蒲田かまた静しず三さん

蒲田かまた 静しず三さん（かまた せいぞう、1884年ねん - 1966年ねん）は、日本にっぽんの海軍かいぐん軍人ぐんじん（海兵かいへい33期き）。最終さいしゅう階級かいきゅうは海軍かいぐん大佐たいさ。

蒲田かまた 静しず三さん かまた せいぞう
蒲田かまた静しず三さん海軍かいぐん大佐たいさ
生誕せいたん	1884年ねん 日本にっぽん、青森あおもり県けん
死没しぼつ	1966年ねん 日本にっぽん、青森あおもり県けん
所属しょぞく組織そしき	大日本帝国だいにっぽんていこく海軍かいぐん
軍ぐん歴れき	1906 - 1945
最終さいしゅう階級かいきゅう	海軍かいぐん大佐たいさ

初代しょだい駆逐くちく艦長かんちょうを務つとめた一等いっとう駆逐くちく艦かん『神風かみかぜ』

駆逐くちく艦かん・神風かみかぜの初代しょだい駆逐くちく艦長かんちょうを務つとめ、その後ごは第だい11駆逐くちく隊たい司令しれい、第だい15駆逐くちく隊たい司令しれい、1945年ねん8月がつ5日にちからは青森あおもり港湾こうわん警備けいび隊たい司令しれいを務つとめた。

経歴けいれき

1884年ねんに青森あおもり県けんに生うまれ、1905年ねん11月28日にちに海軍兵学校かいぐんへいがっこう第だい33期きで卒業そつぎょう、同期どうきに連合れんごう艦隊かんたい司令しれい長官ちょうかん・豊田とよだ副ふく武ぶがいる。1915年ねんに大尉たいいとして雷かみなり型がた駆逐くちく艦かん・朧おぼろの駆逐くちく艦長かんちょうに着任ちゃくにんした。1917年ねんには駆逐くちく艦かん・アンナン（Annamite）に指揮しき官かんとして乗艦じょうかんし、第だい二に回航かいこう駆逐くちく隊たいに属ぞくして同艦どうかんをポートサイドまで回航かいこう、フランス海軍かいぐんに引ひき渡わたした。

1917年ねん11月8日にち、魚雷ぎょらい攻撃こうげきで損傷そんしょうしイギリス工廠こうしょうで修理しゅうりを行おこなっていた榊さかきが再さい就役しゅうえきすると、その駆逐くちく艦長かんちょうに着任ちゃくにん、1918年ねんに少佐しょうさに昇進しょうしんした。1920年ねんには海風かいふうと山風やまかぜの駆逐くちく艦長かんちょうを兼任けんにんし、1921年ねん12月1日にちからは峯みね風ふうの駆逐くちく艦長かんちょう（心得こころえ）に着任ちゃくにんした。1922年ねん9月がつ20日はつかには神風かみかぜ（第だい一いち駆逐くちく艦かん）の艤装ぎそう員いん長ちょうとなり、竣工しゅんこう後ごは中佐ちゅうさとして神風かみかぜの初代しょだい駆逐くちく艦長かんちょうに着任ちゃくにん。神風かみかぜは竣工しゅんこうと同時どうじに第だい1駆逐くちく隊たいに編入へんにゅうされた。

1924年ねん2月がつ5日にちには第だい11駆逐くちく隊たい司令しれい、12月1日にちからは樅もみ型がた駆逐くちく艦かんの藤ふじ・薄うすき・萩はぎ・蔦つたからなる第だい一いち水雷すいらい戦隊せんたい第だい15駆逐くちく隊たいの司令しれいに着任ちゃくにん。第だい15駆逐くちく隊たい司令しれい在任ざいにん中ちゅうには警備けいび駆逐くちく艦かん「薄すすき」で、後のちに連合れんごう艦隊かんたい参謀さんぼうとなる扇おうぎ一いち登とうと出会であい、蒲田かまた司令しれいは扇おうぎ一いち登とうの語学ごがく力りょくを買かって相手あいて側がわとの交渉こうしょう役やくに指名しめいした。

