籠かご

籠かご（かご、英えい: basket バスケット）とは、（竹たけ、籐とう（とう）、柳やなぎ、針金はりがね などを）編あんで作つくった入いれ物もので、短冊たんざく状じょうないし細ほそい「ヒゴ」状じょうの素材そざいを組くみ合あわせた容器ようきの総称そうしょうである。

概説がいせつ

茎くき状じょうあるいは短冊たんざく状じょうの素材そざいを組くみ合あわせて作つくる。

素材そざい

手近てぢかな植物しょくぶつ性せい素材そざいである籐とう（ラタン）、葦あし、（東洋とうようでは）竹たけや柳やなぎなどの他ほか、馬うまの毛け、鯨くじらひげなどの動物どうぶつ性せい素材そざいも用もちいられ、近代きんだい以降いこうは針金はりがね（金属きんぞく線せん）製せい、鋼はがね線せんをビニールで被覆ひふくしたものや真鍮しんちゅう製せい（被覆ひふく無なし）、ステンレスや銅どう製せい、合成ごうせい樹脂じゅし、熱ねつ可塑かそ性せい樹脂じゅしなどが使用しようされることもある。大量たいりょう生産せいさんする場合ばあいは、不揃ふぞろいになりがちな自然しぜん素材そざいが減へり、合成ごうせい樹脂じゅしや金属きんぞく素材そざいの使用しよう頻度ひんどが上あがる。

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  籐とう（ラタン）製せいのカゴ
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  イトラン、カヤツリグサ、杉すぎ皮かわで編あまれている籠かご（19世紀せいき末すえから20世紀せいき初頭しょとう、ワシントン州しゅう北東ほくとう部ぶマカ族ぞくの籠かご）。
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  竹たけ製せいの籠かご。（バングラデシュ）
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  合成ごうせい樹脂じゅしでできた、スーパーなどの店内てんない用ようの、買かい物ものカゴ

制作せいさく

植物しょくぶつ性せい素材そざいの場合ばあいは、まず茎くきや蔓づるを簡単かんたんに加工かこうしておいてから編あんだり、「へぎ板いた」を作つくっておいてから編あむ方法ほうほうもある。

農園のうえんのある地域ちいきでは籠かごの材料ざいりょうの種類しゅるいも豊富ほうふで（ラタン、温帯おんたい地域ちいきの薄うすい葉はを持もつヤシ科かの植物しょくぶつ、熱帯ねったい地域ちいきの広ひろい葉はを持もつパイナップル科かの植物しょくぶつなど）、籠かご編あみ技術ぎじゅつにも影響えいきょうを与あたえた。材料ざいりょうの種類しゅるいによって籠かご編あみの技法ぎほうは異ことなる。籠かご編あみの技法ぎほうを用もちいて色いろ、材料ざいりょう、大おおきさ、パターン、ディテールなどで自由じゆうに表現ひょうげんでき、芸術げいじゅつ的てきな作品さくひんも制作せいさく可能かのうである。

一般人いっぱんじんが自作じさくすることもできる。入門にゅうもん書しょなどが刊行かんこうされていて、蔓づる、枝えだ、樹皮じゅひ、竹たけ皮がわ、わらや ワイヤーなどの他ほか、 エコクラフトテープ、細ほそく丸まるめた広告こうこくチラシ類るいも材料ざいりょうにできる。

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  籠かご作づくり（1900 - 1910年ねんころ、北米ほくべい、プエブロ、ホピ族ぞく）
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  籠かご作づくり（1915年ねん - 1920年ねん、東ひがしインド）
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  籠かごをつくる女性じょせい（現代げんだい、カンボジア）

用途ようと

籠かごの主おもな用途ようとは、収納しゅうのうや運搬うんぱん用ようの容器ようきであるが、他ほかにもさまざまに用もちいられる。

運搬うんぱん用ようの容器ようき

運搬うんぱんするための容器ようきとしても用もちいられる。

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  籠かごに野菜やさいを満載まんさいし頭あたまにのせて歩あるく女性じょせい。（インド、バンガロールのKRマーケット）
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  カゴと棒ぼうで魚さかなを運はこぶ女性じょせいたち（1915年ねん、日本にっぽん）

