宮宿みやじゅく

宮宿みやじゅく（みやしゅく、みやじゅく、宮みやの宿やど、熱田あつた宿やど）は、東海道とうかいどう五ご十じゅう三さん次じの41番目ばんめの宿場しゅくばである。中山道なかせんどう垂井たるい宿やどにいたる脇わき街道かいどう・美濃みの路ろ（美濃みの街道かいどう）や佐屋さた街道かいどうとの分岐ぶんき点てんでもあった。一般いっぱんには宮みやの宿やどと呼よばれることが多おおかったが、幕府ばくふや尾張おわり藩はんの公文書こうぶんしょでは熱田あつた宿やどと書かかれている。

歌川うたがわ広重ひろしげ「東海道とうかいどう五ご十じゅう三さん次じ・宮みや」

東海道とうかいどう・七なな里さとの渡わたしと宮宿みやじゅく（熱田あつた宿やど）の位置いち

歌川うたがわ広重ひろしげ「隷書れいしょ東海道とうかいどう・宮みや」

宮みやの渡わたし公園こうえん

概要がいよう

場所ばしょは現在げんざいの愛知あいち県けん名古屋なごや市し熱田あつた区くにあたる。東海道とうかいどうでも最大さいだいの宿場しゅくばであり、1843年ねん（天保てんぽう14年ねん）には本陣ほんじん：2軒けん、脇本わきもと陣じん：1軒けん、旅籠はたご屋や：248軒けんを擁ようし、家数やかず：2924軒けん、人口じんこう：10,342人にんを数かぞえたという。古ふるくからの熱田あつた神宮じんぐうの門前もんぜ町まち、港町みなとちょうでもあり、尾張おわり藩はんにより名古屋なごや城じょう下した、岐阜ぎふと並ならび町奉行まちぶぎょうの管轄かんかつ地ちとされた。

桑名くわな宿やどとは東海道とうかいどう唯一ゆいいつの海路かいろである七なな里さとの渡わたしで結むすばれていた。現在げんざいも、折おりにふれて宮みや～桑名くわな間あいだを遊覧ゆうらん船せんで渡わたる現代げんだい版ばん「七なな里さとの渡わたし」が行おこなわれる。

江戸えど時代じだい中期ちゅうき以降いこうは四日よっか市宿いちじゅくへ直接ちょくせつ渡わたる航路こうろ（十じゅう里さとの渡わたし）もよく利用りようされた。

史跡しせき・みどころ

宮宿みやじゅくのみどころ

• 裁断さいだん橋きょう

  宮宿みやじゅくの東ひがしのはずれ。「都々逸どどいつ発祥はっしょうの地ち」の石碑せきひがある。

• ほうろく地蔵じぞう

  東海道とうかいどうと美濃みの路ろの分岐ぶんき点てんにあり、向むかい側がわには、それを示しめす道標どうひょうが建たつ。

• あつた蓬莱ほうらい軒のき

  うなぎ料理りょうりのひつまぶしで有名ゆうめい。

• 丹羽たんば家か住宅じゅうたく

  かつて江戸えど時代じだいに脇わき本陣ほんじん格かくの旅籠はたごであったという。名古屋なごや市しの市しの有形ゆうけい文化財ぶんかざいである。

• 七なな里さとの渡わたし

  熱田あつた湊みなと常夜燈じょうやとうや時ときの鐘かねなどの江戸えど時代じだいの文化ぶんか遺産いさんがあり、宮みやの渡わたし公園こうえんとして整備せいびされている。

美濃みの路ろ・名古屋なごや宿やどまでのみどころ

現在げんざいの国道こくどう19号ごう・国道こくどう22号ごう（伏見ふしみ通どおり）および本町通ほんちょうどおりが旧きゅう街道かいどうである。

• 熱田あつた神宮じんぐう
• 誓願寺せいがんじ

  源みなもと頼朝よりとも出生しゅっしょう地ちとされる熱田あつた神宮じんぐう大だい宮司ぐうじ藤原ふじわら氏しの別邸べってい跡あとに建たてられた寺院じいん。空襲くうしゅうで焼失しょうしつされるが、山門さんもんと石碑せきひがある。

• 断だん夫おっと山やま古墳こふん
• 熱田あつた神宮じんぐう第だい一いち神門ごうど址し 石碑せきひ
• 佐屋さた街道かいどう道標どうひょう
• 芝居しばい濫觴らんしょう（橘たちばな座ざ）跡あと
• 栄さかえ国こく寺てら