大だい沽口事件じけん

大正たいしょう15年ねん（1926年ねん）3 月がつ、中国ちゅうごくでは中国ちゅうごく国民こくみん軍ぐんと奉天ほうてん派は軍閥ぐんばつが戦闘せんとうを繰くり返かえしていた。同月どうげつ12日にち、日本にっぽんは奉天ほうてん派はを援護えんごするという名目めいもくで軍艦ぐんかん多数たすうを中国ちゅうごく国民こくみん軍ぐんの駐屯ちゅうとんする天津てんしん大だい沽口に派遣はけんし、陸上りくじょうの中国ちゅうごく国民こくみん軍ぐんに対たいして艦かん砲ほう射撃しゃげきを行おこなった（大だい沽口事件じけん）。この事件じけんで派遣はけんされていた蒲田かまた司令しれいの率ひきいる第だい15駆逐くちく隊たいは中国ちゅうごくの大だい沽沖に停泊ていはくしていたが、大だい沽沖に停泊ていはくしていては迅速じんそくな連絡れんらくができないうえに風波ふうはが強つよいとして、蒲田かまた駆逐くちく隊たい司令しれいは艦隊かんたい司令しれいの許可きょかを待またずに駆逐くちく艦かん藤ふじ、薄すすきからなる艦隊かんたいで大だい沽口への侵入しんにゅうを強行きょうこうした。その遡行そこう中ちゅうに中国ちゅうごく国民こくみん軍ぐんから猛烈もうれつな射撃しゃげきを受うけたため、藤ふじの機銃きじゅうで中国ちゅうごく側がわの陸上りくじょう砲台ほうだいに応戦おうせんして同どう砲台ほうだいを沈黙ちんもくさせた。また、同おなじ青森あおもり県けん出身しゅっしんで軍令ぐんれい部ぶ第だい三さん班長はんちょうであった中村なかむら良三りょうぞう少将しょうしょうも現場げんばに駆かけ付つけた。この戦闘せんとうで藤ふじに座乗ざじょうしていた蒲田かまた司令しれい、主計しゅけい長ちょう、兵へいの3名めいが負傷ふしょうし、中国ちゅうごく国民こくみん軍ぐん側がわでも8名めいの負傷ふしょう者しゃが出でている。　

太平洋戦争たいへいようせんそう

太平洋戦争たいへいようせんそう末期まっきの1945年ねん8月がつ5日にちに青森あおもり港湾こうわん警備けいび隊たいが開ひらけ隊たいされるとその司令しれいとなった。しかし、4日にち後ごの8月がつ9日にちに青森あおもり県けん大湊湾おおみなとわんの大湊おおみなと警備けいび府ふにアメリカ軍ぐんの空母くうぼ艦載かんさい機きが襲来しゅうらい（大湊おおみなと空襲くうしゅう）、碇泊ていはく中ちゅうの艦艇かんていや陸上りくじょう砲台ほうだいから応戦おうせんしたが、敷設ふせつ艦かん・常磐ときわが計けい4発はつの直撃ちょくげき弾だんと4発はつの至近しきん弾だんを受うけ大破たいは、駆逐くちく艦かん・柳やなぎは元もとから損傷そんしょう状態じょうたいでの戦闘せんとうで2機きを撃墜げきついするなど健闘けんとうするが大破たいはする被害ひがいを受うけた。

栄典えいてん

• 1907年ねん（明治めいじ40年ねん）2月がつ12日にち - 正せい八はち位い

参考さんこう文献ぶんけん

• 蒲田かまた静しず三さん、鈴木すずき嘉助かすけ、成田なりた喜代治きよじ、竹森たけもり繁しげる晴はれ『陸奥みちのくの海鳴うみなり: 青森あおもり県けん出身しゅっしん海軍かいぐん士官しかん事績じせき集しゅう』1982年ねん。

関連かんれん項目こうもく

• 神風かみかぜ（駆逐くちく艦かん）
• 扇おうぎ一いち登とう
• 藤ふじ (駆逐くちく艦かん)