この節 ふし には独自 どくじ 研究 けんきゅう が含 ふく まれているおそれがあります。 問題 もんだい 箇所 かしょ を検証 けんしょう し出典 しゅってん を追加 ついか して、記事 きじ の改善 かいぜん にご協力 きょうりょく ください。議論 ぎろん はノート を参照 さんしょう してください。(2022年 ねん 2月 がつ )
軍事 ぐんじ は、公共 こうきょう 的 てき 利益 りえき と政治 せいじ 的 てき な重要 じゅうよう 性 せい を伴 ともな うものである。軍事 ぐんじ は民事 みんじ [注釈 ちゅうしゃく 2] と共 とも に国際 こくさい 関係 かんけい を扱 あつか う分野 ぶんや の一 ひと つであり、外交 がいこう や経済 けいざい などと並 なら ぶ政府 せいふ の主要 しゅよう な行政 ぎょうせい 機能 きのう の一 ひと つに位置 いち づけられる[2] 。軍事 ぐんじ がなぜ公益 こうえき と重要 じゅうよう 性 せい を伴 ともな っているかを理解 りかい する上 じょう で、フィレンツェの政治 せいじ 思想家 しそうか であるニッコロ・マキアヴェリ の見解 けんかい が参考 さんこう となる。彼 かれ は『政略 せいりゃく 論 ろん 』において「戦 たたか いに訴 うった えねばならない場合 ばあい に、自 じ 国民 こくみん からなる軍隊 ぐんたい をもっていない指導 しどう 者 しゃ は国家 こっか は恥 は じてしかるべきだと思 おも う」と論 ろん じている。なぜならば、自 みずか らの安全 あんぜん を自力 じりき で確保 かくほ する意志 いし がなければ、国家 こっか の独立 どくりつ と平和 へいわ を期待 きたい することはできないからである[注釈 ちゅうしゃく 3] 。戦争 せんそう が勃発 ぼっぱつ することは不可避 ふかひ であり、それに対処 たいしょ するために軍備 ぐんび が必要 ひつよう であるという現実 げんじつ 主義 しゅぎ の政治 せいじ 思想 しそう は軍事 ぐんじ の基本 きほん 的 てき な考 かんが え方 かた となっている。
軍事 ぐんじ の基本 きほん 的 てき な問題 もんだい とは軍隊 ぐんたい の根本 こんぽん 的 てき な任務 にんむ である戦争 せんそう における戦闘 せんとう に勝利 しょうり することにあると要約 ようやく することができる[注釈 ちゅうしゃく 4] 。ただしこの基本 きほん 的 てき な問題 もんだい に関 かん しても幅広 はばひろ い視角 しかく が存在 そんざい している。例 たと えば自然 しぜん 科学 かがく の視角 しかく から軍事 ぐんじ 問題 もんだい を観察 かんさつ すれば、戦場 せんじょう の地理 ちり 学 がく 的 てき 特性 とくせい 、戦闘 せんとう で使用 しよう される武器 ぶき や兵器 へいき などの工学 こうがく 的 てき 性能 せいのう 、戦闘 せんとう 力 りょく や戦闘 せんとう 行動 こうどう の数学 すうがく 的 てき な性質 せいしつ などの側面 そくめん が認 みと められる[注釈 ちゅうしゃく 5] 。これに社会 しゃかい 科学 かがく の視点 してん を導入 どうにゅう すれば、戦闘 せんとう 行動 こうどう をより大局 たいきょく 的 てき な観点 かんてん から指導 しどう している国家 こっか の安全 あんぜん 保障 ほしょう 政策 せいさく や国際 こくさい 法 ほう との関係 かんけい 、軍隊 ぐんたい を支 ささ える国家 こっか の行政 ぎょうせい 機能 きのう 、戦闘 せんとう を組織 そしき 化 か する戦略 せんりゃく と戦術 せんじゅつ 、そして作戦 さくせん 計画 けいかく を具体 ぐたい 化 か するための補給 ほきゅう や輸送 ゆそう 、通信 つうしん などの兵站 へいたん 活動 かつどう などの多 おお くの側面 そくめん があることが分 わ かる[注釈 ちゅうしゃく 6] 。さらに人文 じんぶん 科学 かがく の視座 しざ を持 も ち込 こ めば、戦争 せんそう に関 かん する文学 ぶんがく 的 てき 記述 きじゅつ 、戦闘 せんとう の様相 ようそう に関 かん する歴史 れきし 的 てき 観察 かんさつ 、戦闘 せんとう における兵士 へいし の心理 しんり 的 てき 反応 はんのう などの着眼 ちゃくがん 点 てん も指摘 してき することができる[注釈 ちゅうしゃく 7] 。つまり軍事 ぐんじ とは軍隊 ぐんたい の活動 かつどう である戦争 せんそう と戦闘 せんとう において勝利 しょうり するための諸々 もろもろ の問題 もんだい であるが、広義 こうぎ においては上記 じょうき で述 の べたような複雑 ふくざつ な諸 しょ 問題 もんだい を含 ふく んでいる。
