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雷管 - Wikipedia

雷管らいかん(らいかん、えい: detonator、blasting cap)は、わずかなねつ衝撃しょうげきでも発火はっかする火薬かやくつつめたこうひん

微量びりょう起爆きばくやくばく、ばくふん)と、それによって点火てんかされる添装やくしるべ爆薬ばくやく)で構成こうせいされ、火薬かやく爆薬ばくやくなどに、意図いとどおりのタイミングで確実かくじつ点火てんかするため、おも軍事ぐんじ用途ようとのほか発破はっぱなど工業こうぎょう用途ようともちいられている。 アンホ爆薬ばくやくなどは雷管らいかんだけでは起爆きばくできず、つて爆薬ばくやく(プライマーブースタ)を必要ひつようとする。 なお、信管しんかんは「雷管らいかん」に「起爆きばく時期じき感知かんちする装置そうち」と「安全あんぜん装置そうち」をみ、一体化いったいかさせたものである。

1865ねんアルフレッド・ノーベルによりダイナマイト点火てんかようとして、あわせて発明はつめいされた。

雷管らいかん種類しゅるい

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日本にっぽん火薬かやくるい取締とりしまりほうでは、工業こうぎょう雷管らいかん電気でんき雷管らいかんじゅうよう雷管らいかんおよ信号しんごう雷管らいかん規定きていされ、JIS K4806「工業こうぎょう雷管らいかんおよ電気でんき雷管らいかん」の規格きかくがある。 [1]

工業こうぎょう雷管らいかん

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導火どうかせんしき雷管らいかん(blasting cap)
もっとふるくからあるタイプで、導火どうかせん火炎かえん点火てんか起爆きばくさせる。
1ごうから10ごうまで種類しゅるいがあり、ごうすうちいさいものはこう感度かんどおおきいものはこう威力いりょくである。
近年きんねんでは電気でんき雷管らいかん使用しよう一般いっぱんてきになったためにあまり使用しようされていない。
日本にっぽんではおもに、導火どうかかんきの6ごう雷管らいかんもちいられる。
電気でんきしき雷管らいかん
プラスチックチューブで雷管らいかん衝撃波しょうげきはおく起爆きばくする。
電気でんき雷管らいかん弱点じゃくてんである、かみなり静電気せいでんき影響えいきょうけない特長とくちょうつ。
高価こうかだい規模きぼなシステムであり、トンネル工事こうじだい規模きぼ鉱山こうざんもちいられている。

電気でんき雷管らいかん

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電気でんき雷管らいかん(electric detonator)は、絶縁ぜつえんせい樹脂じゅし密封みっぷうした管内かんない電気でんきてき刺激しげき敏感びんかん起爆きばくやく装填そうてんした構造こうぞうつ。 [2]

絶縁ぜつえんがた電気でんき雷管らいかん
起爆きばくでんきょうせん発熱はつねつ起爆きばくやくちゅう点火てんかする。静電気せいでんきによる発火はっか事故じこきやすい。
放電ほうでんがた電気でんき雷管らいかんたい静電気せいでんき雷管らいかん
絶縁ぜつえん放電ほうでんふくごうがたで、静電気せいでんき電流でんりゅうでは発火はっかにくい点火てんかだま通電つうでんして発火はっかさせ、間接かんせつてき起爆きばくやく点火てんかする。
静電気せいでんき比較的ひかくてきつよいが、かみなり強電きょうでんりゅう由来ゆらい誘導ゆうどう電流でんりゅう漏洩ろうえい電流でんりゅうには警戒けいかい必要ひつよう
瞬発しゅんぱつ電気でんき雷管らいかん
通電つうでんするとほぼ同時どうじに、遅延ちえん起爆きばくする。
だん発電はつでん雷管らいかん
点火てんか起爆きばくやくあいだ延時のぶときやくはさんであり、通電つうでんから一定いってい時間じかん遅延ちえんして起爆きばくする。
JISでは0.25~2.3びょうのDS(デシセカンド)と25~300ミリびょうのMS(ミリセカンド)が2~10だんずつさだめられている。
複数ふくすうてん発破はっぱするさい、タイミングを調節ちょうせつする目的もくてき複数ふくすう段数だんすうわせてもちいられる。
電子でんししき遅延ちえん雷管らいかん
電気でんき雷管らいかんあわせて、コンデンサと電子でんしタイマを密封みっぷうした構造こうぞうで、精密せいみつ発破はっぱ可能かのう

