混 こん 獲 え (こんかく、英 えい : Bycatch )とは、漁業 ぎょぎょう の際 さい に、漁獲 ぎょかく 対象 たいしょう の種 たね とは別 べつ の種 たね を意図 いと せずに漁獲 ぎょかく してしまう、もしくは同種 どうしゅ の間 あいだ においても、意図 いと していたよりも小 ちい さい個体 こたい や、幼体 ようたい を捕獲 ほかく してしまう状況 じょうきょう のこと。混 こん 獲 え は世界 せかい の漁獲 ぎょかく 量 りょう 全体 ぜんたい の40%以上 いじょう を占 し めており[1] 、漁獲 ぎょかく 量 りょう の減少 げんしょう や乱獲 らんかく につながることもある[2] 。混 こん 獲 え が特 とく に多 おお い場合 ばあい は意図 いと 的 てき だとして批判 ひはん 対象 たいしょう となる[3] 。
エビとの混 こん 獲 え
漁業 ぎょぎょう における「混 こん 獲 え 」という言葉 ことば には少 すく なくとも4つの異 こと なった定義 ていぎ が存在 そんざい する[4] 。
捕獲 ほかく 後 ご に海 うみ には帰 き さずに売却 ばいきゃく ・利用 りよう しているが、その漁 りょう の本来 ほんらい の対象 たいしょう 魚 ぎょ 種 しゅ ではない場合 ばあい 。
捕獲 ほかく した個体 こたい の、種 たね 、大 おお きさ、あるいは性別 せいべつ が本来 ほんらい の目的 もくてき と異 こと なるために漁師 りょうし が廃棄 はいき 、あるいはリリースしてしまう場合 ばあい [5] 。
売却 ばいきゃく ・利用 りよう されるか廃棄 はいき されるかを問 と わず、本来 ほんらい の対象 たいしょう とは違 ちが う魚 さかな が漁獲 ぎょかく されること[6] 。
漁業 ぎょぎょう の対象 たいしょう ではない、ウミガメ や海鳥 うみどり などの絶滅 ぜつめつ の危機 きき に瀕 ひん した貴重 きちょう な生物 せいぶつ 種 しゅ や、棘皮動物 きょくひどうぶつ や甲殻 こうかく 類 るい などの商業 しょうぎょう 価値 かち のない無 む 脊椎動物 せきついどうぶつ 、あるいは海洋 かいよう 哺乳類 ほにゅうるい やサメ 類 るい が捕獲 ほかく されてしまうこと。
トロール網 もう を引 ひ くトロ とろ ール船 るせん
エビ漁 りょう における混 こん 獲 え
混 こん 獲 え 率 りつ が最 もっと も高 たか い漁業 ぎょぎょう は、エビ のトロール漁 りょう である。1997年 ねん には国際 こくさい 連合 れんごう 食糧 しょくりょう 農業 のうぎょう 機関 きかん (FAO)がエビ漁 りょう における混 こん 獲 え 率 りつ を概算 がいさん したが、それによれば、エビ漁 りょう における混 こん 獲 え 量 りょう は、本来 ほんらい の対象 たいしょう であるエビの漁獲 ぎょかく 量 りょう の、最大 さいだい で20倍 ばい 、また世界 せかい 平均 へいきん で5.7倍 ばい にも達 たっ する[7] 。また、別 べつ の調査 ちょうさ でもアメリカ においてのこの方法 ほうほう による混 こん 獲 え 量 りょう は、エビの漁獲 ぎょかく 量 りょう の3倍 ばい から15倍 ばい であることが分 わ かっている[8] 。
エビのトロール漁 りょう での漁獲 ぎょかく 量 りょう が、世界 せかい の海産物 かいさんぶつ の漁獲 ぎょかく 量 りょう に占 し める割合 わりあい は、重量 じゅうりょう で2% 程度 ていど である。しかし混 こん 獲 え 量 りょう では、世界中 せかいじゅう に様々 さまざま な漁業 ぎょぎょう がある中 なか で、その三 さん 分 ぶん の一 いち をも占 し める。
