瀬戸内海
概要
700
19
海域
区分
『
『
IHOが定 める範囲
西端 -下関 海峡 において、名護屋 岬 から馬島 と六連島 を通 り村崎 の鼻 に至 る線 。東 端 -紀伊 水道 において、田倉崎 と淡路島 の生石鼻 、同島 の塩崎 と大磯 崎 を結 ぶ線 。南端 -豊後水道 において、佐田 岬 と関崎 を結 ぶ線 (豊予海峡 )。
法令 が定 める範囲
領海 及 び接続 水域 に関 する法律 施行 令 (領海 法 施行 令 )第 1条 - ※
国際 的 にはこの範囲 が瀬戸内海 とみなされる。 - ※
西端 は関門海峡 の西端 である。関門海峡 の全域 と洞海湾 は瀬戸内海 に含 まれる。 瀬戸内海 環境 保全 特別 措置 法 (瀬戸内 法 )第 2条 第 1項 次 に掲 げる直線 及 び陸 岸 によつて囲 まれた海面 並 びにこれに隣接 する海面 であつて政令 で定 めるものをいう。- ※「
政令 」とは次 に挙 げる「瀬戸内海 環境 保全 特別 措置 法 施行 令 」のこと。 - ※
西端 は関門海峡 の最 狭 部 (東 端 に近 い)である。関門海峡 の大 部分 と洞海湾 は一 ~三 の範囲 に含 まれない。 瀬戸内海 環境 保全 特別 措置 法 施行 令 第 1条 - ※
瀬戸内 法 の一 ~三 の範囲 に追加 される。 - ※
豊後水道 北部 と関門海峡 の外側 のかなりの範囲 が瀬戸内海 に含 まれる。 海上 交通 安全 法 施行 令 第 1条 紀伊 日 ノ御 埼灯台 [注釈 4]から蒲生田岬 灯台 [注釈 5]まで引 いた線 及 び佐田 岬 灯台 [注釈 6]から関 埼灯台 [注釈 7]まで引 いた線 - ※
西端 は言及 されていない。 漁業 法 施行 令 第 27条 - ※
瀬戸内 法 の一 ~三 とほとんど同 じ。
生物 相
- ナメクジウオは
海 砂 の採取 事業 が盛 んになった昭和 30年代 から大幅 な減少 を見 せ、昭和 60年 頃 には姿 が確認 されなかった。しかし、1990年代 に再 発見 され、保護 策 の向上 故 か順調 な自然 回復 が見 られ始 めている[9]。 阿波島 はスナメリ自体 よりも、スナメリを利用 したスズキの伝統 漁法 が天然記念物 の指定 対象 となっており、国内 唯一 の鯨 類 関連 の指定 例 である[注釈 11]。なお、2015年 の時点 では、当 漁法 はスナメリの生息 数 減少 故 に廃止 されている。スナメリは瀬戸内海 全域 にて大幅 な減少 が見 られたが、近年 には周防灘 や伊予灘 等 で群 れが確認 されたり、大阪 湾 の関西国際空港 周辺 で個体 数 の増加 が見 られている[注釈 12]。また、岡山 県 の前島 [11]、防予諸島 [12]、下関 市 の三軒屋 海岸 [13]、北九州 市 の藍島 [14]では、本 種 の保護 やイルカウォッチングが施行 されている。鳥類 では特 にカンムリウミスズメが注目 されており、長島 をはじめ現在 でも比較的 広範囲 にて確認 できる。豊富 なアマモも本来 の瀬戸内海 の生態 系 の重要 な一部 であり、1960年代 に20,000ヘクタールを超 す群生 域 (藻 場 )が当 海域 に広 く見 られたが、1978年 の時点 では7,000ヘクタール程度 に減少 。環境 汚染 など様々 な要因 により、その後 の顕著 な増加 は見 られない[15]。近年 、各地 で藻 場 復元 の動 きがあるほか、芸予諸島 には比較的 良好 な分布 が残 されている。- 2015
年 1月 には、新種 であり固有 種 のカタツムリ「アキラマイマイ」が発見 されている[16]。 - ヤシマイシン
近似 種 [17]やセトウチイトカケ[18]など貴重 な貝類 も確認 されており、特筆 すべき事例 として長島 で発見 されて新種 として認定 され、他 に確認 例 も存在 しないナガシマツボが存在 する[19]。 - ホンヤドカリの
仲間 であるエタジマホンヤドカリも、広島 湾 の江田島 で発見 され新種 として認定 されている[20]。 防予諸島 には、世界 最大 級 のニホンアワサンゴの群生 地 が存在 するとされている[21]。
-
ニシナメクジウオ
大型 生物
