(Translated by https://www.hiragana.jp/)
ハングル - Wikipedia

ハングル

韓国かんこく朝鮮ちょうせん表記ひょうきするための表音ひょうおん文字もじ

ハングルかん: 한글)およびチョソングルあさ: 조선글)は、朝鮮ちょうせん表記ひょうきするための表音ひょうおん文字もじ素性すじょう文字もじ)である。

ハングル・チョソングル
類型るいけい: 表音ひょうおん文字もじ, 素性すじょう文字もじ, アルファベット
言語げんご: 朝鮮ちょうせん, 済州さいしゅう, チアチア, 台湾たいわん (台湾たいわんハングル英語えいごばん)
発明はつめいしゃ: むね
時期じき: 1443ねん - 現在げんざい
おや文字もじ体系たいけい:
調音ちょうおん器官きかん模倣もほう
  • ハングル・チョソングル
Unicode範囲はんい:
ISO 15924 コード: Hang, 286
注意ちゅうい: このページはUnicodeかれた国際こくさい音声おんせい記号きごう (IPA) をふく場合ばあいがあります。
テンプレートを表示ひょうじ
大韓民国の旗 ハングル
各種かくしゅ表記ひょうき
ハングル 한글
発音はつおん ハングル
RRしき Han(-)geul
MRしき Han'gŭl
英語えいご表記ひょうき Hangul (Hangeul)
テンプレートを表示ひょうじ
朝鮮民主主義人民共和国の旗 チョソングル
各種かくしゅ表記ひょうき
チョソングル 조선글
発音はつおん チョソングル
RRしき Joseon(-)geul
MRしき Chosŏn'gŭl
英語えいご表記ひょうき Chosŏn'gŭl
テンプレートを表示ひょうじ

1443ねん朝鮮ちょうせんだい4だい国王こくおうむねが、くんみんせいおとあさ: 훈민정음略称りゃくしょう: せいおと)の公布こうふした。意味いみは「偉大いだいなる(ハン)・文字もじ(グル)」である[1]が、「ハン」を「大韓たいかん帝国ていこく」の「かんハン」とするせつもある[2]

呼称こしょう

編集へんしゅう

現代げんだい大韓民国だいかんみんこくではハングル朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこくでは朝鮮ちょうせん文字もじチョソングル조선글)またはチョソングルチャ조선글자)もしくは我々われわれ文字もじウリグル우리 글)と[3]

ハングル制定せいてい正式せいしき名称めいしょうくんみんせいおとであったが、当初とうしょから卑語ひご朝鮮ちょうせん)の文字もじという意味いみで「諺文おんもんオンムンハングル表記ひょうき: 언문)」とんだ[1][4]。また、知識ちしきのない平民へいみんたち、おんな子供こども使つかいやしい文字もじとして「アムクル(암클、「女文字おんなもじ」の)」、「アヘグル(아해글、「子供こども文字もじ」の)」とも卑下ひげされてきたといわれるが[4]かいれいほんに「ことわざ」が通常つうじょう語彙ごいとしてあるように、かならずしも卑称ひしょうではないとする見解けんかいもある[1]朝鮮ちょうせん時代じだい後期こうきには、ハングルの名称めいしょう非常ひじょう多様たようあらわれていて、くんみんせいおとせいおと諺文おんもんことわざおんことわざしょことわざくんおんくんぶんくんひがしおんひがしぶん、アムクル(암클)などとばれていた[5]

諺文おんもんという卑下ひげした名前なまえきらって[6]「ハングル」のかたり使つかわれるようになったのは、1900年代ねんだいである[7]しゅうけいは1913ねんに、朝鮮ちょうせん研究けんきゅうかい名前なまえを「ハングルモ」としている[8]朝鮮ちょうせんマ字まじ表記ひょうきの1つであるM-Rしき考案こうあんしたマッキューンライシャワーは、1939ねん当時とうじ朝鮮ちょうせん学会がっかいが「ハングル」、朝鮮ちょうせん語学ごがく研究けんきゅうかいが「チョンウム(せいおと)」のかたり使つかっているとべている[9](なお、この論文ろんぶんではハングルのハンを「いち」と解釈かいしゃくして、Unified System と翻訳ほんやくしている)。近代きんだい開化かいかには、現在げんざい韓国かんこく一般いっぱんてきもちいられているハングル(한글)、現在げんざい北朝鮮きたちょうせん一般いっぱんてきなチョソングル(조선글)のほか国文こくぶん(국문)、国語こくご(국어)、ハンマル(한말)、ハンナラマル(한나라말)、ペダルマルクル(배달말글)、朝鮮ちょうせん言文げんぶん(조선언문)、ハンナラクル(한나라글)、朝鮮ちょうせん(조선어)、朝鮮ちょうせんぶん(조선어문)などとばれていた[5]

ラテン語らてんご表記ひょうきでは「Hangul」と表記ひょうきされることがおおいが、近年きんねん2000ねんしき準拠じゅんきょした「Hangeul」という表記ひょうき使つかわれている。英語えいごけんでは「Korean Alphabet」とぶこともある。

中国ちゅうごくでは「諺文おんもん簡体字かんたいじ: 谚文; 拼音: yànwén; ちゅうおと: ㄧㄢˋㄨㄣˊ)」もしくは「かんあや」「朝鮮ちょうせん文字もじ」とぶ。

上述じょうじゅつのように朝鮮ちょうせんくんみんせいおとふるくは諺文おんもん(언문〈オンムン〉)ともんでいて、日本にっぽんでは諺文おんもん本来ほんらい音読おんよみでは「げんぶん」だが、朝鮮ちょうせん由来ゆらいなまりで「おんもん」)とんだが、現代げんだい日本にっぽんではハングル[10][11]。また朝鮮ちょうせん文字もじとも[12][13][14]。「ハングル文字もじ」のかた存在そんざいするが本来ほんらい重言じゅうげんとなる。

ハングルの創製そうせい反対はんたいとの対立たいりつ

編集へんしゅう

朝鮮半島ちょうせんはんとうでは、15世紀せいきなかばまで、自民じみんぞく言語げんごである朝鮮ちょうせん表記ひょうきする固有こゆう文字もじたず、知識ちしきそう漢字かんじ使用しようしていた。口訣くけつ(こうけつ・くけつ)・吏読りと(りとう)など漢字かんじりた表記ひょうきほうにより断片だんぺんてき暗示あんじてきしめされてきた。

朝鮮ちょうせんだい4だいおうむねは、朝鮮ちょうせん固有こゆう文字もじ創製そうせい積極せっきょくてきすすめたが、当初とうしょから事大じだい主義しゅぎ保守ほしゅ反発はんぱつけた。むね設立せつりつした諮問しもん機関きかんしゅうけん殿どのふくひさげがくだったちぇまん1444ねんうえ疏文で、「むかしから中国ちゅうごくしょ風土ふうどことなっても方言ほうげんもとづいて文字もじつくったれいはない。ただモンゴルパスパ文字もじ)・西にしなつ西にしなつ文字もじ)・おんなしんおんな文字もじ)・日本にっぽん仮名かめい)・チベットチベット文字もじ)のみが文字もじつが、これらはみな夷狄いてき野蛮やばんじん未開みかいじん)のなすことであり、うにるものではない」「漢字かんじ中国ちゅうごく文字もじ)こそ唯一ゆいいつ文字もじであり、民族みんぞく固有こゆう文字もじなどない」と反対はんたいした。しかし、むねはこのような反対はんたいを「これは文字もじではない(中国ちゅうごく文化ぶんかたいする反逆はんぎゃくではない)、くんみんせいおと漢字かんじ素養そようがないものに発音はつおんおしえる記号きごう)にぎない」と[15]てい麟趾などしゅうけん殿どのない新進しんしん学者がくしゃめいじて1446ねんくんみんせいおとでハングルを頒布はんぷした。「みんくん(おし)えるただしいおと」のである[16]

なお、このてんかんして異説いせつがないわけでもない。ソウルだい学校がっこう国文学こくぶんがく教授きょうじゅほお鎮浩によると、むね一人ひとりつくった可能かのうせいたかい。『朝鮮ちょうせん王朝おうちょう実録じつろく』のむね25ねん1442ねん)12月のじょうに、「ハングルを創製そうせいした」とみじか記載きさいされている。ハングルという言葉ことば文献ぶんけん初出しょしゅつであるが、もししゅうけん殿どの学者がくしゃたちの協力きょうりょくのもとハングルを創製そうせいしたのならばその過程かていくわしく記載きさいされているはずである。ほお鎮浩は、反対はんたい臣下しんかがいることを懸念けねんしてむね単独たんどくでハングルを創製そうせいし、そのハングルでかれた書籍しょせき編纂へんさんなどにしゅうけん殿どの学者がくしゃ動員どういんしたとかんがえている[17]

