連邦れんぽう倒産とうさん法ほう

連邦れんぽう倒産とうさん法ほう（れんぽうとうさんほう、アメリカ英語えいご: Bankruptcy Code）とは、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく連邦れんぽう政府せいふの連邦れんぽう法ほうで、合衆国がっしゅうこく法典ほうてんの第だい11篇へん (Title 11, U.S. Code)にあたり、個人こじんや企業きぎょうの倒産とうさん処理しょり手続てつづきを定さだめたものである。連邦れんぽう倒産とうさん法ほうは、1978年ねんの全面ぜんめん的てき改正かいせいにより現在げんざいの枠組わくぐみの原型げんけいが整ととのい、その後ご何なん度どかの改正かいせいを経へて今日きょうに至いたっている。連邦れんぽう破産はさん法ほう（れんぽうはさんほう）、または単たんに倒産とうさん法ほう、破産はさん法ほうとも呼よばれる。

連邦れんぽう倒産とうさん法ほうの構成こうせい

連邦れんぽう倒産とうさん法ほうは、次つぎのとおり九ここのつの章あきら (Chapters) からなる。

• 第だい1章しょう　総則そうそく (General Provisions)
• 第だい3章しょう　案件あんけん管理かんり (Case Administration)
• 第だい5章しょう　債権さいけん者しゃ、債務さいむ者しゃ、及および財団ざいだん (Creditors, Debtors, and the Estate)
• 第だい7章しょう　清算せいさん (Liquidation)
• 第だい9章しょう　地方ちほう公共こうきょう団体だんたいの債務さいむ整理せいり (Debt Adjustment of a Municipality)
• 第だい11章しょう　更生こうせい (Reorganization)
• 第だい12章しょう　定期ていき的てき収入しゅうにゅうのある農家のうかもしくは漁師りょうしの債務さいむ整理せいり (Adjustment of Debts of a Family Farmer or Family Fisherman With Regular Income)
• 第だい13章しょう　定期ていき的てき収入しゅうにゅうのある個人こじんの債務さいむ整理せいり（Adjustment of Debts of an Individual With Regular Income）
• 第だい15章しょう　国際こくさい倒産とうさん (Ancillary and Other Cross-Border Cases)

1978年ねんの倒産とうさん法大ほうだい改正かいせいにより、第だい1・3・5・7・9・11・13・15章しょうが立法りっぽう化かされた。章あきら立だてが中ちゅう抜ぬきになっているのは、その後ごの改正かいせいによる挿入そうにゅうを予定よていしたものである。1986年ねんには第だい12章しょうが加くわえられた。

第だい1章しょうから第だい5章しょうまでは、全すべての連邦れんぽう倒産とうさん手続てつづきに適用てきようされる通則つうそくである。以下いか、連邦れんぽう倒産とうさん法ほうの通則つうそく的てき規定きていの主おもなものについて解説かいせつする。

倒産とうさん裁判所さいばんしょと連邦れんぽう管財かんざい官かん

連邦れんぽう倒産とうさん法ほうに基もとづく手続てつづきは、倒産とうさん裁判所さいばんしょ (United States bankruptcy court) の監督かんとくのもとで行おこなわれる。倒産とうさん裁判所さいばんしょは連邦れんぽう裁判所さいばんしょの一ひとつである。倒産とうさん裁判所さいばんしょは倒産とうさん手続てつづきに直接ちょくせつ関係かんけいのある事件じけんのほとんどについて司法しほう判断はんだんを下くだすことができる。

倒産とうさん裁判所さいばんしょとは別べつに、破産はさん事件じけんに関かんする管理かんり行政ぎょうせいを行おこなう司法省しほうしょうの機関きかんとして連邦れんぽう管財かんざい官かん（U.S. Trustee）がある。連邦れんぽう管財かんざい官かんは司法しほう長官ちょうかんによって任命にんめいされ、管財かんざい人じん候補者こうほしゃのリストアップ、管財かんざい人じんの監督かんとく、債権さいけん者しゃ集会しゅうかいの招集しょうしゅう、債権さいけん者しゃ委員いいん会かいの委員いいんの任命にんめい等とうを行おこなう。連邦れんぽう管財かんざい官かんの制度せいどは1978年ねんの改正かいせいの際さいに導入どうにゅうされたものであり、それまでは、倒産とうさん裁判所さいばんしょが司法しほう的てき任務にんむと行政ぎょうせい的てき任務にんむの双方そうほうを担になっていた。

