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語学 - Wikipedia

語学ごがく

おも母語ぼご以外いがい言語げんご修得しゅうとく目的もくてきとした学習がくしゅう

語学ごがく(ごがく)とは、母語ぼご以外いがい言語げんごまなぶこと。言語げんごがくすこともあるが、語学ごがくはあくまで「実用じつよう」を目的もくてきとし、言語げんごがくはあくまで「言語げんごそのものの解明かいめい」を目的もくてきとする。

語学ごがく方法ほうほう

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語学ごがくには、様々さまざま方法ほうほうがある。そのなかには、かつては主流しゅりゅうだったものが現在げんざいでは、ほとんど実践じっせんされなくなってしまったものや、支持しじられなくなったものもおおい。

語学ごがく必要ひつようせい

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AI発達はったつによる機械きかい翻訳ほんやく実用じつようで、外国がいこく学習がくしゅう必要ひつようげんじることはないとされている[注釈ちゅうしゃく 1][1][2]

主要しゅよう言語げんご難易なんい習得しゅうとくじょう特徴とくちょう

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以下いかは、とく言及げんきゅうがないかぎ日本語にほんご母語ぼご話者わしゃしょ言語げんご習得しゅうとくするときの難易なんいとその特徴とくちょうについてべるものとする。

アラビア

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アラビア学習がくしゅう非常ひじょう困難こんなんである[3]。アラビア日本語にほんご英語えいごておらず、かつ、語根ごこんのしくみなどある程度ていどアラビア文法ぶんぽう習得しゅうとくしなければ『現代げんだい文語ぶんごアラビア辞典じてん』などアラビア辞書じしょもちいることはむずかしい。

イタリア

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イタリアは、世界中せかいじゅうおおくの学校がっこうひろおしえられており、実際じっさいだい言語げんごとしては4~5番目ばんめ規模きぼがあるとされている[4]。しかし、日本にっぽん初等しょとう教育きょういく中等ちゅうとう教育きょういくにおいてだいいち外国がいこくとしておしえられることはまれである。

日本にっぽんにおいては、だいだいさん外国がいこくとしておも大学だいがく学習がくしゅうされる。2003ねん調査ちょうさによると、全国ぜんこく105の大学だいがくで、やく1まんにん学習がくしゅうしゃがいるという[5]

スペイン

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スペインは、英語えいご学習がくしゅうをしっかりとやってきた日本人にっぽんじんには、比較的ひかくてき有利ゆうり言語げんごである。ラテンけい言語げんごで、英語えいご多少たしょうことなるものの、単語たんごだい部分ぶぶん英語えいご共通きょうつうせいっている ため、まったはつ単語たんごくわしたとしても、英語えいご既得きとく知識ちしきにより、そのスペルからおおよその意味いみ推定すいていできる。 文字もじは、アルファベット表記ひょうき基本きほんとしており特殊とくしゅ文字もじニョール[よう検証けんしょう]ひとしごく一部いちぶで、まなびやすい。また、発音はつおんいたっては日本語にほんごおなじく母音ぼいん中心ちゅうしんとして発音はつおん構造こうぞうち、おおむねスペルのとお発音はつおんができるため、ヒアリング、スピーキングのてんにおいては、欧州おうしゅう言語げんごなかでも比較的ひかくてきまなびやすい。 しかし、英語えいごにはい、女性じょせい名詞めいし男性だんせい名詞めいし存在そんざい英語えいごことなりすべての時制じせい変化へんか人称にんしょう変化へんか影響えいきょうしてくるという複雑ふくざつせいがあるので、最初さいしょはかなりこのてん苦労くろうする。

中国ちゅうごく

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中国ちゅうごくは、ニューズウィーク調査ちょうさによれば[よう文献ぶんけん特定とくてい詳細しょうさい情報じょうほう]日本人にっぽんじんまなびやすい言語げんごとして、レベル2にランクされ比較的ひかくてきまなびやすいとされている。理由りゆうとしては、やはり日本人にっぽんじん馴染なじみがある漢字かんじ採用さいようしている部分ぶぶんおおきい。したがって、中国ちゅうごくまなんだことがまったくない日本人にっぽんじんでも一部いちぶ語句ごく意味いみつかこと可能かのうであるが、語順ごじゅん英語えいご同様どうようSVOであったり、日本にっぽんでは存在そんざいしない漢字かんじ多数たすうあったりと一筋縄ひとすじなわにいかない部分ぶぶんもある。また、発音はつおんについては4つの声調せいちょうつうえに、かならずしも漢字かんじのスペルと日本人にっぽんじん感覚かんかくかんがえる発音はつおん一致いっちするわけではないので、リスニング・スピーキングは難関なんかんであるとえるが、きは漢字かんじ使用しようする日本人にっぽんじんにおいては言語げんご話者わしゃくらべてアドバンテージがおおきいとえる。

