(Translated by https://www.hiragana.jp/)
水野晴郎 - Wikipedia
Wikipedia

水野みずの晴はる郎ろう

日本にっぽんの映画えいが評論ひょうろん家か・映画えいが監督かんとく・タレント（1931−2008）
曖昧さ回避 この項目こうもくでは、出生しゅっしょう名めいが水野みずの和夫かずおだった人物じんぶつについて説明せつめいしています。出生しゅっしょう名めいが同おなじ経済けいざい学者がくしゃについては「水野みずの和夫かずお」をご覧らんください。

（みずの はるお、1931年ねん〈昭和しょうわ6年ねん〉7月がつ19日にち - 2008年ねん〈平成へいせい20年ねん〉6月がつ10日とおか）は、日本にっぽんの映画えいが評論ひょうろん家か、映画えいが監督かんとく、タレント。倉敷芸術科学大学くらしきげいじゅつかがくだいがく教授きょうじゅ、大阪芸術大学おおさかげいじゅつだいがく客員きゃくいん教授きょうじゅ。

みずの はるお
水野みずの 晴はる郎ろう
本名ほんみょう 山下やました 奉たてまつ大だい（やました ともひろ）
別べつ名義めいぎ 水野みずの 和夫かずお（みずの かずお）（出生しゅっしょう名めい）
MIKE MIZNO
ピーチエンジェル
生年月日せいねんがっぴ (1931-07-19) 1931年ねん7月がつ19日にち
没ぼつ年月日ねんがっぴ (2008-06-10) 2008年ねん6月がつ10日とおか（76歳さい没ぼつ）
出生しゅっしょう地ち 日本の旗 日本にっぽん・岡山おかやま県けん高梁たかはし市し又または満まん洲しゅう国こく
死没しぼつ地ち 日本の旗 日本にっぽん・東京とうきょう都と
職業しょくぎょう 映画えいが評論ひょうろん家か
映画えいが監督かんとく
タレント
大学だいがく教授きょうじゅ
ジャンル サスペンス
ミステリー 他た
活動かつどう期間きかん 1956年ねん - 2008年ねん
活動かつどう内容ないよう 1956年ねん：20世紀せいきフォックス入社にゅうしゃ
1961年ねん：日本にっぽんユナイト映画えいが入社にゅうしゃ
1972年ねん：フリーランスへ。『水曜すいようロードショー』解説かいせつ者しゃ
1983年ねん：参議院さんぎいん議員ぎいん選挙せんきょ出馬しゅつば
1985年ねん：『金曜きんようロードショー』解説かいせつ者しゃ
1991年ねん：「日本にっぽん映画えいが批評ひひょう家か大賞たいしょう」発起ほっき
1996年ねん：初はつ映画えいが監督かんとく作品さくひん『シベリア超ちょう特急とっきゅう』公開こうかい
1997年ねん：『金曜きんようロードショー』降板こうばん
2008年ねん：「水野みずの晴はる郎ろう映画えいが塾じゅく」設立せつりつ
配偶はいぐう者しゃ なし（生涯しょうがい独身どくしん）
主おもな作品さくひん
映画えいが解説かいせつ
『水曜すいようロードショー』
『金曜きんようロードショー』
映画えいが
『シベリア超ちょう特急とっきゅう』シリーズ
備考びこう
実際じっさいには1931年ねん7月がつ17日にち生うまれと本人ほんにんが発言はつげん。
テンプレートを表示ひょうじ

映画えいが監督かんとくとしては（マイク・ミズノ）の名義めいぎを使つかっていた。出生しゅっしょう時じの本名ほんみょうは（みずの かずお）であったが、山下やました奉文ともゆき陸軍りくぐん大将たいしょうへの尊敬そんけいの念ねんと、自みずから製作せいさく・監督かんとくし山下やましたを演えんじた『シベリア超ちょう特急とっきゅう』シリーズへの愛着あいちゃくから、戸籍こせき上じょうの本名ほんみょうを山下やました奉文ともゆきと一文字ひともじ違ちがいの（やました ともひろ）に改名かいめいした[1]。日本にっぽんアカデミー賞しょうの発案はつあん者しゃ[2]。