エビ漁 りょう で使 つか われるようなトロール網 もう は、魚類 ぎょるい や海洋 かいよう 哺乳類 ほにゅうるい の大量 たいりょう 死 し の原因 げんいん となる[9] 。トロール網 もう にかかったそれらの種 たね が海 うみ に帰 き される際 さい には、個体 こたい は既 すで に死 し んでいることが多 おお く、生 い きていたとしても体力 たいりょく を消耗 しょうもう していたり、住 す んでいた深度 しんど に戻 もど れなかったりして、間 ま もなく死 し んでしまうことが多 おお いのである[10] 。
南 みなみ 大西洋 たいせいよう におけるエビの一種 いっしゅ (Rock shrimp)のトロール漁 りょう に関 かん して行 おこな われた調査 ちょうさ では、魚類 ぎょるい 166種 しゅ 、クジラ目 め の37種 しゅ 、そして他 た の無 む 脊椎動物 せきついどうぶつ 37種 しゅ が混 こん 獲 え されていた[9] 。同 おな じ漁 りょう について行 おこな われた別 べつ の調査 ちょうさ では、2年 ねん にわたって捕獲 ほかく された生物 せいぶつ の種 たね を記録 きろく したが、本来 ほんらい の漁獲 ぎょかく 対象 たいしょう であるRock shrimpは捕獲 ほかく 生物 せいぶつ のうち重量 じゅうりょう にして10%を占 し めるのみであった。残 のこ りの90%は、ガザミ属 ぞく (英語 えいご 版 ばん ) のPortunus gibbesiiやPortunus spinicarpus、ダスキー・フラウンダー(ヒラメ科 か の魚 さかな 。学名 がくめい :Syacium papillosum)、キツネアカエソ (英語 えいご 版 ばん ) 、スポットシュリンプ (英語 えいご 版 ばん ) (タラバエビ属 ぞく の一種 いっしゅ )、ヨーロッパエビジャコ などで構成 こうせい されていた[9] 。
混 こん 獲 え によるものにもかかわらず、メキシコ湾 わん でのエビ漁 りょう では、レッドスナッパー (英語 えいご 版 ばん ) を対象 たいしょう にしている漁業 ぎょぎょう で水揚 みずあ げされているのに匹敵 ひってき するほどの尾 お 数 すう のレッドスナッパーを、毎年 まいとし 漁獲 ぎょかく している[11] [12] 。
サラワクイルカ の群 む れ
東伊豆 ひがしいず 町 まち の定置網 ていちあみ に混 こん 獲 え され、翌日 よくじつ に放流 ほうりゅう されたセミクジラ 。絶滅 ぜつめつ 危惧 きぐ 種 しゅ にとって混 こん 獲 え は大 おお きな脅威 きょうい であるだけでなく、とくに日本 にっぽん や韓国 かんこく では混 こん 獲 え を利用 りよう した意図 いと 的 てき な捕獲 ほかく が行 おこな われる危険 きけん 性 せい がある[13] 。
魚 さかな 網 もう に絡 から まったイシイルカ
クジラ やイルカ などは、漁網 ぎょもう や釣 つ り糸 いと に掛 か かったり、釣 つ り針 ばり 、トロール網 もう で拘束 こうそく されることで、深刻 しんこく なダメージを受 う ける。
イルカの混 こん 獲 え の例 れい としては、マグロ まき網 あみ (purse seine ) 漁 りょう におけるものが挙 あ げられる。イルカは哺乳類 ほにゅうるい であり、エラ をもたない。そのため、水中 すいちゅう で網 あみ に長時間 ちょうじかん 拘束 こうそく されているうちに窒息 ちっそく 死 し してしまう可能 かのう 性 せい もある[14] 。
最 もっと も著名 ちょめい なザトウクジラ の個体 こたい であったミガルー(英語 えいご 版 ばん )も混 こん 獲 え の犠牲 ぎせい になったと見 み られている[15] 。
日本 にっぽん