複雑 ふくざつ さに加 くわ えて軍事 ぐんじ という問題 もんだい は時代 じだい に応 おう じて流動的 りゅうどうてき である。軍隊 ぐんたい の使命 しめい は歴史 れきし を経 へ て変化 へんか しつつあり、古代 こだい ギリシアの歴史 れきし 家 か ヘロドトス が『歴史 れきし 』で叙述 じょじゅつ したペルシア戦争 せんそう において軍隊 ぐんたい は敵 てき の軍隊 ぐんたい を殲滅 せんめつ することのみを使命 しめい としていた[3] 。しかし近代 きんだい においてポーランドの戦争 せんそう 研究 けんきゅう 者 しゃ イヴァン・ブロッホ は『将来 しょうらい の戦争 せんそう 』では戦争 せんそう が軍事 ぐんじ 技術 ぎじゅつ の進歩 しんぽ によって大量 たいりょう の損害 そんがい を伴 ともな う長期 ちょうき 戦 せん に発展 はってん すると論 ろん じ、第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 、第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん の様相 ようそう を予測 よそく した[注釈 ちゅうしゃく 8] 。また冷戦 れいせん 後 うしろ ではイギリスの軍人 ぐんじん ルパート・スミス が『軍事 ぐんじ 力 りょく の有用 ゆうよう 性 せい 』で戦争 せんそう の歴史 れきし 的 てき 変容 へんよう を指摘 してき しており、戦争 せんそう は国家 こっか の武力 ぶりょく 衝突 しょうとつ や敵 てき 軍 ぐん の殲滅 せんめつ 、領土 りょうど の占領 せんりょう に特徴付 とくちょうづ けられるものではなく、人々 ひとびと の間 あいだ で生 しょう じる戦争 せんそう 、前線 ぜんせん と後方 こうほう の混在 こんざい などに特徴付 とくちょうづ けられる戦争 せんそう に変化 へんか していると論 ろん じた[注釈 ちゅうしゃく 9] 。三者 さんしゃ は一様 いちよう に戦争 せんそう について論 ろん じているものの、その問題 もんだい 意識 いしき はそれぞれ異 こと なっている。ヘロドトスが描 えが いた戦争 せんそう では戦場 せんじょう で刀剣 とうけん などで武装 ぶそう した両 りょう 軍 ぐん が機動 きどう や打撃 だげき を行 おこな っていたが、ブロッホが予測 よそく した戦争 せんそう においては高度 こうど な火力 かりょく 戦闘 せんとう を行 おこな う両 りょう 軍 ぐん が決定的 けっていてき 戦果 せんか を挙 あ げることができることなく全 すべ ての国力 こくりょく を動員 どういん した長期 ちょうき 戦 せん となり、スミスの戦争 せんそう 観 かん では敵 てき の存在 そんざい が不 ふ 明確 めいかく な混乱 こんらん 地帯 ちたい において軍隊 ぐんたい が行動 こうどう するというものである。このように軍事 ぐんじ において問題 もんだい 意識 いしき の力点 りきてん が変化 へんか し続 つづ けており、現在 げんざい において新 あたら しい課題 かだい が出現 しゅつげん し続 つづ けている。
軍事 ぐんじ の全般 ぜんぱん 的 てき な理解 りかい のために、ここでは主 おも に社会 しゃかい 科学 かがく の見地 けんち から述 の べており、そのため本 ほん 項目 こうもく では軍事 ぐんじ に関 かん する基本 きほん 的 てき な主題 しゅだい を戦争 せんそう 、軍事 ぐんじ システム、戦争 せんそう 能力 のうりょく 、軍事 ぐんじ ドクトリンとまとめている。