 
1543ねん王命おうめい[18]によって刊行かんこうされた『れつおんなでん』のハングル翻訳ほんやくばん

つばめさんくんによる禁止きんし政策せいさく以降いこう

編集へんしゅう

1504ねんつばめさんくん暴政ぼうせい誹謗ひぼうするハングルのがみ各地かくち発見はっけんされ、つばめさんくんはハングルの教育きょういく学習がくしゅう禁止きんしし、ハングルの書籍しょせき焼却しょうきゃく、ハングルを使用しようするもの弾圧だんあつした[19]むね時代じだい設置せっちされていたせいおとちょうちゅうむね年間ねんかん1507ねん閉鎖へいさされたが、ハングルの使用しよう自体じたい禁止きんしされることなく、一部いちぶ高官こうかんには書記しょき手段しゅだんとしてもちいるものもいた。1490ねんぐんかんしんすぐる(1461ねん - 1524ねん)がつまはじめおくったハングル書簡しょかん現存げんそん最古さいこのハングル書簡しょかんであり[20]、1998ねん慶尚北道けいしょうほくどう安東あんどう発掘はっくつされたおうだい1556ねん - 1586ねん)のはかくなったおっといたつまからのハングル書簡しょかん発見はっけんされた。『ウォンのちちへ・・・へいいぬ(1586ねん)6がつ』とはじまる長文ちょうぶん手紙てがみである。また17世紀せいきそう奎濂が自分じぶん下男げなんのキチュック(おのれうし)にいた書簡しょかんなどがのこっている。一方いっぽう、ハングルは支配しはいそうでも使つかわれたケースもあり、王室おうしつをはじめおう王妃おうひみことのりれい臣民しんみんへの伝言でんごんおう王妃おうひ公主こうしゅのハングル書簡しょかん王族おうぞく同士どうしのやりとりしたハングルの手紙てがみのこっている[21]。また、宮廷きゅうていりょうはん階級かいきゅうにおけるハングルの使用しようもあり、国王こくおうしるしたハングル書簡しょかんとしてはせんの『ふでことわざ簡』(1603ねん筆写ひっしゃ文献ぶんけん現存げんそんしている。けん好文よしふみきむしょうようりょうはん文化ぶんかじん一部いちぶどき調ちょう詩歌しか)をさいにハングルが利用りようされた。ぶんじょうおうきさきじんきよしおうきさきなどの諺文おんもんみことのりれいあかり聖王せいおうきさき都落みやこおちする儒学じゅがくしゃそうれつめるハングル書簡しょかん、1839ねんけんむね祖母そぼじゅんもとおうきさきによるキリストきょう禁止きんしれいである『斥邪綸音』をハングルでいて公布こうふした。

 
こうむねさんじょよしあきら公主こうしゅのハングル書簡しょかんのやりり。左側ひだりがわよしあきら公主こうしゅちちこうむねに、右側みぎがわむすめへの返事へんじ
 
せいが8さいとき叔母おば・閔氏(ひろしらくじんつま)にいたハングル書簡しょかん

ハングルでの出版しゅっぱん

編集へんしゅう

ハングルはまず、発案はつあんしゃであるむねのもと国家こっかてき出版しゅっぱん事業じぎょうにおいて活用かつようされた。ハングルの創製そうせい直後ちょくご1447ねんには王朝おうちょうたたえる頌歌『りゅうてん』、釈迦しゃか功績こうせきたたえるためむねみずかいた詩歌しかしゅうの『つきしるし千江ちえこれきょく[16]むねいのちによりくび大君おおきみ編纂へんさんした釈迦しゃか一代記いちだいきである『しゃくしょうぶし[16]相次あいついで刊行かんこうされ、いで1448ねんには韻書いんしょ東国とうごくせいいん』を刊行かんこうした。その国家こっかによるハングル文献ぶんけん刊行かんこうつづき、ことわざかいしょ中国ちゅうごく書籍しょせき翻訳ほんやくしょ)を中心ちゅうしんにその分野ぶんや仏典ぶってん儒教じゅきょう関連かんれんしょ実用じつようしょなど多岐たきにわたる。刊行かんこうされた書籍しょせき各地かくち覆刻ふっこくさればんかさねることがすくなくなかった。書簡しょかん上院じょういんてら』(1464ねん)もハングルである。

  1. 仏典ぶってんちょう初期しょきにはかんけいかん設置せっち(1461ねん)され仏典ぶってん翻訳ほんやくさかんにおこなわれた。その国家こっかによって仏教ぶっきょう弾圧だんあつされはじめたにもかかわらず、『楞厳けいことわざかい』(1461ねん)、『法華経ほけきょうことわざかい』(1463ねん)、『きむつよしけいことわざかい』(1464ねん)、『般若心経はんにゃしんぎょうことわざかい』(1464ねん)、『まどかさとしけいことわざかい』(1465ねん)など、15世紀せいき中頃なかごろおおくの仏典ぶってん刊行かんこうされた。
  2. 儒教じゅきょう関連かんれんしょ朝鮮ちょうせん儒教じゅきょう国教こっきょうとしたことにより、儒教じゅきょう関連かんれんしょちょうとおしてさかんに刊行かんこうされた。四書ししょ五経ごきょうなどの翻訳ほんやくほんとして『翻訳ほんやく小学しょうがく』(1517ねん)、『大学だいがくことわざかい』(1590ねん)、『えきけいことわざかい』(1606ねん)、『詩経しきょうことわざかい』(1613ねん)などがあり後世こうせいじゅう刊本かんぽん刊行かんこうされた。また『三綱さんこう行実ぎょうじつことわざかい』(1481ねん)は儒教じゅきょう民衆みんしゅう教化きょうかしょとして各種かくしゅ版本はんぽんちょう後期こうきまでなんおもかんされている。
  3. 実用じつようしょ:『救急きゅうきゅうかたことわざかい』(1466ねん)、『救急きゅうきゅう簡易かんいかた』(1489ねん)、『牛馬ぎゅうばひつじいのしししみ治療ちりょうかた』(1541ねん)、『ぶんもん瘟疫えき解方ときかた』(1542ねん)などの医書いしょ家畜かちく防疫ぼうえきしょがたびたび刊行かんこうされている。また、通訳つうやくかん養成ようせいしょであるつかさやくいんからは日本語にほんご学習がくしゅうしょなみ』(1492ねん)、中国ちゅうごく学習がくしゅうしょ翻訳ほんやくろう乞大』(16世紀せいき)、満州まんしゅう学習がくしゅうしょしんろう乞大』(1704ねん)、モンゴル学習がくしゅうしょこうむかたろう乞大』(1741ねん)などハングルでおとしめした外国がいこく学習がくしゅうしょ刊行かんこうされた。
  4. 文学ぶんがく作品さくひん:ハングル創製そうせい初期しょき以降いこうにも『もりことわざかい』(1481ねん)などの翻訳ほんやくかん詩集ししゅう刊行かんこうされている。ハングル使用しよう国家こっかレベルで禁止きんしされたちゅうむね以降いこうにも、きむ絿(1488ねん - 1534ねん)の「花田はなたべつきょく」、賢輔けんすけの「漁夫ぎょふ」、ひろしの「陶山すやまじゅうきょく」の詩歌しかもと小説しょうせつひろしよしわらわでん』、また日記にっき文学ぶんがくみずのとうし日記にっき』『春香はるかでん』『沈清でん』などパンソリ起源きげんとする小説しょうせつがハングルによる書籍しょせきとして刊行かんこうされた。

韓国かんこく併合へいごう以前いぜんのハングル

編集へんしゅう

石幡いしはたさだ朝鮮ちょうせんこう余録よろく」(1878ねん)には「朝鮮ちょうせんこく文字もじ有二ゆうじさま。曰真ぶんそく漢字かんじ也。曰諺文おんもんため国字こくじ。…以其易学えきがくみんみな便びん。而政府せいふ公文こうぶん措之不用ふよう。(朝鮮ちょうせんには2しゅ文字もじがある。ぶんというのが漢字かんじであり、諺文おんもん(※ハングルのこと)というのがくにとされる。…まなびやすいので、民衆みんしゅうみなこれ(※諺文おんもん)にれている。しかし政府せいふ公文書こうぶんしょではこれをもちいない。)」とある[22]

鈴木すずきしんひとし朝鮮ちょうせん聞」(1885ねん)には「ひん賤のもの諺文おんもんのみを習ひ纔かに通用つうよう便べんするものなり。ひんやつれにして筆墨ひつぼくかいふのなきものはすなぼんもりを習ひあるいかわうみはま平坦へいたんいしめん大字だいじを習ふごとあり。」とある[23]

石井いしい研堂けんどう (みん) 「朝鮮ちょうせん童画どうがだん」(1891ねん)には「また此国には、諺文おんもんとて、仮名かめいきゅうじゅう九字くじあれども、一般いっぱんもちいひるものすくなく、書状しょじょうとうにのみようれり。」とある[24]

