市村いちむら今朝蔵けさぞう

市村いちむら今朝蔵けさぞう
人物じんぶつ情報じょうほう
生誕せいたん	1898年ねん10月8日にち; 長野ながの県けん北佐久きたさく郡ぐん東ひがし長倉ながくら村むら（現げん・軽井沢かるいざわ町まち）
死没しぼつ	1950年ねん6月9日にち（満まん51歳さい没ぼつ）; 早稲田大学わせだだいがくにて講義こうぎ中ちゅう; 脳溢血のういっけつ
国籍こくせき	日本にっぽん; 連合れんごう国軍こくぐん占領せんりょう下かの日本にっぽん
出身しゅっしん校こう	早稲田大学わせだだいがく政治せいじ経済学部けいざいがくぶ
配偶はいぐう者しゃ	市村いちむらきよじ（1902年ねん生せい–1994年ねん没ぼつ）
子供こども	英男ひでお、米子よなご、澄江すみえ、令子れいこ
学問がくもん
研究けんきゅう分野ぶんや	政治せいじ学がく
指導しどう教員きょういん	大山おおやま郁夫いくお
特筆とくひつすべき概念がいねん	「友達ともだちの村むら」構想こうそう（学者がくしゃ村むら・南原なんばら友達ともだちの村むら）
	テンプレートを表示ひょうじ

市村いちむら今朝蔵けさぞう（いちむらけさぞう、1898年ねん 10月8日にち - 1950年ねん 6月9日にち）は、日本にっぽんの政治せいじ学者がくしゃ、地主じぬし。日本女子大学にほんじょしだいがく教授きょうじゅ、早稲田大学わせだだいがく教授きょうじゅ^[3]を歴任れきにん。日本女子大学にほんじょしだいがく理事りじ、森村もりむら学園がくえん理事りじ、明星みょうじょう学園がくえん理事りじ長等ながらを歴任れきにん^[4]。

来歴らいれき

長野ながの県けん北佐久きたさく郡ぐん東ひがし長倉ながくら村むら（現げん・軽井沢かるいざわ町まち）出身しゅっしん。雨宮あまみや敬次郎けいじろうの妻つまの末弟ばってい・市村いちむら藤吉とうきちの子こ。旧制きゅうせい上田うえだ中学ちゅうがく第だい15回かい卒業そつぎょう^[2]。早稲田大学わせだだいがく政経学部せいけいがくぶ卒そつ。1923年ねん4月がつ、山岡やまおか製紙せいし工場こうじょうの娘むすめ・きよじと結婚けっこん^[2]。大山おおやま郁夫いくおに師事しじ、友人ゆうじんの我妻あづま栄さかえとシカゴ大学だいがくに学まなび、1925年ねん帰国きこく。次女じじょ信江のぶえは建築けんちく家か・三輪みわ正弘まさひろの妻つま、三さん女じょの令子れいこは我妻あづま洋ひろしの妻つまとなる。軽井沢かるいざわの大だい地主じぬしで、別荘べっそう地ちを開拓かいたくし、近衛このえ文麿ふみまろから雨宮あまみや荘そうを譲ゆずり受うけた。

欧米おうべい遊学ゆうがく後ご、日本女子大学にほんじょしだいがく教授きょうじゅ、早稲田大学わせだだいがく講師こうしを務つとめる^[4]。長年ながねんにわたり日本女子大学にほんじょしだいがく教授きょうじゅを務つとめた後のち、1950年ねん4月がつに早稲田大学わせだだいがく教授きょうじゅに就任しゅうにんした^[3]。早稲田大学わせだだいがく教授きょうじゅ就任しゅうにんから2か月げつ後ごの1950年ねん6月がつ9日にち、早稲田大学わせだだいがくにて講義こうぎ中ちゅう、脳溢血のういっけつに倒たおれ死亡しぼう^[4]。葬儀そうぎは早稲田大学わせだだいがく政治せいじ経済けいざい部ぶ葬そうが執とり行おこなわれた^[7]。

