瀬戸内せとうち国際こくさい芸術げいじゅつ祭さい

瀬戸内せとうち国際こくさい芸術げいじゅつ祭さい; Setouchi Triennale
イベントの種類しゅるい	美術びじゅつ展覧てんらん会かい
初回しょかい開催かいさい	2010年ねん
会場かいじょう	高松たかまつ港こう周辺しゅうへん、直島なおしま、豊島としま、女木めぎ島とう、男木おぎ島とう、小豆島あずしま、大島おおしま、犬島いぬじま、沙弥島しゃみじま、本島ほんとう、高見たかみ島とう、粟島あわしま、伊吹いぶき島とう、宇野うの港こう周辺しゅうへん
主催しゅさい	瀬戸内せとうち国際こくさい芸術げいじゅつ祭さい実行じっこう委員いいん会かい
プロデューサー	福武ふくたけ總一郎そういちろう
最寄駅もよりえき	JR四国しこく高松たかまつ駅えき
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瀬戸内せとうち国際こくさい芸術げいじゅつ祭さい（せとうちこくさいげいじゅつさい、英えい題だい:Setouchi Triennale）とは、瀬戸内海せとないかいの島々しまじまを舞台ぶたいに開催かいさいされる現代げんだい美術びじゅつの国際こくさい芸術げいじゅつ祭さいである。略称りゃくしょうは「瀬戸せと芸げい（せとげい）」。対象たいしょう地区ちくが岡山おかやま県けん・香川かがわ県けんの両りょう県けんに跨またがる一大いちだいアートイベントである。トリエンナーレ形式けいしきで、第だい1回かいの2010年ねんから3年ねんごとに開催かいさいされており、2022年ねんに第だい5回かいが開催かいさいされた。

概要がいよう

芸術げいじゅつ祭さいの舞台ぶたいとなる瀬戸内海せとないかいは、はるか昔むかしより交通こうつうの動脈どうみゃくとして、多おおくの新あたらしい文化ぶんかを伝播でんぱする役割やくわりを担になってきた。瀬戸内せとうちの島々しまじまには伝統でんとう的てきな文化ぶんかや美うつくしい自然しぜん景観けいかんが残のこっている。しかし現在げんざい、島々しまじまは高齢こうれい化かと過疎かそ化かにより活力かつりょくを失うしないつつある。

瀬戸内せとうち国際こくさい芸術げいじゅつ祭さいの開催かいさいにより、世界中せかいじゅうからの来訪らいほう者しゃと島民とうみんの交流こうりゅうにより島々しまじまの活力かつりょくを取とり戻もどし、島しまの伝統でんとう文化ぶんかや美うつくしい自然しぜんを生いかした現代げんだい美術びじゅつを通とおして、瀬戸内海せとないかいの魅力みりょくを世界せかいに向むけて発信はっしんし、地球ちきゅう上うえのすべての地域ちいきの「希望きぼうの海うみ」となることを目指めざしている^[1]。

芸術げいじゅつ祭さいは、瀬戸内せとうちの島々しまじまを中心ちゅうしんとした各地かくちに展示てんじされる美術びじゅつ作品さくひん、芸術げいじゅつ家かや劇団げきだん・楽団がくだんなどによるイベント、地元じもとの伝統でんとう芸能げいのう・祭事さいじと連携れんけいしたイベントなどで構成こうせいされる。

回かいを重かさねるにつれ、両りょう県けんが「日本一にっぽんいちのため池いけ国こく・香川かがわ」や「晴はれの国くに・おかやま」を自称じしょうするとおり、年間ねんかんを通つうじて降水こうすい量りょうが少すくなく、安定あんていした温暖おんだんな気候きこうにも恵めぐまれていることもあり、来訪らいほう者しゃは近年きんねんの訪日ほうにち観光かんこう客きゃくブームとも相あいまって増加ぞうか傾向けいこうにある。

特とくに4回かい目めとなる2019年ねんは、史上しじょう初はつの大型おおがた10連休れんきゅう初日しょにちと芸術げいじゅつ祭さいの開催かいさい初日しょにちが重かさなったことから、地元じもと官民かんみんを挙あげてさらなる来場らいじょう者しゃの動員どういん確保かくほに取とり組くんだ。また、全国ぜんこく的てきにも珍めずらしい岡山おかやま県けんと香川かがわ県けんのテレビジョン放送ほうそう相互そうご乗のり入いれ（岡山おかやま・香川かがわ両りょう県けんの民放みんぽう相互そうご乗のり入いれ放送ほうそう）により、地上波ちじょうは民放みんぽうキー局きょくの5局きょくフルネットと言いう恵めぐまれた環境かんきょうを生いかし、両りょう県けんのNHK地元じもと局きょくも含ふくめて大々的だいだいてきに特集とくしゅう番組ばんぐみを組くんで放映ほうえいした^[2]。

