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貝殻 - Wikipedia

貝殻かいがら

かいの軟体をつつかた組織そしき

貝殻かいがら(かいがら、seashell)は、かい軟体動物なんたいどうぶつうであし動物どうぶつなど)が外套がいとうまく外面がいめん分泌ぶんぴつするかた組織そしきで、代表だいひょうてき生体せいたい鉱物こうぶつのひとつである。

貝殻かいがら

概要がいよう

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基本きほんてきにはから本体ほんたい炭酸たんさんカルシウムCaCO3結晶けっしょうコンキオリンばれるタンパク質たんぱくしつおもとする物質ぶっしつふく合体がったい)と、キチンしつからがわとからる。貝殻かいがらはトロコフォア幼生ようせいときからせんから分泌ぶんぴつ形成けいせいされ、成長せいちょうとともにあらたな部分ぶぶん外套がいとうまく上皮じょうひから分泌ぶんぴつ付加ふかされながらおおきくなっていく。このため、侵食しんしょくなどでうしなわれないかぎふる部分ぶぶんがそのままのこり、一時いちじてき成長せいちょう停止ていし捕食ほしょくしゃ襲撃しゅうげきこんなど、その個体こたい過去かこ記録きろくされやすい特異とくい器官きかんでもある。また、貝殻かいがら軟体動物なんたいどうぶつ個々ここたね生活せいかつ様式ようしき一部いちぶも、貝殻かいがら形態けいたい如実にょじつしめされていることがおおい。動物どうぶつ本体ほんたいを「軟体」とぶのにたいし、貝殻かいがらを「からたい」とぶことがある。

ヒザラガイるいでは背面はいめんに8からをもち、巻貝まきがいるい、ツノガイるいあたまあしるいでは原則げんそくとして1個いっこ二枚貝にまいがいではそののとおり背面はいめんかれる2まいからをもつ。よく発達はったつしたものでは内部ないぶ動物どうぶつたい全体ぜんたいめて全身ぜんしんよろいのように防御ぼうぎょすることができる。またあたまあしるいでは内部ないぶ体液たいえき排出はいしゅつされた空室くうしつ発達はったつしてぶくろ役割やくわりたし、中性ちゅうせい浮力ふりょく実現じつげんして遊泳ゆうえいたすけており、イカるいではこれが体内たいないうずもれている。しかし進化しんか途上とじょう縮小しゅくしょうし、からだ一部いちぶしかおおわなくなったものや、ナメクジウミウシタコなどのようにてき貝殻かいがらうしなった軟体動物なんたいどうぶつおおい。なかにはカイダコるいのようにメスが産卵さんらんようから形成けいせいするものもあるが、これは特定とくていまくじょうひろがった1つい触手しょくしゅ(いわゆるあし)の上皮じょうひから分泌ぶんぴつされるもので、貝類かいるい外套がいとうまくから分泌ぶんぴつする貝殻かいがらとはあいどうではないとかんがえられている。またサザエなどのフタも貝殻かいがらるが、これはあし背面はいめん上皮じょうひから分泌ぶんぴつされるもので本来ほんらい貝殻かいがらとは別物べつものであり、二枚貝にまいがい片方かたがた相当そうとうするとかんがえるのはあやまりである。

節足動物せっそくどうぶつもん甲殻こうかくつなフジツボカメノテエボシガイなども、それぞれがたちがうが貝殻かいがらのようなからをもつ。これはあたま胸部きょうぶかぶと由来ゆらいする器官きかんから分泌ぶんぴつされる。この器官きかんは、軟体動物なんたいどうぶつ同様どうよう外套がいとうばれるが、どういち起源きげんではなく、相似そうじ器官きかんである。 また、うであしるいとして化石かせきしゅおおられるうであし動物どうぶつもん二枚貝にまいがいさまからつが、その鉱物こうぶつそうリン酸カルシウムりんさんかるしうむ結晶けっしょうからほか軟体動物なんたいどうぶつとはことなりはらおお構造こうぞうつ。

構造こうぞう

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いろいろな二枚貝にまいがい貝殻かいがら
 
オオミヤシロガイ(Tonna galea)のからXせん写真しゃしん

鉱物こうぶつ

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から本体ほんたい炭酸たんさんカルシウムの結晶けっしょうコンキオリン総称そうしょうされるタンパク質たんぱくしつおもとするあいだ基質きしつからなる。その構造こうぞうは、多数たすう結晶けっしょうあいだ基質きしつによってつなわされたもので、結晶けっしょうをレンガに、あいだ基質きしつをレンガを接着せっちゃくするモルタルにたとえると構造こうぞう理解りかいしやすい。炭酸たんさんカルシウムの結晶けっしょう結晶けっしょう構造こうぞうによって、さんぽうあきらけい方解石ほうかいせき(カルサイト:calcite)、はすかたあきらけいアラレせき(アラゴナイト:aragonite)、六方ろっぽうあきらけいファーテルせき(バテライト:vaterite)の3しゅけられるが、ファーテルせき自然しぜんかいにはすくなく、貝殻かいがら利用りようされるのも方解石ほうかいせきアラレせきの2しゅのみである。