イザベラ・バード朝鮮ちょうせん奥地おくち紀行きこう」(1898ねん)には「わたしは、川上かわかみ下層かそう社会しゃかい非常ひじょうおおくのおとこひとたちが、朝鮮ちょうせん固有こゆう筆記ひっき文字もじ諺文おんもん〕をめること気付きづいた。」とある[25]

井上いのうえ角五郎つのごろう先生せんせいでん」(1943ねん)には「…それで朝鮮ちょうせんでは上流じょうりゅう社会しゃかい漢字かんじばかりでつづった漢文かんぶんもちいひてぼう読にし、下流かりゅう社会しゃかい諺文おんもんばかりでぶんつづっていたのである。」とある[26]

漢字かんじ・ハングル混淆こんこうぶん

編集へんしゅう

1874ねん明治めいじ7)、日本にっぽん朝鮮ちょうせん外交がいこう文書ぶんしょ[27]で、日本にっぽん漢字かんじかなじりぶん相当そうとうする漢字かんじ・ハングル混淆こんこうぶんもちいられている。

大衆たいしゅう出版しゅっぱんとハングル

編集へんしゅう

公文書こうぶんしょのハングル使用しようは、きのえうま改革かいかく一環いっかんとして1894ねん11月に公布こうふされたみことのりれい1ごう公文こうぶんしきにおいて、公文こうぶん国文こくぶん(ハングル)を使用しようすることをさだめたことにはじまった。

朝鮮ちょうせんはつ近代きんだい新聞しんぶん(官報かんぽう)である『かんじょう旬報じゅんぽう』(1883ねん)のぞくかんである『かんじょうしゅうほう』(1886ねん創刊そうかん)では、漢字かんじ混合こんごうぶん通称つうしょうくにかん混用こんようぶん」)を基本きほんとする一方いっぽう内容ないようによっては漢文かんぶんもしくはハングルのみによる朝鮮ちょうせんぶん記述きじゅつされた。

かんじょうしゅうほう』の特筆とくひつてんは、ハングルでかれた最初さいしょ新聞しんぶんであったこととともに、「くに漢文かんぶん」とばれる文体ぶんたい採用さいようされたことである。このような韓国かんこくしきの「くに漢文かんぶん混用こんようぶん」の原型げんけいとなったのは、兪吉濬の《西遊せいゆう見聞けんぶん》(1895)とされている。しかしながら、くに漢文かんぶん漢文かんぶん素養そよう必要ひつようとする文体ぶんたいであったため、一般いっぱんひろ流布るふするにはいたらなかった。

1896ねん創刊そうかんされた『独立新聞どくりつしんぶん』はハングルと英文えいぶんによる新聞しんぶんであった。これはかちきをはじめて導入どうにゅうしたてんでも注目ちゅうもくされる。ハングルかちきにおおきく貢献こうけんした人物じんぶつは、スコットランドじんジョーン・ロス(John Ross, 1842~1915)である。

1890年代ねんだい後期こうき訪朝ほうちょうしたイザベラ・バードは、その当時とうじ諺文おんもん(En-mun)とばれていたハングルについて、いまだ知識ちしきそうからは蔑視べっしされてはいるが、1895ねん1がつ漢文かんぶん諺文おんもん混合こんごうぶん官報かんぽうあらわれて以来いらい国王こくおうによる独立どくりつ宣誓せんせいぶんをはじめ、一部いちぶのぞ公式こうしき文書ぶんしょ正式せいしき採用さいようされ、諺文おんもんによる書物しょもつ徐々じょじょえつつあると描写びょうしゃ[28]今後こんご諺文おんもんによる教科書きょうかしょ教師きょうし育成いくせいたれるとしている[29]。また、上流じょうりゅう階級かいきゅう女性じょせい諺文おんもんめるが、女性じょせい識字しきじりつきわめてひくく、1000にん2人ふたりであろうとする一方いっぽう[30]漢江かんこう沿いで出会であった下層かそう階級かいきゅうおとこたちのおおくは諺文おんもんめたとべている[31]

1905ねん韓国かんこく保護ほご条約じょうやくだいにちかん協約きょうやく伊藤いとう博文ひろぶみみずか朝鮮半島ちょうせんはんとうわたり、1906ねん初代しょだい韓国かんこく統監とうかん就任しゅうにん理想りそうてき国家こっかなおすため、まず「学校がっこう教育きょういく充実じゅうじつ」をさい優先ゆうせん実施じっし。そのために、日本銀行にっぽんぎんこうから500まんえん欺し、そのうち50まんえん教育きょういく振興しんこうてた[32]。それにより、1906ねんしゅうけいが『だい韓国かんこく文法ぶんぽう』を、1908ねんに『国語こくご文典ぶんてんおんがく』を出版しゅっぱんした。またちぇひかりだまの『大韓たいかん文典ぶんてん』と兪吉濬の『大韓たいかん文典ぶんてん』(ちぇひかりだまの『大韓たいかん文典ぶんてん』と同名どうめい)、1909ねんきむ熙祥の『初等しょとう国語こくごてん』、しゅうけいの『国語こくご文法ぶんぽう』などが出版しゅっぱんされた。

日本にっぽん統治とうち時代じだいのハングル

編集へんしゅう

日本にっぽん統治とうち以前いぜんは、日本語にほんごもハングルも解読かいどくできない人口じんこうが77%にたっしていたとわれていた[33]日本にっぽん統治とうち時代じだいになるとりょうはんそうのハングル蔑視べっし勢力せいりょく一掃いっそうされたため、ハングルは積極せっきょくてき教育きょういくもちいられるようになる[34]。ハングルは朝鮮半島ちょうせんはんとうにおける平仮名ひらがなとしてつづもちいられたが、太平洋戦争たいへいようせんそうはじまるとすめらぎみん政策せいさく朝鮮ちょうせんのみの教育きょういく廃止はいしされ[35]まちちゅうでも家庭かていでも国語こくご(※日本語にほんごのこと)を常用じょうようしない学生がくせいがいるときは、学校がっこう当局とうきょく連絡れんらくって厳重げんじゅう処罰しょばつ」といった日本語にほんご普及ふきゅう方針ほうしんがとられた[36]。ハングルについては、太平洋戦争たいへいようせんそうちゅうつづ朝鮮半島ちょうせんはんとうにおいて官民かんみん漢字かんじじりぶんもちいられたが、漸次ぜんじてき平仮名ひらがな片仮名かたかな利用りよう縮小しゅくしょうしていくようにする方針ほうしんめていた[37][38]

「ハングル」という呼称こしょう文献ぶんけんじょうはじめてあらわれるのは1912ねんのことであり、しゅうけいはじまる[39][ちゅう 1]韓国かんこく併合へいごう時代じだい朝鮮ちょうせん総督そうとくは「諺文おんもん」(おんもん)とび、1912ねん普通ふつう学校がっこうよう諺文おんもん綴字ていじほう[40]制定せいていし、1921ねんにはしゅうけい弟子でしらが朝鮮ちょうせん研究けんきゅうかい結成けっせいし、総督そうとく協力きょうりょくして1930ねんには正書法せいしょほう諺文おんもん綴字ていじほう制定せいていした[41]

1920ねんからはタクチほん多数たすう出版しゅっぱんされ、読書どくしょ朝鮮半島ちょうせんはんとう大衆たいしゅう近代きんだいする決定的けっていてき契機けいきになった。 [42][43]1933ねん朝鮮ちょうせん綴字ていじ法統ほうとう一案いちあんされ、これが韓国かんこくでのハングル正書法せいしょほう(1988ねん)のもととなった。北朝鮮きたちょうせんでは1954ねん朝鮮ちょうせん綴字ていじほう、1987ねん朝鮮ちょうせん規範きはんしゅうされた。

創製そうせい原理げんり

編集へんしゅう

ハングルの創製そうせい原理げんりしるした『くんみんせいおとかいれいほん』ではハングルの母音ぼいん子音しいん陰陽いんようぎょうもとづいてつくっているとしるされている。 また同書どうしょ序文じょぶんでは「かしこものあさあいだに、おろかなものだとしてもじゅうにちなら十分じゅうぶんまなんでならうことができる」としるされている。

陰陽いんよう原理げんりもとづいてつくられた。

  • 基本きほん母音ぼいんは‘・、ㅡ、ㅣ’で、‘・’はにあたる「てん」を‘ㅡ’はかげにあたる「」を、‘ㅣ’はかげ中間ちゅうかんにあたる「人間にんげんひと)」のかたちからっている。
  • 天地人てんちじんだんくん思想しそうから由来ゆらいしたもので宇宙うちゅう万物ばんぶつ構成こうせいする主要しゅよう要所ようしょの「てん(・)」と「(ㅡ)」と「ひと(ㅣ)」を意味いみする。
  • くんみんせいおとかいれいほん』によると‘ㅏ、ㅑ、ㅗ、ㅛ’は‘・’系列けいれつ母音ぼいんである。
  • ‘・’の属性ぞくせいであり、特性とくせいうえ上昇じょうしょうそとへの拡張かくちょうであるのでうえそとてん(・)をつ。
  • ‘ㅓ、ㅕ、ㅜ、ㅠ’は‘ㅡ’系列けいれつ母音ぼいんおと属性ぞくせい沿って下降かこう収縮しゅうしゅく意味いみするのでちゅうてん(・)をつ。

