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社説 - Wikipedia

社説しゃせつ

新聞しんぶん掲載けいさいされている解説かいせつ記事きじ

社説しゃせつ(しゃせつ)は、新聞しんぶんなどに掲載けいさいされる論説ろんせつ記事きじひとつで、時事じじのさまざまな問題もんだいたいしゃとしての意見いけん主張しゅちょうかれる。

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概要がいよう

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最新さいしん時事じじ国際こくさい問題もんだいなど、注目ちゅうもくされるニュースなかから毎日まいにち1〜2項目こうもくずつげて、その背景はいけい解説かいせつすると同時どうじしゃ主張しゅちょうかんがえをべる。しゃ論説ろんせつ委員いいんかいで、テーマ選択せんたくやどのような内容ないよう主張しゅちょうとするかを議論ぎろんし、論説ろんせつ委員いいん執筆しっぴつする。論説ろんせつ委員いいんかいやそれにるいする組織そしきのないしゃでは、社長しゃちょう編集へんしゅう幹部かんぶ執筆しっぴつすることがおおい。

社説しゃせつめんもうける媒体ばいたいもあり、見開みひらきの反対はんたいがわめん一般いっぱん大衆たいしゅうからせられた異論いろん反論はんろん特集とくしゅうしたオプ・エドめん配置はいちしたり、媒体ばいたい直接ちょくせつ関係かんけいのない外部がいぶ筆者ひっしゃによる評論ひょうろん記事きじ掲載けいさいしたりすることもある。一面いちめんでの掲載けいさいは、スペインイタリアフランスなどのヨーロッパ各国かっこくおこなわれている。英語えいごけん新聞しんぶんではめずらしく、とく重要じゅうようなニュースがきたときのみ実施じっしされる[1]

社説しゃせつしゃろん中核ちゅうかくすもの[2]であり、通常つうじょう署名しょめいおこなわれることがおおい。『ガーディアン』の論説ろんせつ記者きしゃトム・クラークは「署名しょめいでの掲載けいさいによって、読者どくしゃ筆者ひっしゃではなく記事きじ内容ないよう自体じたい議論ぎろんすることを確実かくじつにする」と主張しゅちょうしている[3]一方いっぽうはら寿雄よしおは1994ねん著書ちょしょで、価値かちかん多様たようする時代じだいに「社会しゃかいてき政策せいさくのうえでいつも論説ろんせつ委員いいん一枚岩いちまいいわのように足並あしなみをそろえるのは不自然ふしぜんであり、かえって危険きけん[4]として社説しゃせつ廃止はいしろんとなえた。

日本にっぽん社説しゃせつ

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全国ぜんこくブロックでは、おおむね毎日まいにち朝刊ちょうかんことなるテーマで2ほん掲載けいさいし、重大じゅうだいニュースがある場合ばあいなどは1ほん大型おおがた社説しゃせつとすることもある。これらの新聞しんぶんしゃ多数たすう論説ろんせつ委員いいんようしており、論説ろんせつ会議かいぎ担当たんとう論説ろんせつ委員いいん社説しゃせつ執筆しっぴつする。

けんでは社説しゃせつらんのないしゃ原則げんそく1ほん掲載けいさいしゃ、2ほん掲載けいさいしゃ掲載けいさいかたちはさまざまである。けんがい海外かいがい話題わだいかんしては、共同通信社きょうどうつうしんしゃ配信はいしんする社説しゃせつ雛形ひながた論説ろんせつ資料しりょう」をそのまま、あるいは一部いちぶ改変かいへんして掲載けいさいするしゃもある[5]。それだけに、地方ちほう通信つうしんしゃから配信はいしんされる社説しゃせつ転用てんようすることへの批判ひはんすくなくない[6]一方いっぽう共同通信きょうどうつうしん論説ろんせつ資料しりょう依存いぞんした社説しゃせつ編集へんしゅうおこなっているしゃ部分ぶぶんてきで、地方ちほう全体ぜんたいてき傾向けいこうとはいえないとする研究けんきゅうもある[6]通信つうしんしゃはニュースの速報そくほうを、新聞しんぶんしゃはそのニュースをけて解説かいせつ論説ろんせつを、という役割やくわり分担ぶんたん必要ひつようとの議論ぎろんふるくからある[よう出典しゅってん]

新聞しんぶんによっては、社説しゃせつ独自どくじ名称めいしょうもちいている場合ばあいもある[7]掲載けいさいめんは2~5めんあたりのページすうわかめん[8]朝日新聞あさひしんぶんのようにオピニオンめんであることがおおい。なかには社説しゃせつ掲載けいさいしていない新聞しんぶんもある[9]