経歴けいれき

編集へんしゅう

生おい立たち

編集へんしゅう

1931年ねん（昭和しょうわ6年ねん）7月がつ誕生たんじょう。戸籍こせきでは19日にちの生うまれだが、両親りょうしんが「17日にちだったよ」と言いっていたような気きがするとも述のべている。高梁たかはし[3]の生うまれと自著じちょに記しるしているが、父親ちちおやが赴任ふにん先さきの満まん洲しゅうに家族かぞくを呼よんだため岡山おかやまで生うまれたのか満まん洲しゅうで生うまれたのかもはっきりしないと明あかしている[4][5]。少すくなくとも2歳さいからは満まん洲しゅうで、5歳さいからは内うち蒙こうむ古こ、戦争せんそうが激化げきかして再ふたたび満まん洲しゅうへと移うつったが[6]、太平洋戦争たいへいようせんそう後こうは母ははの故郷こきょうである岡山おかやま県けんに引ひき揚あげた。家計かけいを助たすけるべく働はたらいたため旧制きゅうせい中学ちゅうがくに2年ねんしか通かよえておらず、夜間やかん高校こうこう（現在げんざいの岡山おかやま県けん高梁たかはし市立しりつ松山まつやま高等こうとう学校がっこう）に通かよい1952年ねん（昭和しょうわ27年ねん）に卒業そつぎょうした[7]。

高校こうこう卒業そつぎょう後ご、郵便ゆうびん局きょく職員しょくいん（当時とうじは国家こっか公務員こうむいん）となり、「紙幣しへい捌さばきの名人めいじん」と称しょうされていた。[要よう出典しゅってん]

青年せいねん期きには岡山おかやまから大阪おおさか・神戸こうべ市し・姫路ひめじの映画えいが館かんに通かよっていた。この頃ころ、慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがくの通信つうしん課程かていに入学にゅうがく。また郵便ゆうびん局きょくに勤つとめている間あいだの1955年ねん（昭和しょうわ30年ねん）頃ごろに父親ちちおやが感電かんでん事故じこで亡なくなっている[10]。

映画えいが界かいへ

編集へんしゅう

映画えいがとの出会であいは戦後せんごであった[11][12]。太平洋戦争たいへいようせんそう中ちゅうは軍人ぐんじんとして死しぬことを教育きょういくされていた水野みずのは敗戦はいせん後ごの価値かち観かんの変化へんかに戸惑とまどい、アメリカからもたらされた民主みんしゅ主義しゅぎの意味いみを理解りかいできなかった。そのときに出会であったのがアメリカ映画えいがだった。

「民主みんしゅ主義しゅぎというのはこういう面白おもしろい映画えいがをみんなが自由じゆうに撮とれて、みんなが自由じゆうに観みることのできる社会しゃかいなんだ！」そしてこの出会であいは水野みずのの人生じんせいそのものを決きめることになったのであった。

東京とうきょうに出でて淀川よどがわ長治ながはるの「映画えいがの友とも」友ともの会かいに参加さんか。淀川よどがわからは「水みずやっこ」と呼よばれて目めをかけられた。会かいでは日野ひの康一やすいちらと出会であった。

1956年ねん（昭和しょうわ31年ねん）、20世紀せいきフォックス映画えいがにアルバイトとして採用さいようされ、のち正社員せいしゃいんとなって宣伝せんでん部ぶで働はたらいた。5年ねん後ごに日本にっぽんユナイト映画えいがにヘッドハンティングされ宣伝せんでん総そう支配人しはいにんとなった。ユナイト映画えいが在籍ざいせき時じ、ビートルズの主演しゅえん映画えいが『ビートルズがやって来くる ヤァ!ヤァ!ヤァ!』や『史上しじょう最大さいだいの作戦さくせん』『真夜中まよなかのカーボーイ』『夕陽ゆうひのガンマン』、『追想ついそう』、危機きき一いち髪かみを意図いと的てきに誤記ごきした『007/危機きき一発いっぱつ』などの日本語にほんご題だいを考案こうあんしたのは水野みずのだという説せつがある。ただし「危機きき一発いっぱつ」については、1956年ねんの東映とうえい映画えいが『御存ごぞんじ快かい傑すぐる黒くろ頭巾ずきん危機きき一発いっぱつ』があり、以前いぜんから使つかわれていたという意見いけんもある[13]。1972年ねんに独立どくりつ。

この間あいだ、1960年代ねんだいには本名ほんみょうの水野みずの和夫かずお名義めいぎで、また独立どくりつ後ごは水野みずの晴はる郎ろう名義めいぎで、『スクリーン』『キネマ旬報きねまじゅんぽう』『映画えいが評論ひょうろん』などの映画えいが雑誌ざっしに映画えいが評ひょうなどを多数たすう執筆しっぴつした。特とくに『映画えいが評論ひょうろん』では、「娯楽ごらく映画えいが」として批評ひひょうの対象たいしょう外がいだった監督かんとくたち、加藤かとう泰やすしや沢さわ島忠しまちゅう、深作ふかさく欣二きんじらをその活動かつどう初期しょきから高たかく評価ひょうかした[14]。また『スクリーン』には2000年代ねんだい前半ぜんはんごろまで「水野みずの晴はる郎ろう対談たいだん」や「アカデミー賞しょう受賞じゅしょう作さくに見みるアメリカ映画えいがの楽たのしさ」など多数たすうの連載れんさいを持もっていた。