倒産とうさん手続てつづきの開始かいしとその効果こうか

申立もうしたて

倒産とうさん手続てつづきは申立もうしたて (petition) により開始かいしされる。これには、債務さいむ者しゃが自みずから申立もうしたてをする場合ばあい（voluntary case）（301条じょう）と、債権さいけん者しゃが申立もうしたてをする場合ばあい（involuntary case）（303条じょう）がある。後者こうしゃの場合ばあい、総そう債権さいけん者しゃ数すうが12人にん未満みまんであれば各かく債権さいけん者しゃが単独たんどくで申立もうしたてをすることができるが、総そう債権さいけん者しゃ数すうが12人にん以上いじょうであれば3人にん以上いじょうの債権さいけん者しゃの共同きょうどう申立もうしたてが必要ひつようである。いずれの場合ばあいにも、申立もうしたて債権さいけん者しゃの合計ごうけい債権さいけん額がくが$13,475以上いじょうである必要ひつようがある。

日本にっぽんと異ことなり、破産はさん原因げんいん（支払しはらい不能ふのうや債務さいむ超過ちょうか）があること（破産はさん法ほう）や、破産はさん原因げんいんの生しょうずる虞おそれがあること（会社かいしゃ更生こうせい法ほう・民事みんじ再生さいせい法ほう）は、倒産とうさん申立もうしたての要件ようけんではない。但ただし、債権さいけん者しゃによる申立もうしたてに対たいして債務さいむ者しゃが異議いぎを唱となえた場合ばあいには、債務さいむ者しゃが期限きげんの到来とうらいした債務さいむを支払しはらっていない場合ばあい等とう一定いっていの要件ようけんを満みたす場合ばあいにのみ、裁判所さいばんしょが倒産とうさん手続てつづき開始かいし命令めいれい（order for relief）を下くだす（303条じょう(h)項こう）。適時てきじの異議いぎがない場合ばあいには、裁判所さいばんしょは自動的じどうてきに倒産とうさん手続てつづき開始かいし命令めいれいを下くだす。債務さいむ者しゃによる申立もうしたての場合ばあいには自動的じどうてきに倒産とうさん手続てつづき開始かいし命令めいれいがあったとみなされる（301条じょう(b)項こう）。

管財かんざい人じんの選任せんにん

第だい7章しょうに基もとづく手続てつづきにおいては必かならず管財かんざい人じん（trustee）が選任せんにんされる。管財かんざい人じんは倒産とうさん財団ざいだんの代表だいひょう者しゃである（323条じょう）。第だい11章しょうの場合ばあいには、通常つうじょうは債務さいむ者しゃ（旧きゅう経営けいえい陣じん）が管財かんざい人じんの立場たちばで引続ひきつづき事業じぎょうを継続けいぞくすることができ、これを占有せんゆう債務さいむ者しゃ（debtor in possession、"DIP"） という。ただし、占有せんゆう債務さいむ者しゃに詐欺さぎ的てき行為こういや重大じゅうだいな経営けいえい過誤かごがあった等ひとしの正当せいとうな理由りゆうがあるときには、利害りがい関係かんけい者しゃまたは連邦れんぽう管財かんざい官かんの申立もうしたてにより倒産とうさん裁判所さいばんしょが管財かんざい人じんの選任せんにんを命令めいれいすることがある（1104条じょう）。以下いかの解説かいせつにおいて、「管財かんざい人じん」というときには占有せんゆう債務さいむ者しゃを含ふくむ。

