車きゃくしゃホロハ2を売却ばいきゃく。

小浜おばま地方ちほう鉄道てつどう開業かいぎょうに用意よういされた車両しゃりょうは機関きかん車しゃ2両りょう、四よん輪りん三さん等とう客車きゃくしゃハ2475（形式けいしき2475）、四よん輪りん二に三さん等とう客車きゃくしゃロハ300（形式けいしき293）・ロハ877（形式けいしき858）、有蓋ゆうがい緩急かんきゅう車しゃワフ4993（形式けいしき4991）・ワフ5264（形式けいしき5264）→小浜おばま地方ちほうワ4・5、有蓋ゆうがい車しゃワ52457（形式けいしき5000）→小浜おばま地方ちほうワ10。すべて国鉄こくてつからの払下はらいさげであった。

蒸気じょうき機関きかん車しゃ

1, 2

旧きゅう小浜おばま鉄道てつどう所属しょぞく。1904年ねん、日本にっぽん鉄道てつどう大宮おおみや工場こうじょう製せいの車軸しゃじく配置はいち0-6-0 (C) のタンク機関きかん車しゃ。旧きゅう番号ばんごうは1041, 1043。2は、明治めいじ鉱業こうぎょう庶路しょろ鉱業こうぎょう所しょに譲渡ゆずりわたされ1となる。

23

旧きゅう温泉おんせん鉄道てつどう1。1922年ねん、雨宮あまみや製作所せいさくしょ製せい車軸しゃじく配置はいち2-4-0 (1B) の27t級きゅうタンク機関きかん車しゃ。廃止はいし後ご、南みなみ武たけし鉄道てつどうに譲渡じょうと。3となり、その後ご鉄道てつどう省しょう90となる。

24

旧きゅう温泉おんせん鉄道てつどう2。1871年ねん、英えいシャープ・スチュアート製せい車軸しゃじく配置はいち2-4-0 (1B) の22t級きゅうタンク機関きかん車しゃ。鉄道てつどう院いん161から島原しまばら鉄道てつどう3を経へて、1927年ねん3月がつ入線にゅうせん。

客車きゃくしゃ

ホロハ101

旧きゅう温泉おんせん鉄道てつどうホロハ1。廃止はいし後ごは、口之津くちのつ鉄道てつどうに譲渡ゆずりわたされホハフ33となり、合併がっぺいにより島原しまばら鉄道てつどうに移うつった。同形どうけい車しゃにホロハ2があったが、1927年ねんに島原しまばら鉄道てつどうへ譲渡ゆずりわたされ、ホロハ31 → ホハ31 → ホハフ31となった。

ガソリンカー

温泉おんせん鉄道てつどう

カハ5　1929年ねん東洋とうよう車輌しゃりょう製せいの木製もくせい2軸じく車しゃ。定員ていいん40人にん。1937年ねん3月がつ廃車はいしゃ

小浜おばま鉄道てつどう

カハ1、2　1929年ねん日本にっぽん車輌しゃりょう製せいの半はん鋼はがね製せい2軸じく車しゃ。定員ていいん32人にん

カハ21、22　1936年ねん日本にっぽん車輌しゃりょう製せい半はん鋼こう製せいボギぼぎー車しゃ。定員ていいん60人にん。廃止はいし後ご譲渡じょうとされたが、うち1両りょうは篠山しのやま鉄道てつどう→西武鉄道せいぶてつどう→日立ひたち電鉄でんてつと長期間ちょうきかん使用しようされた。