1958年ねん（昭和しょうわ33年ねん）、母親ははおやが心臓しんぞう発作ほっさで亡なくなり、3人にんの弟おとうとと年としの離はなれた妹いもうとを東京とうきょうに引ひき取とる。

1962年ねん（昭和しょうわ37年ねん）に慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがく文学部ぶんがくぶを9年ねんかけて、通信つうしん教育きょういく課程かていを経へて卒業そつぎょう[15]。文学ぶんがく士し[16]。

金曜きんようロードショーの解説かいせつ者しゃとして

編集へんしゅう

独立どくりつ後ごは1972年ねん10月がつ4日にちから、日本にほんテレビ系けいの映画えいが番組ばんぐみ『水曜すいようロードショー』の解説かいせつを担当たんとう。一方いっぽう、自身じしんの会社かいしゃ「インターナショナル・プロモーション」で、アルフレッド・ヒッチコックの『バルカン超ちょう特急とっきゅう』など、ヨーロッパ映画えいがの配給はいきゅうを行おこなった。

番組ばんぐみの中なかで水野みずのが発はっする「いやぁ、映画えいがって本当ほんとうにいいもんですね～」（他たに「面白おもしろいもんですね～」や「素晴すばらしいもんですね～」「楽たのしいもんですね〜」も）というセリフは定着ていちゃくし、お茶ちゃの間あいだの人気にんきを集あつめることとなった。本人ほんにんによれば、『水曜すいようロードショー』で1974年ねん4月がつ3日にちに放送ほうそうした『シェーン』の解説かいせつで使つかったのが最初さいしょで、番組ばんぐみの最後さいごに時間じかんが余あまった際さい「もう一言ひとこと付つけ加くわえて」と担当たんとう者しゃから言いわれ、とっさに出でた言葉ことばがこれだった[17]。

解説かいせつ者しゃに起用きようされたのは、番組ばんぐみプロデューサーによると「クルーカットに口髭くちひげという一目いちもくで覚おぼえられる風貌ふうぼうだったことが採用さいようの決きめ手てになった」とのこと。そのため収録しゅうろく時じは口髭くちひげをメークで強調きょうちょう。当初とうしょはカメラの前まえで極度きょくどに緊張きんちょうしNGを連発れんぱつしていた。本番ほんばん前まえにココアや豆乳とうにゅうを飲のむことで気持きもちを落おち着つかせるなど、慣なれるまでは苦労くろうの連続れんぞくだった。

著作ちょさく『母ははの愛あい そして映画えいがあればこそ―夢ゆめと希望きぼうを追おい続つづけたわが60年ねん』において「世界せかいの警察けいさつを取材しゅざいするために海外かいがいへ渡わたるときは解説かいせつを何なん本ほんかまとめ撮とりしていた」と述のべている。映画えいが評論ひょうろんの仕事しごとで多忙たぼうを極きわめ、時間じかんがなかったことから2本ほんの映画えいがを同時どうじに見みたこともあり、「話はなしの内容ないよう分わかりますか？」と尋たずねられ「2本ほんとも分わかりませんでした」と答こたえている。

また、番組ばんぐみ開始かいし時じはフィルム撮影さつえいだったためNGを出だすとフィルムを廃棄はいきして頭あたまから撮とり直なおしになるので「いつか上手うまくなって一発いっぱつで決きめよう」と意気込いきごんでいたが、そうなる前まえの1978年ねん10月がつに「撮とり直なおしの利きくビデオ撮影さつえいに切きり替かわった」と当時とうじを振ふり返かえっている。

1978年ねんから日本にっぽんアカデミー賞しょうが開催かいさいされるが、同どう賞しょうは水野みずのが「映画えいがの素晴すばらしさをさらに盛もり上あげる祭典さいてん」と発案はつあんし、松竹しょうちく・東宝とうほう・東映とうえいのトップや日本にほんテレビのプロデューサーへ持もち掛かけて準備じゅんびを進すすめていたが、途中とちゅうから電通でんつうが仕切しきることになり、水野みずのは会員かいいんとして投票とうひょうする立場たちばとなった[2]。