大型 鯨 類 が過去 に関門海峡 や豊後水道 なども含 めて[25]瀬戸内海 に普遍 的 に回遊 していたことを示唆 させる記録 は多数 存在 し[注釈 16]、たとえばエンゲルベルト・ケンペルも三田尻 付近 で多数 のクジラを見 たと手記 に残 していたり[24][33]、周防灘 や伊予灘 [注釈 17]や別府 湾 などはヒゲクジラ類 にとって育児 海域 になっていたり、広島 県 三原 市 の二 つの無人島 からなる「鯨島 」[注釈 18]はクジラの回遊 によって名付 けられたという説 も存在 する[24][33][34]。前述 の絶滅 危惧 種 [注釈 19]はほぼ消 え去 ったが、たとえば他 種 のクジラならば現在 でも迷入することがあり[注釈 20]、ザトウクジラなど個体 数 の回復 が見 られる種類 が将来 的 に瀬戸内海 への出現 が増加 (回遊 が復活 )する可能 性 がある[25]。現在 でも土佐湾 にてホエールウォッチングの対象 となっているカツオクジラも、芸予諸島 [37][38]や宇和海 [39]などに短期間 定着 した例 がある。土佐湾 や豊後水道 で時折 見 られるハンドウイルカ、ミナミハンドウイルカ、オキゴンドウ等 も稀 に目撃 されている[注釈 21]。源平 合戦 (治 承 ・寿 永 の乱 )の折 、瀬戸内海 を進 むイルカの群 れの進行 方向 を使 って戦績 の吉兆 が占 われたという逸話 も残 っている[32][41]。- 1957
年 、明石海峡 と播磨灘 に夫婦 のシャチが漁業 との軋轢 を考慮 して駆除 されるまで約 2ヶ月 間 定着 しており、雌 が先 に傷 つけられた雄 を庇 う様 な行動 を見 せたために雌 の捕獲 は中止 されたともされている[42]。明治 時代 にも荘内 半島 で本 種 の可能 性 がある座礁 記録 が存在 し、かつて瀬戸内海 にもシャチが頻繁 に進入 していた可能 性 がある[42][34][43][44]。
- ニホンアシカは20
世紀 初頭 まで鳴門海峡 [45]や大阪 湾 [46]や福山 市 や邑久 町 [47]の沿岸 や豊後水道 [48]などを含 む瀬戸内海 の各地 に見 られ[27]、ニホンカワウソも1975年 まで棲息 が確認 されていた[49]。 - アカウミガメやアオウミガメ[50]も
激 しく減少 したが、現在 も回遊 は続 いている。明石 市 の望 海浜 [51]などの産卵 場 が最 も有名 だが、戦前 は瀬戸内海 の各地 にこのような産卵 場 が存在 し、近年 でも大阪 府 沿岸 や淡路島 などでも確認 されている[52]。しかし、定期 的 な繁殖 場 として機能 しているのは依然 明石 沿岸 のみである。オサガメは2002年 や2003年 に発見 されている[注釈 22][54][55][56]。 近年 にも複 数 回 確認 されている大型 魚類 の例 として、クロマグロ[57]、カジキ類 [注釈 23]、大型 のサメ類 [注釈 24]、大型 のエイ類 [注釈 25]などがあり、とくにホシエイおよびナルトビエイ[64]は地球 温暖 化 の影響 からか、周防 大島 などを中心 に瀬戸内海 における生息 数 が増 えているとされる。水島灘 に面 する津 雲 貝塚 からは、縄文 時代 にホオジロザメまたはイタチザメの被害 を受 けた思 われる人骨 が発見 されており[65]、1992年 にもホオジロザメによる人的 被害 が発生 している[59]。
地理
地形
強 い潮流
気候
備讃
主要 な島
主要 な流入 河川
沿岸 主要 都市
橋
航路
長距離 フェリー航路 中距離 フェリー航路 各 島間 航路 本州 四国 間 航路
歴史
先史 時代
新 第 三紀
第 四 紀
またこの
なお、
有史 時代
古代
中世
近世
近代
「瀬戸内海 」という概念 の誕生
「
観光
歌枕 の地
中世 日本 文学 と瀬戸内海
寺社 詣 で
またこの
近代 観光 の目的 地 へ
19
また
バブル経済 と乱 開発
1987
現在 の瀬戸内海 観光
1996
産業
漁業
江戸 以前 の漁業
こうして
瀬戸内海 の漁民 の国外 出漁
家 船
乱獲 と漁業 資源 の減少
カキ、ブリ、
ブランド品
農業
段々畑
出作
柑橘 栽培
このようにして
綿花 栽培
除虫菊 栽培
18
製塩 業
製塩 業 と白砂青松
工業
また
環境 問題
赤潮
1970
1992
瀬戸内海 の栄養 塩 問題
2015
2018
脚注
注釈
- ^
例 えば、2007年 5月 に瀬戸内海 を通過 したハワイの航海 カヌー「ホクレア」のクルーは、公式 報告 の中 で次 のように瀬戸内海 の美 を表現 している。「瀬戸内海 の風景 はまるで夢 の中 のようでした。柔 らかく丸 みを帯 び緑 に覆 われた島 を、私 たちは無数 に通 り過 ぎました。島々 を包 むように波 が立 っています。こんな航海 をこそ私 は夢見 ていたのです。もちろん私 は福岡 も楽 しみましたが、この大 自然 の美 は別格 です。いや、今日 のこの航海 の感動 は、単 なる大 自然 の美 という言葉 ではい表 せないでしょう。」[4] - ^
面積 1万 9,700km2 - ^
面積 2万 1,827km2 - ^ a b
北緯 33度 52分 55秒 ・東経 135度 3分 40秒 - ^ a b
