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有声歯茎摩擦音 - Wikipedia

ゆうごえ歯茎はぐき摩擦音まさつおん(ゆうせい・しけい・まさつおん、えい: Voiced alveolar fricative)は、子音しいんいち分類ぶんるいである。舌端ぜったん歯茎はぐき隙間すきまつくってこる摩擦まさつおと。これらのおとあらわす国際こくさい音声おんせい記号きごうこすおと(sibilant)をあらわしているかこす(non-sibilant)摩擦音まさつおんあらわしているかどうかでことなる。

  • 歯茎はぐきこすおと記号きごうは ⟨z⟩、等価とうかX-SAMPA記号きごうzである。IPA文字もじ z補助ほじょ記号きごうによって修飾しゅうしょくされていないかぎり、狭義きょうぎ転写てんしゃにおける歯音しおん後部こうぶ歯茎はぐきおんこすおと(それぞれ ⟨⟩ と ⟨⟩)には通常つうじょう使用しようされない。
  • 歯茎はぐきこす摩擦音まさつおん記号きごう補助ほじょ記号きごう使つかってみちびかれ、 ⟨ð̠⟩ または ⟨ɹ̝⟩ と表記ひょうきすることができる。
ゆうごえしたいただき摩擦音まさつおん
-歯茎はぐき 歯茎はぐき 後部こうぶ歯茎はぐき
後方こうほう そりした かた口蓋こうがい-歯茎はぐき 歯茎はぐき-かた口蓋こうがい
ひらた ʐ ʒ ʑ こす
ð ð̠/ð͇/ɹ̝ ɻ̝ こす
たたき ɾ̞/ɹ̝̆

言語げんごれい

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この子音しいんおおくの言語げんごられる。

ゆうごえ歯茎はぐきこすおと

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ゆうごえ歯茎はぐきこすおと
z
IPA番号ばんごう 133
エンコーディング
エンティティ (decimal) z
Unicode (hex) U+007A
X-SAMPA z
点字てんじ  
音声おんせいサンプル
noicon
ゆうごえ舌端ぜったん歯音しおん歯茎はぐきこすおと
ゆうごえ歯茎はぐき後方こうほうこすおと
エンコーディング
エンティティ (decimal) z​̺
Unicode (hex) U+007A U+033A

ゆうごえ歯茎はぐきこすおと(voiced alveolar sibilant)は、ヨーロッパの言語げんごでは一般いっぱんてきであるが、言語げんご横断おうだんてきには無声むせい変種へんしゅくらべて比較的ひかくてきめずらしい。世界せかい言語げんごのうち、ゆうごえまたは歯茎はぐきこすおとふく言語げんごやく28%しかない。さらに、おな形式けいしき[z]言語げんごの85%は、ヨーロッパアフリカ、または西にしアジア言語げんごである。

特徴とくちょう

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  • 調音ちょうおん方法ほうほうこす摩擦まさつであり、これは一般いっぱんてき調音ちょうおん位置いちいたるまでしたうしろのみぞ沿って空気くうきながれをかわせ、調音ちょうおん位置いちでほぼいしばったするどえんたいして集中しゅうちゅうさせ、高周波こうしゅうはすうらんりゅうこすことによってされることを意味いみする。
  • [z] にはすくなくとも3種類しゅるい特異とくいてき変種へんしゅ存在そんざいする:
    • 歯音しおんした舌端ぜったん歯茎はぐき—(一般いっぱんに "" dental とばれる)。これは、上前うわまえ非常ひじょう接近せっきんした舌端ぜったん使つかい、舌尖ぜっせん下前したまえうしろにかれた状態じょうたい調音ちょうおんされることを意味いみする。この [z]変種へんしゅにおけるスーおん(hissing)効果こうか非常ひじょうつよ[1]
    • 後方こうほうしていない歯茎はぐき— 。これは、歯槽しそうつつみ位置いち舌尖ぜっせんまたは舌端ぜったん使つかって調音ちょうおんされることを意味いみする。Ladefoged & Maddieson (1996) によれば、英語えいご話者わしゃのおよそ半数はんすう後方こうほうしていない舌尖ぜっせんてき調音ちょうおん使つかっている。
    • 後方こうほうした歯茎はぐき— 。これは、歯槽しそうつつみのわずかに後方こうほう舌尖ぜっせんまたは舌端ぜったん使つかって調音ちょうおんされることを意味いみする。音響おんきょう学的がくてきには、[ʒ] または舌端ぜったん [ʐ]ちかい。
  • 発声はっせいゆうごえであり、これは調音ちょうおんあいだ声帯せいたい振動しんどうすることを意味いみする。
  • くちおんであり、これは空気くうきくちだけからけることができることを意味いみする。
  • ちゅうせんおんであり、これはした側面そくめんではなく、中央ちゅうおう沿って気流きりゅうみちびくことによってされることを意味いみする。
  • 気流きりゅう機構きこう肺臓はいぞうてきであり、これは、ほとんどのおと同様どうように、はい横隔膜おうかくまくだけで空気くうきすことによって調音ちょうおんされることを意味いみする。