1983年ねん6月がつ、初はつの拘束こうそく名簿めいぼ式しき比例ひれい代表だいひょう制せいによる選挙せんきょが行おこなわれた第だい13回かい参議院さんぎいん議員ぎいん通常つうじょう選挙せんきょ比例ひれい代表だいひょう区くに、新自由しんじゆうクラブと社会しゃかい民主みんしゅ連合れんごうが結成けっせいしていた統一とういつ会派かいは「新自由しんじゆうクラブ民主みんしゅ連合れんごう」から名簿めいぼ順位じゅんい第だい3位いで出馬しゅつばしたが、新自由しんじゆうクラブ民主みんしゅ連合れんごうが獲得かくとくしたのが田た英夫ひでおの1議席ぎせきにとどまったため落選らくせんした。

選挙せんきょ出馬しゅつばのため、『水曜すいようロードショー』の解説かいせつを1983年ねん6月がつから降板こうばんしていたが、1985年ねん4月がつに復帰ふっき。担当たんとう番組ばんぐみが『金曜きんようロードショー』に変かわった後のちも1997年ねん3月がつまでのべ24年ねん半はんに渡わたって解説かいせつを続つづけた。

しかし、自身じしんの嗜好しこうに合あわない娯楽ごらく性せいの強つよい日本にっぽん映画えいがを放映ほうえいする傾向けいこうが強つよまり[18]『金曜きんようロードショー』を降板こうばん。解説かいせつを降おりたあとも、日本にほんテレビの深夜しんやの映画えいが番組ばんぐみ『麹こうじ町まち名画めいが座ざ』において、自身じしんの嗜好しこうに沿そった映画えいがを放送ほうそう、「館主かんしゅ」名義めいぎで解説かいせつを5年間ねんかん続つづけた。なお、『シベリア超ちょう特急とっきゅう』の上映じょうえい会かいがアメリカで開ひらかれた際さいに渡米とべいしていた2000年ねんの途中とちゅうからは水野みずのの解説かいせつなしで同どう番組ばんぐみが放送ほうそうされていた。水野みずのはこの間あいだ、雑誌ざっし『スクリーン』の連載れんさい「アカデミー賞しょう受賞じゅしょう作さくにみるアメリカ映画えいがの楽たのしさ」も休載きゅうさいしている。

映画えいが俳優はいゆう挑戦ちょうせんと「シベ超ちょう」シリーズ誕生たんじょう

編集へんしゅう

1992年ねんには日活にっかつの創立そうりつ80周年しゅうねん記念きねん作品さくひん『落陽らくよう』に山下やました奉文ともゆき役やくで映画えいが俳優はいゆうに挑戦ちょうせん。この起用きようは、軍服ぐんぷく姿すがたの水野みずのの風貌ふうぼうが山下やました奉文ともゆきに酷似こくじしていたからであった。これが4年ねん後ごの『シベリア超ちょう特急とっきゅう』に繋つながることになる。2004年ねんの映画えいが『下妻しもづま物語ものがたり』では、「主人公しゅじんこうの白しろ百ひゃく合ごうイチゴがコンビニで水野みずの晴はる郎ろうを見みかける」という設定せっていで本人ほんにん役やくで友情ゆうじょう出演しゅつえんしていた。登場とうじょう時じには『シベリア超ちょう特急とっきゅう』のロゴが大おおきく印刷いんさつされた白しろのスウェットシャツを着きていた。

「ウィズダム」を設立せつりつし、映画えいが評論ひょうろんの仕事しごと以外いがいにもMGMのミュージカル『雲くも流りゅうるるはてに』、カトリーヌ・ドヌーブ主演しゅえん『銀行ぎんこう』など海外かいがい名作めいさく映画えいがの輸入ゆにゅう配給はいきゅう、テレビ番組ばんぐみの製作せいさくを手てがけた。2004年ねんには秋田あきた県けんのシネマコンプレックス・パンテオンシネマズAKiTAをプロデュース。サンテレビの映画えいが番組ばんぐみ『ドリームシアター』においても2006年ねんに体調たいちょう不良ふりょうにより降板こうばんするまで解説かいせつを担当たんとうした。

αあるふぁ-Stationの番組ばんぐみ『CHUMMY TRAIN』では、2003年ねん6月がつ20日はつかに水野みずのが番組ばんぐみゲストに呼よばれたときに収録しゅうろくした「いやぁ、チャミトレって本当ほんとうにいい番組ばんぐみですね〜」というジングルを2020年ねん秋あきまで番組ばんぐみのオープニングで使用しようしていた。

この他ほか、KEEP「水野みずの晴はる郎ろうのDVDで観みる世界せかい名作めいさく映画えいが」やカバヤ食品かばやしょくひん「水野みずの晴はる郎ろうシネマ館かん」など一部いちぶの発売はつばい業者ぎょうしゃによる激げき安やすDVDにおいて、解説かいせつを担当たんとうした[19]。