北緯 33度 50分 3秒 ・東経 134度 44分 58秒 - ^ a b
北緯 33度 20分 35秒 ・東経 132度 54秒 - ^ a b
北緯 33度 16分 ・東経 131度 54分 8秒 - ^
北緯 33度 57分 2秒 ・東経 130度 52分 18秒 - ^
北緯 33度 56分 28秒 ・東経 130度 51分 2秒 - ^
近年 は伊勢湾 や大村湾 など、瀬戸内海 以外 にもスナメリの生息 地 として知 られる諸々 の海域 に本 種 の再 定着 が確認 されてきている。 - ^
海 棲哺乳類 関連 としては南西諸島 のジュゴンと本 例 の二 つのみである。 - ^
空港 のターミナルが人工 環礁 として機能 している[10]。 - ^
鯨 類 やニホンアシカ。 - ^
外洋 性 とされることも多 いが沿岸 に棲息 する事例 も少 なくなく、本 種 も瀬戸内海 に回遊 していた可能 性 があるとされる[25][26]。 - ^
瀬戸内海 の各地 に小規模 な捕鯨 会社 が設立 されたこともあった[24]。 - ^
瀬戸内海 や豊後水道 の周辺 には多数 の鯨 類 に関連 する記録 や昔話 や鯨 塚 ・鯨 墓 が残 されており[30]、小規模 な捕鯨 基地 が複数 存在 したり、芸予諸島 には『まんが日本 昔 ばなし』でも紹介 された「くじらのお礼参 り」という民話 や[31]、豊後水道 には「鯨 の背 比 べ」と呼 ばれる、鯨 類 の海面 での繁殖 行動 を連想 させる話 が伝 わっている。古記 録 上 でも大型 のナガスクジラ科 と思 わしき鯨 類 が、渡 し船 上 から度々 目撃 されていたとされる[32]。 - ^
祝島 や小野田 市 の沿岸 など。 - ^
大鯨島 および小 鯨島 - ^ セミクジラとコククジラとナガスクジラ。
- ^
臼杵 市 にはシロナガスクジラと思 わしい漂着 記録 も存在 し[35]、日本 国内 で近代 初 のホッキョククジラの迷入例 は大阪 湾 にて発生 している。ツノシマクジラが新種 として認定 されたのは瀬戸内海 の水域 からほど近 い角島 にてであるだけでなく、新種 として認定 される1年 前 の2002年 には香川 県 の粟島 に座礁 している[36]。また、通常 は深海 性 であるマッコウクジラの確認 も特 に東西 両方 の太平洋 につながる海峡 内部 にてある。 - ^
豊後水道 には現在 、少 なくともハンドウイルカ、ミナミハンドウイルカ、ハセイルカの3種類 が季 節 的 または年間 を通 して定住 していると考 えられており、各々 が時節 瀬戸内海 でも確認 されている[40]。 - ^ 2002
年 の確認 は産卵 との情報 があるが、これまで日本 で唯一 の産卵 の確認 例 は奄美 大島 のみである[53]。 - ^ バショウカジキ[29]やカジキマグロ[58]など。
- ^ ホオジロザメ[59][60]、アオザメ、イタチザメ、シュモクザメ、クロトガリザメ、ヨシキリザメ、ニタリなど[61][62]。
- ^ ホシエイ、マダラトビエイなど[63]。
- ^
周防灘 と伊予灘 の境目 に位置 している[33][24]。 - ^
船 の手前 の二 つの小島 [24]。岡山 県 玉野 市 の無人島 の「くじら島 」とは異 なる。 - ^
所属 は尾道 市 [66]。 - ^
岡山 県 の水島 港 を拠点 とする、JFEスチール西日本 製鉄 所 倉敷 地区 で生産 されるスチールコイル製品 輸送 に使 われているために、新 しく導入 された直後 の鉄道 用 12フィート型 、5トン積 みコンテナ。2008年 5月11日 、倉敷 市 ・東水島 駅 にて。 - ^ ただし、この
時期 の「瀬戸内海 」は明石海峡 から関門海峡 までの海域 を指 していることが多 く、現在 のようなより広 い海域 に「瀬戸内海 」の概念 が拡張 されるには、さらに時間 を要 した。 - ^ この
概念 についてはジョン・アーリを参照 。 - ^
多 島 海 、段々畑 、白砂青松 、行 き交 う和船 など。 - ^
同種 の船 はフィリピンやインドネシアでも見 られる。 - ^
兵庫 県立 農林 水産 技術 総合 センター・水産 技術 センターの反田 実 所長 が実際 に瀬戸内海 の「貧 栄養 化 」に言及 している[96]。
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参考 文献
日下 博幸 、藤 部 文昭 ほか編 『日本 気候 百科 』丸善 出版 、2018年 1月 。ISBN 978-4-621-30243-9。
関連 項目
外部 リンク
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