クジラ類 るい を混 こん 獲 え しても、その食品 しょくひん としての価値 かち から、海 うみ に帰 き さずに売却 ばいきゃく されることもある[16] 。意図 いと 的 てき に放流 ほうりゅう せずに死亡 しぼう させて市場 いちば に流通 りゅうつう させるという疑似 ぎじ 的 てき な捕鯨 ほげい の隠 かく れ蓑 みの にされる懸念 けねん もあり、実際 じっさい に、セミクジラ[13] ・コククジラ [17] ・シロナガスクジラ [18] などの絶滅 ぜつめつ 危惧 きぐ 種 しゅ の肉 にく が日本 にっぽん 国内 こくない の市場 いちば で発見 はっけん されたことがある。日本 にっぽん においては平成 へいせい 30年度 ねんど のヒゲクジラ類 るい の混 こん 獲 え 数 すう は91頭 とう あり[注 ちゅう 1] 、それらの中 なか で販売 はんばい や配布 はいふ などの食用 しょくよう にされたのは88頭 とう である[19] 平成 へいせい 29年度 ねんど は167頭 とう [注 ちゅう 2] であり、販売 はんばい 配布 はいふ は166頭 とう だった[20] 。また、日本 にっぽん では近年 きんねん [いつ? ] にもセミクジラ やアジア系 けい のコククジラ やナガスクジラ などの絶滅 ぜつめつ 危惧 きぐ 種 しゅ の混 こん 獲 え が相次 あいつ いでいるだけでなく[要 よう 出典 しゅってん ] 、近年 きんねん のオホーツク海 かい におけるセミクジラをふくむ中 なか ・大型 おおがた 鯨 くじら 類 るい の混 こん 獲 え を中心 ちゅうしん とする死亡 しぼう 事例 じれい は、ロシア の領海 りょうかい 内 ない ではあるが6割 わり が日本 にっぽん の漁業 ぎょぎょう に起因 きいん するとされている[21] 。
韓国 かんこく
韓国 かんこく ではとくにスナメリ を中心 ちゅうしん とした混 こん 獲 え の発生 はっせい 件数 けんすう が多 おお く、専門 せんもん 家 か にも意図 いと 的 てき なのではないかとされている。2014年 ねん の総 そう 混 こん 獲 え 件数 けんすう は混 こん 獲 え 数 すう は1835頭 とう であり、韓国 かんこく の専門 せんもん 家 か も偶発 ぐうはつ 的 てき な混 こん 獲 え にしては多 おお 過 す ぎると指摘 してき している。スナメリ が混 こん 獲 え される種 たね の殆 ほとん どを占 し めている。また、ミンククジラも毎年 まいとし 約 やく 80頭 とう 程度 ていど が犠牲 ぎせい になっていたが、これは高値 たかね で肉 にく が取引 とりひき されるミンククジラが「海 うみ のロト [要 よう 曖昧 あいまい さ回避 かいひ ] 」として(上記 じょうき の通 とお り日本 にっぽん と同様 どうよう に[13] )意図 いと 的 てき に狙 ねら われる可能 かのう 性 せい が指摘 してき されており、アメリカ海洋 かいよう 大気 たいき 庁 ちょう の関係 かんけい 者 しゃ は「米国 べいこく は海洋 かいよう 哺乳類 ほにゅうるい の保護 ほご を重要 じゅうよう 視 し しているのに対 たい して、(韓国 かんこく 政府 せいふ は)米国 べいこく への海産物 かいさんぶつ の輸出 ゆしゅつ に集中 しゅうちゅう している」と指摘 してき している[3] 。一方 いっぽう で、韓国 かんこく 政府 せいふ は2010年代 ねんだい 以降 いこう は海洋 かいよう 警察庁 けいさつちょう を動員 どういん したミンククジラ の密猟 みつりょう の撲滅 ぼくめつ キャンペーンを展開 てんかい し[22] 、白 しろ 翎島 の周辺 しゅうへん など各地 かくち で密猟 みつりょう 者 しゃ を摘発 てきはつ してきた。2021年 ねん に、政府 せいふ は鯨 くじら 類 るい 福祉 ふくし の向上 こうじょう 政策 せいさく の一環 いっかん として、(2015年 ねん にセミクジラ が韓国 かんこく で41年 ねん ぶりに確認 かくにん ・放流 ほうりゅう されたことがきっかけで発足 ほっそく した)混 こん 獲 え ・座礁 ざしょう 個体 こたい の救助 きゅうじょ 部門 ぶもん の設立 せつりつ や、ミンククジラを法的 ほうてき に保護 ほご して混 こん 獲 え も含 ふく めて肉 にく の流通 りゅうつう を根絶 こんぜつ する事 こと を発表 はっぴょう した[注 ちゅう 3] [23] [24] [25] が、長生 ちょうせい 浦 うら 一帯 いったい の飲食 いんしょく 業 ぎょう の関係 かんけい 者 しゃ を中心 ちゅうしん に一部 いちぶ の住民 じゅうみん から抗議 こうぎ がされている[26] 。