朝鮮ちょうせん

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朝鮮ちょうせんは、ニューズウィーク調査ちょうさによれば[よう文献ぶんけん特定とくてい詳細しょうさい情報じょうほう]、インドネシアならんでもっとまなびやすいレベル1の評価ひょうかあたえられている。日本語にほんご母語ぼごとするものにとっては、もっと習得しゅうとくしやすい外国がいこくひとつとしてかぞえられる。文法ぶんぽうにおいては、その語順ごじゅん主語しゅご目的もくてき補語ほごとう述語じゅつごというならびが類似るいじしている。文字もじは、朝鮮ちょうせんでしか使つかわれないハングルもちいられるため、日本人にっぽんじんふく外国がいこくじん朝鮮ちょうせんまなぶにはハングルの習得しゅうとくからはいることがおおいが、ハングルは規則きそくせいがしっかりしているので、一度いちどおぼえてしまえば、ライティングはともかくとしてリーディングにおいては比較的ひかくてきはや習得しゅうとくできる。また、ハングルであっても、体言たいげん中心ちゅうしんとしておおくが漢語かんご由来ゆらい言葉ことばのため、日本人にっぽんじん朝鮮ちょうせん語彙ごいやすにあたっては、かなり有利ゆうりである。

以下いか引用いんようする1880ねんしめされたドイツの実業じつぎょうであるエルンスト・オッペルト見解けんかいによれば、朝鮮ちょうせん欧米おうべいでは習得しゅうとくするのが困難こんなん言語げんごとされている。

朝鮮ちょうせん習得しゅうとく正確せいかくはなすことのむずかしさは、中国ちゅうごく学習がくしゅうにつきまとう困難こんなん比較ひかくしてもまったおとってはいない。このむずかしさは際限さいげんなくだいなるものであるとおおくのものはみなしており、またその難易なんいは、外国がいこくじんでも比較的ひかくてき短時間たんじかん日本語にほんご知識ちしき(a knowledge of Japanese)を獲得かくとくできるその比較的ひかくてき容易ようい度合どあいにすることはできない[6]

アメリカ国防総省こくぼうそうしょうのDefense Language Instituteは、アラビア中国ちゅうごく朝鮮ちょうせん、および日本語にほんごをカテゴリーIVに分類ぶんるいしている。これは、英語えいご話者わしゃである学習がくしゅうしゃ当該とうがい言語げんご習熟しゅうじゅくレベルが「社会しゃかい生活せいかつ、また職場しょくばでの一部いちぶ要求ようきゅうたす十分じゅうぶん能力のうりょく」をち、また「過去かこ現在げんざい、および未来みらい時制じせい使用しようして具体ぐたいてき話題わだいあつかうことができる」程度ていどたっするのに63週間しゅうかん必要ひつようであることを意味いみする(フランス語ふらんすご、スペイン、ポルトガル、イタリアは25週間しゅうかんとされる)[7]。アメリカにおける朝鮮ちょうせん学習がくしゅうしゃは、朝鮮ちょうせん継承けいしょうするコリアンアメリカンおおめられており、軍事ぐんじ大学だいがく朝鮮ちょうせんまな学生がくせいの80%をえると推定すいていされている[8]朝鮮ちょうせんはある特定とくてい言語げんご話者わしゃほう学習がくしゅう大幅おおはば容易よういであるという。日本にっぽんでのほうがよりひろく、朝鮮ちょうせん継承けいしょうするものでない学習がくしゅうしゃ朝鮮ちょうせんまなばれている[9]朝鮮ちょうせん母語ぼごでないもの朝鮮ちょうせん能力のうりょく評価ひょうかすることを目的もくてきとした世界せかい韓国かんこく認証にんしょう試験しけんは1997ねんはじまり、2005ねん試験しけんについては17,000にん申請しんせいおこなったという[10]

