『蜂』(はち、希: Σφῆκες, Sphēkes, スペーケス、羅: Vespae)は、古代ギリシアのアリストパネスによるギリシア喜劇の1つ。
扇動政治家クレオーンが好きな父ピロクレオーンと、嫌いな息子ブデリュクレオーン、そしてクレオーン自身を擬した犬(キュオーン)と、対立的な将軍ラケスを擬した犬ラベース等が絡みつつ、アテナイの裁判制度を揶揄する内容となっている。題名は劇中でコロス(合唱隊)役を担う「裁判人の老人たち」の正体が「スズメバチ」であることにちなむ。
紀元前422年のレーナイア祭で上演され、2等になった。優勝はピロニデスの『前披露(プロアゴーン)』、3等はレウコンの『使節たち』だった[1]。
- ^ 『全集2』 岩波 p.343
- ^ 初訳版『蜂』高津春繁訳、弘文堂書房:世界文庫 1941年