晩年ばんねん

編集へんしゅう
 
ウィキニュースに関連かんれん記事きじがあります。

晩年ばんねんの2000年代ねんだい前半ぜんはんには体重たいじゅうの増加ぞうかで肝臓かんぞうが悪わるくなっており、骨粗鬆症こつそしょうしょうにもなっていた。2004年ねんに映画えいがの撮影さつえい中ちゅうに背骨せぼねを骨折こっせつしたり、2006年ねん1月がつには吐血とけつして意識いしき不明ふめいになったりしたこともあった。2007年ねん6月がつ29日にち、映画えいがの試写ししゃ室しつで階段かいだんを踏ふみ外はずして転倒てんとうし、2004年ねんと同おなじ箇所かしょを圧迫あっぱく骨折こっせつ。全治ぜんち3か月げつの重傷じゅうしょうを負おい、同年どうねん10月がつにクランクインするはずだった『シベリア超ちょう特急とっきゅう』シリーズ最終さいしゅう作さくの撮影さつえいも延期えんきされた。周囲しゅういが心配しんぱいしていた矢先やさき、同年どうねん12月がつ13日にちに自宅じたくで転倒てんとう。肋骨あばらぼねを折おり、動うごけずにいたところを所属しょぞく事務所じむしょ関係かんけい者しゃに発見はっけんされ、入院にゅういん。2008年ねん4月がつ頃ごろにはペンすら持もてなくなったが、それでもなお口述こうじゅつ筆記ひっきで製作せいさく活動かつどうを続つづけたほか、長年ながねんの夢ゆめであった「水野みずの晴はる郎ろう映画えいが塾じゅく」を立たち上あげた。

2008年ねん6月がつ10日とおか15時じ5分ふん、肝不全かんふぜんで死去しきょ。76歳さい没ぼつ[20]。最後さいごの仕事しごとは江頭えがしら2:50の著書ちょしょ『エィガ批評ひひょう宣言せんげん』の帯おびのコメントであり、最後さいごに観みた映画えいがは『ホット・ファズ -俺おれたちスーパーポリスメン!-』である。生涯しょうがい独身どくしんであり、葬儀そうぎは親族しんぞくで行おこなわれた。7月17日にち、水野みずの自身じしんが創設そうせつした「日本にっぽん映画えいが批評ひひょう家か大賞たいしょう」主催しゅさいの偲しのぶ会かいが品川しながわプリンスホテルにて開催かいさいされた。

シベリア超ちょう特急とっきゅう

編集へんしゅう
詳細しょうさいは「シベリア超ちょう特急とっきゅう」を参照さんしょう

1996年ねんからは『シベリア超ちょう特急とっきゅう』シリーズで映画えいが監督かんとくとしてデビューした。監督かんとく名義めいぎは「MIKE MIZNO」となっている。同どう映画えいがはその奇天烈きてれつな内容ないようから、「シベ超ちょう」の愛称あいしょうで、一部いちぶの映画えいがファンからカルト的てきな人気にんきを得えて大人気だいにんきシリーズとなっている。死去しきょのとき準備じゅんび中ちゅうであった最終さいしゅう作さくは、台本だいほんはできあがっており、シリーズ出演しゅつえん者しゃの西田にしだ和昭かずあきらが何なにかしらの形かたちで完成かんせいさせる意向いこうを示しめしている。

警察けいさつマニアとして

編集へんしゅう

警察けいさつマニアでもあり、国際こくさい警察官けいさつかん協会きょうかいの日本にっぽん支部しぶ会長かいちょうを務つとめていた。アメリカで保安ほあん官かん補ほ（実際じっさいに活動かつどうする執行官しっこうかん）の体験たいけん勤務きんむをしたり、パトロールカーのサイレン音おとを集あつめたレコード『世界せかいのパトカー』をプロデュースし発売はつばいしたこともあった。

警察けいさつ学校がっこうで警官けいかんの昇進しょうしんに関かかわる本格ほんかく的てきな講義こうぎを受うけ持もったり、日本にっぽん各地かくちの警察けいさつ、警察けいさつ大だい学校がっこうで講演こうえんしたこともあった。警察庁けいさつちょう長官ちょうかんからは表彰ひょうしょうを受うけている。本業ほんぎょうの映画えいが解説かいせつにも米国べいこく警察けいさつや司法しほう制度せいどに精通せいつうする一いち面めんが随所ずいしょで発揮はっきされた。

かつては『水曜すいようロードショー』『金曜きんようロードショー』で放送ほうそうされる本編ほんぺんの映画えいがが93分ふん未満みまんで放送ほうそう時間じかんが余あまった際さい、映画えいがとは関係かんけいのない水野みずのの警察けいさつ関係かんけいのコレクションや記念きねん写真しゃしんがミニコーナーとして放送ほうそうされることもあった。