トルコは、言語げんご類型るいけいにおいて日本語にほんご同様どうよう膠着こうちゃくぞくし、語順ごじゅん日本語にほんご同様どうよう語末ごまつ動詞どうしるため、日本語にほんご母語ぼご話者わしゃにとっては比較的ひかくてきまなびやすい言語げんごられがちであるが、おおくのかたり英語えいごとの相関そうかんせいはほぼないため、単語たんご記憶きおくするめんでは、むしろ欧州おうしゅうけい言語げんご英語えいご学力がくりょく転用てんようできるようなアドバンテージはかない。また、変化へんか仕方しかた日本語にほんごのそれにちかいが、変化へんかけい多様たようおよんでおり、一筋縄ひとすじなわではいかない部分ぶぶんもある。発音はつおんめんかんしては、近世きんせいまでのアラビア文字もじはいし、ラテン文字もじ(アルファベット)に転用てんようしたため、ほぼ表音ひょうおん文字もじとなっているので、比較的ひかくてきまなびやすい。

フランス語ふらんすご

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フランス語ふらんすごは、スペインポルトガル、イタリアとうおな系統けいとう祖先そせんとしてもつロマンスけい言語げんごであり、両者りょうしゃあいだ類似るいじせいをスペルや文法ぶんぽうめん(たとえば目的もくてきかく動詞どうしまえかれるとう)から見出みいだされ、難易なんいとしては、スペインやイタリア同等どうとうられるふしがあるが、スペインやイタリアがほぼスペルそのままに発音はつおんできるのにたいし、フランス語ふらんすごは、スペルどおりの発音はつおんというわけにはいかず、ある程度ていど規則きそくせいがあるものの、リエゾンおと連結れんけつ)やおと脱落だつらくなどが、いたるところで出現しゅつげんするため、発音はつおんれるのにはそれなりの時間じかんようする。

ベトナム

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ベトナムは、ニューズウィーク調査ちょうさによる難易なんいランキングでは[よう文献ぶんけん特定とくてい詳細しょうさい情報じょうほう]日本人にっぽんじんまなびやすい言語げんごレベル2(4段階だんかい評価ひょうか)にランクされており、中国ちゅうごく、スペインならんでまなびやすいとされている。これは、ベトナム孤立こりつであり、かずせいによる語形ごけい変化へんかまったくないことがおおきい。また、かつては中国ちゅうごく影響えいきょうからチュノムばれる漢字かんじ文字もじ採用さいようしていたが、フランス支配しはい契機けいきにラテン文字もじ使つかったクオックグー移行いこうしたこともおおきい。ただし、発音はつおんかんしては、中国ちゅうごく上回うわまわむっつの声調せいちょうをもち、むずかしい部類ぶるいはいる。

ヘブライ

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現代げんだいヘブライかんしては比較的ひかくてき容易ようい言語げんごである。ヘブライ公用こうようとしているイスラエルでは、イスラエル国籍こくせきがないユダヤじんがイスラエルに「帰還きかん」するさいに、イスラエルにおける公用こうようのひとつである現代げんだいヘブライ現地げんち生活せいかつするために学習がくしゅうしなければならない。そのさいに、ウルパンというヘブライ教室きょうしつにおいてかなり体系たいけいてきにヘブライをヘブライ文字もじかたなど非常ひじょう基本きほんてき事柄ことがらから教授きょうじゅしている。そして、ウルパンにおいてもちいられるヘブライ教科書きょうかしょ様々さまざまなレベルの受講じゅこうせいにあわせて作成さくせいされており、ウルパンでヘブライ教授きょうじゅしているヘブライ教師きょうしたちは、受講じゅこうせいがヘブライたのしくわかりやすく学習がくしゅうできるよう、教室きょうしつない環境かんきょう良好りょうこうにするなど非常ひじょう洗練せんれんされている。また、すでに廃刊はいかんにはなってしまったが、シャアル・ラマトヒールというヘブライ新聞しんぶん発行はっこうされ、同紙どうしはヘブライのレベルは初級しょきゅう程度ていどではあるが、記事きじ内容ないようはイスラエルの政治せいじ中東ちゅうとう和平わへいなどにかんする事柄ことがらであるため、高等こうとう教育きょういく課程かてい受講じゅこうしたことがある成人せいじんがヘブライ学習がくしゅうするさい読解どっかいよう新聞しんぶんとしてウルパンなどにおいてもちいられていた。また、日本にっぽんにおいてもヘブライ教授きょうじゅする教室きょうしつがあり、ヘブライ受講じゅこうせいがヘブライ学習がくしゅうする動機どうき原則げんそくとして聖書せいしょなどに関心かんしんがあるものおおく、まれにパレスチナ問題もんだい中東ちゅうとう和平わへいなどに関心かんしんがあるものや、ヘブライ話者わしゃ結婚けっこんするためにヘブライ学習がくしゅうするものもいる。そして、聖書せいしょヘブライ学習がくしゅうするものは、最初さいしょ現代げんだいヘブライ習得しゅうとくしそれから聖書せいしょヘブライ学習がくしゅうするほうが最初さいしょから聖書せいしょヘブライのみを学習がくしゅうするよりも学習がくしゅうすることが容易よういである。また、ヘブライ修得しゅうとくするとアラビア学習がくしゅう容易よういになり、ドイツとヘブライ修得しゅうとくするとイディッシュ学習がくしゅう容易よういになる。