ぎょうもとづいてつくられた。

  • くんみんせいおとかいれいほん』では方位ほうい発音はつおん器官きかんむすびつけ、該当がいとう発音はつおん器官きかんからおとがするのを方位ほういむすけている。方位ほういぶしむすばれ、結局けっきょくおとぶしむすばれる。
  • 春夏秋冬しゅんかしゅうとう変化へんか」のとおりに子音しいんきばおん(ㄱ、はる)・したおん(ㄴ、なつ)・唇音しんおん(ㅁ、晩夏ばんか)・歯音しおん(ㅅ、あき)・のどおん(ㅇ、ふゆ)のじゅん配列はいれつする。
  • くんみんせいおとかいれいほん』で基本きほん子音しいんをㄱ、ㄴ、ㅁ、ㅅ、ㅇ、ㄹのじゅん配列はいれつするのはぎょう原理げんりである。
  • 基本きほん子音しいん発音はつおん器官きかんかたちからており、基本きほん子音しいん以外いがい字形じけい基本きほん子音しいんもとなみしょしてつくられた。ㄹは字形じけいとしてはㄴの変形へんけいからたが、はんしたおんという特別とくべつ分類ぶんるいとなっている。
子音しいんぎょう関係かんけい
属性ぞくせい ぶし 方位ほうい 音声おんせい 五音ごいん
はる ひがし きばおん() かく
なつ みなみ したおん() ちょう
季夏きか なか 唇音しんおん() みや
きむ あき 西にし 歯音しおん() しょう
みず ふゆ きた のどおん() はね

字母じぼ文字もじ構成こうせい

編集へんしゅう
ハングルの字母じぼ

ハングルは表音ひょうおん文字もじである。ひとつひとつの文字もじ音節おんせつあらわ文字もじ体系たいけいだが、子音しいん母音ぼいん字母じぼ자모チャモ)をわせて文字もじ構成こうせいする。このような文字もじ体系たいけい素性すじょう文字もじ研究けんきゅうしゃもいる。

子音しいん字母じぼ基本きほん字母じぼが14合成ごうせい字母じぼが5けい19母音ぼいん字母じぼ基本きほん字母じぼが10合成ごうせい字母じぼが11個いっこけい21個いっこであり、基本きほん字母じぼけい24合成ごうせい字母じぼふくめた字母じぼ総数そうすうは40である。それぞれの字母じぼ以下いかとおりである。

なお、1446ねんくんみんせいおと創製そうせい当時とうじ現在げんざいとでは文字もじ構成こうせい要素ようそ変化へんかしている(ハングル)。創製そうせい当時とうじには中期ちゅうき朝鮮ちょうせん音韻おんいんあらわ子音しいん字母じぼ [z], [ŋ], [ʔ])、母音ぼいん字母じぼ [ʌ])があり、当初とうしょはこれら4ふくめて基本きほん字母じぼけい28あったが、これら4現代げんだいではもちいられない。

子音しいん初声はつこえおわりごえ字母じぼ

編集へんしゅう
字母じぼ 発音はつおん初声はつこえ 発音はつおんおわりごえ マ字まじ[44] 五音ごいん 名称めいしょう韓国かんこく 名称めいしょう北朝鮮きたちょうせん
もと
ほん

はは
[k/ɡ] [k̚] g きばおん 기역 giyeok 기윽 gieuk geu
[n] [n] n したおん 니은 nieun neu
[t/d] [t̚] d したおん 디귿 digeut 디읃 dieut deu
[ɾ] [l] r/l はんしたおん 리을 rieul reu
[m] [m] m 唇音しんおん 미음 mieum meu
[p/b] [p̚] b 唇音しんおん 비읍 bieup beu
[s/ɕ/ʃ] [t̚] s 歯音しおん 시옷 siot 시읏 sieut seu
(無音むおん) [ŋ] (ng) のどおん 이응 ieung eu
[t͡ɕ/d͡ʑ/t͡ʃ/d͡ʒ] [t̚] j 歯音しおん 지읒 jieut jeu
[t͡ɕʰ/t͡ʃʰ] [t̚] ch 歯音しおん 치읓 chieut cheu
[kʰ] [k̚] k きばおん 키읔 kieuk keu
[tʰ] [t̚] t したおん 티읕 tieut teu
[pʰ] [p̚] p 唇音しんおん 피읖 pieup peu
[h/ɦ] [t̚] h のどおん 히읗 hieut heu
ごう
なり

はは
[kʼ] [k̚] kk きばおん 쌍기역 ssanggiyeok 된기윽 doen-gieuk kkeu
[tʼ] - tt したおん 쌍디귿 ssangdigeut 된디읃 doendieut tteu
[pʼ] - pp 唇音しんおん 쌍비읍 ssangbieup 된비읍 doenbieup ppeu
[sʼ/ɕʼ/ʃʼ] [t̚] ss 歯音しおん 쌍시옷 ssangsiot 된시읏 doensieut sseu
[t͡ɕʼ/t͡ʃʼ] - jj 歯音しおん 쌍지읒 ssangjieut 된지읒 doenjieut jjeu

このひょうおわりごえ発音はつおんは、語末ごまつ無声むせい子音しいんまえでの発音はつおんである。

字母じぼ」は音節おんせつあたま位置いちにあるときには子音しいんがないことをあらわし、音節おんせつまつにあるときには鼻音びおん[ŋ]あらわす。

消失しょうしつ子音しいん字母じぼ

編集へんしゅう
字母じぼ 発音はつおん初声はつこえ 発音はつおんおわりごえ 五音ごいん 名称めいしょう
[z] - はん歯音しおん 반시옷 bansiot
[ŋ] [ŋ] きばおん 옛이응 yennieung
[ʔ] - のどおん 여린히읗 yeorinhieut
[βべーた] - くちびる軽音けいおん 가벼운비읍 gabyeounbieup
[jj]? - のどおん 쌍이응 ssangieung
[hʼ] - のどおん 쌍히읗 ssanghieut

母音ぼいんちゅうごえ字母じぼ

編集へんしゅう
字母じぼ 発音はつおん マ字まじ[44] 陰陽いんよう 名称めいしょう
もと
ほん

はは
[a] a 母音ぼいん a
[ja] ya 母音ぼいん ya
[ɔ/ʌ] eo かげ母音ぼいん eo
[jɔ/jʌ] yeo かげ母音ぼいん yeo
[o] o 母音ぼいん o
[jo] yo 母音ぼいん yo
[u] u かげ母音ぼいん u
[ju] yu かげ母音ぼいん yu
[ɯ] eu かげ母音ぼいん eu
[i] i 中性ちゅうせい母音ぼいん i
ごう
なり

はは
[ɛ] ae 母音ぼいん ae
[jɛ] yae 母音ぼいん yae
[e] e かげ母音ぼいん e
[je] ye かげ母音ぼいん ye
[wa] wa 母音ぼいん wa
[wɛ] wae 母音ぼいん wae
/we] oe 母音ぼいん oe
[wɔ] wo かげ母音ぼいん wo
[we] we かげ母音ぼいん we
[y/wi] wi かげ母音ぼいん wi
[ɯj/ɰi] ui かげ母音ぼいん ui

合成ごうせい字母じぼ配列はいれつ順序じゅんじょ韓国かんこく順序じゅんじょによった。

このひょうにおける母音ぼいんかげ母音ぼいんは、ハングル(くんみんせいおと)のじょうのものである。現代げんだい朝鮮ちょうせんにおける用言ようげん活用かつよう擬態語ぎたいご擬声語ぎせいごにおける母音ぼいんかげ母音ぼいんあつかいについては、「ㅣ」や「ㅚ」がかげ母音ぼいんとしてあつかわれるなど、ハングルのじょう母音ぼいんかげ母音ぼいんかならずしも一致いっちしない部分ぶぶんがある。

消失しょうしつ母音ぼいん字母じぼ

編集へんしゅう
字母じぼ 発音はつおん 陰陽いんよう 名称めいしょう
[ʌ] 母音ぼいん 아래아 araea
[ʌi] 母音ぼいん 아래애 araeae

字母じぼ組合くみあわ

編集へんしゅう

字母じぼ(チャモ)を2つ以上いじょうわせて1文字もじす。1文字もじ構成こうせい子音しいん字母じぼ + 母音ぼいん字母じぼあるいは子音しいん字母じぼ + 母音ぼいん字母じぼ + 子音しいん字母じぼのどちらかである。音節おんせつあたま子音しいん字母じぼ初声はつこえ母音ぼいん字母じぼちゅうこえ音節おんせつまつ子音しいん字母じぼおわりごえまたはパッチム받침。「ささえるもの」の)とぶ。