延縄 はえなわ に掛 か かってしまったマユグロアホウドリ
IUCN によって評価 ひょうか されている21種 しゅ のアホウドリ のうち、19種 しゅ は絶滅 ぜつめつ 危惧 きぐ 種 しゅ であり、残 のこ りの2種 しゅ は準 じゅん 絶滅 ぜつめつ 危惧 きぐ 種 たね とされている[27] 。 アホウドリにとっての脅威 きょうい の一 ひと つは、延縄 はえなわ 漁業 ぎょぎょう である [28] 。魚 さかな の内臓 ないぞう などを好 この むアホウドリは、延縄 はえなわ に仕掛 しか けられた餌 えさ に惹 ひ き付 づ けられ、糸 いと に引 ひ っ掛 か かり、溺 おぼ れてしまうのである。年間 ねんかん 約 やく 100,000羽 わ ほどのアホウドリがこれによって命 いのち を落 お としており、無 む 許可 きょか の海賊 かいぞく 漁業 ぎょぎょう も事態 じたい を悪化 あっか させている。
アカウミガメ
絶滅 ぜつめつ の危機 きき に瀕 ひん しているウミガメ は、これまでにも多 おお くの個体 こたい がエビのトロール漁 りょう によって命 いのち を落 お としている。ウミガメは、トロール網 もう から逃 に げ出 だ せることもあるが、メキシコ湾 わん と、アメリカ沖 おき 大西洋 たいせいよう では、毎年 まいとし 数 すう 千 せん ものケンプヒメウミガメ 、アカウミガメ 、アオウミガメ 、オサガメ が混 こん 獲 え されている[29] 。
メキシコ湾 わん では主 おも にケンプヒメウミガメが混 こん 獲 え され、アカウミガメ、アオウミガメ、オサガメの順 じゅん に混 こん 獲 え 量 りょう が多 おお い。他 た のアメリカ沖 おき 大西洋 たいせいよう で行 おこな われた調査 ちょうさ では、この順番 じゅんばん が、アカウミガメ、ケンプヒメウミガメ、オサガメ、アオウミガメとなっている[29] 。
マグロ延縄 はえなわ 漁 りょう ではサメ類 るい も混 こん 穫 か され、気仙沼 けせんぬま 港 こう からのマグロ延縄 はえなわ 漁 りょう では全体 ぜんたい の75パーセントがヨシキリザメという結果 けっか が出 で ている(刺身 さしみ 用 よう の三種 さんしゅ のマグロが1025尾 び に対 たい してヨシキリザメは16836尾 び である)。このサメ類 るい の混 こん 穫 か ではフカヒレ だけをとって捨 す てる場合 ばあい も多 おお く、環境 かんきょう 保護 ほご 団体 だんたい に問題 もんだい 視 し されるが、日本 にっぽん においては魚肉 ぎょにく もすり身 み として活用 かつよう しており、無駄 むだ になってはいない[30] 。
かご罠 わな 漁 りょう の入 い り口 くち に棒 ぼう 磁石 じしゃく を設置 せっち した物 もの を千 せん 個 こ 以上 いじょう 用意 ようい して8カ月 かげつ にわたり追跡 ついせき した結果 けっか 、混 こん 獲 え がほかのカゴに比 くら べて30%少 すく なく、漁獲 ぎょかく も30%向上 こうじょう したという実験 じっけん 結果 けっか が出 で ている[31] [32] 。
科学 かがく 者 しゃ や漁師 りょうし たちによって、望 のぞ まない生物 せいぶつ の捕獲 ほかく を減 へ らすための方法 ほうほう が開発 かいはつ されてきた。現在 げんざい では主 おも に二 ふた つのアプローチが考 かんが えられている。