軽井沢かるいざわ南原なんばら・友達ともだちの村むら

1932年ねん、市村いちむらは松本まつもと重治しげはる、蠟山政道せいどう、我妻あづま栄さかえらに呼よびかけ^[6]、軽井沢かるいざわ南原なんばらで学者がくしゃ仲間なかまを集あつめ別荘べっそう地ち「友達ともだちの村むら」をつくった^[3]。当時とうじの日本にっぽんの当時とうじ代表だいひょう的てきな知識ちしき人じんたちが参加さんかした^[3]。その村むらには子供こどもが参加さんかでき、参加さんかした多おおくの子供こどもたちが現代げんだいの日本にっぽんにおいてリーダーとして活躍かつやくする^[3]。

松本まつもと重治しげはる、蝋ろう山やま政道せいどう、我妻あづま栄さかえの他ほか、松田まつだ智雄ともお、吾妻あづま光俊みつとし、井上いのうえ秀しげる、黒川くろかわ武雄たけお、野村のむら胡堂こどう、前田まえだ多門たもんらがこの学者がくしゃ村むらに別荘べっそうを建たてた^[8]。

この別荘べっそうコミュニティは、「財団ざいだん法人ほうじん軽井沢かるいざわ南原なんばら文化ぶんか会かい」として、現在げんざいでも存続そんぞくしている。

なお、市村いちむらが近衛このえ文麿ふみまろから譲ゆずり受うけたあめりか屋や設計せっけいの洋館ようかん別荘べっそうは、現在げんざい南原なんばらから離山はなれやま麓ふもとに移築いちくされ、「市村いちむら記念きねん館かん」として一般いっぱん公開こうかいされている。

鳩山はとやま一郎いちろうへの翻訳ほんやく依頼いらい

詳細しょうさいは「鳩山はとやま一郎いちろう#友愛ゆうあい」を参照さんしょう

市村いちむらはナチス・ドイツに対たいし言論げんろん上じょうの大戦たいせん争そうを展開てんかいした欧州統合おうしゅうとうごうの先駆せんく者しゃリヒャルト・ニコラウス "栄次郎えいじろう" クーデンホーフ＝カレルギー伯爵はくしゃくの英訳えいやく書籍しょせき『The Totalitarian State against Man』の翻訳ほんやくを鳩山はとやま一郎いちろうに託たくした。市村いちむらは松本まつもと重治しげはるからこの本ほんを借かりていた^[9]。市村いちむらの死後しご、鳩山はとやまはその本ほんを『自由じゆうと人生じんせい』として出版しゅっぱんした。

市村いちむら・鳩山はとやまらによるクーデンホーフ＝カレルギー伯爵はくしゃくの書物しょもつを巡めぐる関係かんけいと、それとは別べつの線上せんじょうに進行しんこうしていた元もと・外交がいこう官かん鹿島かしま守之もりゆき助すけ博士はかせ（鹿島建設かしまけんせつ）とクーデンホーフ＝カレルギー伯爵はくしゃくの交友こうゆう関係かんけい、これらは後のちに融合ゆうごうすることになる^[10]。