[3]

地震じしん探鉱たんこうよう電気でんき雷管らいかん
爆発ばくはつによって人工じんこう地震じしんおこ場合ばあい使用しようされる。地震じしん発生はっせいから伝達でんたつまでの時間じかん正確せいかく測定そくていするためには起爆きばく時間じかん電気でんきてき正確せいかく把握はあくする必要ひつようがある。そのため、通電つうでんから起爆きばくまでの時間じかんが0.1ミリびょう以下いかになるようにつくられている。
たいねつ電気でんき雷管らいかん
高温こうおん場所ばしょでも使用しようできる。150で3時間じかん以上いじょうたいねつ性能せいのうゆうする。
起爆きばくでんきょう線型せんけい雷管らいかん
マンハッタン計画けいかく一部いちぶとして、1940年代ねんだいばくちぢみレンズよう雷管らいかんとして開発かいはつされた。
従来じゅうらい電気でんき雷管らいかん通電つうでんから起爆きばくまで200 - 300ミリびょうようしたのにたいして、2 - 3ミリびょう起爆きばくする。
ながさ1mm、直径ちょっけい0.04mmの極細ごくぼそワイヤーを使つかい、通電つうでんにワイヤー自身じしん高熱こうねつにより蒸発じょうはつしてしょうじる衝撃波しょうげきは起爆きばくさせる。
スラッパー起爆きばくしき雷管らいかん
スラッパー起爆きばく装置そうち起爆きばくでんきょう線型せんけい雷管らいかん発展はってんがたである。
起爆きばくでんきょう線型せんけい雷管らいかんでの金属きんぞくワイヤーの爆発ばくはつてき蒸発じょうはつによる衝撃波しょうげきはえて、金属きんぞくはく爆発ばくはつ発生はっせいするプラズマで「スラッパー」とぶもうひとつのほそ金属きんぞくはく運動うんどうさせることで衝撃波しょうげきは起爆きばくする。
入力にゅうりょく電力でんりょくからスラッパーの運動うんどうエネルギーへの変換へんかん効率こうりつは20 - 40%と良好りょうこうで、起爆きばく使用しようする電源でんげん小型こがた可能かのうとした。

じゅうよう雷管らいかん

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じゅうほう実包じっぽう、あるいは実包じっぽうされていない火器かき点火てんかもちいる。
おもに、げきはり(ファイアリング・ピン)の打撃だげきによって発火はっかするげきはつしきである。
げきはつしきじゅうよう雷管らいかんは、外部がいぶから打撃だげきくわえられると、雷管らいかん本体ほんたい雷管らいかんたいという)と、内部ないぶ仕込しこまれた発火はっかきんとのあいだばく圧縮あっしゅくされ、発火はっかする。この火炎かえんそうやく発射はっしゃやく)に導火どうかし、銃弾じゅうだん発射はっしゃされる。(発火はっかきんともなわない形態けいたいもある)。
日本語にほんごでは区別くべつされていないが、英語えいごでは銃弾じゅうだんよう雷管らいかんじゅうよう雷管らいかん (percussion cap) とんで区別くべつしている。

信号しんごう雷管らいかん

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爆音ばくおんはっ危険きけんらせるためにもちいる。鉄道てつどうでは緊急きんきゅう列車れっしゃめるため信号しんごうはつかみなり信号しんごう)として使用しようされていた。信号しんごう雷管らいかんをレールにけ、車輪しゃりんむことにより爆音ばくおんらし列車れっしゃ危険きけんらせ、信号しんごうえんかん併用へいようする。

その雷管らいかん

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競技きょうぎ用紙ようし雷管らいかん
JIS K4853に規格きかくがあり、スターターピストル使つかわれる。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ JIS K4806 工業こうぎょう雷管らいかんおよ電気でんき雷管らいかん 日本工業規格にほんこうぎょうきかく簡易かんい閲覧えつらん
  2. ^ 電気でんき雷管らいかん 株式会社かぶしきがいしゃジャペックス
  3. ^ 電子でんし遅延ちえんしき電気でんき雷管らいかん (PDF) カヤク・ジャパン株式会社かぶしきがいしゃ