初声はつこえちゅうごえわせかたには3つのタイプがある。

はつ なか
ga ちゅうごえ縦長たてなが字母じぼ具体ぐたいてきには「」)のときは、初声はつこえひだりに、ちゅうごえみぎ配置はいちする。
はつ
なか
go ちゅうごえ横長よこなが字母じぼ具体ぐたいてきには「」。ハングルでは「」もふくむ)のときは、初声はつこえうえに、ちゅうごえした配置はいちする。
はつ ちゅう2
ちゅう1
gwa ちゅうごえ横長よこなが縦長たてなが字母じぼわせ(具体ぐたいてきには「」)のときは、初声はつこえ左上ひだりうえに、ちゅうごえしたからみぎにかけて配置はいちする。

おわりごえがあるときは、これらのしたおわりごえく。

はつ なか
おわり
はつ
なか
おわり
はつ ちゅう2
ちゅう1
おわり

gan

gon

gwan

このハングルの字母じぼわせかた由来ゆらいについては、ちぎり小字こあざからられたとするせつ西田にしだ龍雄たつおによってとなえられている。

おわりごえについて

編集へんしゅう

おわりごえとしてもちいることのできる子音しいん字母じぼは、 dd, bb,ㅉ jjのぞいた16である。また、朝鮮ちょうせん形態けいたい音素おんそ表記ひょうきのために、おわりごえでは2つの子音しいん字母じぼ左右さゆうわせる(じゅうおわりごえじゅうパッチム)ことがある。正書法せいしょほうみとめられているわせは、 gs, nj, nh, lg, lm, lb, ls, lt, lp, lh, bsの11種類しゅるいである。これらのじゅうおわりごえは、語末ごまつ場合ばあいのち子音しいんつづ場合ばあい基本きほんてきにㄺ・ㄻ・ㄿは右側みぎがわを、それ以外いがい左側ひだりがわ発音はつおんするが、ㄼのみはㄹと発音はつおんするかたりとㅂと発音はつおんするかたりがある。

おわりごえじゅうおわりごえふくめると表記ひょうきじょう合計ごうけい27種類しゅるいあるが、発音はつおんとしてはㄱ・ㄴ・ㄷ・ㄹ・ㅁ・ㅂ・ㅇの7種類しゅるいしかない。それにもかかわらずげき音字おんじおも音字おんじははなどをおわりごえもちいたり、じゅうおわりごえもちいるなど様々さまざまける理由りゆうは、おも形態素けいたいそ明示めいじするためである。形態素けいたいそ明示めいじするために前述ぜんじゅつの7種類しゅるい以外いがいおわりごえ字母じぼじゅうおわりごえふくむ)をもちいるケースは、具体ぐたいてきには、おおきくつぎの3パターンにけられる。

  1. 語幹ごかんまつおと直後ちょくご母音ぼいんることによって、語幹ごかんまつおと初声はつこえとして発音はつおんされる場合ばあいげきおんおん、ㅅやㅈなどのおととしてあらわれるが、語幹ごかんまつおとおわりごえとして発音はつおんされる場合ばあいにはたいらおんㄱ・ㄷ・ㅂに中和ちゅうわされる。
  2. 語幹ごかんまつ子音しいんが2つ連続れんぞくしている場合ばあい語幹ごかんまつ子音しいん初声はつこえ位置いちつときは連続れんぞくする2つの子音しいん両方りょうほうともあらわれるが、語幹ごかんまつ子音しいんおわりごえ位置いちつときは2つの子音しいんのうち一方いっぽう脱落だつらくする。
  3. 接尾せつび語尾ごびあたまおんひらおとげきおんあらわれる用言ようげん場合ばあい

1.はおわりごえㅅ・ㅈ・ㅊ・ㅋ・ㅌ・ㅍ・ㄲ・ㅆが該当がいとうし、たとえば옷[옫]-옷이[오시]、밭[받]-밭에[바테]、밖[박]-밖에[바께]といった具合ぐあいに、直後ちょくご母音ぼいんたときにつぎ音節おんせつ初声はつこえとして発音はつおんされるおとしめす。

2.はじゅうおわりごえのうち9しゅ(ㄳ・ㄵ・ㄺ・ㄻ・ㄼ・ㄽ・ㄾ・ㄿ・ㅄ)が該当がいとうし、たとえば넓다[널따]-넓어[널버]、삶[삼]-삶이[살미]といった具合ぐあいに、直後ちょくご母音ぼいんたときにおわりごえとして発音はつおんされるおとと、つぎ音節おんせつ初声はつこえとして発音はつおんされるおと両方りょうほうしめす。ただし、ㄳ・ㅄの場合ばあいは、実際じっさい発音はつおん変化へんかが[넉]-[넉씨]、[갑]-[갑씨]となるので、本来ほんらいㄱㅆ・ㅂㅆとくべきとかんがえられるところを、これでは表記ひょうき煩雑はんざつなので、おわりごえㄱ・ㅂのつぎ初声はつこえㅅはおんㅆで発音はつおんされることから便宜上べんぎじょう表記ひょうきをㄳ・ㅄ(넋[넉]-넋이[넉씨]、값[갑]-값이[갑씨])としている。

3.はㅎ・ㄶ・ㅀが該当がいとうし、実際じっさい発音はつおん変化へんかが[조아]-[조코]、[마나]-[만치]、[구러]-[굴타]のようになる場合ばあいで、

  • だい1のれいでは아が後続こうぞくしたときは語幹ごかんつぎ音節おんせつ子音しいんあらわれないのにたいして、고が後続こうぞくしたときにげきおんの코として発音はつおんされている。
  • だい2のれいでは아が後続こうぞくしたときは語幹ごかんのㄴが初声はつこえ発音はつおんされるのにたいして、지が後続こうぞくしたときはげきおんの치として発音はつおんされている。
  • だい3のれいでは어が後続こうぞくしたときは語幹ごかんのㄹが初声はつこえ発音はつおんされるのにたいして、다が後続こうぞくしたときはげきおんの타として発音はつおんされている。

このような場合ばあい、それぞれ語幹ごかんを조・만・굴といたのでは、そのままつづけて고・지・다などひらおといたときにげきおん表現ひょうげんできない。そこでこのようなケースにあっては、便宜べんぎてき語幹ごかんまつのㅎを想定そうていしておわりごえをㅎ・ㄶ・ㅀと表記ひょうきし、좋아[조아]-좋고[조코]、많아[마나]-많지[만치]、굻어[구러]-굻다[굴타]といった具合ぐあいに、ひらおと後続こうぞくした場合ばあいひらおととㅎが融合ゆうごうしてげきおん発音はつおんするとかんがえる一方いっぽう母音ぼいん後続こうぞくしてあらたに子音しいんあらわれない場合ばあいは、そのㅎがあたかもおわりごえ同様どうようにいったん初声はつこえとなったうえかたりちゅうなのでこえなくなっている(そして単語たんごによってはじゅうおわりごえ左側ひだりがわであるㄴ・ㄹが初声はつこえしている)となしたような(좋아→[조하]→[조아]、많아→[만하]→[만아]→[마나]、굻어→[굴허]→[굴어]→[구러]となしたような)かたとなる。つまりげきおん表現ひょうげんするためにㅎをおわりごえ利用りようするのである。

おと おわりごえ ふくあいおわりごえ
まえ のち
, ,
, , , , , ,    
, (),
, , , , ()  
,  
 
   

ハングルの由来ゆらいをめぐる諸説しょせつ

編集へんしゅう

ハングルの由来ゆらいをめぐって諸説しょせつがあるが、1446ねん9がつ上旬じょうじゅん発刊はっかんした『くんみんせいおとかいれいほん』にはハングルを創製そうせいした理由りゆう陰陽いんよう原理げんりもとづいて子音しいん母音ぼいんつくったとあきらかにしている。今更いまさらハングルの字形じけい由来ゆらいかんする直接的ちょくせつてき論争ろんそうはないが漢字かんじパスパ文字もじ起源きげんせつがある。

漢字かんじ影響えいきょう

編集へんしゅう

ハングルのおと体系たいけい子音しいん字母じぼさんじゅうろく字母じぼ対応たいおうするようにつくられているなど、音韻おんいんがくのっとっており、『くんみんせいおと』にはハングルの字形じけいについて「象形しょうけい而字倣古篆」、そうていきこりの『六書りくしょりゃく』の「おこりいち成文せいぶん」を起源きげんとするせつもある[45]字母じぼ字形じけいなどについては、『くんみんせいおと』の「せい原理げんり」にかれていることがすべてか、さら原形げんけいとなるものがあるのかについて議論ぎろんがある[よう出典しゅってん]

