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追加法 - Wikipedia

追加ついかほう(ついかほう)とは、もとからあった法令ほうれいおぎなうために追加ついかされた法令ほうれいす。

日本にっぽん法制ほうせいでは成敗せいばい式目しきもく基本きほん(「本式ほんしき」)として追加ついかされた鎌倉かまくら幕府ばくふ室町むろまち幕府ばくふ単行たんこう法令ほうれいおよびそれにじゅんずるものをす。

概要がいよう

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成敗せいばい式目しきもく制定せいていした鎌倉かまくら幕府ばくふだいだい執権しっけん北条ほうじょうやすしとき書状しょじょう(「やすし消息しょうそくぶん」)のなかで、式目しきもくなか規定きていれているものについてはってくわえることをべており、制定せいてい当初とうしょから不備ふび追加ついかすべき項目こうもく発生はっせいした場合ばあいには追加ついかほうさだめることを前提ぜんていとしていた。

当初とうしょ式目しきもく改廃かいはい修正しゅうせい追加ついか意図いとした単行たんこう法令ほうれいして「式目しきもく追加ついか」もしくはたんに「追加ついか」とばれていたが、のちには一括いっかつしてしめされた複数ふくすう条文じょうぶんからなる法令ほうれいさらには幕府ばくふから担当たんとう奉行ぶぎょうろく探題たんだいなどにしめされた個別こべつ指示しじ具体ぐたいてき案件あんけんたいする判断はんだんれいさらには個々ここ奉行ぶぎょういえ必要ひつよう法令ほうれい指示しじ判例はんれいなどをおさめたとみられる「追加ついかしゅう」とばれる資料しりょうまでが追加ついかほうとしてあつかわれるようになっていった。

そのため、成敗せいばい式目しきもく本文ほんぶんちがって、日本にっぽん全国ぜんこく御家人ごけにん周知しゅうちされないもの、鎌倉かまくらろくなどの訴訟そしょう担当たんとう奉行ぶぎょうのみがるもの、なども多数たすうふくまれており、効力こうりょく場所ばしょ時間じかんともに限定げんていされてどういち趣旨しゅし追加ついかほうかえされる場合ばあいもあった。

とく個々ここ案件あんけんかんする指示しじ判断はんだんは、後日ごじつにおいて先例せんれいとして奉行ぶぎょうじん判断はんだん材料ざいりょうとされた可能かのうせいたかいものの、ほうとしての拘束こうそくりょくはなかったともかんがえられ、そうしたものまで「ほう」としょうすることにたいしては異論いろん存在そんざいする。

それでも、実際じっさい訴訟そしょうにおいて追加ついかほう一定いってい影響えいきょうあたえたため、訴訟そしょう当事とうじしゃあいだでは追加ついかほうかんする情報じょうほう収集しゅうしゅうおこなわれ、寺社じしゃ諸家しょか由来ゆらい古文書こもんじょのこされている場合ばあいもある。

室町むろまち

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室町むろまち幕府ばくふにおいても、成敗せいばい式目しきもく依然いぜんとして有効ゆうこうとされ、どう式目しきもく追加ついかするかたち立法りっぽうおこなわれた。

とく社会しゃかい変化へんかによって徳政令とくせいれいせんぜにれい代表だいひょうされる雑務ざつむ関係かんけいほう追加ついかされるようになり、たてたけし以来いらい追加ついかなども編纂へんさんされた。

なお、ここで留意りゅういすべきことは室町むろまち幕府ばくふ追加ついか鎌倉かまくら幕府ばくふ成敗せいばい式目しきもく追加ついかであって、室町むろまち幕府ばくふさだめたたてたけし式目しきもく追加ついかではないということである。

それはたてたけし式目しきもくあたらしい武家ぶけ政権せいけん基本きほん方針ほうしんさだめたもので成敗せいばい式目しきもく改廃かいはいなどを意図いとしたものではなく、成敗せいばい式目しきもく依然いぜんとして武家ぶけ政権せいけん基本きほん法的ほうてき立場たちば維持いじつづけたからである。

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 古沢ふるさわ直人なおと追加ついかほう」(『国史こくしだい辞典じてん 9』(吉川弘文館よしかわこうぶんかん、1988ねんISBN 978-4-642-00509-8
  • 笠松かさまつひろしいたり追加ついかほう」(『日本にっぽんだい事典じてん 4』(平凡社へいぼんしゃ、1993ねんISBN 978-4-582-13104-8
  • 新田にった一郎いちろう追加ついかほう」(『日本にっぽん歴史れきしだい事典じてん 2』(小学館しょうがくかん、2000ねんISBN 978-4-09-523002-3
  • 新田にった一郎いちろう追加ついかほう」(『歴史れきしがく事典じてん 9 ほう秩序ちつじょ』(弘文こうぶんどう、2002ねんISBN 978-4-335-21039-6

関連かんれん項目こうもく

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