各回かくかい内容ないよう

第だい1回かい

副題ふくだい - アートと海うみを巡めぐる百ひゃく日間にちかんの冒険ぼうけん
主催しゅさい - 瀬戸内せとうち国際こくさい芸術げいじゅつ祭さい実行じっこう委員いいん会かい
- 会長かいちょう - 真鍋まなべ武紀たけのり → 浜田はまだ恵めぐみ造づくり^{[注釈ちゅうしゃく 1]}（香川かがわ県けん知事ちじ）
- 総合そうごうプロデューサー - 福武ふくたけ總一郎そういちろう（財団ざいだん法人ほうじん直島なおしま福武ふくたけ美術館びじゅつかん財団ざいだん理事りじ長ちょう、現げん：公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん福武ふくたけ財団ざいだん）
- 総合そうごうディレクター - 北川きたがわフラム（女子美術大学じょしびじゅつだいがく芸術げいじゅつ学部がくぶ教授きょうじゅ）
開催かいさい期間きかん - 2010年ねん7月がつ19日にち - 10月31日にち（105日間にちかん）
会場かいじょう - 高松たかまつ港こう周辺しゅうへん、直島なおしま、豊島としま、女木島めぎじま、男木島おぎじま、小豆島しょうどしま、大島おおしま、犬島いぬじま
参加さんか者しゃ - 18の国くにと地域ちいきから75組くみのアーティスト、プロジェクト、16のイベントが参加さんかしている。他たに芸術げいじゅつ祭さいをサポートするボランティア団体だんたいとして「こえび隊たい」^[3]が活動かつどうしている。
来場らいじょう者しゃ - 延のべ約やく94万まん人にん（内訳うちわけを以下いかに示しめす）

場所ばしょ	箇所かしょ	人数にんずう
直島なおしま	4箇所かしょ	291728
豊島としま	7箇所かしょ	175393
女木島めぎじま	2箇所かしょ	99759
男木島おぎじま	2箇所かしょ	96503
小豆島しょうどしま	4箇所かしょ	113274
大島おおしま	1箇所かしょ	4812
犬島いぬじま	2箇所かしょ	84458
高松たかまつ	2箇所かしょ	72319

火災かさいによる作品さくひん焼失しょうしつ - 2010年ねん9月26日にち、男木島おぎじま内ないの一般いっぱん民家みんかで火災かさいが発生はっせい。周辺しゅうへんにあった芸術げいじゅつ祭さいの作品さくひん展示てんじ会場かいじょうにも燃もえ移うつり、大岩おおいわオスカールの「大岩おおいわ島とう」が焼失しょうしつ、井村いむら隆たかしの「カラクリン」も一部いちぶが損傷そんしょうした^[4]。これを受うけ、主催しゅさいする「瀬戸内せとうち国際こくさい芸術げいじゅつ祭さい実行じっこう委員いいん会かい」は9月27日にち、男木島おぎじまで展示てんじされている全ぜん作品さくひんの公開こうかいを終日しゅうじつ中止ちゅうし。同日どうじつ、高木たかぎ香川かがわ県けん副ふく知事ちじと北川きたがわフラム総合そうごうディレクターが被害ひがい現場げんばを視察しさつ。その結果けっか、住民じゅうみんから作品さくひん公開こうかい再開さいかいの要望ようぼうがあったことも踏ふまえ、被害ひがいを受うけた作品さくひんを除のぞく残のこりの全ぜん作品さくひんについて翌よく28日にちより公開こうかい再開さいかいを決定けっていした^[5]。

