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離角 - Wikipedia

はなれかくりかくとは、位置いち天文学てんもんがくにおいて、あるてんからた2つの天体てんたいのなす角度かくどである。とりわけ「惑星わくせいはなれかく」とった場合ばあいは、地球ちきゅう中心ちゅうしんから太陽たいよう惑星わくせいのなす角度かくどこころしんかく距離きょり)をさす[1]太陽たいよう惑星わくせいけい説明せつめいされることもあるがただしくない(一致いっちしない)。

うち惑星わくせいそと惑星わくせい地球ちきゅう位置いち関係かんけい 中央ちゅうおう太陽たいよう中央ちゅうおう地球ちきゅうである。地球ちきゅうからうち惑星わくせいびる点線てんせん最大さいだいはなれかくしめしている。点線てんせん地球ちきゅうからうち惑星わくせい軌道きどうたいする接線せっせんでもある。左上ひだりうえびる点線てんせん東方とうほう最大さいだいはなれかくみぎじょうびる点線てんせん西方せいほう最大さいだいはなれかくあらわしている。うちごうのほか、そと惑星わくせいたいするそとあいひがしのり西にしのり位置いち記入きにゅうされている。

天体てんたい位置いちを、基準きじゅんてん中心ちゅうしんとする天球てんきゅううえ経緯けいいあらわした場合ばあい天体てんたい1の経度けいど緯度いど とし、天体てんたい2の経度けいど緯度いど とすると、天体てんたい1と天体てんたい2のはなれかく

あらわされる。この場合ばあい経緯けいいは、けいぬきでも、あかけいあかぬきでもい。

天体てんたい1と天体てんたい2の経度けいどひとしい(場合ばあいうえしき緯度いどひとしい。また、天体てんたい1と天体てんたい2の緯度いどがともに0場合ばあいうえしき経度けいどひとしい。すなわち、太陽たいよう惑星わくせいはなれかくけいひとしいのは、太陽たいよう惑星わくせいがともにぬき0場合ばあいかぎられる。

2つの天体てんたいしんけい容易よういに0になるのにくらべると、はなれかくが0になるのはきわめてまれである。なぜならば、はなれかくが0ときけいぬきも(あるいはあかけいあかぬきも)どちらも厳密げんみつにピッタリ一致いっちすることが必要ひつようだからである。たとえば、2012ねん6がつ6にち金星きんぼし太陽たいようめん通過つうかにおいて、金星かなぼし太陽たいようとのしんけいが0になるごうむかえたが、はなれかく最小さいしょう最小さいしょうかく距離きょり)はやく0.153やく550びょうかく)でゼロにはならない。

最大さいだいはなれかく

編集へんしゅう

ある惑星わくせいからて、それよりも内側うちがわ軌道きどうのある惑星わくせいうち惑星わくせい)は、太陽たいようとその惑星わくせいとのはなれかくがある一定いってい以上いじょうにはならない。これを最大さいだいはなれかくといい、太陽たいようよりもうち惑星わくせい東側ひがしがわにある場合ばあい東方とうほう最大さいだいはなれかく西側にしがわにある場合ばあい西方せいほう最大さいだいはなれかくという。ここでいう「東方とうほう」「西方せいほう」とは、うち惑星わくせい太陽たいようたいして相対そうたいてき位置いちする方角ほうがくであり、地上ちじょうから観望かんぼうできる方位ほういとは関係かんけいがない。もし東方とうほう最大さいだいはなれかくうち惑星わくせい観望かんぼうするには、太陽たいようしずんだのち西にしそらのこうち惑星わくせい観望かんぼうすることになる。また、うち惑星わくせいはなれかくあるいは最大さいだいはなれかくは、地上ちじょうから観望かんぼうできる高度こうどとも関係かんけいがない(はなれかくおおきいほど、太陽たいようからはなれているので、よりたか高度こうど観望かんぼうできる、というてんはあるが)。

水星すいせい金星かなぼし太陽たいようからの平均へいきん距離きょり(それぞれ0.3871 au、0.7233 au)をもちいると、地球ちきゅうから水星すいせい金星きんぼし最大さいだいはなれかくはそれぞれ22.8、46.3となる。しかし、地球ちきゅううち惑星わくせい軌道きどうがともに楕円だえんをなし、またたがいの公転こうてんめん一致いっちしていないために、まいサイクルにおける最大さいだいはなれかくおなじではなく、毎回まいかいことなる。とく水星すいせい軌道きどうはなれしんりつやく0.2とおおきいため、近日きんじつてん遠日点えんじつてん距離きょりおおきなへだたりがあり、最大さいだいはなれかく範囲はんいやく18~28ひろい(すなわち、水星すいせい最大さいだいはなれかく最大さいだいは、やく28である)。金星きんぼし最大さいだいはなれかくは、やく45~47範囲はんいおさまる。