からたい構造こうぞう

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貝殻かいがら形成けいせいする結晶けっしょうならかたにもいろいろな種類しゅるいがあり、「~構造こうぞう」という名前なまえ区別くべつされている。このうち方解石ほうかいせきからなるものには海産かいさんしゅりょうばしら構造こうぞう角柱かくちゅう構造こうぞう)や葉状ようじょう構造こうぞうなどがあり、アラレせきからなるものには淡水たんすいしゅりょうばしら構造こうぞう真珠しんじゅ構造こうぞう交差こうさばん構造こうぞう均質きんしつ構造こうぞうなどがある。りょうばしら構造こうぞう多角たかくがた柱状ちゅうじょう結晶けっしょうから表面ひょうめんたいして垂直すいちょくなら構造こうぞう葉状ようじょう構造こうぞう水平すいへい方向ほうこうかさなる構造こうぞう交差こうさばん構造こうぞうななめにかたむいた結晶けっしょうれつがあり、となりれつぎゃく方向ほうこう傾斜けいしゃし、それらが交互こうご連続れんぞくする強度きょうどのある構造こうぞうである[1] 。また真珠しんじゅ構造こうぞう多角たかくがたいたじょうアラレせき結晶けっしょうなんそうにもかさなった、レンガみのような構造こうぞうとなっている。

これらの構造こうぞうかい種類しゅるい貝殻かいがら部位ぶい外面がいめん-内面ないめん中心ちゅうしん-あたりえんなど)によって使つかけられており、いちから複数ふくすうしゅられるのが普通ふつうである。またおな構造こうぞうでもかい種類しゅるいちがえばコンキオリンの粗密そみつなどにもちがいがあり、強度きょうどそのことなる。これらの構造こうぞうから破断はだんめんから観察かんさつすることができる。それぞれの構造こうぞうはある程度ていどそうしているのが一般いっぱんてきで、それぞれのそうはその構造こうぞうから、りょうばしらそう角柱かくちゅうそう)や真珠しんじゅそうなどとばれる。

このように貝殻かいがら結晶けっしょう構造こうぞうあいだ基質きしつ複雑ふくざつ関係かんけいしあって形成けいせいされるため、からしつ系統けいとうによっておおきくことなることもある。非常ひじょうかたくて丈夫じょうぶからもあれば、あいだ基質きしつかこまれたりょうばしらそう角柱かくちゅうそう)のみからなり、うすしつ柔軟じゅうなんなものもある。さんなどで貝殻かいがら炭酸たんさんカルシウムをだつはいすると、からがわあいだ基質きしつのみが溶解ようかいせずにのこるが、基質きしつ割合わりあいたかからでは貝殻かいがら原形げんけいがほぼそのままのこることがあり、ぎゃくにアルカリをもちいた場合ばあいには、基質きしつけてから部分ぶぶんてきにばらばらになってしまうこともある。

からがわ

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からがわから外側そとがわおおキチンしつ薄膜うすまくで、しゅとして結晶けっしょう形成けいせいさい支持しじ環境かんきょう水中すいちゅうへの溶解ようかい防止ぼうし役割やくわりをもつ。とくから縁辺えんぺんでの拡大かくだい成長せいちょうにおけるからがわ機能きのう重要じゅうようで、からがわえん内側うちがわみ、これと外套がいとうまく縁辺えんぺんがかみって環境かんきょうすいから隔離かくりされた微細びさい小室こむろ形成けいせいし、イオン環境かんきょうがコントロールされたこのなかで、結晶けっしょう成長せいちょうこる。

しかしなかにはそれにまらず、からがわ様々さまざま変化へんかしてじょうひだじょうになってから本体ほんたい概観がいかん変化へんかさせているものもある。このような種類しゅるいでは、からがわのあるものとからがわ除去じょきょしたものとの外見がいけんおおきくことなることがあり、たとえばカコボラは肉質にくしつ質感しつかんむくじゃらなからをもつが、からがわのぞくとふとうねのあるからあらわれ、イモガイではあつからがわのぞくとあざやかな色彩しきさいあらわれるものがある。またタニシカワニナなど淡水たんすい貝類かいるいにはから本体ほんたい白色はくしょく淡色たんしょくのものもおおいが、丈夫じょうぶからがわとその表面ひょうめん付着ふちゃくした酸化さんかぶつとでくろえる。

からがわ修復しゅうふくできないため時間じかんととも剥離はくりしたり脱落だつらくすることもおおく、からがわうしなわれた貝殻かいがらは(とく環境かんきょう水中すいちゅうにカルシウムイオンのとぼしい淡水たんすい貝類かいるいいちじるしい現象げんしょうだが)表面ひょうめんから溶解ようかい侵食しんしょくするが、通常つうじょう内側うちがわ外套がいとうまくからつねあらたな炭酸たんさんカルシウムそう付加ふかされるため、軟体うち臓嚢が露出ろしゅつしたり、から自体じたいえてなくなることはない。

タカラガイマクラガイコゴメガイなどはからがわがない。成長せいちょう途中とちゅうではうすからがわっているはずだがすぐにうしなわれ、わってすべりそう形成けいせいされ、光沢こうたく表面ひょうめんになる。

