生体せいたい組織そしき診断しんだん

生体せいたい組織そしき診断しんだん（せいたいそしきしんだん）は、病変びょうへん部位ぶいの組織そしきを採取さいしゅし顕微鏡けんびきょうで病変びょうへん部位ぶいを観察かんさつすることによって、病気びょうきの診断しんだんまたは病変びょうへんの拡大かくだいの程度ていどを調しらべるために有用ゆうような臨床りんしょう検査けんさの一ひとつ。

死者ししゃを解剖かいぼうする病理びょうり診断しんだんを剖検ぼうけん（ぼうけん）というのに対たいし、生体せいたい組織そしき診断しんだんは生体せいたいから検体けんたいを採取さいしゅする方法ほうほうであることから生なま検けん（せいけん）ともいう^[1]。また、生なま検けん組織そしき診み（せいけんそしきしん）^[1]、バイオプシーとも呼よばれる。

採取さいしゅ方法ほうほう

詳細しょうさいは「生なま検けん法ほう」を参照さんしょう

一般いっぱんに内臓ないぞうの場合ばあいは針はりを刺さして組織そしきを採取さいしゅする (needle biopsy) 。針生はりゅう検けんは肺はい・腎臓じんぞう・肝臓かんぞう・前立腺ぜんりつせん・骨髄こつづいなど各かく臓器ぞうきで病気びょうきの診断しんだんのために行おこなわれる。病変びょうへんの採取さいしゅのためにはエコーなどを併用へいようして適切てきせつな部分ぶぶんを採取さいしゅすることも重要じゅうようである（エコー下か針生はりゅう検けん）。骨髄こつづい生せい検けんは骨髄こつづい穿刺せんしを使用しようした細胞さいぼう診みと併用へいようして行おこなう。胃い・大腸だいちょうの組織そしき採取さいしゅは内視鏡ないしきょうを利用りようして行おこなわれる。リンパ節ぶし生せい検けんは炎症えんしょう性せい疾患しっかんや腫瘍しゅようのリンパ節ぶし転移てんいを目的もくてきに行おこなう方法ほうほうで表層ひょうそうのリンパ節ぶしを手術しゅじゅつ手技しゅぎで採取さいしゅして標本ひょうほんを作成さくせいする。皮膚ひふ疾患しっかんでは穴あなの開ひらいたパンチなどで病変びょうへん部ぶを採取さいしゅして標本ひょうほんを作成さくせいする（パンチ生せい検けん）。悪性あくせい黒色こくしょく腫しゅ（ほくろの癌がん）では切除せつじょ範囲はんい決定けっていのためにセンチネルリンパ節ぶし生せい検けんも行おこなわれる。また表層ひょうそうの血管けっかん炎えんの診断しんだんもパンチ生せい検けんが有用ゆうようである。筋肉きんにく疾患しっかんでは皮膚ひふを開ひらき筋肉きんにく組織そしきの一部いちぶを露出ろしゅつさせてから採取さいしゅして標本ひょうほんを作成さくせいする。

標本ひょうほん作製さくせい

得えられた組織そしきをスライス・固定こていする。染色せんしょくはヘマトキシリン・エオシン染色せんしょく（HE染色せんしょく）を行おこなうが、それに合あわせて診断しんだんのために特殊とくしゅ染色せんしょくを追加ついかして行おこなうこともある。腫瘍しゅようの範囲はんい・大おおきさの確定かくていのためには、スライスする部分ぶぶんを多おおくして検査けんさを試こころみる。

組織そしき診断しんだんに使用しようされる用語ようご

特殊とくしゅ染色せんしょくの種類しゅるい

出典しゅってん

^ ^a ^b 田村たむら浩一こういち『図解ずかい入門にゅうもんよくわかる病理びょうり診断しんだん学がくの基本きほんとしくみ』2016年ねん、13頁ぺーじ。