これら四 よっ つの主題 しゅだい に沿 そ って、戦争 せんそう の理論 りろん 的 てき 枠組 わくぐ み、戦争 せんそう の一 ひと つの形態 けいたい である総 そう 力戦 りきせん 、制限 せいげん 戦争 せんそう 、ゲリラ戦 せん の特性 とくせい 、戦争 せんそう の政治 せいじ 理論 りろん としての国際 こくさい 政治 せいじ の問題 もんだい 、戦争 せんそう 法 ほう の枠組 わくぐ み、国防 こくぼう の基本 きほん 概念 がいねん 、軍隊 ぐんたい の制度 せいど 的 てき 成 な り立 た ち、指揮 しき 統制 とうせい の基本 きほん システム、軍事 ぐんじ 教育 きょういく のあり方 かた 、政府 せいふ と軍隊 ぐんたい の関係 かんけい 、軍事 ぐんじ 能力 のうりょく の機能 きのう と種類 しゅるい 、陸上 りくじょう 戦力 せんりょく 、海上 かいじょう 戦力 せんりょく 、航空 こうくう 戦力 せんりょく の概念 がいねん 、軍事 ぐんじ 力 りょく を支 ささ える経済 けいざい 的 てき 基盤 きばん 、そして軍事 ぐんじ 行動 こうどう を指導 しどう する安全 あんぜん 保障 ほしょう 政策 せいさく 、軍事 ぐんじ 戦略 せんりゃく 、戦術 せんじゅつ 、兵站 へいたん 、そして戦争 せんそう 以外 いがい の作戦 さくせん について説明 せつめい する。詳細 しょうさい については個別 こべつ の記事 きじ で述 の べている。また本 ほん 項目 こうもく では取 と り上 あ げられなかった戦争 せんそう や軍隊 ぐんたい 、戦闘 せんとう の歴史 れきし 的 てき 説明 せつめい については軍事 ぐんじ 史 し を、工学 こうがく 的 てき 見地 けんち に基 もと づく諸々 もろもろ の装備 そうび については兵器 へいき を、各国 かっこく の軍事 ぐんじ 情勢 じょうせい については各国 かっこく の軍事 ぐんじ や各国 かっこく の軍隊 ぐんたい の一覧 いちらん から該当 がいとう する記事 きじ を参照 さんしょう されたい。
戦争 せんそう が国家 こっか の存亡 そんぼう を決定 けってい する極 きわ めて重大 じゅうだい な出来事 できごと であることは古来 こらい から『孫子 まごこ 』が論 ろん じてきたことである。戦争 せんそう において国家 こっか は敵 てき の軍事 ぐんじ 力 りょく によって安全 あんぜん を脅 おびや かされる事態 じたい に直面 ちょくめん するのであり、それは領土 りょうど や都市 とし の破壊 はかい と占領 せんりょう 、国民 こくみん の生存 せいぞん とその財産 ざいさん 所有 しょゆう 権 けん の侵害 しんがい 、政治 せいじ 的 てき 自由 じゆう や独立 どくりつ の制限 せいげん などの方法 ほうほう で行 おこな われる[注釈 ちゅうしゃく 10] 。同時 どうじ に戦争 せんそう は社会 しゃかい 現象 げんしょう の中 なか でも特 とく に分析 ぶんせき が難 むずか しい複雑 ふくざつ な主題 しゅだい の一 ひと つであり、戦闘 せんとう などの軍事 ぐんじ 的 てき な出来事 できごと だけで生 しょう じるのではなく、対外 たいがい 政策 せいさく や国内 こくない での政治 せいじ 過程 かてい などの政治 せいじ 的 てき 文脈 ぶんみゃく に基 もと づいて生起 せいき するものである。しかもその展開 てんかい においては戦時 せんじ 特有 とくゆう の動員 どういん や生産 せいさん などの経済 けいざい 的 てき 要素 ようそ 、国民 こくみん 心理 しんり などの社会 しゃかい 的 てき 要素 ようそ と関連 かんれん するものである。しかも戦争 せんそう は敵国 てきこく と自国 じこく の相互 そうご 作用 さよう によって生 しょう じた結果 けっか であるため、戦争 せんそう において最適 さいてき な意思 いし 決定 けってい が何 なに であるかを明確 めいかく に理論 りろん 化 か することはできない[注釈 ちゅうしゃく 11] 。つまり重大 じゅうだい な戦争 せんそう の原因 げんいん とその実態 じったい を理解 りかい するためには、その複雑 ふくざつ 性 せい を概観 がいかん できる理論 りろん 的 てき な把握 はあく が必要 ひつよう となる。