有機ゆうきしつそう

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一部いちぶ貝類かいるいは、貝殻かいがら内部ないぶ有機ゆうきしつそうつ(ミクロなコンキオリンとことなり肉眼にくがん視認しにんできるマクロ構造こうぞうである)。イシガイカワシンジュガイなど淡水たんすい・汽水せい二枚貝にまいがいおおいが、クチベニガイなどうみせいしゅにもられる。すすきそう侵食しんしょくてき水質すいしつ環境かんきょうたいする補強ほきょう外敵がいてきから防御ぼうぎょになっている。

彫刻ちょうこく

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貝殻かいがら表面ひょうめん凹凸おうとつ構造こうぞう彫刻ちょうこくぶ。せんじょう彫刻ちょうこくあばら(ろく)とばれる。

二枚貝にまいがいあばらは、からえん平行へいこうあばらきょうしんえんあばら)と、からいただきから放射状ほうしゃじょうびる放射ほうしゃあばら代表だいひょうてきである。これらがとも形成けいせいされ格子こうしじょうとなることもおおい。このほか、ななめのはすあばら放射ほうしゃあばら分岐ぶんきする分岐ぶんきあばら放射ほうしゃあばらるがからえんつね直角ちょっかく直交ちょっこうあばらなどがある。

巻貝まきがいあばらには、螺旋らせん沿ったにしあばらと、螺旋らせん垂直すいちょく貝殻かいがら全体ぜんたいたいたてびるたてあばらがある。二枚貝にまいがいあばら放射ほうしゃあばら同様どうようとも形成けいせいされ格子こうしじょうとなることもおおい。

おおくのかいとげがある。とげには、捕食ほしょくしゃたいする防御ぼうぎょと、からきを安定あんていさせるという役割やくわりがある。

とげは、成長せいちょう途中とちゅうからこうえん一部いちぶ急激きゅうげき伸張しんちょうしてからふたたじることで形成けいせいされる。

貝殻かいがら原則げんそくとして、それまでの貝殻かいがら付加ふかして成長せいちょうするため、かたちたもったまま(相似そうじなまま)成長せいちょうできるかたちかぎられる。おおくの貝殻かいがら対数たいすう螺旋らせんる。

典型てんけいてき対数たいすう螺旋らせん巻貝まきがいられるが、あしるいからきのゆるい螺旋らせんである。たんいたるいからは、たけみじか螺旋らせんである。二枚貝にまいがいは、そのような螺旋らせんが2まいわさっている。

しかし螺旋らせんでない貝殻かいがらもある。

  • ウキヅノウキツボ絶滅ぜつめつしたチョッカクガイなどは、まっすぐな円錐えんすいじょうである。ただしこれは、あしるいのようなゆるい螺旋らせんおおきなちがいはない。
  • 絶滅ぜつめつした異常いじょうきアンモナイトは、普通ふつう貝殻かいがらが1種類しゅるいしかとらないきのパラメータが規則きそくてき変化へんかし、複雑ふくざつかたちる。
  • つばさがたるいカキ仲間なかま)などの固着こちゃくせいかいは、付着ふちゃく対象たいしょう凹凸おうとつ沿って成長せいちょうするため、たねとしてさだまったかたちない不定ふていがたである。

また、それ以上いじょう成長せいちょうする必要ひつようのない成長せいちょう最終さいしゅう段階だんかいで、螺旋らせんからはずれた成長せいちょうをするかいもある。おおくはタカラガイのように、外敵がいてきそなえるためにからこうせばめる。

さい吸収きゅうしゅう

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貝殻かいがら基本きほんてき付加ふかでのみ成長せいちょうするが、おも巻貝まきがいで、一部いちぶさい吸収きゅうしゅうされることがある。

  • 巻貝まきがいとげは、から成長せいちょう一周いっしゅうしてそのうえあらたなから形成けいせいされると、さい吸収きゅうしゅうされる。
  • ニシキウズガイうえアッキガイは、内部ないぶになったから表面ひょうめん彫刻ちょうこくさい吸収きゅうしゅうする。
  • イシダタミぞくアマオブネガイぞくは、からこうじょう突起とっきがあるが、つね前方ぜんぽう成長せいちょうしながら後方こうほうさい吸収きゅうしゅうされている。ただし、成長せいちょう最終さいしゅう段階だんかいにのみじょう突起とっき形成けいせいするかいもいる。
  • から内部ないぶ内壁ないへきには外壁がいへきほどのあつみは必要ひつようないので、イモガイマクラガイではさい吸収きゅうしゅうしてうすくする。アマオブネガイヤマキサゴでは内部ないぶ完全かんぜんさい吸収きゅうしゅうされ、貝殻かいがらなかはひとつながりの大部屋おおべやになっており、動物どうぶつたい(軟体)も螺旋らせんじょうではない。
  • たかかいにはからいただき脱落だつらくさせるものがいるが、この脱落だつらく直接ちょくせつ間接かんせつさい吸収きゅうしゅうによってこされている。