著書ちょしょ

単たん著ちょ

『近世きんせい政治せいじ思想しそう史しフランス革命かくめいヨリロシヤ革命かくめいマデ』京きょう文ぶん社しゃ、1927年ねん2月がつ。NDLJP:1268609 NDLJP:1453847。
『再さい組織そしきされた英国えいこくの経済けいざい』改造かいぞう社しゃ、1939年ねん3月がつ。NDLJP:1277850。
『英国えいこくの憲法けんぽう』政治せいじ教育きょういく協会きょうかい〈国民こくみん大学だいがく文庫ぶんこ 2〉、1946年ねん5月がつ。
- 『英国えいこくの憲法けんぽう』（増補ぞうほ版ばん）政治せいじ教育きょういく協会きょうかい〈国民こくみん大学だいがく文庫ぶんこ 2〉、1947年ねん12月。
- 『英国えいこくの憲法けんぽう』（第だい2刷さつ）国土こくど社しゃ〈国民こくみん大学だいがく文庫ぶんこ 2〉、1949年ねん5月がつ。
『英国えいこくに於おける憲政けんせいの理論りろんと実践じっせん国王こくおう篇へん』日本にっぽん教育きょういく出版しゅっぱん社しゃ、1948年ねん1月がつ。NDLJP:1151374 NDLJP:1712006。
『政治せいじ概論がいろん第だい1分冊ぶんさつ』日本女子大学にほんじょしだいがく通信つうしん教育きょういく部ぶ〈日本女子大学にほんじょしだいがく家政学部かせいがくぶ通信つうしん講座こうざ〉、1949年ねん5月がつ。
『政治せいじ概論がいろん第だい2分冊ぶんさつ』日本女子大学にほんじょしだいがく通信つうしん教育きょういく部ぶ〈日本女子大学にほんじょしだいがく家政学部かせいがくぶ通信つうしん講座こうざ〉、1949年ねん8月がつ。
『政治せいじ概論がいろん第だい3分冊ぶんさつ』日本女子大学にほんじょしだいがく通信つうしん教育きょういく部ぶ〈日本女子大学にほんじょしだいがく家政学部かせいがくぶ通信つうしん講座こうざ〉、1949年ねん10月がつ。
『英国えいこく政党せいとう論ろん』世界せかい書院しょいん、1949年ねん12月。
『日本国にっぽんこく憲法けんぽう』日本女子大学にほんじょしだいがく通信つうしん教育きょういく部ぶ〈日本女子大学にほんじょしだいがく家政学部かせいがくぶ通信つうしん講座こうざ〉、1950年ねん6月がつ。
『政治せいじ概論がいろん』有斐閣ゆうひかく、1951年ねん6月がつ。ISBN 9784641622203。
『英国えいこく憲政けんせいの理論りろんと実践じっせん内ない閣かく篇へん』有斐閣ゆうひかく、1952年ねん6月がつ。ISBN 9784641913431。
『英国えいこく憲政けんせいの理論りろんと実践じっせん行政ぎょうせい篇へん』有斐閣ゆうひかく、1954年ねん1月がつ。ISBN 9784641913424。

翻訳ほんやく

ラスキー『政治せいじ学がく範はん典てん』春秋しゅんじゅう社しゃ〈世界せかい大だい思想しそう全集ぜんしゅう 64〉、1932年ねん6月がつ。
ジェニングス『西にしヨーロッパ聯邦れんぽう論ろん』大東だいとう書しょ館かん〈国際こくさい関係かんけい研究けんきゅう叢書そうしょ第だい3巻かん〉、1942年ねん5月がつ。

脚注きゃくちゅう

^ 『早稲田大学わせだだいがく紳士録しんしろく昭和しょうわ15年版ねんばん』（早稲田大学わせだだいがく紳士録しんしろく刊行かんこう会かい、1939年ねん）p.98
^ ^a ^b ^c ^d 桐山きりやま & 吉村よしむら 2012, p. 94
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f 桐山きりやま & 吉村よしむら 2012, p. 95
^ ^a ^b ^c ^d ^e 軽井澤かるいざわ町まち報ほう 1950, p. 8
^ ^a ^b 桐山きりやま & 吉村よしむら 2012, p. 96
^ ^a ^b 桐山きりやま & 吉村よしむら 2012, p. 93
^ 浅沼あさぬま 1998, chpt. “早稲田わせだの森もりの青春せいしゅん”
^ 南原なんばら文化ぶんか会かい, 紹介しょうかい 2.
^ 「友愛ゆうあい」第だい471号ごう, p. 1; 戸澤とざわ「鳩山はとやま一郎いちろう氏しの足跡あしあとを追おう」
^ 戸澤とざわ「クーデンホーフ・カレルギーと友愛ゆうあい運動うんどう (1)」