収納しゅうのう、整理せいり整頓せいとん

室内しつないや店頭てんとうで、物品ぶっぴんの整理せいり整頓せいとんや収納しゅうのうに使つかわれる。

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  「カゴと六むっつのオレンジ」（フィンセント・ファン・ゴッホ画が）
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  店頭てんとう（店先みせさき）で、商品しょうひんの果物くだものを並ならべておくのに使つかわれているカゴ。（「フルーツバスケット」）

洗濯せんたく道具どうぐ

洗濯せんたくものを入いれるためにも使つかわれる。

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  洗濯せんたく物入ものいれのかご。ランドリー・バスケット。

調理ちょうり道具どうぐ

ふるいとして使つかうこともある。

農具のうぐ

農具のうぐとして収穫しゅうかく物ぶつを収おさめたり、種たねや穀物こくもつの識別しきべつ時じに使つかわれる。家禽かきん類るいを入いれる檻おりのように使つかうこともある。

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  コーヒー豆まめを収穫しゅうかくし籠かごに集あつめる女性じょせい（エチオピア）。
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  左側ひだりがわは家禽かきんを入いれておくための籠かご。（右側みぎがわの浅あさい籠かごはエビ、小しょう魚さかなの販売はんばい用よう）（中国ちゅうごく海南かいなん省しょう海うみ口こう市し)。

漁具ぎょぐ

漁具ぎょぐとして使つかわれることもある。

ペットのベッド

クッションなどを入いれて、ネコやイヌなどのベッドとして用もちいられることもある。

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  犬いぬのベッド
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  ネコとバスケット

宗教しゅうきょう儀式ぎしきの道具どうぐ

宗教しゅうきょう儀式ぎしきに使用しようされることもある。

コレクション

籠かごは実用じつようと見みた目めの美うつくしさの両面りょうめんがあり、コレクションの対象たいしょうともなっている。

歴史れきし

紀元前きげんぜん9千年紀せんねんき、中東ちゅうとうでは籠かご作づくりの技術ぎじゅつを絨毯じゅうたんにも使用しようしていた可能かのう性せいがある。紀元前きげんぜん7千年紀せんねんき、オアシスアメリカで籠かご編あみが行おこなわれていたとされる。。紀元前きげんぜん30世紀せいき、編あみ込こみ技術ぎじゅつは広ひろがっていた。

当初とうしょ、籠かごは保存ほぞんや運搬うんぱん、散乱さんらんしがちな家庭かてい用品ようひんの整理せいりなど多目たもく的てきな用途ようとのためデザインされていた。

地方ちほうの女性じょせいなどが頭あたまの上うえに籠かごをのせて運搬うんぱんすることもある。ギリシア美術びじゅつではこれをカネフォロスと呼よぶ。

材料ざいりょう

ヤシでできた籠かご(手前てまえ)および枝えだでできた籠かご(奥おく)

一般いっぱん的てきな材料ざいりょうを以下いかに示しめす:

• 枝えだ
• トウ
• ヤシ
• 竹たけ
• 藁わら
• 金属きんぞく
• 合成ごうせい樹脂じゅし（プラスチック）
• 炭素たんそ繊維せんい強化きょうかプラスチック

比喩ひゆおよび文学ぶんがく的てき用法ようほう

「to hell in a handbasket 」は「急速きゅうそくに悪化あっかする」ことを意味いみする。語源ごげんは明あきらかにされていない。

「basket 」は「婚こん外子そとこ」の意味いみで主おもにイギリス英語えいごで使用しようされることもある。

脚注きゃくちゅう

関連かんれん項目こうもく

• 虫むしかご
• ゆりかご
• 竹細工たけざいく
• 別府べっぷ竹細工たけざいく
• 竹たけ工芸こうげい技能ぎのう士し
• 網あみ - 金網かなあみ
• バスケット・メーカー文化ぶんか
• 籠かご編あみ
• カネフォロス
• 織物おりもの
• Native American basketry
• Native American basket weavers
• 鯨くじらひげ籠かご

参考さんこう文献ぶんけん

• Zepeda, Ofelia (1995). Ocean Power: Poems from the Desert. ISBN 0-8165-1541-7.

外部がいぶリンク

• "Basket" . Encyclopædia Britannica (英語えいご). Vol. 3 (11th ed.). 1911.
• Baskets at the Wayback Machine (archived 2011-06-28), The Women's Committee of the Philadelphia Museum of Art