ゆうごえ歯茎はぐきこす摩擦音まさつおん

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ゆうごえ歯茎はぐきこす摩擦音まさつおん
ð̠
ð͇
ɹ̝
エンコーディング
エンティティ (decimal) ð​̠
Unicode (hex) U+00F0 U+0320
音声おんせいサンプル
noicon
ゆうごえ歯茎はぐきたたき摩擦音まさつおん
ɾ̞
ɹ̝̆
IPA番号ばんごう 124 430
音声おんせいサンプル
noicon

ゆうごえ歯茎はぐきこす摩擦音まさつおん(voiced alveolar non-sibilant fricative)は、子音しいんである。国際こくさい音声おんせい字母じぼ歯茎はぐきおんのための別々べつべつ記号きごうたないため(おな記号きごうかた口蓋こうがいしていないすべてのしたいただき調音ちょうおん部位ぶいたいして使つかわれる)、⟨ð̠⟩ または ⟨ð͇⟩(それぞれ後方こうほうまたは歯茎はぐきした [ð])、⟨ɹ̝⟩(狭窄きょうさくした [ɹ])、または ⟨⟩(よりひろ[d])などすうおおくのやりかたでこのおとあらわすことができる。

わずかな言語げんごゆうごえ歯茎はぐきたたき摩擦音まさつおんゆうする。このおとたん非常ひじょうみじか舌尖ぜっせん歯茎はぐきこすおと摩擦音まさつおんであり、したはたたき閉鎖へいさおん動作どうさおこなうが完全かんぜん接触せっしょくはしない。IPAでは完全かんぜん閉鎖へいさこっていないことをしめ補助ほじょ記号きごう使つかってこのおとしめすことができる。はじき摩擦音まさつおん理論りろんてきには可能かのうだが、存在そんざいする証拠しょうこがない[2]

特徴とくちょう

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  • 調音ちょうおん方法ほうほう摩擦まさつであり、これは調音ちょうおん位置いち狭窄きょうさくされたりゅうとおって空気くうきながれる(これによってらんりゅうしょうじる)ことでされることを意味いみする。 ただし、こすおとゆうみぞした方向付ほうこうづけられた気流きりゅう、または高周波こうしゅうはすうたない。
  • 調音ちょうおん部位ぶい歯茎はぐきであり、これは舌尖ぜっせんまたは舌端ぜったんのいずれかを使つかって歯槽しそうつつみ歯茎はぐき)の位置いち調音ちょうおんされることを意味いみする(それぞれ、「舌尖ぜっせん- 」および「舌端ぜったん- 」とばれる)。
  • 発声はっせいゆうごえであり、これは調音ちょうおんあいだ声帯せいたい振動しんどうすることを意味いみする。
  • くちおんであり、これは空気くうきくちだけからけることができることを意味いみする。
  • ちゅうせんおんであり、これはした側面そくめんではなく、中央ちゅうおう沿って気流きりゅうみちびくことによってされることを意味いみする。
  • 気流きりゅう機構きこう肺臓はいぞうてきであり、これは、ほとんどのおと同様どうように、はい横隔膜おうかくまくだけで空気くうきすことによって調音ちょうおんされることを意味いみする。

脚注きゃくちゅう

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参考さんこう文献ぶんけん

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外部がいぶリンク

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