形成けいせい

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分泌ぶんぴつ

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貝殻かいがら成長せいちょうは、その外縁がいえんあらたなから付加ふかされてからおおきくなる成長せいちょうと、から内側うちがわ全体ぜんたいからそう付加ふかされてあつくなる成長せいちょうとにけられ、前者ぜんしゃ外套がいとうまくえん上皮じょうひ細胞さいぼうから、後者こうしゃ外套がいとうまく全体ぜんたいからの分泌ぶんぴつぶつによって形成けいせいされる。このうち前者ぜんしゃ外套がいとうまくえんによる成長せいちょうは、そのままでは分泌ぶんぴつぶつ外部がいぶ環境かんきょうみず流失りゅうしつしてしまうため、先端せんたんではまず外套がいとうまくえんひだないからがわ形成けいせいし、できたからがわ外套がいとうまく外界がいかいから遮断しゃだんされた空隙くうげきをつくり、その内部ないぶをカルシウムイオンと炭酸たんさんイオンの過飽和かほうわ状態じょうたいそとえきたし、既存きそんから炭酸たんさんカルシウムの結晶けっしょう付加ふかしながらから成長せいちょうさせる。

結晶けっしょう

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りょうばしらそう真珠しんじゅそうなど様々さまざま構造こうぞうができるのは、前述ぜんじゅつのコンキオリンと総称そうしょうされる基質きしつ結晶けっしょう成長せいちょう制御せいぎょしているためだとかんがえられている。たとえば真珠しんじゅそうでは、結晶けっしょう上下じょうげ仕切しき水平すいへい層間そうかん基質きしつ(sheet)と左右さゆう垂直すいちょく仕切しき結晶けっしょうあいだ基質きしつ(wall)があり、りょうばしらそうにもはしらあいだ仕切しき基質きしつがあって、それぞれが結晶けっしょう阻害そがいするバリアとなることで結晶けっしょう成長せいちょう方向ほうこう構造こうぞうめている。また反対はんたい薄膜うすまく(envelope)とばれるタンパクは仕切しきない結晶けっしょう促進そくしんするはたらきをもつ。構造こうぞうこうではこれらのあいだ基質きしつをレンガを接着せっちゃくするモルタルにたとえたが、貝殻かいがら形成けいせい過程かていでは接着せっちゃくざいというより、むしろ製氷せいひょうさら仕切しきりのようにはたらき、その内側うちがわ薄膜うすまく誘導ゆうどうされたカルシウムイオンと炭酸たんさんイオンとが結晶けっしょうして様々さまざま構造こうぞう形成けいせいされる。

炭酸たんさんしお補償ほしょう深度しんど

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貝殻かいがら成分せいぶんである炭酸たんさんカルシウムは、深海しんかいのような低温ていおんだかあつ条件下じょうけんかでは固体こたいかたち存在そんざい出来できなくなることがられている。つまりあるふかさよりふかいところでは貝殻かいがらけてしまう。このふかさのことを炭酸たんさんしお補償ほしょう深度しんど (Carbonate Compensation Depth :CCD) とぶ。これは海域かいいきごとの温度おんどやイオン濃度のうどによってことなるが、たとえば太平洋たいへいようではやく4000mとわれる。ところがそれ以深の海域かいいきでも貝殻かいがら貝類かいるい発見はっけんされているれいがある。たとえば三陸さんりくおき水深すいしん7300-7400mではラクハナシガイが多数たすう生息せいそくしているのが発見はっけんされた。このかいからがごくうすく、内部ないぶけてえるほどであったという。また5500-6500mの湧水わきみずいきではナギナタシロウリガイが発見はっけんされ、このかいではしっかりしたかたあつからっていたものの、もっともふる部分ぶぶんはやはりけていたという。このかいから保持ほじつづけている仕組しくみはいま不明ふめいである[1]

貝殻かいがらにはいろいろな色彩しきさい模様もようつものもおおいが、それらは色素しきそによるものと構造こうぞうしょくとにけられる。

前者ぜんしゃ多様たよう物質ぶっしつからなる生体せいたい色素しきそ(biochromes)の一種いっしゅで、から形成けいせい外套がいとうまくえんせんから分泌ぶんぴつされる。これらの色素しきそおおくはコンキオリンと緊密きんみつ結合けつごうしているために分離ぶんりむずかしいとされ、色素しきそ本体ほんたいについての研究けんきゅうすくない。コンクパール(ピンクパール)でられるピンクガイのピンクいろなど、一部いちぶいろポルフィリンであるともわれるが、ポルフィリン自体じたいがあまりに多様たようなものであるため、ほとんど説明せつめいになっていないとの指摘してきもある。

また、から外面がいめんにある色彩しきさい保護ほごしょくであるとかんがえられるものもあるが、巻貝まきがいにはさきのピンクガイのようにから口内こうないめんあざやかないろいろどられるものもすくなくない。これらの色彩しきさいかいきているときには外部がいぶからほとんどることができず、二枚貝にまいがいから内面ないめん色彩しきさいはなおさらえないため、生物せいぶつ視覚しかくたいするものとはかんがえられない。このようなれいでは色彩しきさい自体じたいには意味いみはなく、生体せいたい防御ぼうぎょ物質ぶっしつなどの分泌ぶんぴつがあり、その結果けっかとしていろいてしまうのではないかとの推定すいていもある。

