突破口とっぱこう!

突破口とっぱこう!
	Charley Varrick
監督かんとく	ドン・シーゲル
脚本きゃくほん	ハワード・ロッドマン; ディーン・リーズナー
原作げんさく	ジョン・H・リース
製作せいさく	ドン・シーゲル
製作せいさく総そう指揮しき	ジェニングス・ラング
出演しゅつえん者しゃ	ウォルター・マッソー
音楽おんがく	ラロ・シフリン
撮影さつえい	マイケル・C・バトラー
編集へんしゅう	フランク・モリス
製作せいさく会社かいしゃ	ユニバーサル・ピクチャーズ
配給はいきゅう	ユニバーサル・ピクチャーズ; ユニバーサル・ピクチャーズ / CIC
公開こうかい	1973年ねん10月19日にち; 1974年ねん6月22日にち
上映じょうえい時間じかん	111分ふん
製作せいさく国こく	アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
言語げんご	英語えいご
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『突破口とっぱこう!』（とっぱこう、原題げんだい：Charley Varrick）は、1973年ねん制作せいさくのアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくのギャング・アクション映画えいが。ジョン・H・リースの犯罪はんざい小説しょうせつThe Looters(1968年ねん)の映画えいが化か、ドン・シーゲル監督かんとく、ウォルター・マッソー主演しゅえん。1973年度ねんど英国えいこくアカデミー賞しょう主演しゅえん男優だんゆう賞しょう受賞じゅしょう^[1]。

あらすじ

チャーリー・ヴァリックはかつて曲芸きょくげい飛行ひこうのパイロットだったが、今いまはニューメキシコ州しゅうの小ちいさな村むらで農薬のうやく散布さんぷの仕事しごとをしている、しがない中なか年男としおとこであるが、彼かれには銀行ぎんこう強盗ごうとうという裏うらの顔かおがあった。といっても、田舎いなかの小ちいさな銀行ぎんこうばかりを狙ねらい、せいぜい1万まんから2万まんドル程度ていどを奪うばうというもので、チャーリーはそれに満足まんぞくしていた。

ある日ひ、彼かれはいつものように、妻つまネイディーン、相棒あいぼうのハーマンともう1人ひとりの仲間なかまと共ともに田舎いなかの小ちいさな銀行ぎんこうを襲撃しゅうげきしたが、この日ひはいつもとは違ちがい、穏便おんびんには済すまなかった。逃亡とうぼう用ようの車くるまで待まっていたネイディーンが警官けいかんと撃うち合あいになり警官けいかんを射殺しゃさつし、彼女かのじょも重傷じゅうしょうを負おってしまい、直後ちょくごに死しんでしまう。チャーリーとハーマンはネイディーンの死体したいを車くるまに放置ほうちしたまま火ひを放はなち、逃にげおおせた。アジトで家いえのトレーラーハウスに、戻もどった2人ふたりは奪うばった金かねが75万まんドルもあることにハーマンは喜よろこぶが、チャーリーは呆然ぼうぜんとする。その金かねはマフィアの隠かくし金きんであり、チャーリーたちは警察けいさつやFBIよりも恐おそろしい存在そんざいを敵てきにしてしまったからだ。

警察けいさつ・FBIとマフィアの両方りょうほうから追おわれる立場たちばとなったチャーリーは、巧たくみに身みをかわし、大金たいきんを持もって高飛たかとびしようとするが、マフィアの放はなった冷酷れいこく非情ひじょうな殺ころし屋やモリーが行動こうどうを開始かいしする。