第だい2回かい

副題ふくだい - アートと島しまを巡めぐる瀬戸内海せとないかいの四季しき
主催しゅさい - 瀬戸内せとうち国際こくさい芸術げいじゅつ祭さい実行じっこう委員いいん会かい
- 会長かいちょう - 浜田はまだ恵めぐみ造づくり（香川かがわ県知事けんちじ）
- 総合そうごうプロデューサー - 福武ふくたけ總一郎そういちろう（公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん福武ふくたけ財団ざいだん理事りじ長ちょう）
- 総合そうごうディレクター - 北川きたがわフラム（女子美術大学じょしびじゅつだいがく芸術げいじゅつ学部がくぶ教授きょうじゅ）
開催かいさい期間きかん
- 春はる：2013年ねん3月がつ20日はつか（春分しゅんぶんの日ひ）－ 4月がつ21日にち（日ひ） 33日間にちかん
- 夏なつ：2013年ねん7月がつ20日はつか（土ど）－ 9月がつ1日にち（日ひ） 44日間にちかん
- 秋あき：2013年ねん10月がつ5日にち（土ど）－ 11月がつ4日にち（月つき・休きゅう） 31日間にちかん
会場かいじょう - 高松たかまつ港こう周辺しゅうへん、直島なおしま、豊島としま、女木めぎ島とう、男木おぎ島とう、小豆島あずしま、大島おおしま、犬島いぬじま、沙弥島しゃみじま、本島ほんとう、高見島たかみじま、粟島あわしま、伊吹島いぶきじま、宇野うの港こう周辺しゅうへん
来場らいじょう者しゃ - 延のべ約やく107万まん人にん

第だい3回かい

主催しゅさい - 瀬戸内せとうち国際こくさい芸術げいじゅつ祭さい実行じっこう委員いいん会かい
- 会長かいちょう - 浜田はまだ恵めぐみ造づくり（香川かがわ県知事けんちじ）
- 総合そうごうプロデューサー - 福武ふくたけ總一郎そういちろう（公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん福武ふくたけ財団ざいだん理事りじ長ちょう）
- 総合そうごうディレクター - 北川きたがわフラム（女子美術大学じょしびじゅつだいがく芸術げいじゅつ学部がくぶ教授きょうじゅ）
開催かいさい期間きかん
- 春はる：2016年ねん3月がつ20日はつか（春分しゅんぶんの日ひ）－ 4月がつ17日にち（日ひ） 29日間にちかん
- 夏なつ：2016年ねん7月がつ18日にち（海うみの日ひ）－ 9月がつ4日にち（日ひ） 49日間にちかん
- 秋あき：2016年ねん10月がつ8日にち（土ど）－ 11月がつ6日にち（日ひ） 30日間にちかん
会場かいじょう - 高松たかまつ港こう周辺しゅうへん、直島なおしま、豊島としま、女木めぎ島とう、男木おぎ島とう、小豆島あずしま、大島おおしま、犬島いぬじま、沙弥島しゃみじま（春はるのみ）、本島ほんとう（秋あきのみ）、高見島たかみじま（秋あきのみ）、粟島あわしま（秋あきのみ）、伊吹島いぶきじま（秋あきのみ）、宇野うの港こう周辺しゅうへん
来場らいじょう者しゃ - 延のべ約やく104万まん人にん
大島おおしまの来場らいじょう者しゃ輸送ゆそう問題もんだい - 大島おおしまは第だい1回かい・第だい2回かいとも国立こくりつ療養りょうよう所しょ大島青松園おおしませいしょうえんへの物資ぶっしや職員しょくいん輸送ゆそうのための官有かんゆう船せん（国くにが所有しょゆうする自家用じかよう船ふね）を来場らいじょう者しゃ輸送ゆそうに使用しようしていたが、四国しこく運輸うんゆ局きょくより法令ほうれい違反いはんとの指導しどうを受うけたため、第だい3回かいにおいては官有かんゆう船せんの使用しようができなくなった^[6]。やむなく民間みんかん船せんを借かりて不定期ふていき航路こうろの許可きょかを受うけ来場らいじょう者しゃを輸送ゆそうした。このため定員ていいんを12名めいに制限せいげんして予約よやく制せいとした。なおその後ご、官有かんゆう船せんが定期ていき航路こうろとしての認可にんかを受うけた^[7]ため、2019年ねん4月がつからの第だい4回かい以降いこうはこの問題もんだいは解消かいしょうされている。