債権さいけん回収かいしゅう手続てつづき等とうの自動的じどうてき停止ていし

申立もうしたてに基もとづき倒産とうさん手続てつづきが開始かいしされると、債務さいむ者しゃに対たいする訴訟そしょう等とうの法的ほうてきな手続てつづきや債務さいむ者しゃからの債権さいけん取立とりたて行為こういのほとんどは禁止きんしされる（362条じょう）。手続てつづき開始かいしの申立もうしたてがあれば、別途べっと裁判所さいばんしょの命令めいれい等とうを得えずにこのような効力こうりょくが発生はっせいし、自動的じどうてき停止ていし (automatic stay) と呼よばれる。自動的じどうてき停止ていしの効力こうりょくは、取立とりたて訴訟そしょうのみならず、たとえば、勝訴しょうそ判決はんけつの執行しっこう、担保たんぽ権けんの設定せっていや対抗たいこう力りょくの具備ぐび及および実行じっこう、相殺そうさい等とうにも及およぶ。裁判所さいばんしょは、正当せいとうな理由りゆうがある場合ばあいには、債権さいけん者しゃ等とうの利害りがい関係かんけい者しゃの要請ようせいに基もとづき、個別こべつに自動じどう停止ていしを解除かいじょ（relief from stay）することがある。正当せいとうな理由りゆうとは、自動じどう停止ていしを継続けいぞくすることにより債権さいけん者しゃが本来ほんらい期待きたいできるような回収かいしゅうができなくなるような場合ばあいを含ふくむ。

財団ざいだん財産ざいさんの充実じゅうじつ

倒産とうさん手続てつづきの開始かいしとともに債務さいむ者しゃの財産ざいさん的てき権利けんりにより構成こうせいされる倒産とうさん財団ざいだん (estate) が組成そせいされる（541条じょう）倒産とうさん財団ざいだんは原則げんそくとして債務さいむ者しゃの財産ざいさん的てき権利けんりの全すべてからなる。財団ざいだんの財産ざいさんは、再建さいけんや返済へんさいの原資げんしとなるものであり、その確保かくほ・充実じゅうじつをはかるための制度せいどが設もうけられているが、もっとも重要じゅうようなのは管財かんざい人じんの否認ひにん権けん (avoiding power) である。

偏頗へんぱ行為こういの否認ひにん

管財かんざい人じんは、次つぎのような条件じょうけんを全すべて満みたす財産ざいさん移転いてん行為こうい (transfer)を、偏へん跛ちんば行為こうい (preference) として否認ひにんすることができる（547条じょう）。

1. 既存きそんの債務さいむ (antecedent debt) に関かんするものであること。
2. 申立もうしたて前まえ90日にち（債権さいけん者しゃが債務さいむ者しゃの親戚しんせきであったり、債務さいむ者しゃ会社かいしゃの取締とりしまり約やく役やく・役員やくいんである等とうインサイダーである場合ばあいは1年ねん）以内いないになされたこと。
3. 債務さいむ者しゃが債務さいむ超過ちょうか (insolvent) である間あいだになされたこと（申立もうしたて前まえ90日にちの間あいだは債務さいむ者しゃは債務さいむ超過ちょうかであったと推定すいていされる）。
4. 債権さいけん者しゃに対たいしてまたは債権さいけん者しゃの利益りえきのためになされたこと。
5. その結果けっかとして、その債権さいけん者しゃが、第だい7章しょうに基もとづく清算せいさんがなされたと仮定かていして、そのような財産ざいさん移転いてんがなかった場合ばあいに受うけ取とれたであろう金額きんがく以上いじょうのものを回収かいしゅうできたこと。

財産ざいさん移転いてん行為こういの典型てんけい的てきなものは債務さいむの弁済べんさいであるが、その他たの財産ざいさん権けんの移転いてんや担保たんぽ権けんの設定せっていや対抗たいこう要件ようけんの具備ぐびも財産ざいさん移転いてん行為こういとされる。財産ざいさん移転いてん行為こういが否認ひにんされた場合ばあいは、債権さいけん者しゃは移転いてんされた財産ざいさんを財団ざいだんに返還へんかんするか、同額どうがくの金銭きんせん的てき賠償ばいしょうをしなければならない。