パスパ文字もじ影響えいきょう

編集へんしゅう

ハングルの字形じけいそのものの起源きげん上述じょうじゅつの『くんみんせいおとかいれい』のとおり、象形しょうけいによるもの[46][47]だが、そのてんではパスパ文字もじ影響えいきょうがあるという主張しゅちょうもある[47]。パスパ文字もじは1269ねんフビライ・ハンがラマそうのパスパ(はちおもえともえ)にめいじてつくらせたもので、モンゴルから支配しはいされたこううらら時代じだい以降いこう朝鮮ちょうせん時代じだい知識ちしきじんもこのパスパ文字もじ習得しゅうとくしていた[47]コロンビア大学ころんびあだいがく名誉めいよ教授きょうじゅガリ・レッドヤード英語えいごばんは、「篆」は当時とうじこうむ篆字てんじ」のられていたパスパ文字もじすとしている[48]

レッドヤードによれば、『くんみんせいおと』での基本きほんてき子音しいん字母じぼ(k) (n) (m) (s) (ʔ)であるが、ㅇけいのぞ字母じぼ基礎きそになっているものは(k) (t) (l) (p) (ts)であり、これらはパスパ文字もじのꡂ(k) ꡊ(t) ꡙ(l) ꡎ(p) ꡛ(s)に由来ゆらいし、チベット文字もじのག(ga) ད(da) ལ(la) བ(ba) ས(sa)に由来ゆらいするとしている。チベット文字もじブラーフミーけい文字もじひとつで、その起源きげんフェニキア文字もじとされるため(さらにさかのぼればヒエログリフにたどりく)、ハングルはフェニキア文字もじから派生はせいしたギリシア文字もじラテン文字もじともどう系統けいとうとされる。ㄱ ㄷ ㄹ ㅂはおそらくギリシア文字もじΓがんま Δでるた Λらむだ Βべーた、ラテン文字もじC/G D L Bどう系統けいとうであろうとしている(ㅈについては、チベット文字もじとラテン文字もじとでどう系統けいとう文字もじ抽出ちゅうしゅつするのが困難こんなん)。また、ゼロ子音しいんあらわすㅇについては、ハングルにおいて独自どくじ発明はつめいされた字母じぼだとしている。

なお、フェニキア文字もじにはハングルのㅇに機能きのう文字もじとしてアレフ(𐤀)やアイン(𐤏)があり、それぞれラテン文字もじAO由来ゆらいとなっている。しかし、フェニキア文字もじがインドにつたわりブラーフミー文字もじとなった段階だんかいでこれらに相当そうとうする文字もじ消失しょうしつしており、ハングルのㅇは独自どくじさい発明はつめいされたことになる。ただし、ハングルでくちびる軽音けいおんあらわした あらわれるㅇはパスパ文字もじにならったもの(おとはw)としている。

以上いじょうよりハングルの子音しいん字母じぼは、ブラーフミーけい文字もじ究極きゅうきょくてきにはヒエログリフ)に由来ゆらいするㄱ ㄷ ㄹ ㅂ ㅈと独自どくじ開発かいはつされたㅇのけいむっつの字母じぼ基本きほんとし、音韻おんいんがくもとづいて字母じぼをそれらの変形へんけいにより派生はせいさせたものとなる。母音ぼいん字母じぼについては、朝鮮ちょうせん音韻おんいんにあわせて独自どくじつくられたものとしている。

ハングル成立せいりつ先立さきだってちぎり文字もじおんな文字もじ西にしなつ文字もじ、パスパ文字もじとう様々さまざま民族みんぞく文字もじ先行せんこう成立せいりつしていたことが重要じゅうようであり、ハングルはそれら民族みんぞく文字もじ最終さいしゅう走者そうしゃであり、とくにパスパ文字もじはアジアはつ体系たいけいてき表音ひょうおん文字もじであるため、その表音ひょうおん文字もじという発想はっそうがハングル成立せいりつ巨大きょだい刺激しげきあたえており、ハングルがパスパ文字もじ巨大きょだい影響えいきょう作成さくせいされたのは、モンゴル帝国ていこく支配しはいされていた記憶きおく生々なまなましい朝鮮ちょうせん初期しょきにハングルが作成さくせいされたことが傍証ぼうしょうであるという[46][49]

韓国かんこく北朝鮮きたちょうせんにおける表記ひょうきちが

編集へんしゅう

韓国かんこく北朝鮮きたちょうせんでは、字母じぼあつかいや、辞書じしょにおける見出みだ配列はいれつなどがことなる。韓国かんこくソウル方言ほうげんに、北朝鮮きたちょうせん平壌ぴょんやん方言ほうげん依拠いきょしているため、発音はつおん若干じゃっかんことなる[ちゅう 2]

マ字まじ表記ひょうき

編集へんしゅう

文化ぶんか観光かんこう2000ねんしきマッキューン=ライシャワーしき北朝鮮きたちょうせん1992ねんしきなどがある。

文字もじコード

編集へんしゅう

完成かんせいがた組合くみあいがた

編集へんしゅう

字母じぼわせてつくられる文字もじ理論りろんじょうわせは11,172文字もじだが、実際じっさい使用しようされるのはその半分はんぶん以下いかである(1987ねん韓国かんこく国家こっか標準ひょうじゅんとなったコンピュータよう文字もじセット(KS完成かんせいがたKS C 5601-1987)には日常にちじょうの99%が表記ひょうきできる範囲はんいとして2,350しかふくまれなかった)。なお、1994-1995ねんごろまでは11,172文字もじ全部ぜんぶ表現ひょうげんできる文字もじセット(組合くみあいがた、johab)が圧倒的あっとうてきおお使つかわれていたが、Windows 95でKS完成かんせいがた拡張かくちょうした文字もじセット(拡張かくちょう完成かんせいがたUHC (Unified Hangul Code))を採用さいようし、のWindowsにも使用しようされたため、現在げんざい組合くみあいがた文字もじセットはほとんど使つかわれていない。なお、Windows NTけいではUnicode 2.0(KS C 5700、げん:KS X 1005-1)以降いこうをサポートしている。

 
ハングルのキーボード

Unicode にはハングルを符号ふごうするための文字もじ数種類すうしゅるいあり、標準ひょうじゅんてき使用しようされるものは、ハングル字母じぼ(U+1100-11FF)とハングル音節おんせつ文字もじ(U+AC00-D7A3)である。ハングル字母じぼはハングルを構成こうせいする字母じぼで、これらを合成ごうせいすることにより15世紀せいきから現代げんだいまでのハングル音節おんせつ文字もじ作成さくせいできる。U+1100-115F は初声はつこえ子音しいん、U+1160-11A2 はちゅうこえ母音ぼいん、U+11A8-11F9 はおわりごえ子音しいん定義ていぎされている。ハングル音節おんせつ文字もじは、2 つの字母じぼからなる音節おんせつ 399 文字もじ、3 つの字母じぼからなる音節おんせつ 10,773 文字もじ合計ごうけい 11,172 文字もじ構成こうせいされている。このほかにハングル互換ごかん字母じぼ(U+3130-318F)があるが、KS完成かんせいがた(KS C 5601-1987、げん:KS X 1001:1998)との互換ごかんせいのために存在そんざいする。

Unicode では、Unicode 1.1 以前いぜんと Unicode 2.0 以降いこうではハングルを定義ていぎする領域りょういきことなっており互換ごかんせいがない。Unicode 1.1 までは U+3400-4DFF にハングルが定義ていぎされていたが、Unicode 2.0 制定せいていに、あたらしく U+AC00-D7AF にハングルが定義ていぎされきゅう領域りょういき破棄はきされた。そのさい韓国かんこく要求ようきゅうにより KS C 5601-1992 の組合くみあいがた文字もじセットにもとづく現代げんだいハングル音節おんせつ文字もじ 11,172文字もじ網羅もうらされている。なお Unicode 2.0 で破棄はきされた領域りょういきは、Unicode 3.0 制定せいていCJK統合とうごう漢字かんじ拡張かくちょう A 集合しゅうごうとして U+3400-4DBF に定義ていぎされ、Unicode 4.0 制定せいていえきけい記号きごう集合しゅうごうとして U+4DC0-4DFF に定義ていぎされている。一方いっぽう半角はんかくハングルはUnicode 1.0から一貫いっかんして半角はんかくぜん角形かくがた英語えいごばんブロックのU+FFA0-FFBE、U+FFC2-FFC7、U+FFCA-FFCF、U+FFD2-FFD7、U+FFDA-FFDCで定義ていぎされている。