アメリカのパシフィック・ウエスタン大学だいがくより「警察けいさつ学がく博士はかせ」号ごうを授与じゅよされている。ただし、同どう大学だいがくはいわゆるディプロマミルの一種いっしゅである。

なお、日本にっぽんの警察けいさつのパトロールカーが用もちいるパトライトに、アメリカのように散光さんこう式しき警光灯とう（バーライト）を採用さいようするよう提案ていあんしたのは自分じぶんであると水野みずの本人ほんにんが語かたっている。当時とうじ日本にっぽんのパトカーにはルーフの中央ちゅうおうに水平すいへい回転かいてん式しき・筒つつ状じょうの赤色あかいろ警光灯とうがぽつんと取とり付つけてあるだけだったが、水野みずのはアメリカで目めにした大型おおがたの警光灯とうを見みて「これだ」と思おもい、これをかねてから交流こうりゅうのあった警視庁けいしちょうのトップに提案ていあんしたところ採用さいように至いたったという。アメリカでは使用しようできるパトランプの色いろは赤あか・青あお・橙だいだいなど各かく色いろあるが、日本にっぽんでは緊急きんきゅう自動車じどうしゃに関かんする法令ほうれいで赤あかと決きめられていたため、赤色あかいろのまま形状けいじょうだけが同おなじものとされた。

警察けいさつマニアとしての知名度ちめいどから、1978年ねんの東映とうえい映画えいが『多羅尾たらお伴とも内ない』に、警察けいさつ署長しょちょう役やくで出演しゅつえんしたことがある。また、1997年ねんのNHK朝あさの連続れんぞくテレビ小説しょうせつ『あぐり』にも、主人公しゅじんこうのモデルとなった吉行よしゆきあぐりと同おなじ岡山おかやま出身しゅっしんということもあって、これも警察けいさつ署長しょちょう役やくで出演しゅつえんしている。

水野みずのファミリー

編集へんしゅう

水野みずのの弟子でしとして、元もと漫才まんざい師しの西田にしだ和昭かずあき（西田にしだ和晃かずあき、愛称あいしょう「ぼん」）がいる。『シベリア超ちょう特急とっきゅう』シリーズに出演しゅつえんしたほか、公私こうし共どもに水野みずのの片腕かたうでとして重用じゅうようされた。水野みずの晴はる郎ろう事務所じむしょのウェブサイト上じょうに、入浴にゅうよくをともにしている写真しゃしんが掲載けいさいされていたこともあり、おすぎからは「（西田にしだが）まるで恋人こいびとみたい」と言いわれるほどであった。西田にしだは現在げんざいもタレント、喜劇きげき役者やくしゃとして活動かつどうしている。