一 ひと つは、混 こん 獲 え 率 りつ が高 たか い漁場 ぎょじょう での漁業 ぎょぎょう を禁止 きんし することである。そのような漁場 ぎょじょう は、永久 えいきゅう 的 てき 、季 き 節 ぶし 的 てき に、あるいは混 こん 獲 え が記録 きろく された特定 とくてい の期間 きかん の間 あいだ だけ閉鎖 へいさ される。一時 いちじ 的 てき な漁場 ぎょじょう の閉鎖 へいさ は、小 ちい さいサイズの魚 さかな や、対象 たいしょう としていない生物 せいぶつ がよく漁獲 ぎょかく されてしまうトロール底引 そこび き漁業 ぎょぎょう においては、よく行 おこな われることである。
もう一 ひと つは、漁具 ぎょぐ を変更 へんこう ・改良 かいりょう することである。最 もっと も単純 たんじゅん な方法 ほうほう の一 ひと つに、漁網 ぎょもう の網目 あみめ を大 おお きくすることがある。これによって、対象 たいしょう よりも小 ちい さな個体 こたい は網 あみ から脱出 だっしゅつ できるようになる。また、網 あみ から対象 たいしょう でない生物 せいぶつ を脱出 だっしゅつ させる、BRD(Bycatch Reduction Device)とか、カメ等 とう の大型 おおがた 生物 せいぶつ 用 よう のTED (Turtle Excluder Device)といった装置 そうち が開発 かいはつ され、使用 しよう が一部 いちぶ の地域 ちいき では始 はじ まっている [9] [11] [33] [34] 。
漁船 ぎょせん から臨 のぞ む、海鳥 うみどり と延縄 はえなわ
延縄 はえなわ 漁 りょう は、混 こん 獲 え の危険 きけん 性 せい のためにいくつかの地域 ちいき では規制 きせい されている。また、混 こん 獲 え を防 ふせ ぐ工夫 くふう も次 つぎ に挙 あ げるような物 もの がいくつか行 おこな われ、一部 いちぶ で成功 せいこう している。
延縄 はえなわ を早 はや く沈 しず ませるために、漁具 ぎょぐ を重 おも くする
吹 ふ き流 なが し状 じょう のテープをくくりつけて鳥 とり を怖 こわ がらせ、縄 なわ を配置 はいち している途中 とちゅう に寄 よ ってくるのを防 ふせ ぐ
縄 なわ の配置 はいち を夜 よる に、小 ちい さい船 ふね で行 おこな う(鳥 とり がよってくるのを避 さ けるため)
縄 なわ の配置 はいち 中 ちゅう に餌 えさ を撒 ま かない
しかしながら、これらの対策 たいさく は、それほど多 おお くの混 こん 獲 え を減少 げんしょう させている訳 わけ ではない。2006年 ねん の5月 がつ には、ハワイ での延縄 はえなわ カジキ 漁 りょう が、解禁 かいきん から数 すう ヶ月 かげつ しか経 た たないうちに中止 ちゅうし されたが、これは針 はり などの漁具 ぎょぐ に混 こん 獲 え 防止 ぼうし 策 さく が施 ほどこ されていたにもかかわらず、アカウミガメの混 こん 獲 え が非常 ひじょう に多 おお かったためである。
アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく では、かねてより環境 かんきょう 保護 ほご 活動 かつどう 家 か や環境 かんきょう 保護 ほご 団体 だんたい が問題 もんだい 視 し していたツナ缶 つなかん 原料 げんりょう のキハダマグロまき網 あみ 漁 りょう におけるイルカの混 こん 穫 か ・捕 と 殺 ころせ に対処 たいしょ するために、1972年 ねん に海洋 かいよう 哺乳類 ほにゅうるい 保護 ほご 法 ほう (en:Marine Mammal Protection Act :MMPA)が施行 しこう された(1988年 ねん に改正 かいせい )。