  切支丹きりしたん塚づかがある。

• 大須おおす観音かんのん
• 名古屋なごや市立しりつ宮中きゅうちゅう学校がっこう

  旧きゅう宿場しゅくば周辺しゅうへんで「宮みや」の名称めいしょうを名乗なのる。

浜はま御殿ごてん

尾張おわり藩はんは東海道とうかいどうを往来おうらいする大名だいみょうらを招待しょうたいし供応きょうおうするため、寛永かんえい元年がんねん(1624年ねん)初代しょだい尾張おわり藩はん主おもの徳川とくがわ義直よしなおの命いのちで神戸こうべ(ごうど)の浜はまを埋うめ立たてて出島でじまを造つくり、そこに東浜ひがしはま御殿ごてんを造営ぞうえいした。（「厚あつ覧らん草そう」によれば寛永かんえい11年ねん（1634年ねん）には、三さん代だい将軍しょうぐん徳川とくがわ家光いえみつが上洛じょうらくの際さいに止宿ししゅくした。その敷地しきちは1万まん平方へいほうメートル以上いじょう、海上かいじょう城郭じょうかくの様相ようそうを誇ほこっていたとされ、御殿ごてんは名古屋なごや城じょう本丸ほんまる御殿ごてんに匹敵ひってきする壮麗そうれいな仕様しようであったと考かんがえられている。鯱しゃちをいただいた小しょう天守閣てんしゅかくのような西側にしがわの高楼こうろうは、桑くわ名城めいじょうの天守閣てんしゅかくに対抗たいこうして建造けんぞうされたものという。これを桑名くわな楼ろうと呼よび、東側ひがしがわの楼閣ろうかくを寝ね覚さとし(ねざめ)楼ろうといった。 1654年ねんには七なな里さとの渡わたしの北西ほくせいに西浜にしはま御殿ごてんを築きずいた現在げんざい、その跡あとを見みることはできず、西浜にしはま御殿ごてんがあった白鳥しらとりコミュニティセンター北側きたがわに看板かんばんが立たっているだけである。浜はま御殿ごてんは、2018年ねんに徳川とくがわ林政りんせい史し研究所けんきゅうじょ（東京とうきょう）において詳細しょうさいな間取まどり図ずが発見はっけんされた。東浜ひがしはま御殿ごてんの位置いちは、現在げんざいの内田うちだ町まち付近ふきんであったと推定すいていされる。桑名くわな楼ろうと寝ね覚さとし楼ろうを持もち城郭じょうかくのような構かまえ、西浜にしはま御殿ごてんは平坦へいたんな邸やしきだが内部ないぶの調度ちょうどが豪華ごうかを極きわめていたという。歌川うたがわ広重ひろしげの浮世絵うきよえ「宮みや　熱田あつた濱之はまの鳥居とりい」にも画面がめん左端ひだりはしにその姿すがたが描えがかれている。

また、東浜ひがしはま御殿ごてんの詳細しょうさいな間取まどり図ずが発見はっけんされた事ことから、七なな里さとの渡わたし・大瀬子おおせこ周辺しゅうへん地域ちいきの活性かっせい化かを図はかる為ため、2019年ねんに発足ほっそくした、地元じもとの熱田あつた湊みなとまちづくり協議きょうぎ会かい（宮みやの渡わたし・大瀬子おおせこ地区ちくまちづくり協議きょうぎ会かい）により、東浜ひがしはま御殿ごてんの資料しりょうから東浜ひがしはま御殿ごてんの復元ふくげん3Dイメージが作成さくせいされた。宮みやの渡わたし公園こうえんに東浜ひがしはま御殿ごてんを再現さいげんした、あつた宮宿みやじゅくビジターセンターを設立せつりつしようと言いう動うごきがあり、西浜にしはま御殿ごてんもどうするかも含ふくめ整備せいび計画けいかくが期待きたいされている 。

最寄もより駅えき

• 名古屋なごや市営しえい地下鉄ちかてつ名城線めいじょうせん 熱田あつた神宮じんぐう伝馬てんま町まち駅えき下車げしゃ、徒歩とほで約やく10分ふん。
• 名古屋なごや市営しえいバス 「七なな里さとの渡わたし」バス停ばすてい・「内田橋うちだばし北きた」バス停ばすてい下車げしゃ、徒歩とほで約やく1分ふん。

隣となりの宿やど

東海道とうかいどう

鳴海なるみ宿やど - 宮宿みやじゅく - 桑名くわな宿やど

美濃みの路ろ

宮宿みやじゅく - 名古屋なごや宿やど

佐屋さた街道かいどう

宮宿みやじゅく - 岩塚いわつか宿やど

関連かんれん項目こうもく

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