(Translated by https://www.hiragana.jp/)
論衡 - Wikipedia

ろん』(ろんこう、繁体字はんたいじ: ろん; 簡体字かんたいじ: 论衡; 拼音: Lùnhéng; ウェードしき: Lun heng)は、中国ちゅうごくこうかん時代じだいおうたかし27ねん - 1世紀せいきすえごろ)があらわしたぜん30かん85へん(うち1へんへんめいのみで散佚さんいつ)から思想しそうしょ評論ひょうろんしょ実証じっしょう主義しゅぎ立場たちばからおうたかし自然しぜん主義しゅぎろんてんろん人間にんげんろん歴史れきしかんなど多岐たき多様たよう事柄ことがらき、一方いっぽう非合理ひごうりてき先哲せんてつ陰陽いんようぎょう思想しそうわざわい異説いせつ迷信めいしんろんとして徹底的てっていてき批判ひはんした。

概要がいよう

編集へんしゅう

なが歳月さいげつあいだしるされたものとかんがえられ、そのため書中しょちゅうでは一貫いっかんせいけているめんもみられるが、虚妄きょもうてき儒学じゅがく尚古しょうこ思想しそう一蹴いっしゅうし、合理ごうりてき物事ものごときわめようとする立場たちば当時とうじ思想しそうとしては大胆だいたんかつ革新かくしんてきなことであった。はん尚古しょうこ思想しそうであるゆえに、かん王室おうしつ絶対ぜったいしている。また、作品さくひんちゅうにはおうたかし自身じしん文章ぶんしょうたいする意見いけんふくまれており、誇張こちょうきらい、真実しんじつをそのまましるすことのできる文章ぶんしょうのぞんでいた。へんじゅつえた時点じてんでは100へんえる構成こうせいであったというが、『こう漢書かんしょ』にげられた時点じてんで85へんとされており[1]、さらにまき15の「招致しょうちへん」44は散逸さんいつしてへんめいつたえるだけとなっている。

おうたかし死後しご本書ほんしょたのは2世紀せいきすえであり、蔡邕くれぐん入手にゅうしゅしてひとかたらうさいとらまきとしたことや、かい太守たいしゅとなったおうあきら同地どうち一本いっぽん発見はっけんしたことによるという[2]

一個人いっこじんによる百科全書ひゃっかぜんしょてき著作ちょさくでありとうだいまでは大著たいちょとして評価ひょうかされてきたが、その記述きじゅつ姿勢しせい孔子こうし孟子もうし批判ひはんてきであるというてんから、そうだい以降いこう無法むほうしょとしてかえりみられなくなった。そのため、本文ほんぶん校訂こうてい十分じゅうぶんにはすすんでおらず、ようやくきよしすえになって部分ぶぶんてき注釈ちゅうしゃくがなされ、中華民国ちゅうかみんこく時代じだいになって詳細しょうさい注釈ちゅうしゃく完備かんびした。1970年代ねんだい中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくでの批林批孔運動うんどうさいには孔子こうし批判ひはんしていた先駆せんくてき思想しそうしょとして評価ひょうかされたという。

構成こうせい

編集へんしゅう
  • 1かん : 逢遇へん1、るいがいへん2、いのちろくへん3、寿ことぶきへん4
  • 2かん : こう偶篇5、いのちへん6、無形むけいへん7、りつせいへん8、よしけんへん9
  • 3かん : 偶会へん10、骨相こっそうへん11、はつ稟篇12、本性ほんしょうへん13、ものぜいへん14、かいへん15
  • 4かん : しょきょへん16、へんきょへん17
  • 5かん : きょへん18、かんきょへん19
  • 6かん : ぶくきょへん20、わざわいきょへん21、りゅうきょへん22、かみなりきょへん23
  • 7かん : みちきょへん24、かたりぞうへん25
  • 8かん : 儒増へん26、げいぞうへん27
  • 9かん : といあなへん28
  • 10かん : かんへん29、とげはじめへん30
  • 11かん : だんてんへん31、せつへん32、こたえ佞篇33
  • 12かん : ほどざいへん34、りょうへん35、しゃ短篇たんぺん36
  • 13かん : 効力こうりょくへん37、べつどおりへん38、ちょうへん39
  • 14かん : じょうとめへん40、さむぬるへん41、譴告へん42
  • 15かん : 変動へんどうへん43、招致しょうちへん44(散逸さんいつ)、あきら雩篇45、じゅんへん46
  • 16かん : らんりゅうへん47、遭虎へん48、しょうちゅうへん49、こうみずへん50
  • 17かん : ゆびみずへん51、おうへん52、へん53
  • 18かん : 自然しぜんへん54、かんるいへん55、ひとしへん56
  • 19かん : せんかんへん57、恢国へん58、けんへん59
  • 20かん : 須頌へん60、佚文いつぶんへん61、ろんへん62
  • 21かん : にせへん63
  • 22かん : きの妖篇64、ていおにへん65
  • 23かん : げんどくへん66、すすきそうへん67、よんいみなへん68、讕時へん69
  • 24かん : そしへん70、卜筮ぼくぜいへん71、べんたたりへん72、なんとしへん73
  • 25かん : つめじゅつへん74、解除かいじょへん75、まつよしへん76、まつりへん77
  • 26かん : じつへん78、へん79
  • 27かん : ていけんへん80
  • 28かん : せいせつへん81、しょかいへん82
  • 29かん : あんしょへん83、たいさくへん84
  • 30かん : へん85 おうたかしみずからのちや著述ちょじゅつたっての姿勢しせいべたもの。

日本語にほんごやく

編集へんしゅう

抄訳しょうやく

編集へんしゅう

全訳ぜんやく

編集へんしゅう
  • 山田やまだ勝美かつみやくろんじょう明治めいじ書院しょいん新釈しんしゃく漢文かんぶん大系たいけい> 1976 ISBN 4-625-57068-9
  • 山田やまだ勝美かつみやくろんちゅう明治めいじ書院しょいん新釈しんしゃく漢文かんぶん大系たいけい> 1979 ISBN 4-625-57069-7
  • 山田やまだ勝美かつみやくろん明治めいじ書院しょいん新釈しんしゃく漢文かんぶん大系たいけい> 1984 ISBN 4-625-57094-8

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう
  1. ^ こう漢書かんしょまき49 おうたかしおうなかちょうみつる列傳れつでんだい39
  2. ^ 大滝おおたき訳注やくちゅう1965 p.231

参考さんこう文献ぶんけん

編集へんしゅう

外部がいぶリンク

編集へんしゅう