車両しゃりょう表ひょう

車種しゃしゅ	旧きゅう所属しょぞく	形式けいしき番号ばんごう	申請しんせい・届とどけ	製造せいぞう年ねん	製造せいぞう所しょ	前歴ぜんれき	1936年ねん改あらため番ばん	廃車はいしゃ
機関きかん車しゃ	小浜おばま	1	1926年ねん	1904年ねん	日本にっぽん鉄道てつどう大宮おおみや工場こうじょう	国鉄こくてつ1043	21	廃はい線せんまで在籍ざいせき
	小浜おばま	2	1926年ねん	1904年ねん	日本にっぽん鉄道てつどう大宮おおみや工場こうじょう	国鉄こくてつ1041	22	廃はい線せんまで在籍ざいせき
	温泉おんせん	1	1923年ねん	1922年ねん	雨宮あまみや製作所せいさくしょ		23	1937年ねん4月がつ（南みなみ武たけし鉄道てつどう）
	温泉おんせん	3	1927年ねん	1871年ねん	シャープ・スチュアート	島原しまばら鉄道てつどう	24	1937年ねん3月がつ
客車きゃくしゃ	温泉おんせん	ホロハ1	1923年ねん	1923年ねん	岡部おかべ鉄工てっこう所しょ		ホロハ101	廃はい線せんまで在籍ざいせき
	温泉おんせん	ホロハ2	1923年ねん	1923年ねん	岡部おかべ鉄工てっこう所しょ			1927年ねん（島原しまばら鉄道てつどう）
	小浜おばま	ロハ300	1926年ねん		平岡ひらおか工場こうじょうか新橋しんばし工場こうじょう	国鉄こくてつロハ300
	小浜おばま	ロハ877	1926年ねん		平岡ひらおか工場こうじょうか新橋しんばし工場こうじょう	国鉄こくてつロハ877
	小浜おばま	ロハ10				ロハ300か877	ロハ111	廃はい線せんまで在籍ざいせき
	小浜おばま	ロハ11				ロハ300か877	ロハ112	1937年ねん12月
	温泉おんせん	ロハ10	1927年ねん	1895年ねん	阪堺はんかい鉄道てつどう	島原しまばら鉄道てつどう	ロハ113	1937年ねん3月がつ
	温泉おんせん	ハ20	1927年ねん	1895年ねん	阪堺はんかい鉄道てつどう	島原しまばら鉄道てつどう	ハ121	廃はい線せんまで在籍ざいせき
	温泉おんせん	ハ21	1927年ねん	1895年ねん	阪堺はんかい鉄道てつどう	島原しまばら鉄道てつどう	ハ122	廃はい線せんまで在籍ざいせき
	温泉おんせん	ハニ1	1923年ねん	1923年ねん	岡部おかべ鉄工てっこう所しょ		ハニ141	廃はい線せんまで在籍ざいせき
	小浜おばま	ハ2475→フハ1	1926年ねん		汽車きしゃ製造せいぞう	国鉄こくてつハ2475	フハ131	1937年ねん3月がつ
	小浜おばま	ハ2→フハ2	1928年ねん			国鉄こくてつハ2638	フハ132	1937年ねん12月
	小浜おばま	フハ3	1928年ねん			国鉄こくてつハ4785	フハ133	1937年ねん12月
貨車かしゃ	温泉おんせん	ワ1	1923年ねん	1923年ねん	岡部おかべ鉄工てっこう所しょ		ワ161	廃はい線せんまで在籍ざいせき
	温泉おんせん	ワ2	1923年ねん	1923年ねん	岡部おかべ鉄工てっこう所しょ		ワ162	廃はい線せんまで在籍ざいせき
	小浜おばま	ワ10	1926年ねん		日本にっぽん車輌しゃりょう	国鉄こくてつワ52457	ワ173	廃はい線せんまで在籍ざいせき
	温泉おんせん	ワフ1	1923年ねん	1923年ねん	岡部おかべ鉄工てっこう所しょ		ワブ151	1937年ねん12月
	温泉おんせん	ワフ2	1923年ねん	1923年ねん	岡部おかべ鉄工てっこう所しょ		ワブ152	1937年ねん3月がつ
	小浜おばま	ワ4→ワブ4	1926年ねん		神戸こうべ工場こうじょう	国鉄こくてつワフ4993	ワブ153	1937年ねん12月
	小浜おばま	ワ5→ワブ5	1926年ねん		神戸こうべ工場こうじょう	国鉄こくてつワフ5264	ワブ154	廃はい線せんまで在籍ざいせき
	温泉おんせん	ト1-5	1923年ねん			島原しまばら鉄道てつどう		廃車はいしゃ日び不明ふめい
ガソリンカー	小浜おばま	カハ1	1929年ねん	1929年ねん	日本にっぽん車輌しゃりょう		カハ11	廃はい線せんまで在籍ざいせき
	小浜おばま	カハ2	1929年ねん	1929年ねん	日本にっぽん車輌しゃりょう		カハ12	廃はい線せんまで在籍ざいせき
	温泉おんせん	カハ5	1929年ねん	1929年ねん	東洋とうよう車輌しゃりょう		カハ16	1937年ねん3月がつ
	雲仙うんぜん	カハ21・22	1936年ねん	1936年ねん	日本にっぽん車輌しゃりょう		改あらため番ばんなし	廃はい線せんまで在籍ざいせき

車両しゃりょう数すうの変遷へんせん

年度ねんど	機関きかん車しゃ		動どう車しゃ		客車きゃくしゃ		貨車かしゃ
	蒸気じょうき		ガソリン				有蓋ゆうがい		無蓋むがい
	温泉おんせん	小浜おばま	温泉おんせん	小浜おばま	温泉おんせん	小浜おばま	温泉おんせん	小浜おばま	温泉おんせん	小浜おばま
1923	1				3		4		0
1924	1				3		4		5
1925	1				5		4		5
1926	2	2			6	3	4	3	5	0
1927	2	2			5	3	4	3	5	0
1928	2	2			5	5	4	3	5	0
1929	2	2	1	2	5	5	4	3	5	0
1930-32	2	2	1	2	5	5	4	3	0	0
1933-35	4		3		10		7		0
1936	2		4		8		6		0
1937	2		4		4		5		0