アメリカ船 せん における全米 ぜんべい 熱帯 ねったい マグロ類 るい 委員 いいん 会 かい (IATTC)委員 いいん のオブザーバー乗船 じょうせん 、日没 にちぼつ 時 じ の操業 そうぎょう や申告 しんこく に減少 げんしょう しているイルカ類 るい を網 あみ で取 と り囲 かこ む事 こと への規制 きせい 、爆発 ばくはつ 物 ぶつ の使用 しよう 禁止 きんし 、船長 せんちょう の職務 しょくむ 基準 きじゅん などが導入 どうにゅう された。アメリカ船 せん への規制 きせい が厳 きび しくなる一方 いっぽう 、外国 がいこく 船 せん によるマグロ漁 りょう が増 ふ えたため、連邦 れんぽう 議会 ぎかい は海洋 かいよう 漁業 ぎょぎょう 庁 ちょう に改善 かいぜん を勧告 かんこく し、その流 なが れで1990年 ねん 9月 がつ にIATTCが東部 とうぶ 熱帯 ねったい 太平洋 たいへいよう でマグロまき網 あみ 漁 りょう を行 おこな う全 すべ ての船 ふね が3年 ねん 以内 いない にアメリカ船 せん と同等 どうとう の対策 たいさく をとる計画 けいかく を採択 さいたく 、1992年 ねん までにメキシコ船 せん を除 のぞ いた全 すべ ての国 くに でオブザーバーが乗船 じょうせん する事 こと になり、1995年 ねん までに東部 とうぶ 熱帯 ねったい 太平洋 たいへいよう で捕 と 殺 ころ されるイルカを4095頭 とう にまで減少 げんしょう させた[35] 。
またアメリカは、中南米 ちゅうなんべい の漁業 ぎょぎょう 者 しゃ がイルカを混 こん 穫 か する可能 かのう 性 せい がある漁法 ぎょほう で水揚 みずあ げしたマグロおよびツナ缶 つなかん の輸入 ゆにゅう を禁 きん じた。その後 ご 調停 ちょうてい を経 へ て、中南米 ちゅうなんべい も完全 かんぜん にイルカを巻 ま き込 こ まない人工 じんこう 集魚 しゅうぎょ 装置 そうち (Fidh Aggregeting Devices:FADs)を使用 しよう したまき網 あみ 漁業 ぎょぎょう に転換 てんかん し、アメリカに輸入 ゆにゅう されるツナ缶 つなかん にはDolphin Safeマークが付 つ けられるようになった[36] 。
「混 こん 獲 え 」という言葉 ことば は漁業 ぎょぎょう 以外 いがい についても使 つか われることがある。一 いち 例 れい が営利 えいり 目的 もくてき 、あるいは、非 ひ 営利 えいり 、学術 がくじゅつ 目的 もくてき で行 おこな われる昆虫 こんちゅう 採集 さいしゅう での、各種 かくしゅ トラップ においてである。小 ちい さな脊椎動物 せきついどうぶつ や[37] 他 た の採集 さいしゅう 対象 たいしょう でない昆虫 こんちゅう が混 こん 獲 え される。
また、陸上 りくじょう において外来 がいらい 生物 せいぶつ 等 ひとし の駆除 くじょ のために仕掛 しか けられた罠 わな に、対象 たいしょう でない生物 せいぶつ が掛 か かってしまうことも混 こん 獲 え ということがある。ヨーロッパにおいて、マスクラット 駆除 くじょ のために設置 せっち された罠 わな に、ヨーロッパミンク がかかってしまうことなどが例 れい として挙 あ げられる[38] 。
日本 にっぽん における趣味 しゅみ 釣 づ りの用語 ようご として、混 こん 獲 え された魚 さかな を「外道 げどう 」と呼 よ ぶ。
^ “Defining and estimating global marine fisheries bycatch ”. 20221129 閲覧 えつらん 。
^ C.Michael Hogan. 2010. Overfishing . Encyclopedia of Earth. National Council for Science and the Environment . eds. Sidney Draggan and C.Cleveland. Washington DC.