プロイセンの軍事 ぐんじ 学者 がくしゃ カール・フォン・クラウゼヴィッツ は『戦争 せんそう 論 ろん 』において戦争 せんそう の一般 いっぱん 理論 りろん を構築 こうちく した戦略 せんりゃく 家 か である。彼 かれ は二 に 人 にん の間 あいだ での決闘 けっとう に戦争 せんそう をなぞらえた上 うえ で、戦争 せんそう とは「敵 てき を強制 きょうせい してわれわれの意志 いし を遂行 すいこう させるために用 もち いられる暴力 ぼうりょく 行為 こうい である」と説明 せつめい しようとした。そして戦争 せんそう において生 しょう じる暴力 ぼうりょく は相互 そうご 作用 さよう によって無制限 むせいげん に極大 きょくだい 化 か する法則 ほうそく があることを明 あき らかにした上 うえ で、そのような戦争 せんそう を絶対 ぜったい 戦争 せんそう として定式 ていしき 化 か した。絶対 ぜったい 戦争 せんそう では軍事 ぐんじ 的 てき な合理 ごうり 性 せい の下 した であらゆる事柄 ことがら が徹底的 てっていてき に合理 ごうり 化 か され、最大限 さいだいげん の軍事 ぐんじ 力 りょく が敵 てき を殲滅 せんめつ するために使用 しよう されることになる。ただし戦争 せんそう は単 たん に軍事 ぐんじ において完結 かんけつ する現象 げんしょう ではないことにクラウゼヴィッツは注意 ちゅうい を払 はら っており、この絶対 ぜったい 戦争 せんそう のような形式 けいしき が現実 げんじつ に起 お こっている戦争 せんそう とは異 こと なることを認識 にんしき していた。つまり戦争 せんそう は固有 こゆう の法則 ほうそく に従 したが って無制限 むせいげん に暴力 ぼうりょく 性 せい を高 たか めるだけではなく、その戦争 せんそう 行為 こうい を制限 せいげん することができる政治 せいじ 的 てき 目的 もくてき を伴 ともな うものである。戦争 せんそう の発生 はっせい には必 かなら ず外交 がいこう 的 てき または経済 けいざい 的 てき 、心理 しんり 的 てき な情勢 じょうせい が起因 きいん しており、あらゆる戦争 せんそう は政治 せいじ 的 てき 目的 もくてき を究極 きゅうきょく 的 てき には達成 たっせい しようと指導 しどう されるものである[5] 。このクラウゼヴィッツの戦争 せんそう 理論 りろん は「戦争 せんそう は他 た の手段 しゅだん を以ってする政治 せいじ の継続 けいぞく である」と理解 りかい されており、戦略 せんりゃく 研究 けんきゅう では広 ひろ く参照 さんしょう されている。
しかし現代 げんだい の戦略 せんりゃく 研究 けんきゅう ではクラウゼヴィッツが前提 ぜんてい としていた主権 しゅけん 国家 こっか による戦争 せんそう が戦争 せんそう の全 すべ てではないことが分 わ かっている。非 ひ 国家 こっか 主体 しゅたい によって戦争 せんそう が遂行 すいこう される可能 かのう 性 せい を提唱 ていしょう したのは社会 しゃかい 主義 しゅぎ の政治 せいじ イデオロギーを掲 かか げて革命 かくめい 戦争 せんそう を指導 しどう したマルクス主義 まるくすしゅぎ 者 もの たちであった。レーニン はクラウゼヴィッツが定式 ていしき 化 か した戦争 せんそう と政治 せいじ の関係 かんけい を再 さい 解釈 かいしゃく し、政治 せいじ を武力 ぶりょく によらない戦争 せんそう 、戦争 せんそう を武力 ぶりょく による政治 せいじ であると捉 とら えて革命 かくめい 戦争 せんそう の理論 りろん に適用 てきよう した。このことでパルチザン部隊 ぶたい による戦争 せんそう の形態 けいたい が成立 せいりつ することになり、国家 こっか と国家 こっか の戦争 せんそう という図式 ずしき は陳腐 ちんぷ 化 か することになった[注釈 ちゅうしゃく 12] 。またクラウゼヴィッツに対 たい する批判 ひはん を展開 てんかい する戦略 せんりゃく 研究 けんきゅう 者 しゃ のマーチン・ファン・クレフェルト は『戦争 せんそう の変遷 へんせん 』において戦争 せんそう の歴史 れきし 的 てき 事例 じれい に基 もと づいて理論 りろん を構築 こうちく している。