モンゴル

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すくなくとも日本語にほんご母語ぼご話者わしゃにとっては、モンゴル学習がくしゅう非常ひじょう容易よういである。モンゴル膠着こうちゃくであるために文法ぶんぽうてきにも非常ひじょうちかい。そのてんでは朝鮮ちょうせんおなじだが、朝鮮ちょうせんにあるげきおんおんといった日本人にっぽんじん初学しょがくしゃにはききとれない音声おんせいがくじょうちがいもモンゴルには存在そんざいしない。ただし、LとRのちがいはモンゴルにも存在そんざいする。母音ぼいんの「オ」と「ウ」が2種類しゅるいあるが、これはえんくちびるひらくちびるかのちがいにすぎないので、日本語にほんご話者わしゃにとってはそれほどおおきな負担ふたんにはなっていない。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ シンギュラリティ時代じだい(AIがすべ能力のうりょく人間にんげんえる時代じだい。「テレパシーよう脳波のうは直接ちょくせつコミュニケーションをるため母語ぼごですら不要ふようになる」「不老不死ふろうふし実現じつげん」などの可能かのうせい示唆しさされている。人間にんげん機械きかい境界きょうかいくずれ、価値かちかん転換期てんかんきむかえるとわれている。ただし、あくまで未来みらいがくにおける仮説かせつひとつ)」が到達とうたつしないかぎり、「AI発達はったつしても、人間にんげん通訳つうやくえることは出来できず」「むしろ人間にんげんおこなわなかった翻訳ほんやく通訳つうやくあたらしいユースケースを開拓かいたくしていく」としている。

出典しゅってん

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  1. ^ 日本経済新聞にほんけいざいしんぶん2019 1.1朝刊ちょうかん
  2. ^ engadget 2017.4.15「ひとえた機械きかい翻訳ほんやく通訳つうやく仕事しごとうばうのか」microsoftしゃ オリヴィエによる
  3. ^ アラビア学習がくしゅうガイド、2012ねん8がつ31にち閲覧えつらん
  4. ^ Die besten sextreffen in hamburg
  5. ^ 高田たかだ和文かずふみ大学だいがくにおけるイタリア教育きょういく現状げんじょうだい外国がいこく学習がくしゅう意義いぎについて」『静岡しずおか文化ぶんか芸術げいじゅつ大学だいがく研究けんきゅう紀要きよう』、2006ねん
  6. ^ Oppert, Ernst (1880). A Forbidden Land: Voyages to the Corea. S. Low, Marston, Searle, and Rivington. https://books.google.co.jp/books?id=PB8PAAAAYAAJ&redir_esc=y&hl=ja 
  7. ^ Raugh, Harold E.. “The Origins of the Transformation of the Defense Language Program”. Applied Language Learning 16 (2): 1-12. http://www.dliflc.edu/academics/academic_materials/all/ALLissues/all16two.pdf 2008ねん1がつ9にち閲覧えつらん. 
  8. ^ Lee, Saekyun H.; HyunJoo Han. “Issues of Validity of SAT Subject Test Korea with Listening”. Applied Language Learning 17 (1): 33-56. http://www.dliflc.edu/academics/academic_materials/all/ALLissues/ALL17.pdf. 
  9. ^ Fujita-Round, Sachiyo; John C. Maher (2007). “Language Education Policy in Japan”. United States: Springer. pp. 393-404. ISBN 978-0-387-32875-1 
  10. ^ “Korea Marks 558th Hangul Day”. The Chosun Ilbo. (2004ねん10がつ10日とおか). http://english.chosun.com/w21data/html/news/200410/200410100002.html 2008ねん1がつ9にち閲覧えつらん [リンク]

関連かんれん項目こうもく

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