構造こうぞうしょく

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構造こうぞうしょく真珠しんじゅなどにられるななしょく色彩しきさいで、これは水平すいへいなんじゅうにもかさなった結晶けっしょう層間そうかん反射はんしゃしたひかりたがいに干渉かんしょうすることであらわれるが、個々ここ結晶けっしょう自体じたい原則げんそくとして無色むしょく透明とうめいである。ただ真珠しんじゅそう構成こうせいする基質きしつ種々しゅじゅ色素しきそがあったり、結晶けっしょう構造こうぞう微細びさいちがいや微量びりょう物質ぶっしつ含有がんゆうなどにより様々さまざまいろ真珠しんじゅそう出来上できあがる。真珠しんじゅそうは、ほとんどのかいではから内面ないめん形成けいせいされるため、せい外部がいぶからえない。

また巻貝まきがいではオキナエビスアワビサザエなどの腹足類ふくそくるい真珠しんじゅそうがよく発達はったつするが、比較的ひかくてきあたらしい系統けいとうではほとんど発達はったつせず、二枚貝にまいがいでも比較的ひかくてきふるいとされるキララガイやアコヤガイ、淡水たんすいのイシガイなどによくられる構造こうぞうである。真珠しんじゅそう形成けいせい構造こうぞうより時間じかんがかかるため、比較的ひかくてき寿命じゅみょうながいものに発達はったつするのではないかというせつもあるが、かならずしも一致いっちしないれいおおい。

から退化たいか

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タコイカひとしあたまあしるいは、原始げんしてきしゅであるオウムガイ絶滅ぜつめつしたアンモナイト直角ちょっかくかいるいなどのように元来がんらい発達はったつした貝殻かいがらっていたが退化たいかさせたものとかんがえられている。腹足類ふくそくるい巻貝まきがい)でもウミウシナメクジひとしから退化たいか複数ふくすうぐんられる。強固きょうこから捕食ほしょくしゃ脅威きょういから軟弱なんじゃくまもるシェルターだが、同時どうじ運動うんどうせいめんや、形成けいせいにもすくなからぬリソースを必要ひつようとする、生活せいかつじょう重荷おもにでもある現実げんじつうかがえる。

一方いっぽう巻貝まきがいとは対照たいしょうてき二枚貝にまいがいるいではから退化たいか傾向けいこうとぼしい。二枚貝にまいがい体制たいせいは、から内側うちがわ内臓ないぞう器官きかんつつ外皮がいひ外套がいとうまく1まいしかいなどぎゃくから以外いがい退化たいか傾向けいこういちじるしく、半身はんしんからそとして活動かつどうする巻貝まきがいやオウムガイとうくらべ、から内側うちがわ生活せいかつ完結かんけつさせる形態けいたい特殊とくしゅが、はや段階だんかいすすんだものとかんがえられる。

観察かんさつ

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貝殻かいがらきたかい状態じょうたいではその表面ひょうめん模様もようがあるが、海岸かいがんひろうものは模様もようくなっている場合ばあいおおい。これは、んでながされるうちに、表面ひょうめん他物たぶつ摩擦まさつしてけずられるためでもあるが、成分せいぶん海水かいすい浸食しんしょくされるためでもある。また、きた状態じょうたいかいでも、その表面ひょうめん腐食ふしょくしたり、破損はそんしたり、その表面ひょうめんがきれいでない場合ばあいおおい。なお、ふる部分ぶぶん破損はそんしやすいのは一部いちぶたねでは特徴とくちょうになっている。

自然しぜん貝殻かいがら表面ひょうめんには様々さまざまなものがこびりくことがよくある。そのおおくは貝殻かいがらじょう生活せいかつとしているほか生物せいぶつによるもので、とくうみでは石灰せっかいフジツボコケムシといった固着こちゃくせいや、一部いちぶ貝類かいるい多毛たもうるいのような穿孔せんこうせい生物せいぶつ貝殻かいがらじょうによくられる。これらの生物せいぶつ周囲しゅういいわなどにもおなじように生息せいそくすることがおおいため、自然しぜんかいではかい自身じしん隠蔽いんぺいする効果こうかがある。また観察かんさつしゃにとっては、付着ふちゃくぶつることでその貝殻かいがらあるじきていた環境かんきょうがかりにもなる。

ぎゃくに、きていながらそのようなものが付着ふちゃくしていないかいは、肉体にくたいからおおっていたか、あるいはすなどろもぐって生活せいかつしていたか、とにかくそのような生物せいぶつ付着ふちゃくできないような環境かんきょうらしかたをしていたと想像そうぞうできる。

たとえば、タカラガイなど一部いちぶかいでは、きた状態じょうたい入手にゅうしゅした貝殻かいがらはその表面ひょうめんまったよごれず、きれいな状態じょうたいであるが、これはこのかいが、きた状態じょうたいでは貝殻かいがら表面ひょうめん外套がいとうまくおおい、海水かいすいれないようにしながらつねあたらしいそう上塗うわぬりしているためであり、アサリツメタガイなど砂地すなじくぐたねでも貝殻かいがら表面ひょうめん付着ふちゃくぶつられないのが普通ふつうである。