キャスト

役名やくめい	俳優はいゆう	日本語にほんご吹替
役名やくめい	俳優はいゆう	日本にほんテレビ版はん
チャーリー・ヴァリック	ウォルター・マッソー	左右田そうだ一平いっぺい
モリ―	ジョー・ドン・ベイカー	川合かわい伸しん旺
シビル・フォート	フェリシア・ファー（英語えいご版ばん）	益えき海うみ愛子あいこ
ハーマン・サリバン	アンディ・ロビンソン	富川とみかわ澈夫
ジュエル・エベレット	シェリー・ノース（英語えいご版ばん）
ガーフィンクル	ノーマン・フェル
正直しょうじき者しゃジョン	ベンソン・フォン（英語えいご版ばん）
ハロルド・ヤング	ウッドロー・パーフリー（英語えいご版ばん）
ホートン保安ほあん官かん	ウィリアム・シャラート
ネイディーン・バリック	ジャクリーン・スコット（英語えいご版ばん）
ターフ夫人ふじん	マージョリー・ベネット
少年しょうねん	チャールズ・マッソ―（英語えいご版ばん）	内海うつみ敏彦としひこ
ビバリー	モニカ・ルイス（英語えいご版ばん）
トム	トム・タリー（英語えいご版ばん）
ランドルフ・パーシー	アルバート・ポップウェル（英語えいご版ばん）
ジェシー	キャスリーン・オマリー（英語えいご版ばん）
ジャナ	クリスティナ・ハート
マーフィ	ドン・シーゲル
メイナード・ボイル	ジョン・ヴァーノン	宮川みやがわ洋一よういち
不明ふめいその他た	N/A	峰みね恵めぐみ研けん筈見はずみ純じゅん村松むらまつ康雄やすお
日本語にほんごスタッフ
演出えんしゅつ		長野ながの武二郎たけじろう
翻訳ほんやく		大野おおの隆一りゅういち
効果こうか
調整ちょうせい
制作せいさく		ニュージャパンフィルム
解説かいせつ		水野みずの晴はる郎ろう
初回しょかい放送ほうそう		1976年ねん 10月27日にち『水曜すいようロードショー』

※キングレコードから販売はんばいされていたBDの日本語にほんご吹替には再さい放送ほうそう時じの短縮たんしゅく版ばん（ハーマン・サリバンのセリフ「1日にちに三さん回かいステーキ食くおうと思おもえばそれだって簡単かんたんに出来できるんだ」、「二に人にん乗のれる飛行機ひこうきさえ手てに入はいれば大だい威い張ばりで好すきなところに飛とんで行いけるじゃねぇか」、「た、多分たぶんそうだろ」のセリフがカット、トラックから降おりる際さいのうなずき、モリーの車中しゃちゅうの鼻唄はなうたの部分ぶぶんがカット）が収録しゅうろくされている。2014年ねんにザ・シネマで放映ほうえいされたものはそれらのセリフも存在そんざいする音源おんげんが放送ほうそうされた。^[2]

位置いちづけ・評価ひょうか

それまで雇やとわれの職人しょくにん監督かんとくであったシーゲルが『ダーティハリー2』の依頼いらいを断ことわり、自身じしんのプロダクションを立たち上あげて作つくった作品さくひんである^[3]^[4]。アメリカではクエンティン・タランティーノが『パルプフィクション』の台詞せりふでオマージュを捧ささげている^[5] 。日本にっぽんでも井筒いづつ和幸かずゆき^[6]^[7]^[8]^[9] や岩本いわもと克也かつや^[10]、岡村おかむら尚人なおと、小林こばやし信彦のぶひこと渥美あつみ清きよし^[11]、篠崎しのざき誠まこと、黒沢くろさわ清きよしなどが絶賛ぜっさんしている。

ライムスター宇多うた丸まるも本ほん作さくのファンであり、前述ぜんじゅつの井筒いづつが自身じしんのラジオ番組ばんぐみにゲスト出演しゅつえんした際さいに、高村たかむら薫かおる原作げんさくの井筒いづつ監督かんとく作さく『黄金おうごんを抱だいて翔とべ』に影響えいきょうを与あたえた犯罪はんざい映画えいがの名作めいさく5本ほんに、井筒いづつはサム・ペキンパー『ゲッタウェイ』とジャック・ベッケル『現金げんきんに手てを出だすな』ウォルター・ヒル『ザ・ドライバー』ダリル・デューク『サイレント・パートナー』と共ともに本ほん作さくを挙あげており、2人ふたりはラジオ番組ばんぐみでトークした^[12]。