^ a b “"연간 고래 2000마리 죽음 방치하는 한국, 일본 남획에도 항의 어려워" ” (朝鮮 ちょうせん 語 ご ). 다음 뉴스 (20190620211425). 2019年 ねん 6月 がつ 23日 にち 閲覧 えつらん 。
^ Alverson D L, Freeberg M K, Murawski S A and Pope J G (1994), A global assessment of fisheries bycatch and discards. , Rome: FAO
^ 特 とく に太平洋 たいへいよう 北東 ほくとう 部 ぶ と西部 せいぶ の国々 くにぐに 、またアメリカ の法律 ほうりつ が採用 さいよう している定義 ていぎ 。
^ Hall, M A (1996), “On bycatches”, Reviews in Fish Biology and Fisheries 6 (3): 319–352
^ Clucas, Ivor (1997), Discards and bycatch in Shrimp trawl fisheries , FAO Fisheries Circular, http://www.fao.org/docrep/W6602E/w6602E09.htm
^ Hall,, M;; Alverson, DL; Metuzals, KI (2000), By-Catch: Problems and Solutions. Marine Pollution Bulletin , 41 , pp. 204–219
^ a b c d SAFMC (2004)
^ Morgan, LE; Chuenpagdee, R (2003), Shifting Gears. Addressing the Collateral Impacts of Fishing Methods in U.S. Waters
^ a b GMFMC (2006)
^ Gulf of Mexico Red Snapper: Assessment Summary Report. , Southeast Data, Assessment, and Review (SEDAR) Stock Assessment Report of SEDAR, (2005), http://www.sefsc.noaa.gov/sedar/download/S7SAR_FINALreduce.pdf?id=DOCUMENT
^ a b c 環境庁 かんきょうちょう 自然 しぜん 保護 ほご 局 きょく (1998年 ねん 3月 がつ ). “セミクジラ ”. 生物 せいぶつ 多様 たよう 性 せい センター (環境省 かんきょうしょう ) . 海域 かいいき 自然 しぜん 環境 かんきょう 保全 ほぜん 基礎 きそ 調査 ちょうさ - 海 うみ 棲動物 どうぶつ 調査 ちょうさ 報告 ほうこく 書 しょ . pp. 68-69. 2023年 ねん 12月7日 にち 閲覧 えつらん 。
^ Demaster, DJ; Fowler, CW; Perry, SL; Richlen, ME (2001), “Predation and competition: the impact of fisheries on marine mammal populations over the next one hundred years”, Journal of Mammology (82): 641–651
^ Sarah Swain (2024年 ねん 3月 がつ 24日 にち ). “White whale Migaloo may be dead, report suggests ”. 9 News(英語 えいご 版 ばん ) . 2024年 ねん 3月 がつ 27日 にち 閲覧 えつらん 。
^ Read et al. (2006)
^ Baker, C. S.; Dalebout, M. L.; Lento, G. M.; Funahashi, Naoko (2002). “Gray Whale Products Sold in Commercial Markets Along the Pacific Coast of Japan”. Marine Mammal Science(英語 えいご 版 ばん ) 18 : 295. doi :10.1111/j.1748-7692.2002.tb01036.x .
^ “Scientists find strong evidence of black market for whale meat ”. デザレット・ニュース(英語 えいご 版 ばん ) (1998年 ねん 5月 がつ 16日 にち ). 2023年 ねん 8月 がつ 6日 にち 閲覧 えつらん 。
^ 平成 へいせい 30年 ねん 混 こん 獲 え 等 とう の状況 じょうきょう (1月 がつ 1日 にち ~12月 がつ 31日 にち ) 水産庁 すいさんちょう 資源 しげん 管理 かんり 部 ぶ 国際 こくさい 課 か 捕鯨 ほげい 室 しつ
^ 平成 へいせい 29年 ねん 混 こん 獲 え 等 とう の状況 じょうきょう (1月 がつ 1日 にち ~12月 がつ 31日 にち ) 水産庁 すいさんちょう 資源 しげん 管理 かんり 部 ぶ 国際 こくさい 課 か 捕鯨 ほげい 室 しつ
^ Nikulin V.S., Burdin A.M., Burkanov V.N., 2004年 ねん , Human-related impact on large cetaceans in Kamchatka region , Marine Mammals of the Holarctic. 2004. 428-431頁 ぺーじ . Marine Mammal Council
^ Danny Groves (2017年 ねん 1月 がつ 26日 にち ). “Hope for whales in South Korea as coastguard announces clamp down on illegal hunting ”. WDC(英語 えいご 版 ばん ) . 2023年 ねん 8月 がつ 8日 にち 閲覧 えつらん 。
^ Park Chang-ho (2017年 ねん 11月16日 にち ). “국립수산과학원, '혼획·좌초 고래 신고 핫라인 구축' ”. ノーカットニュース . 2023年 ねん 8月 がつ 8日 にち 閲覧 えつらん 。
^ Kang Yoon-seung (2021年 ねん 5月 がつ 11日 にち ). “S. Korea tightens regulations on sales of whales ”. 聯合 れんごう ニュース . 2023年 ねん 8月 がつ 8日 にち 閲覧 えつらん 。
^ Lim Jeong-won (2022年 ねん 8月 がつ 3日 にち ). “Indo-Pacific bottlenose dolphin to be released after 17 years ”. Korea JoongAng Daily(英語 えいご 版 ばん ) . 2023年 ねん 8月 がつ 8日 にち 閲覧 えつらん 。
^ Jooyoung Kim (2021年 ねん 5月 がつ 20日 はつか ). “고래 고기 못팔게 되나… 장생포 주민들 발칵 ”. 朝鮮日報 ちょうせんにっぽう . 2023年 ねん 8月 がつ 8日 にち 閲覧 えつらん 。
^ IUCN, 2004. Red List: Albatross Species . Retrieved July 27, 2007.