2019ねん3がつ現在げんざい現代げんだい朝鮮ちょうせん表現ひょうげんするのに、MicrosoftけいのOS(Windows 10など)では完成かんせいがた(U+AC00-D7AF)が、MacけいのOS(iOSmacOS Mojaveなど)では組合くみあいがた(U+1100-11F9)がもちいられており、Macけい作成さくせいされたファイルのファイルめいのハングル部分ぶぶんが、Windowsけいのエクスプローラーではつちゅうおわりごえかれて表示ひょうじされることがある。

子音しいん番号ばんごう

編集へんしゅう

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18

母音ぼいん番号ばんごう

編集へんしゅう
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20

パッチム番号ばんごう

編集へんしゅう
*

0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27

ハングルのユニコード番号ばんごう0xAC00 + (子音しいん番号ばんごう * 21 * 28) + (母音ぼいん番号ばんごう * 28) + (パッチム番号ばんごう)もとめることができる。 パッチムのひょうにある * はパッチムがなにもつかないことをあらわす。

チアチアへのハングル導入どうにゅう

編集へんしゅう

2009ねんには、ハングル世界せかいプロジェクトによって、インドネシア少数しょうすう民族みんぞくチアチアぞくチアチア文字もじ表記ひょうきにハングルを導入どうにゅうした[50]韓国かんこくくんみんせいおと学会がっかい中心ちゅうしんとなって、チアチアのハングル表記ひょうきをすすめた[1]

チアチアにはアルファベットやアラビア文字もじではあらわせないおとがあるが、ハングルなら表記ひょうき可能かのうであるかもしれないと採用さいようされた[51]。チアチアは「固有こゆう文字もじたず、固有こゆううしな危機ききにあった」ため、韓国かんこく団体だんたい提案ていあんし、2009ねん7がつ、バウバウにてハングル普及ふきゅう覚書おぼえがきわした[1]

一方いっぽう、バウバウはインドネシア政府せいふ相談そうだんせずに導入どうにゅう決定けっていしており[1]、インドネシア政府せいふもハングルを公式こうしき文字もじとして採用さいようしていないと発表はっぴょうしている[52]。また、この表記ひょうきほうはチアチア音韻おんいん反映はんえいするものではなく、朝鮮ちょうせん事情じじょうにあわせて作成さくせいされたものであり、ちょう義成よしなりは「アジアのいち半島はんとうとその周辺しゅうへんでしかもちいない文字もじをあえて採用さいようする必要ひつようはない」として、世界せかいてき汎用はんようせいのあるラテン文字もじでチアチア表記ひょうきしたほうがはるかに合理ごうりてき効率こうりつてきであるとした[1]

2018ねん放送ほうそうされた韓国かんこくのテレビ番組ばんぐみによれば、むら看板かんばん教科書きょうかしょなどでいまだに使つかわれている[53]

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう

注釈ちゅうしゃく

編集へんしゅう
  1. ^ 1927ねんにはハングルしゃから雑誌ざっし『ハングル』が刊行かんこうされた。
  2. ^ れいゆうごえ歯茎はぐきやぶおと一律いちりつひらおとの「[j]」で表記ひょうきし、ゆうごえ歯茎はぐきかた口蓋こうがいやぶおとは「」ののちに「[i]」かてんが2つあるはは音字おんじ [y]表記ひょうきする。日本語にほんごうなら北朝鮮きたちょうせんではザとジャを区別くべつするが韓国かんこくでは区別くべつしないということである。無声むせい歯茎はぐきやぶおとげきおんの「[c]」で表記ひょうきし、無声むせい歯茎はぐきかた口蓋こうがいやぶおとは「」ののちに「[i]」かてんが2つあるはは音字おんじ [y]表記ひょうきする。日本語にほんごうなら北朝鮮きたちょうせんではツとチュを区別くべつするが韓国かんこくでは区別くべつしないということである。