脚注きゃくちゅう

^ Awards Database - The BAFTA site 1973
^ “突破口とっぱこう!” 2024年ねん1月がつ24日にち閲覧えつらん。
^ DVD『突破口とっぱこう!』DVDパケの裏面りめんの解説かいせつ
^ 伊集院いじゅういん光ひかりの週末しゅうまつTSUTAYAに行いってこれ借かりよう!2013年ねん1月がつ11日にちと2013年ねん1月がつ25日にちゲストの井筒いづつ和幸かずゆきのトークより。https://www.tbs.co.jp/radio/tsutaya/backnumber/20130111.html
^ 町山まちやま智浩ともひろ『狼おおかみたちは天使てんしの匂におい我わが偏愛へんあいのアクション映画えいが1964〜1980 1』洋よう泉いずみ社しゃ、2015。同書どうしょでジョン・フリン『組織そしき』と共ともに本ほん作さくを評論ひょうろん。同書どうしょの町山まちやまの評ひょうによれば本ほん作さくにはアルフレッド・ヒッチコック『北きた北西ほくせいに進路しんろを取とれ』の影響えいきょうが濃こく、また本ほん作さくのタイトルは当初とうしょは劇げき中ちゅうでもセリフで何なん度どか出でてくる『ラスト・オブ・インディぺインデント』であり、『ラスト・オブ・インディぺインデント』は日本語にほんごで言いえば「最後さいごの悪わるあがき」や「最後さいごの一匹狼いっぴきおおかみ」「最後さいごまで抵抗ていこうする」という意味いみであり、本ほん作さくのテーマでもある
^ 井筒いづつ『アメリカの活動かつどう写真しゃしんが先生せんせいだった』小学館しょうがくかん、1998年ねん12月
^ 井筒いづつ『サルに教おしえる映画えいがの話はなし』バジリコ、2005年ねん10月がつ
^ 井筒いづつ『ガキ以上いじょう、愚連隊ぐれんたい未満みまん。』ダイヤモンド社だいやもんどしゃ、2010年ねん5月がつ
^ 井筒いづつ『映画えいがは喧嘩けんかじゃ!』vol.2「とことんやる『突破口とっぱこう』（73年ねん・アメリカ）」https://www.business-plus.net/business/columnist/cat-1/series/386112.shtml
^ 『映画えいが秘宝ひほうEX　究極きゅうきょく決定けってい版ばん映画えいが秘宝ひほうオールタイム・ベスト10』35pで自身じしんのベスト10にシーゲル『ダーティハリー』やジョージ・A・ロメロ『ゾンビ』、ジョン・カーペンター『ニューヨーク1997』スティーヴン・スピルバーグ『ジョーズ』などを挙あげた際さいのアンケートのプロフィールに「自分じぶんを映画えいがファンに変かえたのは『突破口とっぱこう!』『ジャガーノート』『マルセイユ特急とっきゅう』という名画めいが座ざの3本立ほんだてを中ちゅう1の時ときに観みたからだった。」と発言はつげんし、『映画えいが秘宝ひほう』2017年ねん8月がつ号ごうの91pでは本ほん作さくとシーゲル『殺人さつじん者しゃたち』のBDのレビューを書かいている。
^ 小林こばやし信彦のぶひこ『新編しんぺん　われわれはなぜ映画えいが館かんにいるのか』キネマ旬報社きねまじゅんぽうしゃ、2013年ねん。同どう著ちょでシーゲル論ろんやアクション映画えいが論ろんは当然とうぜんとして、渥美あつみと一緒いっしょに試写ししゃ会かいで本ほん作さくを見みた逸話いつわを披露ひろう。
^ ライムスター宇多うだ丸まるのウィークエンド・シャッフルの企画きかく「〈映画えいが駄だ話はなし〜ザ・プレミアム〜〉井筒いづつ和幸かずゆき監督かんとくの〈犯罪はんざい映画えいが〉大好だいすき!」特集とくしゅう。井筒いづつは本ほん作さくと『ゲッタウェイ』を「年としに2、3回かいは見みますね」と発言はつげん。https://www.tbsradio.jp/utamaru/2012/10/24/

外部がいぶリンク

[1] Awards Database - The BAFTA site 1973

[2] “突破口とっぱこう!” 2024年ねん1月がつ24日にち閲覧えつらん。

[3] DVD『突破口とっぱこう!』DVDパケの裏面りめんの解説かいせつ

[4] 伊集院いじゅういん光ひかりの週末しゅうまつTSUTAYAに行いってこれ借かりよう!2013年ねん1月がつ11日にちと2013年ねん1月がつ25日にちゲストの井筒いづつ和幸かずゆきのトークより。https://www.tbs.co.jp/radio/tsutaya/backnumber/20130111.html