貝殻かいがらによる研究けんきゅう

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生物せいぶつ分類ぶんるい

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アサリのような二枚貝にまいがいサザエのような巻貝まきがいといったように、軟体動物なんたいどうぶつふるくから貝殻かいがらかたち分類ぶんるいされてきた。生物せいぶつがく進化しんか考慮こうりょれた自然しぜん分類ぶんるい導入どうにゅうされても軟体動物なんたいどうぶつ分類ぶんるい貝殻かいがらかたち依存いぞんしていた部分ぶぶんおおきかった。もちろん、これにはコレクターの努力どりょくおおいにかかわっている。そのため、きんえんでありながら貝殻かいがらたないウミウシナメクジ分類ぶんるいいておかれがちであった。20世紀せいき以降いこう貝殻かいがら以外いがい本体ほんたいである軟体解剖かいぼうがくてき特長とくちょう解析かいせきすすみつつあり、そのため分類ぶんるい体系たいけいおおきくわった。

貝殻かいがらは、その保存ほぞんせいさから、非常ひじょう化石かせきになりやすい。古生代こせいだい初期しょきから、現在げんざいいたるまで、いつでもどこでもかい化石かせきはある。そのため、生物せいぶつがく研究けんきゅうじょうも、貝殻かいがら形態けいたい研究けんきゅう重要じゅうよう位置いちめている。ちなみに、人間にんげん利用りよう廃棄はいきした貝殻かいがら出土しゅつどしたものを貝塚かいづかうが、これもひろえば化石かせきである。

気候きこう変動へんどう

編集へんしゅう

東京大学とうきょうだいがくなどの研究けんきゅうチームはビノスガイの貝殻かいがら断面だんめんから年間ねんかん成長せいちょうりょう気候きこう変動へんどう解明かいめいする研究けんきゅうおこなっている[2]

生物せいぶつとの関係かんけい

編集へんしゅう

後述こうじゅつのように、貝殻かいがら人間にんげんおおいに利用りようされるが、自然しぜんかいでは生物せいぶつがこれを利用りようするれいすくなくない。もっとも有名ゆうめいなものがヤドカリである。

基質きしつとして

編集へんしゅう

貝殻かいがら表面ひょうめんにはおおくの生物せいぶつ付着ふちゃくするのが普通ふつうである。うみではかた表面ひょうめん固着こちゃくせい生物せいぶつおおわれるのがごく普通ふつうであり、貝殻かいがらもその対象たいしょうであるが、それだけでなく、その表面ひょうめん多孔たこうしつであるてんなど、付着ふちゃく都合つごうがよいめんもある。カイウミヒドラのように、特定とくていきたかいにのみれいもある。また、その表面ひょうめんあなけて穿孔せんこうせい動物どうぶつれいがある。きたかいでなく、後述こうじゅつのようなヤドカリによる使用しようさいにのみれいもあり、ヤドカリと共生きょうせいするイソギンチャクなどがその代表だいひょうである。

からとして

編集へんしゅう

みずからはから分泌ぶんぴつしない動物どうぶつが、貝殻かいがら自分じぶんからのように使用しようするれいもある。ヤドカリがその代表だいひょうである。かれらのからだやわらかくてがいかたちにあったものとなっており、貝殻かいがらなしでぬわけではないが、はだかではあっという捕食ほしょくしゃわれる。かれらのあいだではからだ見合みあった貝殻かいがらるのは死活しかつ問題もんだいであり、つね貝殻かいがらめぐって同類どうるいあいだあらそいがあるらしい。なかにはその表面ひょうめんとげ動物どうぶつ生活せいかつさせ、それが分泌ぶんぴつするあらたなから利用りようするイガグリガイのようなれいもある。二枚貝にまいがいにも、内側うちがわ小型こがたカニひとしいていることがある。

同様どうようれいツノガイホシムシなどほしこう動物どうぶつにもられる。

人間にんげん利用りよう

編集へんしゅう
 
タンザニア貝殻かいがらショップ。
* 手前てまえ光沢こうたくのあるものはタカラガイるい * ひだりおく肌色はだいろとげのあるのはラクダガイ * タカラガイとラクダガイのあいだトウカムリ * その手前てまえがわシャコガイ * タカラガイの右側みぎがわヤツシロガイ巻貝まきがい * ワゴンちゅうれつあかみのつよかいマンボウガイ * マンボウガイのちかくにくろっぽいヤコウガイ * おく縞柄しまがらがある大型おおがたかいホラガイ
 
管楽器かんがっき加工かこうされた法螺貝ほらがいトゥンカルシェル・トランペット英語えいごばん

貝殻かいがら非常ひじょう保存ほぞん生物せいぶつたい部分ぶぶんである。肉質にくしつがして乾燥かんそうすれば、ほぼ永久えいきゅうてき保存ほぞんでき、変質へんしつすくない。また、そのかたちうつくしさ、模様もよう多様たようさ、種類しゅるいおおさもかなりのものである。そういったてんで、自然しぜんひと関心かんしんき、貝殻かいがら利用りようにく利用りようにもまさるともおとらず、有史ゆうし以前いぜんから世界中せかいじゅう多種たしゅ多様たようもちいられてきた。それらを網羅もうらすれば膨大ぼうだい内容ないようとなるはずで、ここではわずかなれいげるにとどめる。