つぎひょうに2013ねん以降いこう直近ちょっきん水星すいせい金星きんぼし最大さいだいはなれかくかかげる。

東方とうほう最大さいだいはなれかく 西方せいほう最大さいだいはなれかく
水星すいせい 2013ねん 2がつ16にち 21:35ごろ (UTC) 18.13° 3月31にち 21:50ごろ (UTC) 27.83°
6月12にち 16:40ごろ (UTC) 24.28° 7がつ30にち 8:50ごろ (UTC) 19.63°
10月 9にち 10:10ごろ (UTC) 25.34° 11月18にち 2:25ごろ (UTC) 19.48°
2014ねん 1がつ31にち 10:05ごろ (UTC) 18.37° 3月14にち 6:30ごろ (UTC) 27.55°
5月25にち 7:10ごろ (UTC) 22.68° 7がつ12にち 18:25ごろ (UTC) 20.91°
9月21にち 22:05ごろ (UTC) 26.40° 11月 1にち 12:40ごろ (UTC) 18.66°
2015ねん 1がつ14にち 20:30ごろ (UTC) 18.90° 2がつ24にち 16:20ごろ (UTC) 26.75°
5月 7にち 4:50ごろ (UTC) 21.18° 9月 4にち 10:15ごろ (UTC) 27.14°
10月16にち 3:15ごろ (UTC) 18.12° 12月29にち 3:10ごろ (UTC) 19.72°
金星かなぼし 2013ねん 11月 1にち 7:55ごろ (UTC) 47.07° (なし)
2014ねん (なし) 3月22にち 19:45ごろ (UTC) 46.56°
2015ねん 6月 6にち 18:30ごろ (UTC) 45.39° 10月26にち 7:15ごろ (UTC) 46.44°
2016ねん (なし) (なし)

外側そとがわ軌道きどうのある惑星わくせいそと惑星わくせい)のはなれかく理論りろんてきには0~180をとりうる。最大さいだいはなれかくという言葉ことばは、うち惑星わくせいにのみもちいる。

ごう・衝・のりとめ最大さいだいはなれかく

編集へんしゅう

惑星わくせい太陽たいようおな方向ほうこうにあるときをごう(ごう)とうが、こちらはしんけいひとしくなる瞬間しゅんかんであり[1]かならずしもはなれかくが0とはかぎらず(しんぬきひとしくないこともあるため)、またしんけいひとしいときにはなれかく最小さいしょうともかぎらない。太陽たいよう惑星わくせい反対はんたい方向ほうこうにあるときを(しょう)とうが、こちらもしんけいが180になる瞬間しゅんかんであって[1]はなれかくが180とはかぎらないので注意ちゅうい必要ひつようである。同様どうように、のり(く)も、しんけいが90・270になる瞬間しゅんかんひがしのり(とうく)・西にしのり(せいく))であるから[1]うち惑星わくせいからそと惑星わくせいひがしのりのときに同時どうじに、そと惑星わくせいからみてうち惑星わくせい西方せいほう最大さいだいはなれかくであるとはかぎらない(前者ぜんしゃしんけい定義ていぎするのにたいし、後者こうしゃこころしんかく距離きょり定義ていぎするため)。国立こくりつ天文台てんもんだい『こよみ用語ようご解説かいせつ[1]によると、惑星わくせい運行うんこう相対そうたい位置いちあらわ用語ようごでは、「とめ」はしんあかけいで、「ごう」「」「のり」はしん経度けいどで、「最大さいだいはなれかく」はこころしんかく距離きょり定義ていぎされているので注意ちゅうい必要ひつようである[2]

  1. ^ a b c d e 国立こくりつ天文台てんもんだい れき計算けいさんしつ『こよみ用語ようご解説かいせつ惑星わくせい現象げんしょう
  2. ^ 一方いっぽう、『天文てんもん年鑑ねんかん』では、観測かんそく都合つごういよう「ごう」「衝」「のり」「最大さいだいはなれかく」は赤道せきどう座標ざひょうけい使つかっており、「ごう」はあかけいが0時間じかん(0°)、「衝」はあかけいが12時間じかん(180°)、「のり」はあかけいが6時間じかん(90°)、「最大さいだいはなれかく」はうち惑星わくせい太陽たいようあかけい極大きょくだいとなるときはなれかくとしている(はなれかくそのものの極大きょくだいはなれかくではない)。軌道きどう傾斜けいしゃかくおおきい天体てんたいでは、あかけいごう・衝の時刻じこくけいごう・衝の時刻じこく数日すうじつしょうじることがある。