(Translated by https://www.hiragana.jp/)
実包 - Wikipedia

実包じっぽう(じっぽう)、弾薬だんやくとう(だんやくとう)、カートリッジ(Cartridge)は、拳銃けんじゅう小銃しょうじゅう機関きかんじゅう散弾さんだんじゅうなどの火器かきもちいられ、弾丸だんがん爆薬ばくやく内蔵ないぞうしていないこうひんである。弾薬だんやく一種いっしゅであることから、弾薬だんやくばれる場合ばあいもある。散弾さんだんじゅうよう実包じっぽうは、装弾そうだん(そうだん)ともばれる。

写真しゃしんひだりから
6mm SAW
6.5mm Grendel
6.8×43mm SPC
7mm ベンチレスト
280/30 ブリティッシュ
7mm-08
7mm セカンドオプチウム
276 ピーダーセン
308x1.75"
7.62x51mm NATOだん

構造こうぞう構成こうせい

編集へんしゅう

基本きほんてきには弾丸だんがん弾頭だんとう)、薬莢やっきょう(やっきょう)、発射はっしゃやくじゅうよう雷管らいかんから構成こうせいされる。

より大型おおがた砲弾ほうだんでも基本きほんてきには銃弾じゅうだんよう実包じっぽうおな構造こうぞうだが、多量たりょう発射はっしゃやくへの着火ちゃっかたすけるため、雷管らいかんさき導火どうかやくはいったかん薬莢やっきょうない挿入そうにゅうされる。

一般いっぱんとしての「弾丸だんがん」は、弾丸だんがん自体じたいすこともあれば、薬莢やっきょうおさまった発射はっしゃ可能かのうなものをすこともある。実包じっぽうとは、後者こうしゃ言葉ことばである。

 
実包じっぽう構造こうぞう
1. 弾丸だんがん弾頭だんとう
2. 薬莢やっきょう
3. 発射はっしゃやく
4. 抽筒ばん
5. 雷管らいかん
1. 弾丸だんがん(ブレット)
射出しゃしゅつされ、人員じんいん殺傷さっしょう器物きぶつ破壊はかいなどの目的もくてきたす部分ぶぶん目的もくてきおうじた様々さまざま形状けいじょうのものが存在そんざいする。
2. 薬莢やっきょう(ケース)
発射はっしゃやく収容しゅうようする容器ようきで、頭部とうぶ弾丸だんがん底部ていぶ雷管らいかん装着そうちゃくされる。発射はっしゃやく保護ほご弾頭だんとう保持ほじ発射はっしゃ気密きみつせい確保かくほねつ排出はいしゅつなどの役割やくわりをもつ。
3. 発射はっしゃやく(パウダー)
燃焼ねんしょう弾丸だんがん発射はっしゃ必要ひつようなエネルギーをもったガスを発生はっせいさせる。現代げんだいでは無煙むえん火薬かやく使用しようされ、より以前いぜんでは黒色こくしょく火薬かやくもちいられた。目的もくてきった特性とくせいられるよう、調合ちょうごう形状けいじょうりょう調整ちょうせいされる。
4. 抽筒ばん(リム)
薬莢やっきょう底部ていぶもうけられる突起とっきくすりしつない実包じっぽう位置いち固定こていしたり、くすりしつから実包じっぽうそら薬莢やっきょうすときに使用しようされる。
5. 雷管らいかん(プライマー)
発射はっしゃにあたって最初さいしょ発火はっかする部分ぶぶん銃器じゅうきげきはり(ファイアリング・ピン)がここをたたくことで内蔵ないぞうされた起爆きばくやく発火はっかし、発射はっしゃやく燃焼ねんしょう開始かいしする。薬莢やっきょう底部ていぶ起爆きばくやく内蔵ないぞう側面そくめん露出ろしゅつしたピンをたたくことで発火はっかするピンファイアしきや、起爆きばくやく内蔵ないぞうするリムをたたつぶすことで発火はっかするリムファイアしき実包じっぽうには独立どくりつした雷管らいかんはない。