• 鉄道てつどう院いん鉄道てつどう統計とうけい資料しりょう、鉄道てつどう省しょう鉄道てつどう統計とうけい資料しりょう、鉄道てつどう統計とうけい資料しりょうより

参考さんこう文献ぶんけん

• 和かず久田ひさた康雄やすお『私鉄してつ史しハンドブック』電気でんき車しゃ研究けんきゅう会かい、1993年ねん、182頁ぺーじ。 
• 『私鉄してつ史しハンドブック』正誤せいご表ひょう 2010年ねん2月がつ作成さくせい (PDF)
• 今尾いまお恵めぐみ介かい（監修かんしゅう）『日本にっぽん鉄道てつどう旅行りょこう地図ちず帳ちょう - 全線ぜんせん・全ぜん駅えき・全廃ぜんぱい線せん』 12 九州きゅうしゅう沖縄おきなわ、新潮社しんちょうしゃ、2009年ねん、55頁ぺーじ。ISBN 978-4-10-790030-2。 
• 帝国ていこく鉄道てつどう協会きょうかい（編纂へんさん）『帝国ていこく鉄道てつどう年鑑ねんかん』（昭和しょうわ3年版ねんばん）帝国ていこく鉄道てつどう協会きょうかい、東京とうきょう市し麹こうじ町まち区く有楽町ゆうらくちょう、1928年ねん5月がつ、432-435頁ぺーじ。 （国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション）
• 鉄道てつどう省しょう『昭和しょうわ12年ねん10月がつ1日にち現在げんざい鉄道てつどう停車場ていしゃじょう一覧いちらん』鉄道てつどう省しょう（覆刻ふっこく：鉄道てつどう史し資料しりょう保存ほぞん会かい）、東京とうきょう（覆刻ふっこく：大阪おおさか）、1937年ねん（覆刻ふっこく：1986年ねん）、433頁ぺーじ。ISBN 4-88540-048-1。 
• 湯口ゆぐち徹てっ『内燃ないねん動どう車しゃ発達はったつ史し 上巻じょうかん』ネコ・パブリッシング、2004年ねん、316-317頁ぺーじ
• 『雲仙うんぜん鉄道てつどう（元もと温泉おんせん鉄道てつどう、小浜おばま鉄道てつどう）（一いち）・自大じだい正せい八はち年ねん至いたり大正たいしょう十じゅう二に年ねん』（国立こくりつ公文書こうぶんしょ館かんデジタルアーカイブ で画像がぞう閲覧えつらん可か）
• 『雲仙うんぜん鉄道てつどう（元もと温泉おんせん鉄道てつどう、小浜おばま鉄道てつどう）（二に）・自大じだい正せい十じゅう三さん年ねん至いたり昭和しょうわ八はち年ねん』（国立こくりつ公文書こうぶんしょ館かんデジタルアーカイブ で画像がぞう閲覧えつらん可か）
• 『雲仙うんぜん鉄道てつどう（元もと小浜おばま鉄道てつどう）（一いち）・自大じだい正せい九きゅう年ねん至いたり昭和しょうわ二に年ねん』（国立こくりつ公文書こうぶんしょ館かんデジタルアーカイブ で画像がぞう閲覧えつらん可か）
• 『雲仙うんぜん鉄道てつどう（元もと小浜おばま鉄道てつどう）（二に）・自じ昭和しょうわ三さん年ねん至いたり昭和しょうわ十じゅう年ねん』（国立こくりつ公文書こうぶんしょ館かんデジタルアーカイブ で画像がぞう閲覧えつらん可か）
• 『雲仙うんぜん鉄道てつどう・自じ昭和しょうわ十じゅう一いち年ねん至いたり昭和しょうわ十じゅう三さん年ねん』（国立こくりつ公文書こうぶんしょ館かんデジタルアーカイブ で画像がぞう閲覧えつらん可か）

関連かんれん項目こうもく

• 日本にっぽんの廃止はいし鉄道てつどう路線ろせん一覧いちらん
• 廃はい線せん

外部がいぶリンク

• 温泉おんせん鉄道てつどう・小濱おばま鉄道てつどう
• 雲仙うんぜん鉄道てつどう
• 雲くも 仙せん 鉄てつ 道どう （島原半島しまばらはんとう北西ほくせい部ぶ） - ウェイバックマシン（2002年ねん12月28日にちアーカイブ分ぶん）
• 愛野あいの～小浜おばま～口之津くちのつ
• 廃はい線せん探索たんさく　雲仙うんぜん鉄道てつどう－1