出典しゅってん

編集へんしゅう
  1. ^ a b c d e f g ちょう義成よしなり 2011
  2. ^ 野間のま秀樹ひでき『ハングルの誕生たんじょう:おとから文字もじつくる』平凡社へいぼんしゃ新書しんしょ、2010ねん、22ぺーじ
  3. ^ クォン・ヘヒョ『わたししんなか朝鮮ちょうせん学校がっこう』HANA、2012ねん6がつ22にち、163ぺーじISBN 9784490102710 
  4. ^ a b 大宅おおたく京平きょうへいみなみのハングル教育きょういくきた漢字かんじ教育きょういく」こた朝鮮ちょうせん難民なんみん救援きゅうえん基金ききんNEWS,May 2013,No.82.
  5. ^ a b しょう赫『くんみんせいおと国語こくご研究けんきゅう』2004ねんCRID 1130282271449826048
  6. ^ 河野こうの六郎ろくろう朝鮮ちょうせん漢文かんぶん」『河野こうの六郎ろくろう著作ちょさくしゅう』 3かん、1980ねん、416ぺーじ 
  7. ^ きょうしん沆 (2003) p.5
  8. ^ よしえい植民しょくみん朝鮮ちょうせんにおける言語げんご政策せいさくとナショナリズム / 朝鮮ちょうせん総督そうとく朝鮮ちょうせん教育きょういくれい朝鮮ちょうせん学会がっかい事件じけん中心ちゅうしん」『たていのちかん国際こくさい研究けんきゅうだい25かんだい2ごう立命館大学りつめいかんだいがく国際こくさい関係かんけい学会がっかい、2012ねん10がつ、508ぺーじCRID 1390853649726631808doi:10.34382/00002256hdl:10367/5338ISSN 0915-2008 
  9. ^ McCune, G. M; Reischauer, E. G (1939). “Romanization of Korean” (pdf). Transactions of the Korea Branch of the Royal Asiatic Society 29: 6. http://www.nla.gov.au/librariesaustralia/files/2011/07/ras-1939.pdf. 
  10. ^ 大江おおえ孝男たかおハングル[リンク]」『世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん』エキサイト辞書じしょエキサイト。2021ねん5がつ13にち閲覧えつらん
  11. ^ 諺文おんもん」『精選せいせんばん 日本にっぽん国語こくごだい辞典じてんコトバンク。2021ねん3がつ31にち閲覧えつらん
  12. ^ 矢沢やざわ康祐こうすけちょう[リンク]」(2番目ばんめ項目こうもく)『世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん』エキサイト辞書じしょ。2021ねん5がつ13にち閲覧えつらん
  13. ^ ハングル」『デジタル大辞泉だいじせん』、『精選せいせんばん 日本にっぽん国語こくごだい辞典じてん』コトバンク。2021ねん3がつ31にち閲覧えつらん
  14. ^ 青山あおやま秀夫ひでお基礎きそ朝鮮ちょうせん大学だいがく書林しょりん、1987ねん、1ぺーじISBN 4475010373。「朝鮮ちょうせん文字もじはハングルともばれています。」
  15. ^ 井沢いざわ元彦もとひこ逆説ぎゃくせつ朝鮮ちょうせん王朝おうちょう週刊しゅうかんポスト、2011ねん12月16にち、22-25ぺーじ 
  16. ^ a b c ほお鎮浩 2021, p. 15.
  17. ^ ほお鎮浩 2021, p. 14-17.
  18. ^ ちゅうむね実録じつろく』8かん12ねんちょううし正德しょうとく12ねん6がつ 27にち(からしひつじ)http://sillok.history.go.kr/inspection/inspection.jsp?mTree=0&id=kka
  19. ^ 4. The providing process of Hangeul”. 国立こくりつ国語こくごいん (January 2004). 2008ねん5がつ19にち閲覧えつらん
  20. ^ http://news.donga.com/3/all/20150420/70806327/1
  21. ^ 朝鮮ちょうせん王室おうしつのハングル書簡しょかん http://hangeul.naver.com/hangeul2
  22. ^ 朝鮮ちょうせんこう余録よろく. 1石幡いしはたさだ、1878ねんhttps://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/894217/23 
  23. ^ 鈴木すずきしんひとし朝鮮ちょうせんあいぜんしゃ、1885ねん、126-127ぺーじhttps://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/766885/72 
  24. ^ 石井いしい研堂けんどう (みん)『朝鮮ちょうせん童画どうがだん学齢がくれいかん、1891ねん、15ぺーじhttps://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/851191/23 
  25. ^ 朝鮮ちょうせん奥地おくち紀行きこう1」(東洋文庫とうようぶんこ1993ねん原著げんちょは1898ねん出版しゅっぱん)138ぺーじ
  26. ^ 井上いのうえ角五郎つのごろう先生せんせいでん井上いのうえ角五郎つのごろう先生せんせい伝記でんき編纂へんさんかい、1943ねん、98ぺーじhttps://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1154607/70 
  27. ^ 朝鮮ちょうせん事件じけん取扱とりあつかい手続てつづき撮要さつよう 2〔6-8画像がぞう”. にちかんひろ交ノため森山もりやましげる広津ひろつ弘信ひろのぶいちぎょうわたりかんいちけん だいさんかん. 国立こくりつ公文書こうぶんしょかんアジア歴史れきし資料しりょうセンター. 2021ねん11月19にち閲覧えつらん
  28. ^ "Korea and her neighbors" p21Isabella Bird, 1898
  29. ^ "Korea and her neighbors" p391
  30. ^ "Korea and her neighbors" p342
  31. ^ "Korea and her neighbors" p79
  32. ^ 水間みずま政憲まさのりひとでわかる「にちかん併合へいごう時代じだい真実しんじつ』PHP研究所けんきゅうじょ、2013ねん、168-169ぺーじISBN 9784569810379国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん書誌しょしID:024201709https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I024201709 
  33. ^ 나카무라 시즈요 (2017-04). 近代きんだい主義しゅぎ植民しょくみん朝鮮ちょうせん怪談かいだん在朝ざいちょう日本人にっぽんじん怪談かいだんにみる実話じつわ強調きょうちょう霊魂れいこん言説げんせつ中心ちゅうしんとして-”. Journal of japanese Language and Culture null (38): 175–198. doi:10.17314/jjlc.2017..38.009. ISSN 1598-9585. http://dx.doi.org/10.17314/jjlc.2017..38.009. 
  34. ^ 韓国かんこく漢字かんじ復活ふっかつできない理由りゆう, p. 13
  35. ^ 前進ぜんしんする朝鮮ちょうせん朝鮮ちょうせん総督そうとく情報じょうほう、1942ねん、37ぺーじhttps://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1042329/34。「すで朝鮮ちょうせん教授きょうじゅ廃止はいしされ、教科書きょうかしょ逐年ちくねん改正かいせいへて、朝鮮ちょうせん特殊とくしゅ事情じじょう加味かみした教材きょうざいへつゝ皇国こうこく臣民しんみん教育きょういく徹底てっていしてゐる。」 
  36. ^ 熊谷くまがいあきらやすし植民しょくみん地下ちか朝鮮ちょうせんにおける徴兵ちょうへい制度せいど実施じっし計画けいかくと「国語こくごぜんかい国語こくご常用じょうよう政策せいさく(した)」『関西大学かんさいだいがく人権じんけん問題もんだい研究けんきゅうしつ紀要きようだい49かん関西大学かんさいだいがく人権じんけん問題もんだい研究けんきゅうしつ、2004ねん8がつ、177ぺーじCRID 1050001202912118784hdl:10112/2236ISSN 09119507 
  37. ^ 内務省ないむしょう管理かんりきょく (1945ねん3がつ6にち). “朝鮮ちょうせん台湾たいわんざい住民じゅうみん政治せいじ処遇しょぐうせきスル質疑しつぎ応答おうとう(18画像がぞう”. 国立こくりつ公文書こうぶんしょかんアジア歴史れきし資料しりょうセンター. 2021ねん9がつ4にち閲覧えつらん。 “じゅうよん 諺文おんもんなみ諺文おんもん出版しゅっぱんぶつたいする方針ほうしん如何いか こたえ 国語こくご普及ふきゅうともなえ諺文おんもん漸次ぜんじ使用しよう範囲はんい縮小しゅくしょうせらるるものとこうふ。諺文おんもん出版しゅっぱんぶつづけても漸進ぜんしんてきこれ減少げんしょうごと適当てきとう指導しどうする方針ほうしんなり。”
  38. ^ 韓国かんこく漢字かんじ復活ふっかつできない理由りゆう, p. 68.
  39. ^ 1981ねん12月11にちづけ 中央日報ちゅうおうにっぽう
  40. ^ 大澤おおさわ宏紀ひろのり朝鮮ちょうせん総督そうとくによる「朝鮮ちょうせん教育きょういく : だいいちだい朝鮮ちょうせん教育きょういくれい普通ふつう学校がっこう中心ちゅうしん」『教育きょういく比較ひかく教育きょういく論考ろんこうだい19かん北海道大学ほっかいどうだいがく大学院だいがくいん教育きょういくがく研究けんきゅういん教育きょういく比較ひかく教育きょういく研究けんきゅうグループ、2009ねん3がつ、1-15ぺーじCRID 1050001339002100864hdl:2115/39485ISSN 0285-4988 
  41. ^ 三ツ井みついたかし植民しょくみん地下ちか朝鮮ちょうせんにおける言語げんご支配しはい構造こうぞう : 朝鮮ちょうせん規範きはん問題もんだい中心ちゅうしん一橋大学ひとつばしだいがく博士はかせ(社会しゃかいがく) かぶとだい162ごう〉、2002ねんNAID 500000228137https://id.ndl.go.jp/bib/000004023823 
    植民しょくみん地下ちか朝鮮ちょうせんにおける言語げんご支配しはい構造こうぞう朝鮮ちょうせん規範きはん問題もんだい中心ちゅうしん
  42. ^ http://www.chosunonline.com/news/20100718000004 [リンク]
  43. ^ http://www.chosunonline.com/news/20100718000005 [リンク]
  44. ^ a b マ字まじは2000ねん大韓民国だいかんみんこく文化ぶんか観光かんこう告示こくじだい2000-8ごう国語こくごマ字まじ表記ひょうきほう국어의 로마자 표기법)」による。
  45. ^ きょうしん沆『ハングルの成立せいりつ歴史れきし大修館書店たいしゅうかんしょてん、1993ねんISBN 4469211796 
  46. ^ a b 岸本きしもと美緒みお宮嶋みやじま博史ひろふみあきらきよしちょう時代じだい世界せかい歴史れきし12」』中央公論社ちゅうおうこうろんしゃ、1998ねんISBN 978-4124034127 p41
  47. ^ a b c くんみんせいおと、モンゴル‘パスパ文字もじ’の影響えいきょうけた」…高麗こうらいだい教授きょうじゅ
  48. ^ Ledyard, Gari K. (1998、1997)
  49. ^ 伊藤いとう英人ひでと朝鮮半島ちょうせんはんとうにおける言語げんご接触せっしょく : 中国ちゅうごくあつへの対処たいしょとしての対抗たいこう中国ちゅうごく(研究けんきゅうノート)」『語学ごがく研究所けんきゅうじょ論集ろんしゅうだい18かん東京外国語大学とうきょうがいこくごだいがく語学ごがく研究所けんきゅうじょ、2013ねん3がつ、80ぺーじCRID 1390858608263381888doi:10.15026/76207hdl:10108/76207 
  50. ^ インドネシアの少数しょうすう民族みんぞく、ハングルを公式こうしき文字もじ採択さいたく 聯合れんごうニュース 2009/08/06。東亜日報とうあにっぽう2009/8/12
  51. ^ 「インドネシア 文字もじたぬ少数しょうすう民族みんぞく ハングル採用さいよう読売新聞よみうりしんぶん2009ねん10がつ17にち
  52. ^ インドネシア政府せいふ、ハングルを公式こうしき文字もじとして採用さいようせず コリアンタイムズ 2010/10/07
  53. ^ 한글 도입한 인도네시아 `찌아찌아족` 요즘은 - 매일경제” (朝鮮ちょうせん). mk.co.kr. 毎日まいにち経済けいざい新聞しんぶん「매일경제신문」. 2019ねん4がつ22にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

編集へんしゅう
  • 小倉おぐら進平しんぺいぞうてい 朝鮮ちょうせん語学ごがくかたなこう書院しょいん、1940ねんdoi:10.11501/1126653 
  • 野間のま秀樹ひでき『ハングルの誕生たんじょう:おとから文字もじつくる』平凡社へいぼんしゃ新書しんしょ、2010ねん
  • きむあずまあきら ちょ栗田くりた英二えいじ やく韓国かんこく変遷へんせん明石書店あかししょてん、2003ねんISBN 4750317144 
  • ちょう義成よしなり「チアチアのハングル表記ひょうき体系たいけいについて」『学術がくじゅつろん文集ぶんしゅう』2011ねん、24-34ぺーじCRID 1010282257045434496 
  • ほお鎮浩(パク・ジノ)「みんのための表音ひょうおん文字もじ」『Koreana』だい28かんだい3ごう、The Korea Foundation、済州さいしゅう特別とくべつ自治じちどう西にしかえりうら、2021ねんISSN 1225-4592 
  • Ledyard, Gari K. (1998). The Korean Language Reform of 1446. Seoul: Shingu munhwasa.
  • Ledyard, Gari K. (1997). "The International Linguistic Background of the Correct Sounds for the Instruction of the People". In Young-Key Kim-Renaud, ed. The Korean Alphabet: Its History and Structure. Honolulu: University of Hawai'i Press.
  • 豊田とよだ有恒ありつね韓国かんこく漢字かんじ復活ふっかつできない理由りゆう祥伝社しょうでんしゃ祥伝社しょうでんしゃ新書しんしょ〉、2012ねんISBN 9784396112820https://id.ndl.go.jp/bib/023740348 


関連かんれん項目こうもく

編集へんしゅう

外部がいぶリンク

編集へんしゅう