第だい4回かい

主催しゅさい - 瀬戸内せとうち国際こくさい芸術げいじゅつ祭さい実行じっこう委員いいん会かい
- 会長かいちょう - 浜田はまだ恵めぐみ造づくり（香川かがわ県知事けんちじ）
- 総合そうごうプロデューサー - 福武ふくたけ總一郎そういちろう（公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん福武ふくたけ財団ざいだん理事りじ長ちょう）
- 総合そうごうディレクター - 北川きたがわフラム（女子美術大学じょしびじゅつだいがく芸術げいじゅつ学部がくぶ教授きょうじゅ）
開催かいさい期間きかん
- 春はる【ふれあう春はる】2019年ねん4月がつ26日にち（金かね）－ 5月がつ26日にち（日ひ） 31日間にちかん
- 夏なつ【あつまる夏なつ】2019年ねん7月がつ19日にち（金かね）－ 8月がつ25日にち（日ひ） 31日間にちかん
- 秋あき【ひろがる秋あき】2019年ねん9月がつ28日にち（土ど）－ 11月がつ4日にち（月つき） 38日間にちかん
会場かいじょう - 高松たかまつ港こう周辺しゅうへん、直島なおしま、豊島としま、女木めぎ島とう、男木おぎ島とう、小豆島あずしま、大島おおしま、犬島いぬじま、沙弥島しゃみじま（春はるのみ）、本島ほんとう（秋あきのみ）、高見島たかみじま（秋あきのみ）、粟島あわしま（秋あきのみ）、伊吹島いぶきじま（秋あきのみ）、宇野うの港こう周辺しゅうへん、及および広域こういきにわたる回遊かいゆう方式ほうしき
来場らいじょう者しゃ - 延のべ約やく118万まん人にん
配信はいしん - ライブストリーミング・チャンネルDOMMUNEにて、瀬戸内せとうち国際こくさい芸術げいじゅつ祭さいとの県内けんない連携れんけい事業じぎょう「SHIP’S CAT＋kame3 2019祝祭しゅくさい」を中継ちゅうけいし、7月がつ31日にちと8月がつ10日とおかは高松たかまつ丸亀まるがめ町まち商店しょうてんからライブ配信はいしんを行おこなった^[8]。
諸しょ問題もんだい - 小豆島あずしまの土庄とのしょうフェリーターミナルの「アートトイレ」で、ドアノブがドアの白黒しろくろ模様もようと重かさなり、視覚しかく障害しょうがい者しゃらには見みえにくい状態じょうたいとなっているとの意見いけんがあり、総務そうむ省しょう四国しこく行政ぎょうせい評価ひょうか支局しきょくからも「識別しきべつしづらい」との指摘してきがあった^[9]。

第だい5回かい

主催しゅさい - 瀬戸内せとうち国際こくさい芸術げいじゅつ祭さい実行じっこう委員いいん会かい
- 会長かいちょう - 浜田はまだ恵めぐみ造づくり → 池田いけだ豊ゆたか人じん^{[注釈ちゅうしゃく 1]}（香川かがわ県知事けんちじ）
- 総合そうごうプロデューサー - 福武ふくたけ總一郎そういちろう（公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん福武ふくたけ財団ざいだん理事りじ長ちょう）
- 総合そうごうディレクター - 北川きたがわフラム（女子美術大学じょしびじゅつだいがく芸術げいじゅつ学部がくぶ教授きょうじゅ）
開催かいさい期間きかん
- 春はる　2022年ねん4月がつ14日にち（木き）- 5月18日にち（水みず） 34日間にちかん
- 夏なつ　2022年ねん8月がつ5日にち（金かね）- 9月4日にち（日ひ） 31日間にちかん
- 秋あき　2022年ねん9月がつ29日にち（木き）- 11月6日にち（日ひ） 39日間にちかん
会場かいじょう - 高松たかまつ港こう周辺しゅうへん、直島なおしま、豊島としま、女木めぎ島とう、男木おぎ島とう、小豆島あずしま、大島おおしま、犬島いぬじま、沙弥島しゃみじま（春はるのみ）、本島ほんとう（秋あきのみ）、高見島たかみじま（秋あきのみ）、粟島あわしま（秋あきのみ）、伊吹島いぶきじま（秋あきのみ）、宇野うの港こう周辺しゅうへん
来場らいじょう者しゃ - 延のべ約やく72万まん3千せん人にん
コロナ禍かの中なかで開催かいさいされたため、来場らいじょう者しゃが過去かこ最低さいていとなった。また感染かんせん対策たいさくとして、検温けんおんスポットで体温たいおん測定そくていをして、アート作品さくひんへの入場にゅうじょう時じにリストバンドを提示ていじする必要ひつようがあった^[10]。

交通こうつう

瀬戸内せとうち国際こくさい芸術げいじゅつ祭さいの開始かいしを契機けいきに、会場かいじょうとなった各かく島内とうないの交通こうつうアクセス手段しゅだんとして、豊島としまシャトルバス（豊島としま）、小豆島あずしまオリーブバス「瀬戸内せとうち国際こくさい芸術げいじゅつ祭さい線せん」（小豆島しょうどしま）などのシャトルバスが運行うんこう開始かいしされた。