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自判 - Wikipedia

はん(じはん)とは、上訴じょうそあつか裁判所さいばんしょ原審げんしん判決はんけつ不当ふとうとして取消とりけしまたは破棄はきしたうえで、差戻さしもどしをすることなく判決はんけつすること。取消とりけしはん破棄はきはんの2種類しゅるいがある。

取消とりけしはん

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民事みんじ訴訟そしょう控訴こうそしん判決はんけつだいいちしん判決はんけつし、あらためて判決はんけつおこなうこと。民事みんじ訴訟そしょうだいいちしんだいしんとも事実じじつしんであるため、取消とりけしはん原則げんそくである。だいいちしん判決はんけつ不当ふとう場合ばあい判決はんけつし(民事みんじ訴訟そしょうほうだい305じょう)、だいいちしん判決はんけつ手続てつづきが違法いほうである場合ばあい判決はんけつさなければならない(どう306じょう)。された場合ばあい裁判所さいばんしょ判断はんだんがなくなるため、はんをする必要ひつようがある(ただし、事件じけんについてさらに審理しんりおこな必要ひつようがある場合ばあいだいいちしんもどすことができる。どうだい308じょう1こう)。だいいちしん判決はんけつうった却下きゃっか場合ばあいだいいちしんもどさなければならないが、事件じけんにつきさらに弁論べんろんをする必要ひつようがない場合ばあいはんできる。

破棄はきはん

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民事みんじ訴訟そしょう上告じょうこくしんおよ刑事けいじ訴訟そしょう控訴こうそしん上告じょうこくしん原審げんしん破棄はきして判決はんけつくだすこと(民事みんじ訴訟そしょうほうだい326じょう刑事けいじ訴訟そしょうほうだい400じょうただがきどうだい413じょうただがき)を破棄はきはんという。

民事みんじ訴訟そしょう

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上告じょうこくしん法律ほうりつしんであるため、条文じょうぶんじょう破棄はき差戻さしもどしが原則げんそくとされ(民事みんじ訴訟そしょうほうだい325じょうこう)、①原審げんしん確定かくていした事実じじつ適法てきほうであるが、原審げんしん法令ほうれい解釈かいしゃくあやまりを理由りゆうげん判決はんけつ破棄はきする場合ばあいであって、さらに事実じじつ審理しんりをする必要ひつようがない場合ばあい民事みんじ訴訟そしょうほうだい326じょうだい1こう)、②裁判さいばんけんがないことを理由りゆうげん判決はんけつ破棄はきし、うったえを却下きゃっかする場合ばあいどう2こう)、破棄はきはんをしなければならない。なお、後者こうしゃ例示れいじ規定きていであり、訴訟そしょう要件ようけん欠如けつじょとう理由りゆううったえを却下きゃっかする場合ばあいなども破棄はきはんるとされる(秋山あきやま幹男みきおほか「コンメンタール民事みんじ訴訟そしょうほうⅥ」393ぺーじ)。

刑事けいじ訴訟そしょう

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刑事けいじ訴訟そしょう控訴こうそしんにおいて破棄はき事由じゆうだい377-382じょうだい383じょう)に該当がいとうする場合ばあい判決はんけつはら判決はんけつ破棄はきしなければならず(だい397じょうだい1こう)、裁判所さいばんしょ取調とりしらべの結果けっか原審げんしん破棄はきしなければ正義せいぎはんする場合ばあいはら判決はんけつ破棄はきすることができる(どうじょうだい2こう)。この場合ばあいただちに判決はんけつをいいわたせる場合ばあいはんすることができる(だい400じょう)。

刑事けいじ訴訟そしょう上告じょうこくしんではだい410じょう破棄はきすべき事由じゆうだい411じょう破棄はき可能かのうである事由じゆう列挙れっきょされており、これに該当がいとうする場合ばあい原審げんしんもどすか移送いそうすることになるが、ただちに判決はんけつくだせる場合ばあいはんもできる(だい413じょう)。

刑事けいじ訴訟そしょうはんれいとしては:

  • 尊属そんぞくころせ重罰じゅうばつ規定きてい違憲いけん判決はんけつ - 尊属そんぞく殺人さつじんざい合憲ごうけんとして懲役ちょうえき3ねん6がつ実刑じっけいとした2しん判決はんけつたいし、違憲いけんとして破棄はきはんおこな懲役ちょうえき2ねん6がつ執行しっこう猶予ゆうよ3ねんとした事例じれい昭和しょうわ48ねん4がつ4にち)
  • 日建にっけん土木どぼく事件じけん - 関与かんよ度合どあいがひく共犯きょうはんたいし、1、2しん死刑しけい判決はんけつ破棄はきはんして無期むき懲役ちょうえき判決はんけつ平成へいせい8ねん9がつ20日はつか
  • 競輪けいりん殺人さつじん事件じけん - 死刑しけい求刑きゅうけいたいして1しん懲役ちょうえき15ねん、2しん死刑しけい判決はんけつ破棄はきはんして無期むき懲役ちょうえき判決はんけつ昭和しょうわ28ねん6がつ4にち
  • はち海事かいじけん - 2破棄はき差戻さしもどしをて、3度目どめ上告じょうこくしん無罪むざい破棄はきはん昭和しょうわ43ねん10がつ25にち
  • 遠藤えんどう事件じけん - 1、2しん執行しっこう猶予ゆうよ有罪ゆうざい判決はんけつ破棄はきし、破棄はきはんにより無罪むざい判決はんけつ平成へいせい元年がんねん4がつ21にち

などが有名ゆうめい最近さいきん裁判さいばんれいでは:

などがある。

条文じょうぶんにおける「はん」の語句ごくについて

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刑事けいじ訴訟そしょうほうにははんという語句ごく存在そんざいしない。民事みんじ訴訟そしょうほうだい326じょう条文じょうぶん見出みだしは「破棄はきはん」とあるが、本文ほんぶんはんという語句ごく使つかわれていない。

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 法律ほうりつがくしょう辞典じてん だい3はん』(有斐閣ゆうひかく、1999ねん

脚注きゃくちゅう

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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