都道府県採用警察官は、巡査を命じられ、そこから2 - 4年(最終学歴によって異なる)務めると昇任試験受験資格を得る。制帽は巡査と変わりはないが、制服(冬服および合服上衣)の両袖には銀色の斜め一本線の袖章が入る。国家公務員一般職試験で警察庁に入庁した準キャリアは巡査部長を初任とする。
警察組織の初級幹部であり、司法警察員に任じられる。巡査部長昇任試験は倍率20倍を超える難関であり[1]、憲法や刑法などの法学、警察実務、社会常識にまつわる択一式の筆記試験のほか、論文、面接、逮捕術などの実技試験で構成され、出題される内容はどの部署に所属しているかによって変わるものではないため、警察官としての幅広い知識が問われる[2]。なお、語学・簿記・コンピュータなどの専門技能保持により採用される「専門捜査官」も、本級にて採用する都道府県がある。
一般的に憲兵隊を持つ国では軍隊(憲兵)の階級体系に対応付けしていることが多い。
巡査部長までの階級体系が多い(5 - 9階級)国(フランスやドイツなど)では、巡査部長は最上級の下士官 - 准尉に格付けされている。
米英では士官(警部補)の下で現場のリーダーとなる存在を象徴的に sergeant(下士官)と呼び、軍曹の階級章と同様のものを用いている。
- フランス
- 軍隊および国家憲兵と横並びの階級体系を持ち、3階級存在する。()内は陸軍および憲兵隊の対応階級。下から巡査部長 Brigadier de police(adjutant 准尉[注釈 2] OR8)、主任巡査部長 brigadier chef de police(adjutant chef 上級准尉 OR9)、上級巡査部長 major de police(major 准尉長[注釈 3] OR9)
- イギリス
- 軍曹を意味する Seageant が階級名に充てられ、軍曹と同じような3本の山形章を付けているが、軍隊における軍曹よりも格付けは上であり、勤務年数に応じて憲兵隊の曹長、連隊付曹長(准尉)に格付けされている。巡査の Constable が下士官待遇。
- ドイツ
- 陸軍の階級体系に横並びになっている。Polizeihauptmeister(OR-9 Police chief Master 准尉)、Polizeiobermeister(OR-8 Police Senior Master 上級曹長)で、下士官の最上位ランクに位置づけられている。警部補の職を代行することもできる地位となっている。
- ^ 警察に「巡査部」という部署は無い。
- ^ 英国の2等准尉 米国の上級曹長に該当する。
- ^ 英国の1等准尉 米国のCSM 最先任上級曹長に該当する。