実包じっぽう効果こうか

編集へんしゅう
 
日本にっぽん海軍かいぐんの13ミリ機銃きじゅうだん
薬莢やっきょう底部ていぶ雷管らいかん確認かくにんできる。そうやく日本にっぽん法律ほうりつにより、取出とりでずみ

発明はつめい当初とうしょ火砲かほうは、目標もくひょうぶつかって射出しゃしゅつされるたまたいと、推進すいしんりょく発射はっしゃやく別々べつべつであった。そのため、1はつ発射はっしゃするための準備じゅんびようする時間じかんながく、連射れんしゃ不可能ふかのうだった。その、それらを薬莢やっきょうにパッケージングすることで、あつかいは容易よういとなり、あめ湿気しっけなど周囲しゅうい影響えいきょう低減ていげんでき、連射れんしゃ機構きこう可能かのうとなった。また、その薬莢やっきょう金属きんぞくとし、ねつをある程度ていど吸収きゅうしゅうさせててることで連射れんしゃくすりしつ過熱かねつおさえ、 ガンパウダーじゅうよう雷管らいかん自然しぜん発火はっかコックオフ減少げんしょうでき、くすりしつはし燃焼ねんしょうガスれなどをふせぎ、射撃しゃげき精度せいどげることとなった。

日本にっぽんなかでは、織田おだ信長のぶなが軍隊ぐんたいなどが、弾丸だんがん発射はっしゃやくつつんでパッケージした「ごう」とばれるものを使用しようしていた。火縄銃ひなわじゅう発射はっしゃにかかるサイクルのなか発射はっしゃやくめる時間じかんをかなり短縮たんしゅくできるため、軍事ぐんじまとには大変たいへん有利ゆうりになる。

特殊とくしゅ実包じっぽう

編集へんしゅう

マグナムだん

編集へんしゅう

どう口径こうけい一般いっぱんてき弾薬だんやくよりも発射はっしゃやくやしたもの。つよ装弾そうだん下記かき)とはちがい、よりおおくの火薬かやくはいるよう、また安全あんぜんせいのために薬莢やっきょう形状けいじょうえている。

ケースレス(薬莢やっきょうだん

編集へんしゅう

薬莢やっきょうはいしたもの。広義こうぎのケースレスだんにあたるいくつかのかみせい薬莢やっきょうでは、素材そざい燃焼ねんしょうしやすいよう処理しょりしたかみもちいて発射はっしゃ薬莢やっきょうきるようになっていた。現代げんだいのケースレスだん成形せいけいされた発射はっしゃやく弾頭だんとう雷管らいかん装着そうちゃくされている。軽量けいりょう金属きんぞく資源しげん節約せつやく銃器じゅうきはいさいかち機構きこう削除さくじょのぞめるが、薬莢やっきょうっていた機能きのううしなわれ問題もんだいおおうえにコストがたかく(量産りょうさんいたっていないためでもあるが)、実用じつよういたったれいはない。

テレスコープだん

編集へんしゅう

薬莢やっきょうなか弾丸だんがんうちぼっさせたもの。弾頭だんとう内蔵ないぞうされるため耐久たいきゅうせい向上こうじょうし、単純たんじゅん円筒えんとうがたになるため携帯けいたいせいにもすぐれる。各国かっこく研究けんきゅうすすめられているが、技術ぎじゅつてき問題もんだいやコストによりだい規模きぼ採用さいようにはいたっていない。

つよ装弾そうだん

編集へんしゅう

そうくすりりょうやすなどして、一般いっぱんてき弾薬だんやくよりも発射はっしゃ圧力あつりょくたかめたもの。威力いりょく射程しゃてい距離きょり向上こうじょうのぞめるが、反動はんどう増加ぞうか命中めいちゅう精度せいど低下ていか発射はっしゃえん英語えいごばんによる視界しかい悪化あっかなどが懸念けねんされる。マグナムだんとはちがい、薬莢やっきょう形状けいじょうはそのままである。