[5] 町山まちやま智浩ともひろ『狼おおかみたちは天使てんしの匂におい我わが偏愛へんあいのアクション映画えいが1964〜1980 1』洋よう泉いずみ社しゃ、2015。同書どうしょでジョン・フリン『組織そしき』と共ともに本ほん作さくを評論ひょうろん。同書どうしょの町山まちやまの評ひょうによれば本ほん作さくにはアルフレッド・ヒッチコック『北きた北西ほくせいに進路しんろを取とれ』の影響えいきょうが濃こく、また本ほん作さくのタイトルは当初とうしょは劇げき中ちゅうでもセリフで何なん度どか出でてくる『ラスト・オブ・インディぺインデント』であり、『ラスト・オブ・インディぺインデント』は日本語にほんごで言いえば「最後さいごの悪わるあがき」や「最後さいごの一匹狼いっぴきおおかみ」「最後さいごまで抵抗ていこうする」という意味いみであり、本ほん作さくのテーマでもある

[6] 井筒いづつ『アメリカの活動かつどう写真しゃしんが先生せんせいだった』小学館しょうがくかん、1998年ねん12月

[7] 井筒いづつ『サルに教おしえる映画えいがの話はなし』バジリコ、2005年ねん10月がつ

[8] 井筒いづつ『ガキ以上いじょう、愚連隊ぐれんたい未満みまん。』ダイヤモンド社だいやもんどしゃ、2010年ねん5月がつ

[9] 井筒いづつ『映画えいがは喧嘩けんかじゃ!』vol.2「とことんやる『突破口とっぱこう』（73年ねん・アメリカ）」https://www.business-plus.net/business/columnist/cat-1/series/386112.shtml

[10] 『映画えいが秘宝ひほうEX　究極きゅうきょく決定けってい版ばん映画えいが秘宝ひほうオールタイム・ベスト10』35pで自身じしんのベスト10にシーゲル『ダーティハリー』やジョージ・A・ロメロ『ゾンビ』、ジョン・カーペンター『ニューヨーク1997』スティーヴン・スピルバーグ『ジョーズ』などを挙あげた際さいのアンケートのプロフィールに「自分じぶんを映画えいがファンに変かえたのは『突破口とっぱこう!』『ジャガーノート』『マルセイユ特急とっきゅう』という名画めいが座ざの3本立ほんだてを中ちゅう1の時ときに観みたからだった。」と発言はつげんし、『映画えいが秘宝ひほう』2017年ねん8月がつ号ごうの91pでは本ほん作さくとシーゲル『殺人さつじん者しゃたち』のBDのレビューを書かいている。

[11] 小林こばやし信彦のぶひこ『新編しんぺん　われわれはなぜ映画えいが館かんにいるのか』キネマ旬報社きねまじゅんぽうしゃ、2013年ねん。同どう著ちょでシーゲル論ろんやアクション映画えいが論ろんは当然とうぜんとして、渥美あつみと一緒いっしょに試写ししゃ会かいで本ほん作さくを見みた逸話いつわを披露ひろう。

[12] ライムスター宇多うだ丸まるのウィークエンド・シャッフルの企画きかく「〈映画えいが駄だ話はなし〜ザ・プレミアム〜〉井筒いづつ和幸かずゆき監督かんとくの〈犯罪はんざい映画えいが〉大好だいすき!」特集とくしゅう。井筒いづつは本ほん作さくと『ゲッタウェイ』を「年としに2、3回かいは見みますね」と発言はつげん。https://www.tbsradio.jp/utamaru/2012/10/24/

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Charley Varrick
監督かんとく	ドン・シーゲル
脚本きゃくほん	ハワード・ロッドマンディーン・リーズナー
原作げんさく	ジョン・H・リース
製作せいさく	ドン・シーゲル
製作せいさく総そう指揮しき	ジェニングス・ラング
出演しゅつえん者しゃ	ウォルター・マッソー
音楽おんがく	ラロ・シフリン
撮影さつえい	マイケル・C・バトラー
編集へんしゅう	フランク・モリス
製作せいさく会社かいしゃ	ユニバーサル・ピクチャーズ
配給はいきゅう	ユニバーサル・ピクチャーズユニバーサル・ピクチャーズ / CIC
公開こうかい	1973年ねん 10月19日にち 1974年ねん 6月22日にち
上映じょうえい時間じかん	111分ふん
製作せいさく国こく	アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
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