いち法人ほうじん新聞しんぶんしゃ発行はっこうする、一定いってい地域ちいき題字だいじことなる新聞しんぶんにおいても、どういち内容ないよう社説しゃせつ掲載けいさいされている[10]

明治めいじ時代じだいは、読者どくしゃ事実じじつ報道ほうどうよりも主張しゅちょうもとめて新聞しんぶんえら傾向けいこうがあり、知識ちしき階級かいきゅう中心ちゅうしん読者どくしゃそうとしただい新聞しんぶん社長しゃちょう主筆しゅひつねてしゃろん展開てんかいするれいおおかった。福地ふくち源一郎げんいちろう東京日日新聞とうきょうにちにちしんぶん)、福沢ふくさわ諭吉ゆきち時事新報じじしんぽう)、黒岩涙香くろいわるいこうまんあさほう)、徳富とくとみ蘇峰そほう国民こくみん新聞しんぶん)、成島なりしま柳北りゅうほく朝野あさの新聞しんぶん)、りく羯南かつなん日本にっぽん新聞しんぶん)などがそうした言論げんろんじんである。[11]

放送ほうそうメディア 

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放送ほうそうきょく放送ほうそうほうだい1じょうだい2こう放送ほうそう不偏不党ふへんふとう真実しんじつおよ自律じりつ保障ほしょうとこれによる表現ひょうげん自由じゆう確保かくほ)にもとづき、公式こうしきには「社説しゃせつ」ではなく、解説かいせつ委員いいん個々人ここじん意見いけんあつかい。

有名ゆうめい社説しゃせつ 

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Christie Silk (15 June 2009). “Front Page Editorials: a Stylist Change for the Future?”. Editors' Weblog. World Editors' Forum. 1 July 2011閲覧えつらん
  2. ^ 朝倉あさくら、2010ねん、21ページ
  3. ^ Clark, Tom (10 January 2011). “Why do editorials remain anonymous?”. The Guardian. https://www.theguardian.com/commentisfree/2011/jan/10/editorial-leading-article-anonymous 26 May 2018閲覧えつらん 
  4. ^ はら、1994ねん、88ページ。
  5. ^ 朝倉あさくら、2010ねん、41ページ
  6. ^ a b 金子かねこ智樹ともき (2018ねん10がつ20日はつか). “計量けいりょうテキスト分析ぶんせきによる地方紙ちほうし社説しゃせつ独自どくじせい検証けんしょう” (PDF). 日本にっぽんマス・コミュニケーション学会がっかい. 2018ねん10がつ11にち閲覧えつらん
  7. ^ 産経新聞さんけいしんぶんの「主張しゅちょう」、岐阜ぎふ新聞しんぶん論説ろんせつ」など
  8. ^ 産経新聞さんけいしんぶん日経新聞にっけいしんぶんは2めん読売新聞よみうりしんぶんは3めん毎日新聞まいにちしんぶんは5めん掲載けいさい
  9. ^ 週刊しゅうかん読書どくしょじん図書としょ新聞しんぶん夕刊ゆうかんさんじゅうなど
  10. ^ 中日新聞社ちゅうにちしんぶんしゃ中日新聞ちゅうにちしんぶん東京とうきょう新聞しんぶん北國きたぐに新聞しんぶんしゃ北國きたぐに新聞しんぶん富山とやま新聞しんぶん新日本海新聞社しんにほんかいしんぶんしゃ日本海にほんかい新聞しんぶん大阪おおさかにちにち新聞しんぶんなど。
  11. ^ はら、1994ねん、80ページ。
  12. ^ 神戸こうべ新聞しんぶんNEXT|社説しゃせつ 被災ひさいしゃになってかったこと/阪神はんしん淡路あわじ大震災だいしんさい”. 神戸新聞社こうべしんぶんしゃ. 2018ねん10がつ10日とおか閲覧えつらん
  13. ^ 神戸こうべ新聞しんぶんの7日間にちかん
  14. ^ Matthews, Philip (28 April 2018). “Broadsheets and blunders: In defence of getting it wrong”. The Press. https://www.stuff.co.nz/the-press/opinion/102782748/broadsheets-and-blunders-in-defence-of-getting-it-wrong 26 May 2018閲覧えつらん 

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 朝倉あさくら敏夫としお論説ろんせつ入門にゅうもん中央公論ちゅうおうこうろんしんしゃ、2010ねんISBN 978-4-12-150365-7 
  • はら寿雄よしお『ジャーナリズムはわる 新聞しんぶん・テレビ――市民しみん革命かくめい展望てんぼうばんこえしゃ、1994ねんISBN 4-89188-239-5 

関連かんれん項目こうもく

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