年とし爵(ねんしゃく)とは、日本にっぽんの古代こだい・中世ちゅうせい前期ぜんきにおいて、治ち天てんの君きみ及および三宮さんのみや(太皇太后たいこうたいこう、皇太后こうたいごう、皇后こうごう)が保有ほゆうしていた叙位じょい権けんを指さす用語ようご。毎年まいとし、治ち天てんないし三宮さんのみやに1人ひとり分ぶんの叙爵じょしゃく権けんを付与ふよし、治ち天てん及および三宮さんのみやは叙爵じょしゃく希望きぼう者しゃより叙じょ料りょうを納おさめさせることで、従したがえ五ご位い下かに叙爵じょしゃくさせることができるとされた。当該とうがい制度せいどは平安へいあん時代じだい初期しょきにはじまり、次第しだいに年とし爵の特典とくてんは女院にょいんや准じゅん后きさきにも与あたえられることとなった。
寺社じしゃや宮司ぐうじに対たいして叙じょ料りょうを納おさめさせる代かわりに叙爵じょしゃくする栄爵えいしゃくと同おなじく売うれ位いによるものであったが、平安へいあん時代じだい末期まっきから鎌倉かまくら時代じだいにかけて年とし爵による昇叙しょうじょ(加階かかい)が盛さかんとなった。