つよ装弾そうだんのうち、アメリカ火器かき業界ぎょうかいによる研究所けんきゅうじょ「SAAMI」がさだめる規格きかく「+P」の範囲はんい圧力あつりょくたかめたもの。+P規格きかくえて圧力あつりょくたかめた+P+たま存在そんざいする。一般いっぱんてき使用しようしても銃器じゅうき破損はそんするおそれはちいさいが、対応たいおううたっていない銃器じゅうき使用しようすると寿命じゅみょうちぢめたり最悪さいあく破壊はかいするおそれがある。

ホットロード(オーバーロード)

編集へんしゅう

つよ装弾そうだんすスラング。とりわけ、+P(あるいは+P+)をえる圧力あつりょくまで発射はっしゃやくやしたハンドロードによるつよ装弾そうだんす。安全あんぜん規格きかく無視むしした弾薬だんやくであるため、使用しようすると銃器じゅうき破損はそん負傷ふしょうおそれがある。

また、ホットロードという単語たんご弾薬だんやく強弱きょうじゃくしめ形容詞けいようしてき用法ようほうでも使つかわれる。具体ぐたいてきには、メーカーや製品せいひんによりどういち規格きかく範囲はんいないにある弾薬だんやくであってもそうやく強弱きょうじゃくがあるため、相対そうたいてき強力きょうりょく弾薬だんやくのことを(ファクトリーロードであっても)ホットあるいはホットロードとぶ。

じゃく装弾そうだん

編集へんしゅう

そうくすりりょうらすなどして、一般いっぱんてき弾薬だんやくよりも発射はっしゃ圧力あつりょくひくめたもの。威力いりょく射距離しゃきょり減少げんしょうするが、反動はんどう低下ていかと、それにともな命中めいちゅう精度せいど向上こうじょう期待きたいできる。きゅう日本にっぽんぐんではげん装弾そうだん呼称こしょうし、けい機関きかんじゅう狙撃そげきじゅう使用しようしていた。自衛隊じえいたいでは62しき7.62mm機関きかんじゅう64しき7.62mm小銃しょうじゅう74しき車載しゃさい7.62mm機関きかんじゅうじゃく装弾そうだん使用しようする。はじめからじゃく装弾そうだん想定そうていした設計せっけいがされているじゅう使つかうならば問題もんだいはないが、そうでないじゅうじゃく装弾そうだんもちいる場合ばあい弾道だんどう照準しょうじゅん装置そうち設定せっていわなくなり、自動じどう火器かきにおいては圧力あつりょく不足ふそくによる作動さどう不良ふりょうにも注意ちゅうい必要ひつようとなる。

サブソニック(音速おんそくだん

編集へんしゅう

たまそく音速おんそく下回したまわるよう弾頭だんとう重量じゅうりょう発射はっしゃやくりょう調整ちょうせいしたもの。弾丸だんがん飛翔ひしょうともなって発生はっせいする衝撃波しょうげきはがなく、それによって発生はっせいするおおきなおとおさえられるため、発射はっしゃじゅうはっするおと軽減けいげんするサプレッサーとは相性あいしょうく、音速おんそくだんとサプレッサーを併用へいようすることで消音しょうおん効果こうかがよりたかまる。しかし通常つうじょうだんより弾道だんどう不安定ふあんていになりやすく、遠距離えんきょり狙撃そげきなど射撃しゃげき精度せいどもとめられる状況じょうきょうとは相性あいしょうわるい。.45ACPだんように、通常つうじょう実包じっぽうがサブソニックで、音速おんそく以上いじょう実包じっぽう特殊とくしゅというれいもある。

関連かんれん項目こうもく

編集へんしゅう