偏頗へんぱ行為こういの否認ひにんについては、通常つうじょうの商行為しょうこうい (ordinary course of business) による回収かいしゅうの場合ばあいなど、いくつかの例外れいがいがある。

詐欺さぎ的てき財産ざいさん移転いてん行為こういの否認ひにん

偏頗へんぱ行為こういにあたらない財産ざいさん移転いてん行為こういであっても、債権さいけん者しゃの権利けんりを害がいすることを実際じっさいに意図いとして行いった財産ざいさん移転いてんや、債務さいむ超過ちょうか等とう一定いっていの状況じょうきょうのもとで不当ふとうに低ひくい対価たいかと交換こうかんに行いった財産ざいさん移転いてん行為こういは詐欺さぎ的てき譲渡じょうと (fraudulent transfer) として否認ひにんされる（548条じょう）。

判決はんけつ先取せんしゅ特権とっけん者しゃと同様どうような権利けんりの行使こうし

管財かんざい人じんは、申立もうしたて日び現在げんざい、債務さいむ者しゃの全ぜん財産ざいさんに対たいする判決はんけつ先取せんしゅ特権とっけん（judicial lien）その他た所定しょていの権利けんりを持もつ債権さいけん者しゃ（現存げんそんする必要ひつようはない）と同様どうような権利けんりを行使こうしでき、そのような債権さいけん者しゃが否認ひにんできるような財産ざいさん移転いてん行為こういを否認ひにんすることができる（544条じょう）。

相殺そうさい権けんの制限せいげん

原則げんそくとして、倒産とうさん手続てつづき開始かいし前まえに存在そんざいした債権さいけん債務さいむを相殺そうさいする権利けんりは倒産とうさん手続てつづきによって影響えいきょうを受うけない。ただし、次つぎのような相殺そうさいは禁きんじられる（553条じょう）。

• 申立もうしたて以降いこうに第三者だいさんしゃから譲ゆずり受うけた債務さいむ者しゃに対たいする債権さいけんを自働じどう債権さいけんとする相殺そうさい
• 申立もうしたて前まえ90日間にちかんで、かつ債務さいむ者しゃが債務さいむ超過ちょうかである間あいだ（偏頗へんぱ行為こういの場合ばあいと同様どうよう申立もうしたて前ぜん90日にちの間あいだは債務さいむ者しゃは債務さいむ超過ちょうかであったと推定すいていされる。以下いか同おなじ。）に第三者だいさんしゃから譲ゆずり受うけた債務さいむ者しゃに対たいする債権さいけんを自働じどう債権さいけんとする相殺そうさい
• 申立もうしたて前まえ90日間にちかんで、かつ債務さいむ者しゃが債務さいむ超過ちょうかである間あいだに相殺そうさい権けんを得える目的もくてきで債務さいむ者しゃに対たいして負担ふたんした債務さいむを受動じゅどう債権さいけんとする相殺そうさい

なお、相殺そうさいも自動じどう停止ていしの対象たいしょうとなるので、実際じっさいに相殺そうさいを行おこなうにあたっては、自動じどう停止ていしの解除かいじょを得える必要ひつようがある。

除外じょがい財産ざいさん

原則げんそくとして、債務さいむ者しゃの全すべての財産ざいさん的てき権利けんりが倒産とうさん財団ざいだんを構成こうせいするが、個人こじん債務さいむ者しゃの一定いっていの財産ざいさんはここから除外じょがいされる（522条じょう）。その結果けっかそのような除外じょがい財産ざいさん（exemptions, exempt property）は、倒産とうさん手続てつづきに基もとづく処分しょぶんや分配ぶんぱいの対象たいしょうとならず、債務さいむ者しゃが保持ほじすることができる。

