戦時せんじ措置そち法ほう

戦時せんじ措置そち法ほう(せんじそちほう、英えい:War Measures Act)は、カナダの法令ほうれいで、カナダ政府せいふ (Government of Canada) が、非常ひじょう事態じたい権限けんげんを掌握しょうあくすることを認みとめるものである。^[1]1914年ねん8月がつに適用てきようが開始かいしし、 1988年ねんに緊急きんきゅう事態じたい法ほう (Emergencies Act) になった。

戦時せんじ措置そち法ほうは、カナダの歴史れきしの中なかで、3回かい発動はつどうされた。

第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせん

詳細しょうさいはウクライナ系けいカナダ人じん強制きょうせい収容しゅうよう (Ukrainian Canadian internment) を参照さんしょう

ドイツ人数にんずう千せん人にんと、他たの外国がいこく人じんが、1914年ねんから1920年ねんまでの戦時せんじ措置そち法ほうの結果けっか、カナダ中ちゅうにある24の強制きょうせい収容しゅうよう所しょに抑留よくりゅうされた。

これら敵性てきせい外国がいこく人じんは、投獄とうごく・監禁かんきんだけでなく、数すう千せん人にんは身分みぶん証明しょうめい書しょと定期ていき的てきな報告ほうこくを強制きょうせいされていた。拘留こうりゅうされたものは^[2]、行動こうどうの自由じゆう、集会しゅうかいの自由じゆう、言論げんろんの自由じゆうが制限せいげんされ、1917年ねんには公民こうみん権けん剥奪はくだつ (disenfranchisement) に至いたる。強制きょうせい収容しゅうようの実施じっしは、戦後せんご2年ねん近ちかくたった1920年ねん6月がつまで続つづいた。 1980年代ねんだい半なかば以来いらい、ウクライナ系けいカナダ人じん市民しみんの自由じゆう協会きょうかい(Ukrainian Canadian Civil Liberties Association)は、カナダ政府せいふが強制きょうせい収容しゅうようの実施じっしを公式こうしきに認みとめ、80年代ねんだい当時とうじの価値かちに換算かんさんした抑留よくりゅう者しゃが没収ぼっしゅうされた富とみに対たいする損害そんがい賠償ばいしょうと、そのお金かねを多様たような記念きねん事業じぎょう、教育きょういくプロジェクトに専門せんもん的てきに使用しようすることを求もとめた。

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん

王立おうりつカナダ海軍かいぐん (Royal Canadian Navy) 職員しょくいんが、日系にっけいカナダ人じん漁師りょうしの漁船ぎょせんを接収せっしゅうする際さいに質問しつもんしている様子ようす。

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんでは、カナダでは外国がいこくがスパイや工作こうさく活動かつどうを行おこなうと言いう恐怖きょうふが広ひろがっていた。1941年ねん大日本帝国だいにっぽんていこくによるアメリカ海軍かいぐんに対たいする真珠湾しんじゅわん攻撃こうげきを受うけて、カナダで既すでに広ひろがっていた日系にっけいカナダ人じんに対たいする人種じんしゅ的てき偏見へんけんが反日はんにち思想しそうや行動こうどうに結むすびついた^[3]。その結果けっか、カナダ政府せいふは戦時せんじ措置そち法ほうを使用しようし、日系にっけいカナダ人じんに対たいしその権利けんりや自由じゆうを著いちじるしく剥奪はくだつする政策せいさくを性急せいきゅうに実施じっしした^[4]。1942年ねん3月がつには日系にっけいカナダ人じん強制きょうせい収容しゅうよう (Japanese Canadian internment) を実施じっし。戦争せんそうが行おこなわれていた期間きかん中ちゅう、日本にっぽんの先祖せんぞを持もつすべての人ひとは、子供こどもも含ふくめ強制きょうせい収容しゅうよう所しょに送おくられた。

「日系にっけい人じんの強制きょうせい収容しゅうよう#カナダ」も参照さんしょう

オクトーバー・クライシス

1970年ねん、ケベック・ナショナリスト (Quebec nationalist) たちとケベック解放かいほう戦線せんせん(FLQ)のメンバーは、イギリスの外交がいこう官かんジェームス・クロス (James Cross) と、ケベック州しゅうの大臣だいじんで、後のちに殺害さつがいされるピエール・ラポルト (Pierre Laporte) を誘拐ゆうかいした。現在げんざいオクトーバー・クライシスと呼よばれるこの事件じけんは、カナダ国内こくないで反はん政府せいふ軍事ぐんじテロリストグループに対たいする恐怖きょうふを呼よび起おこした。FLQによる社会しゃかい的てきな脅威きょういと要求ようきゅうにより、モントリオール市長しちょう (Mayor of Montreal) ジャン・ドラポー (Jean Drapeau) と、ケベック州しゅう政府せいふの要請ようせいにこたえ、ピエール・トルドーの自由党じゆうとう政府せいふは、戦時せんじ措置そち法ほうを発動はつどうした。これにより、警察けいさつに、逮捕たいほ、拘留こうりゅうにより大おおきな権限けんげんが与あたえられ、FLQのメンバーを発見はっけんし、活動かつどうを止とめることが出来できた。その発動はつどうにあたり、市民しみんの自由じゆう (civil liberties) に直接的ちょくせつてきな脅威きょういを与あたえたとして大おおきな懸念けねんが生しょうじた。

詳細しょうさいはオクトーバー・クライシスを参照さんしょう。　

出典しゅってん・脚注きゃくちゅう

^ sweepの訳わけが? →a Canadian statute that allowed the government to assume sweeping emergency powers.
^ 訳わけ漏もれあり。Those who were jailed were also subjected to various state-sanctioned censures
^ Proclamation of 8 December 1941 at p. 2071
^ “ARCHIVED - Item Display - A Nation's Chronicle: The Canada Gazette - Library and Archives Canada”. www.collectionscanada.gc.ca. 2018年ねん4月がつ18日にち閲覧えつらん。

外部がいぶリンク

[1] sweepの訳わけが? →a Canadian statute that allowed the government to assume sweeping emergency powers.

[2] 訳わけ漏もれあり。Those who were jailed were also subjected to various state-sanctioned censures

[3] Proclamation of 8 December 1941 at p. 2071

[4] “ARCHIVED - Item Display - A Nation's Chronicle: The Canada Gazette - Library and Archives Canada”. www.collectionscanada.gc.ca. 2018年ねん4月がつ18日にち閲覧えつらん。

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