そのほか占うらない野のしげる、中野なかのダンキチらが水野みずのファミリーの一角いっかくをなす。

著書ちょしょ

編集へんしゅう
  • 『映画えいがのわかる本ほん』（広済堂こうさいどう出版しゅっぱん、1976年ねん）
  • 『いやあ!映画えいがって本当ほんとうにいいもんですね』（渓けい声こえ社しゃ、1977年ねん）
  • 『いやあ!映画えいがって本当ほんとうにいいもんですね（続つづけ）』（渓けい声こえ社しゃ、1977年ねん）
  • 『ザ・お巡まわりさん：世界せかいの警察けいさつ直撃ちょくげき取材しゅざい』（渓けい声こえ社しゃ、1978年ねん）
  • 『映画えいがについて語かたりましょう:水野みずの晴はる郎ろう対談たいだん集しゅう』（近代映画社きんだいえいがしゃ、1978年ねん）
  • 『水曜日すいようびは映画えいがの気分きぶん』（冬樹ふゆき社しゃ、1981年ねん）
  • 徳大寺とくだいじ有恒ありつね・斉藤さいとう忠直ただなお著ちょ、水野みずの晴はる郎ろう監修かんしゅう『パトカー図鑑ずかん：世界せかいの警察けいさつカタログ』（ワールドフォトプレス、1979年ねん）
  • 『わが応援おうえん歌か : 鮮烈せんれつにとらえた警察官けいさつかん・真実しんじつの姿すがた 続つづけ』立花たちばな書房しょぼう、1981年ねん6月がつ1日にち。NDLJP:11975226。 
  • 『アメリカン・ポリス体験たいけん旅行りょこう』早川書房はやかわしょぼう、1981年ねん11月15日にち。NDLJP:11931726。 
  • 『ザ・お巡まわりさん（続つづけ）：第だい一線いっせん警察官けいさつかんへの手紙てがみ』（渓けい声こえ社しゃ、1981年ねん）
  • 『パトカーで駆かけめぐるニューヨークの昼ひると夜よる』近代映画社きんだいえいがしゃ、1982年ねん6月がつ15日にち。NDLJP:11931287。 
  • 『世界せかいの警察けいさつ』（警察けいさつ時報じほう社しゃ、1985年ねん）
  • 『映画えいががいっぱい』（日本テレビ放送網にほんてれびほうそうもう、1985年ねん）
  • 『映画えいががいっぱい. 2』（日本テレビ放送網にほんてれびほうそうもう,1986年ねん）
  • 水野みずの晴はる郎ろうほか『日本にっぽんのスター：インタビュー』（キネマ旬報社きねまじゅんぽうしゃ、1986年ねん）
  • 『世界せかいのお巡まわりさん24時じ』（読売新聞社よみうりしんぶんしゃ、1988年ねん）ISBN 4643881054
  • 『ハリウッド100年ねん』（勁文社しゃ、1990年ねん）ISBN 4766912063
  • 『水野みずの晴はる郎ろうの映画えいが365』（日本テレビ放送網にほんてれびほうそうもう、1990年ねん）ISBN 482039018X
  • 『映画えいがの旅たびはロマンでいっぱい』（ミリオン書房しょぼう、1991年ねん）ISBN 4943948499
  • 『母ははの愛あい、そして映画えいがあればこそ…：夢ゆめと希望きぼうを追おい続つづけたわが六ろく十じゅう年ねん』（近代映画社きんだいえいがしゃ、1991年ねん）ISBN 4764816709
  • 『ビデオで観みる100本ほんの洋画ようが』（PHP研究所けんきゅうじょ、1992年ねん）ISBN 4569535550
  • 『水野みずの晴はる郎ろうのわが映画えいが人生じんせい』（近代きんだい文芸ぶんげい社しゃ、1994年ねん）ISBN 4773331518
  • 『水野みずの晴はる郎ろうと銀幕ぎんまくの花はな々：日本にっぽん映画えいがの大だい女優じょゆうたち』（近代きんだい文芸ぶんげい社しゃ、1996年ねん）ISBN 4773350334
  • 『シベリア超ちょう特急とっきゅう連続れんぞく殺人さつじん事件じけん』（七なな賢けん出版しゅっぱん、1996年ねん）ISBN 4883043142
  • 水野みずの晴はる郎ろう監修かんしゅう『シベリア超ちょう特急とっきゅうファンブック』（ソニー・マガジンズ、2002年ねん）ISBN 4789718875

雑誌ざっし連載れんさい

編集へんしゅう
  • 『イヤ～、警察けいさつってほんとうにいいですネェ』（月刊げっかんラジオライフ、三さん才さいブックス） - 米国べいこくと欧州おうしゅうの警察けいさつへの訪問ほうもん記き。1981年ねん12月がつ号ごうから1982年ねん4月がつ号ごうまでの全ぜん5回かい。

邦題ほうだい・宣伝せんでん担当たんとう作品さくひん

編集へんしゅう

出演しゅつえん

編集へんしゅう

映画えいが

編集へんしゅう

2004年ねん公開こうかいの映画えいが『クレヨンしんちゃん 嵐あらしを呼よぶ!夕陽ゆうひのカスカベボーイズ』においては「マイク」という彼かれをモデルにしたキャラクターが登場とうじょうする。2017年ねん公開こうかいの映画えいが『クレヨンしんちゃん 襲来しゅうらい!!宇宙うちゅう人じんシリリ』でも、同様どうようのキャラクターが街頭がいとうインタビューのシーンで登場とうじょうし、『夕陽ゆうひのカスカベボーイズ』のセリフが一部いちぶ使つかわれた。

バラエティ

編集へんしゅう

ドラマ

編集へんしゅう

ミュージックビデオ

編集へんしゅう

ラジオ

編集へんしゅう

CM

編集へんしゅう

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう
[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく

編集へんしゅう
  1. ^ ※懸賞けんしょうに関かんする告知こくちのため、CMエンドの5秒間びょうかんのみ出演しゅつえん。

出典しゅってん

編集へんしゅう
  1. ^ 日本にっぽん紳士録しんしろく第だい八はち十じゅう版はん
  2. ^ a b 長野ながの辰次たつじ (2009年ねん2月がつ24日にち). “水野みずの晴はる郎ろうの遺作いさく『ギララの逆襲ぎゃくしゅう』岡山おかやま弁べんで語かたった最後さいごの台詞せりふは......”. 深ふか読よみCINEMA コラム【パンドラ映画えいが館かん】Vol.03. 日刊にっかんサイゾー. 2017年ねん9月がつ20日はつか閲覧えつらん。
  3. ^ 1931年ねん当時とうじ、高梁たかはし市しはまだない。
  4. ^ ソニー・マガジンズ 2002, p. 148.
  5. ^ 『日本にっぽん紳士録しんしろく』第だい八はち十じゅう版はんでは出生しゅっしょう地ちが満州まんしゅう。
  6. ^ ソニー・マガジンズ 2002, p. 149.
  7. ^ “校長こうちょう挨拶あいさつ”. 岡山おかやま県けん高梁たかはし市立しりつ松山まつやま高等こうとう学校がっこう. 2021年ねん10月がつ20日はつか閲覧えつらん。
  8. ^ 水野みずの 1991, p. 48.
  9. ^ 水野みずの 1991, p. 213.
  10. ^ 1949年ねん（昭和しょうわ24年ねん）生うまれの妹いもうと[8]が小学校しょうがっこう一いち年ねんの入学にゅうがく直前ちょくぜんのこと[9]。ただし1958年ねん（昭和しょうわ33年ねん）の母ははの死しを小学校しょうがっこう六ろく年ねんの卒業そつぎょう直前ちょくぜんとしており計算けいさんが合あわない。
  11. ^ 早稲田大学わせだだいがく人物じんぶつ研究けんきゅう会かい. “水野みずの晴はる郎ろう　（1998年ねん講演こうえん）”. 2020年ねん11月7日にち閲覧えつらん。
  12. ^ 『水曜日すいようびは映画えいがの気分きぶん』で満まん洲しゅう時代じだいに映画えいが（時代じだい劇げきや戦意せんい高揚こうよう映画えいがなど）を見みたと書かかれている。
  13. ^ 浦崎うらさき浩ひろし實み「映画えいが人じん、逝ゆく 水野みずの晴はる郎ろう」『キネマ旬報きねまじゅんぽう』2008年ねん7月がつ下旬げじゅん号ごう、キネマ旬報社きねまじゅんぽうしゃ
  14. ^ 佐藤さとう忠男ただお、岸川きしかわ真しん編著へんちょ『『映画えいが評論ひょうろん』の時代じだい』（カタログハウス、2003年ねん）
  15. ^ 映画えいが評論ひょうろん家か、水野みずの晴はる郎ろうさん死去しきょ - ウェイバックマシン（2008年ねん6月がつ14日にちアーカイブ分ぶん）
  16. ^ 「慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがく 学位がくい（学士がくし）名称めいしょう」より
  17. ^ スポーツ報知ほうち 2008年ねん6月がつ12日にち付づけ紙面しめん。詳くわしい経緯けいいに関かんしては、1997年ねん頃ごろにスポーツニッポンのインタビューで報ほうじられている
  18. ^ 早稲田大学わせだだいがく人物じんぶつ研究けんきゅう会かい. “水野みずの晴はる郎ろう　（1998年ねん講演こうえん）”. 2020年ねん11月7日にち閲覧えつらん。
  19. ^ カバヤ、水野みずの晴はる郎ろうが選えらんだ洋画ようがを同どう梱こりする「DVD付つきお菓子かし」－洋画ようが1本ほんをすべて収録しゅうろくし、価格かかくは315円えん Impress AV Watch 2004年ねん6月がつ25日にち
  20. ^ 水野みずの晴はる郎ろうさん死去しきょ、映画えいがに情熱じょうねつ捧ささげた生涯しょうがい 日刊にっかんスポーツ、2008年ねん6月がつ11日にち
  21. ^ “怪獣かいじゅう好すきは涙なみだなしに笑わらえない!? ツボを押おさえた怪獣かいじゅうバカ映画えいが『ギララの逆襲ぎゃくしゅう 洞爺湖とうやこサミット危機きき一発いっぱつ』”. マイナビニュース (2008年ねん7月がつ25日にち). 2016年ねん9月がつ7日にち閲覧えつらん。
  22. ^ 水野みずの晴はる郎ろう - オリコンTV出演しゅつえん情報じょうほう

参考さんこう文献ぶんけん

編集へんしゅう
  • 水野みずの晴はる郎ろう『母ははの愛あい、そして映画えいがあればこそ…』近代映画社きんだいえいがしゃ、1991年ねん7月がつ15日にち。 
  • 「水野みずの晴はる郎ろう監督かんとく バイオグラフィック・インタビュー」『シベリア超ちょう特急とっきゅうファンブック』ソニー・マガジンズ、2002年ねん12月27日にち。 

関連かんれん項目こうもく

編集へんしゅう

外部がいぶリンク

編集へんしゅう
  ポータル 映画えいが
プロジェクト 映画えいが
「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=水野みずの晴はる郎ろう&oldid=101213617」から取得しゅとく