除外じょがい財産ざいさんは、原則げんそくとして債務さいむ者しゃが居住きょじゅうする州法しゅうほうが定さだめる差押さしおさえ免除めんじょ財産ざいさんである。一般いっぱん的てきには居住きょじゅう用よう不動産ふどうさん（homestead exemption）、自動車じどうしゃ、家具かぐ、職業しょくぎょう上じょう必要ひつような書籍しょせきや道具どうぐ等とうが含ふくまれ、それぞれに上限じょうげん額がくが定さだめられることが多おおい。しかし、フロリダ州しゅうやテキサス州しゅうでは居住きょじゅう用よう不動産ふどうさんに上限じょうげん額がくが定さだめられておらず、このような州しゅうに転居てんきょして高額こうがくな居住きょじゅう用よう不動産ふどうさんを購入こうにゅうした上うえで倒産とうさん手続てつづきを申もうし立たてる（特とくに第だい7章しょう手続てつづきによる免責めんせきを図はかる）債務さいむ者しゃもおり、特とくに債権さいけん者しゃに立たつことの多おおい金融きんゆう機関きかん等とうからの批判ひはんがあった。

これを受うけて、2005年ねんの倒産とうさん制度せいど濫用らんよう防止ぼうしと消費しょうひ者しゃ保護ほごに関かんする法律ほうりつにより除外じょがい財産ざいさんを制限せいげんするいくつかの規定きていが追加ついかされた。まず、州法しゅうほうに基もとづく除外じょがい財産ざいさんの適用てきようを受うけるためには、申立もうしたて前まえ2年間ねんかんその州しゅうに住すんでいる必要ひつようがある（旧法きゅうほうのもとの期間きかんの延長えんちょう）。また、債務さいむ者しゃが、害がい意いをもって、申立もうしたて前まえ10年ねんの間あいだに除外じょがい財産ざいさんでない財産ざいさんを処分しょぶんして居住きょじゅう用よう不動産ふどうさんの価値かちを増加ぞうかさせた場合ばあいにはその増加ぞうか分ぶんは除外じょがいされない。害がい意いの有無うむにかかわらず、申立もうしたて前まえ1215日間にちかんの間あいだに増加ぞうかした居住きょじゅう用よう不動産ふどうさんの価値かちで12万まん5000ドルを超こえる部分ぶぶんについても除外じょがいされない。その他た債務さいむ者しゃが犯罪はんざい行為こういを行おこなった場合ばあいの除外じょがい財産ざいさんの例外れいがい規定きていがある。

個々ここの倒産とうさん手続てつづき

第だい7章しょうは、日本にっぽんの破産はさん法ほうにあたるもので、清算せいさん型がた倒産とうさん処理しょり手続てつづきを定さだめる。第だい7章しょうは企業きぎょう・個人こじんの双方そうほうに適用てきようがあり、債務さいむ者しゃは全ぜん財産ざいさん（個人こじんの場合ばあいは除外じょがい財産ざいさんを除のぞく）を投なげ出だして債務さいむの一部いちぶを弁済べんさいし、企業きぎょうの場合ばあいは手続てつづき完了かんりょう後ごに解散かいさん、個人こじんの場合ばあいには残ざん債さいに関かんして免責めんせきを得える。本章ほんしょうの規定きていまたは本章ほんしょうに基もとづく手続てつづきは、チャプターセブン（Chapter 7）と略称りゃくしょうされることが多おおい。

→詳細しょうさいは「連邦れんぽう倒産とうさん法ほう第だい7章しょう」を参照さんしょう

第だい9章しょうは、地方ちほう公共こうきょう団体だんたいが債務さいむ者しゃである場合ばあいの再建さいけん型がた倒産とうさん処理しょり手続てつづきを定さだめるものである。

第だい11章しょうは、日本にっぽんの会社かいしゃ更生こうせい法ほうや民事みんじ再生さいせい法ほうに類似るいじしたもので、再建さいけん型がた倒産とうさん処理しょり手続てつづきを定さだめる。多おおくの場合ばあい企業きぎょうが利用りようするが、個人こじんによる第だい11章しょう手続てつづきも不可能ふかのうではない。第だい11章しょうにおいては、債務さいむ者しゃは事業じぎょうを継続けいぞくしながら、再建さいけん計画けいかく (reorganization plan ) に基もとづき債権さいけん者しゃに債務さいむを弁済べんさいする。本章ほんしょうの規定きていまたは本章ほんしょうに基もとづく手続てつづきは、「チャプター・イレブン」（Chapter 11）と略称りゃくしょうされることが多おおい。