^ Brothers NP. 1991. "Albatross mortality and associated bait loss in the Japanese longline fishery in the southern ocean." Biological Conservation 55 : 255–268.
^ a b Epperly, S; Avens, L; Garrison, L; Henwood, T; Hoggard, W; Mitchell, J; Nance, J; Poffenberger, J et al. (2002), “Analysis of Sea Turtle Bycatch in the Commercial Shrimp Fisheries of Southeast US Waters and the Gulf of Mexico” , NOAA Technical Memorandum NMFS-SEFSC-490 , http://www.sefsc.noaa.gov/PDFdocs/TM_490_Epperly_etal.pdf 2009年 ねん 12月 閲覧 えつらん 。
^ 「魚 さかな の経済 けいざい 学 がく ―市場 いちば メカニズムの活用 かつよう で資源 しげん を護 まも る」山下 やました 東子 とうこ 日本 にっぽん 評論 ひょうろん 社 しゃ ISBN 4535556091 157-158頁 ぺーじ
^ Permanent magnets reduce bycatch of benthic sharks in an ocean trap fishery
^ 磁石 じしゃく でサメが右往左往 うおうさおう 漁獲 ぎょかく 高 だか アップし一石二鳥 いっせきにちょう (日経 にっけい ナショナル ジオグラフィック社 しゃ )
^ “Final Amendment Number 13 to the Fishery Management Plan for the Shrimp Fishery of the Gulf of Mexico” , US Waters with Environmental Assessment Regulatory Impact Review, and Regulatory Flexibility Act Analysis , (2005), http://www.gulfcouncil.org/Beta/GMFMCWeb/downloads/Shrimp%20Amend%2013%20Final%20805.pdf
^ Crowder 2001
^ 「イルカを救 すく ういくつかの方法 ほうほう 」マイケル ドナヒュー、アニー ウィーラー(水口 みずぐち 博也 ひろや 翻訳 ほんやく )講談社 こうだんしゃ ISBN 4062080125 122-134頁 ぺーじ
^ 「魚 さかな の経済 けいざい 学 がく ―市場 いちば メカニズムの活用 かつよう で資源 しげん を護 まも る」155-156頁 ぺーじ
^ Bycatch, ethics and pitfall traps. Journal of Insect Conservation , Editorial, 1999, 3 (1):1-3.
^ Kranz A, Polednik L and Gotea V (2001) Conservation of the European Mink (Mustella lutreila ) in the Danube Delta Background information and project plan. Scientific Annals of the Danube Delta Institute for Research and Development , Tulcea, 2000-2001.
Gulf of Mexico Fishery Management Council (GMFMC) (2006) Scoping Document for Amendment 15 to the Shrimp FMP
OECD (1997) Towards sustainable fisheries: economic aspects of the management of living marine resources. OECD Paris.
Read, AJ, Drinker, P, and S Northridge (2006). Bycatch of marine mammals in the U.S. and Global Fisheries. Conservation Biology. 20(1): 163-169.
SAFMC (1998) Final Habitat Plan for the South Atlantic Region Essential Fish Habitat Requirements for Fishery. Management Plans of the South Atlantic Fishery Management Council. The Shrimp Fishery Management Plan (FMP), the Red Drum FMP, the Snapper Grouper FMP, the Coastal Migratory Pelagics FMP, the Golden Crab FMP, the Spiny Lobster FMP, the Coral, Coral Reefs, and Live/Hard Bottom Habitat FMP, the Sargassum Habitat FMP, and the Calico Scallop FMP.
U.S. Shrimp (South Atlantic and Gulf of Mexico) – Blue ocean institute. Retrieved 22 March 2008.