貨幣かへい
古代こだい中国ちゅうごくでは貨幣かへいとしてもちいられ、経済けいざい活動かつどう基本きほんとなるいをいう「賣買ばいばい(バイバイ)」が「かい(バイ)」と同根どうこんであるのをはじめ、たから、貨、かしもらえざい、貯、かいちん、販といった財貨ざいかかんする文字もじにはかい(タカラガイの象形しょうけい文字もじ)の部首ぶしゅをもつものもおおい。
装飾そうしょくよう
有史ゆうし以前いぜんから今日きょうまで、世界中せかいじゅうでもっともよくられるのが装飾そうしょくひんへの利用りようである。日本にっぽんでは、縄文じょうもん時代じだいかいなどに使つかわれたことはよくられ、現在げんざいでもカメオなどに代表だいひょうされるブローチなどの装身具そうしんぐかいボタンなどにしばしば利用りようされている。なかでも真珠しんじゅはその代表だいひょうで、本来ほんらい貝殻かいがら内面ないめん構成こうせいする真珠しんじゅそうべつかたちにして利用りようしたものである。またおな真珠しんじゅそう利用りようしたものに螺鈿らでんがあり、せいくらいん宝物ほうもつにもられる。
にち用品ようひん
日常にちじょう道具どうぐとしての利用りようひろられ、二枚貝にまいがい貝杓子かいじゃくしさら、あるいはまいわせてぶたきの容器ようきとして使つかわれてきた。日本にっぽんではしょっつるなべかやき)でもちいられるホタテガイからや、香合こうごう膏薬こうやくれに使つかわれたハマグリからなどがよくられている。また貝殻かいがらそのものではなく、それをした容器ようきもしばしばられ、アワビしたものは縄文じょうもん時代じだい土器どきでもられるほか、サザエがたやホタテガイがた、ハマグリがた等々とうとう容器ようき現代げんだいおおく、洋服ようふくなど服飾ふくしょく関係かんけい意匠いしょうにもしばしば貝殻かいがらもちいられる。縄文じょうもん時代じだいには二枚貝にまいがい貝殻かいがらはらえんいてとしてかい(かいじん)がもちいられ、魚類ぎょるいうろこ用具ようぐであったとかんがえられている。アイヌカワシンジュガイ貝殻かいがらつま使つかっていた[3]
玩具おもちゃ
独楽こまとしてもちいられたバイおはじき使つかわれたイボキサゴなど、普通ふつうはい貝殻かいがらはいつの時代じだい子供こどもいおもちゃであった。また庶民しょみんのものではないが、ハマグリなめらかで丈夫じょうぶ貝殻かいがらつことから貝合かいあわせなどの優雅ゆうがあそびに利用りようされ、その学名がくめいlusoriaも「あそび」にちなむとされる。またイタボガキなどのから粉末ふんまつにした胡粉ごふんは、伝統でんとうてき白色はくしょく顔料がんりょうとしてひろ利用りようされ、人形にんぎょうかおなどにもちいられた。また貝殻かいがら使つかったかい細工ざいく人形にんぎょうなどは海岸かいがん沿いの観光かんこうでしばしばられる。かい細工ざいくにはこのようなちいさなものもあるが、江戸えど時代じだいにはきく人形にんぎょう同様どうよう大掛おおがかりなかい細工ざいく人形にんぎょうがあり、瀬戸物せともの細工ざいくかご細工ざいくなどとなら見世物みせもののひとつであった。ハマグリの貝殻かいがらしろ碁石ごいし利用りようされている。
薬用やくよう
中国ちゅうごく医学いがくではイタボガキ貝殻かいがらを「牡蛎かき」(ぼれい)としょうして生薬きぐすりとして利用りようしてきた。焼成しょうせいしてから粉砕ふんさいしたこな日本にっぽん薬局方やっきょくほうにも「ボレイまつ」として収載しゅうさいされており、せいさん鎮静ちんせい解熱げねつなどの作用さようがあり、かつらえだ竜骨りゅうこつ牡蛎かきしばえびす竜骨りゅうこつ牡蛎かきなどの漢方薬かんぽうやく配合はいごうされる。また、アワビぞく貝殻かいがらを「いしけつあきら」(せっけつめい)としょうして、同様どうよう薬用やくようにしてきた。「きよしかんあかり」(せいかんめいもく)、すなわち、きも機能きのう改善かいぜんし、同時どうじ機能きのうたかめる効果こうかがあるとする。主成分しゅせいぶんはどちらも炭酸たんさんカルシウムであるが、「いしけつあきら」は局方きょくほうにははいっていない。
添加てんかざい
貝殻かいがらつよねっしてほろ粉砕ふんさいしたものが天然てんねん炭酸たんさんカルシウムの一種いっしゅとして利用りようされている。しゴムなどの機能きのうせい添加てんかざい食品しょくひん添加てんかぶつなどに利用りようされている。
信仰しんこう
 
サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼じゅんれいしるしとなるジェームズホタテと瓢箪ひょうたん
貝殻かいがら宗教しゅうきょうてき意味合いみあいでもちいられることもおおい。日本にっぽんでは、ホネガイアッキガイなどの目立めだ突起とっきかいのきにぶらげて魔除まよけとしたり、スイジガイみずかい)を、そのから火除ひよけのまじないとしたりする民間みんかん信仰しんこうがあり、そのかいれる地方ちほうふるくからおこなわれてきた。またじんかいとしてられる法螺貝ほらがい山伏やまぶし魔除まよけけにくことでも有名ゆうめいで、これはチベット密教みっきょうなどのほうもちいられるシャンクガイが起源きげんではないかともわれる。またカトリックの聖地せいちとして人気にんきたかいスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラでは、巡礼じゅんれいしゃらが巡礼じゅんれいしるしとしてジェームズホタテPecten jacobaeusから荷物にもつなどにぶらげたり、それをかたどったバッジをけたりする。このだい聖堂せいどうはイエスのじゅうにん使徒しと一人ひとりせいヤコブまつっており、9世紀せいき初頭しょとう天使てんしのおげによってかれはか発見はっけんされた場所ばしょとされている。このかいをその巡礼じゅんれい象徴しょうちょうとするのは、もと漁師りょうしであったせいヤコブがこのかい紋章もんしょうとしていたからだと説明せつめいされているが、聖地せいち巡礼じゅんれいあかしとして、巡礼じゅんれいしゃらがこの普通ふつう食用しょくようにされるほんしゅからかえったのがはじまりとのせつもある。このためジェームズホタテガイはスペインでは巡礼じゅんれいかい(concha de peregrino) 、フランスではサン・ジャックかい( coquille St.Jacques )などとぶ。なお、セント・ジェームズ(英語えいご)、サンティアゴ(スペイン)、サンジャック(仏語ふつご)はどれもせいヤコブのことをす。
収集しゅうしゅう
 
タカラガイのいろいろ
きん現代げんだいでは、貝殻かいがら生物せいぶつ関連かんれんコレクション対象たいしょうひとつで、稀少きしょうなもや見栄みばえのする特殊とくしゅかい高額こうがくでやりとりされる。とくにタカラガイるいなめらかでうつくしい模様もようをもつことから古代こだいから人々ひとびと愛玩あいがんされ、現在げんざいでも貝殻かいがらコレクターのあいだ人気にんきたかい。かぐやひめみつものひとつとして要求ようきゅうした子安こやすかいもタカラガイであるとされる。コレクション関連かんれんではイモガイるい有名ゆうめいで、ウミノサカエイモガイはかつては世界せかい一番いちばん高価こうかかいとしてられた。
料理りょうり
コキール、またコキーユ(フランス語ふらんすご:coquille。貝殻かいがら)。貝殻かいがらかたち容器ようきさら)にってきょうされる料理りょうり。たとえば鶏肉とりにくさかな貝類かいるいのクリーム表面ひょうめんく、など。
その
  • 廃棄はいきされた貝殻かいがらによってできた貝塚かいづか考古学こうこがくてき調査ちょうさ
  • 凍結とうけつ防止ぼうしざい[4][5]路面ろめんスリップ防止ぼうしざい[6]

出典しゅってん

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  1. ^ 三宅みやけ(2014)p.39-40
  2. ^ かい成長せいちょう気候きこう変動へんどう関連かんれん から模様もよう東大とうだいなど調査ちょうさ”. 朝日新聞あさひしんぶん. 2019ねん11月25にち閲覧えつらん
  3. ^ 三浦みうら一輝いっき (2020ねん6がつ3にち). “だい8かい カワシンジュガイの世界せかいぎょにくっつく二枚貝にまいがいがいる?~”. BuNa - Bun-ichi Nature Web Magazine. ぶんいち総合そうごう出版しゅっぱん. 2022ねん12月6にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2023ねん1がつ25にち閲覧えつらん
  4. ^ ホタテの貝殻かいがらをリサイクル 凍結とうけつ防止ぼうしざい使用しよう開始かいし”. ラジオ番組ばんぐみ ずっと地球ちきゅうらそう。 - コスモ アースコンシャス アクト. 2023ねん12月3にち閲覧えつらん
  5. ^ 凍結とうけつ防止ぼうしざい製造せいぞうシステム”. 2023ねん12月3にち閲覧えつらん
  6. ^ 勝美かつみ, 藤島ふじしま (1996ねん6がつ). “ホタテ貝殻かいがら利用りようした路面ろめんスリップ防止ぼうしざい”. 工業こうぎょう材料ざいりょう = Engineering materials. pp. 101–108. 2023ねん12月3にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 三宅みやけ裕志ひろし、『SUPERサイエンス きょだい深海しんかい生物せいぶつなぞく』、(2014)、シーアンドアール研究所けんきゅうじょ

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