→詳細しょうさいは「連邦れんぽう倒産とうさん法ほう第だい11章しょう」を参照さんしょう

第だい12章しょうは、定期ていき的てき収入しゅうにゅうのある農家のうかもしくは漁師りょうしを債務さいむ者しゃとする再建さいけん型がた倒産とうさん処理しょり手続てつづきを定さだめるものである。

第だい13章しょうは、定期ていき的てき収入しゅうにゅうのある個人こじんを債務さいむ者しゃとする再建さいけん型がた倒産とうさん処理しょり手続てつづきを定さだめるものである。

→詳細しょうさいは「連邦れんぽう倒産とうさん法ほう第だい13章しょう」を参照さんしょう

第だい15章しょうは、アメリカ国籍こくせき以外いがいの法人ほうじんが本国ほんごくで法的ほうてき整理せいりを申請しんせいした際さいに、アメリカ国内こくないの当該とうがい法人ほうじんの債権さいけん者しゃに対たいし国外こくがいでも手続てつづきが公正こうせいであることを保証ほしょうし、負債ふさい処理しょりを円滑えんかつ化かさせるものである。

国際こくさい倒産とうさん手続てつづき

現在げんざいの第だい15章しょうは、2005年ねんの改正かいせい法ほうにより加くわえられたものであり、国連こくれん国際こくさい商取引しょうとりひき法ほう委員いいん会かい (UNCITRAL) が起草きそうした国際こくさい倒産とうさんに関かんするモデル法ほう (Model Law on Cross-Border Insolvency) を米国べいこく内法うちのり化かしたものである。

2005年ねん改正かいせい

2005年ねんに倒産とうさん制度せいど濫用らんよう防止ぼうしと消費しょうひ者しゃ保護ほごに関かんする法律ほうりつ (The Bankruptcy Abuse Prevention and Consumer Protection Act) が議会ぎかいを通過つうかした。これは1978年ねんの連邦れんぽう倒産とうさん法大ほうだい改正かいせい以来いらいの最もっとも重要じゅうような改正かいせいといわれている。この改正かいせいは、主おもに債権さいけん者しゃ（金融きんゆう機関きかんやカード会社かいしゃ）側がわのロビー活動かつどうを受うけて成立せいりつしたものである。この結果けっか、個人こじん破産はさんについては、第だい7章しょう手続てつづきを通つうじて債務さいむ者しゃが免責めんせきを得えることが以前いぜんより困難こんなんになり、上述じょうじゅつのとおり除外じょがい財産ざいさんにも一定いっていの枠わくがはめられた。その他たの面めんでも、債務さいむ者しゃ側がわに有利ゆうりな改正かいせいが施ほどこされている。

関連かんれん項目こうもく

• 連邦れんぽう倒産とうさん法ほう第だい7章しょう
• 連邦れんぽう倒産とうさん法ほう第だい11章しょう
• 連邦れんぽう倒産とうさん法ほう第だい13章しょう
• 破産はさん法ほう
• 会社かいしゃ更生こうせい法ほう
• 民事みんじ再生さいせい法ほう

参考さんこう文献ぶんけん

• Business Laws, Inc., Corporate Counsel’s Guide to Bankruptcy Law, Thomson/West, 2007.
• 松下まつした淳一じゅんいち　「2005年ねん連邦れんぽう破産はさん法ほう改正かいせいにおける消費しょうひ者しゃ倒産とうさん法制ほうせいの素描そびょう」、『NBL』819-820号ごう、商事しょうじ法務ほうむ、2007年ねん。

外部がいぶリンク

• U.S. Code Title 11-Bankruptcy 連邦れんぽう倒産とうさん法ほうのテキスト（英文えいぶん）
• Bankruptcy Basics 連邦れんぽう倒産とうさん法ほうの平易へいいな解説かいせつ（英文えいぶん）