参考さんこう文献ぶんけん

桐山きりやま秀樹ひでき; 吉村よしむら祐美ひろみ『軽井沢かるいざわという聖地せいち』NTT出版しゅっぱん、2012年ねん。ISBN 9784757150812。2014年ねん11月24日にち閲覧えつらん。
「軽井澤かるいざわ町まち報ほう」第だい17号ごう、軽井沢かるいざわ町立ちょうりつ図書館としょかんデジタルアーカイブ、1950年ねん7月がつ15日にち、2014年ねん11月25日にち閲覧えつらん。
浅沼あさぬま稲次郎いねじろう「まあまあ居士こじの弁べん私わたしの歩あるいてきた道みち」『人間にんげんの記録きろく 72巻かん浅沼あさぬま稲次郎いねじろう私わたしの履歴りれき書しょほか』日本にっぽん図書としょセンター (青空あおぞら文庫ぶんこ)、1998年ねん8月がつ。ISBN 978-4-8205-4317-6。2014年ねん11月25日にち閲覧えつらん。
一般いっぱん財団ざいだん法人ほうじん軽井沢かるいざわ南原なんばら文化ぶんか会かい, http://home.k00.itscom.net/s-taka/ 2014年ねん11月24日にち閲覧えつらん。
「友愛ゆうあい」第だい471号ごう、財団ざいだん法人ほうじん日本にっぽん友愛ゆうあい青年せいねん協会きょうかい、2004年ねん9月がつ10日とおか、オリジナルの2013年ねん10月がつ17日にち時点じてんにおけるアーカイブ、2014年ねん11月24日にち閲覧えつらん。
戸澤とざわ英典ひでのり「鳩山はとやま一郎いちろう氏しの足跡あしあとを追おう」『リヒャルト・クーデンホーフ＝カレルギー通信つうしん』東北大学とうほくだいがく大学院だいがくいん・法学ほうがく研究けんきゅう科か公共こうきょう政策せいさく大学院だいがくいん／法学部ほうがくぶ教授きょうじゅ戸澤とざわ英典ひでのり研究けんきゅう室しつ。2014年ねん11月24日にち閲覧えつらん。
戸澤とざわ英典ひでのり「クーデンホーフ・カレルギーと友愛ゆうあい運動うんどう (1)」『リヒャルト・クーデンホーフ＝カレルギー通信つうしん』東北大学とうほくだいがく大学院だいがくいん・法学ほうがく研究けんきゅう科か公共こうきょう政策せいさく大学院だいがくいん／法学部ほうがくぶ教授きょうじゅ戸澤とざわ英典ひでのり研究けんきゅう室しつ。2014年ねん11月25日にち閲覧えつらん。

読書どくしょ案内あんない

本節ほんぶしは「市村いちむら今朝蔵けさぞう」をさらに詳くわしく知しるための読書どくしょ案内あんないである。

加藤かとう恭子きょうこ、我妻あづま令子れいこ共著きょうちょ『メガホンの講義こうぎ文化ぶんか人類じんるい学者がくしゃ・我妻あづま洋ひろしの闘たたかい』文芸春秋ぶんげいしゅんじゅう 1987

外部がいぶリンク

軽井沢かるいざわ町まち役場やくば／資料しりょう館かん分室ぶんしつ市村いちむら記念きねん館かん
早稲田わせだ一いち九きゅう五ご〇年ねん「史料しりょうと証言しょうげん」4号ごう - アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの占領せんりょう政策せいさくに反抗はんこうした早稲田大学わせだだいがくの1950年ねんに関かんする資料しりょう
市村いちむら記念きねん館かん - 北軽井沢きたかるいざわブルーベリーユースゲストハウスのサイト

[1] 『早稲田大学わせだだいがく紳士録しんしろく昭和しょうわ15年版ねんばん』（早稲田大学わせだだいがく紳士録しんしろく刊行かんこう会かい、1939年ねん）p.98

[kiriyama94-2] 桐山きりやま & 吉村よしむら 2012, p. 94

[kiriyama95-3] ^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f 桐山きりやま & 吉村よしむら 2012, p. 95

[karuizawalibrary8-4] 軽井澤かるいざわ町まち報ほう 1950, p. 8

[kiriyama96-5] 桐山きりやま & 吉村よしむら 2012, p. 96

[kiriyama93-6] 桐山きりやま & 吉村よしむら 2012, p. 93

[7] 浅沼あさぬま 1998, chpt. “早稲田わせだの森もりの青春せいしゅん”

[8] 南原なんばら文化ぶんか会かい, 紹介しょうかい 2.

[9] 「友愛ゆうあい」第だい471号ごう, p. 1; 戸澤とざわ「鳩山はとやま一郎いちろう氏しの足跡あしあとを追おう」

[10] 戸澤とざわ「クーデンホーフ・カレルギーと友愛ゆうあい運動うんどう (1)」

[3]

[4]

[1]

[2]

[5]

[6]

[7]

[8]

[9]

[10]