クラウゼヴィッツの戦争 せんそう 理論 りろん での国家 こっか の前提 ぜんてい は政府 せいふ 、軍隊 ぐんたい 、国民 こくみん から成立 せいりつ している三位一体 さんみいったい の戦争 せんそう モデルであったが、クレフェルトは非 ひ 三位一体 さんみいったい の戦争 せんそう が存在 そんざい することを指摘 してき しており、したがってクラウゼヴィッツの理論 りろん が主権 しゅけん 国家 こっか による戦争 せんそう に限定 げんてい されたモデルであると論 ろん じている。つまり必 かなら ずしも戦争 せんそう は理性 りせい 的 てき な政治 せいじ の延長 えんちょう ではなく、むしろ宗教 しゅうきょう や正義 まさよし などの価値 かち 観 かん を実現 じつげん するための手段 しゅだん として行 おこな われているものと考 かんが える[注釈 ちゅうしゃく 13] 。
総 そう 力戦 りきせん (Total war) とは戦争 せんそう が採 と りうる形態 けいたい の一 ひと つであり、軍事 ぐんじ 力 りょく の行使 こうし だけでなく、軍事 ぐんじ 力 りょく を支 ささ える経済 けいざい 的 てき 基盤 きばん を構成 こうせい する工業 こうぎょう 生産 せいさん 力 りょく や労働 ろうどう 力 りょく の総動員 そうどういん 、民間 みんかん 人 じん の全国 ぜんこく 的 てき な戦争 せんそう 協力 きょうりょく 、そして戦争 せんそう 遂行 すいこう を正当 せいとう 化 か するためのイデオロギー や思想 しそう の宣伝 せんでん 活動 かつどう などを伴 ともな うような、国家 こっか の総力 そうりょく を挙 あ げる戦争 せんそう 遂行 すいこう の形式 けいしき である。このような概念 がいねん を提唱 ていしょう したのは第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん で敗北 はいぼく したドイツ軍 ぐん を指導 しどう した軍人 ぐんじん エーリッヒ・ルーデンドルフ であった。ルーデンドルフは著作 ちょさく 『総 そう 力戦 りきせん 』の中 なか で第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん を契機 けいき に戦争 せんそう の主体 しゅたい が政府 せいふ と軍隊 ぐんたい だけではなく民衆 みんしゅう を巻 ま き込 こ んで遂行 すいこう される形式 けいしき へと変化 へんか したことを指摘 してき し、これを総 そう 力戦 りきせん と命名 めいめい した[注釈 ちゅうしゃく 14] 。総 そう 力戦 りきせん の概念 がいねん の画 が 期 き 性 せい とは従来 じゅうらい の戦争 せんそう が戦場 せんじょう での軍事 ぐんじ 行動 こうどう で完結 かんけつ していたものから、銃後 じゅうご の経済 けいざい 活動 かつどう や生活 せいかつ までもが軍事 ぐんじ 行動 こうどう と結 むす び付 つ けられたことである。したがって、総 そう 力戦 りきせん においては海上 かいじょう 封鎖 ふうさ や戦略 せんりゃく 爆撃 ばくげき のように敵 てき の経済 けいざい 活動 かつどう を破壊 はかい するための行動 こうどう が継続 けいぞく 的 てき に行 おこな われ、また敵 てき の抗戦 こうせん 意志 いし を減耗 げんもう させるためにラジオ やビラ などのマスメディア を利用 りよう した思想 しそう 宣伝 せんでん を実施 じっし する。これらに対抗 たいこう するために経済 けいざい 活動 かつどう は政府 せいふ により統制 とうせい され、人員 じんいん や物資 ぶっし 、情報 じょうほう などは軍事 ぐんじ 作戦 さくせん を支援 しえん するために配分 はいぶん 、管理 かんり される。ルーデンドルフは特 とく にドイツ敗戦 はいせん を招 まね いた原因 げんいん として革命 かくめい 運動 うんどう を指示 しじ するような思想 しそう 的 てき 要因 よういん を重要 じゅうよう 視 し しており、国民 こくみん 士気 しき の低下 ていか はドイツ軍 ぐん の士気 しき そのものに悪影響 あくえいきょう を及 およ ぼしていたと述 の べている。そのために総 そう 力戦 りきせん を遂行 すいこう するためには総力 そうりょく 政治 せいじ が不可欠 ふかけつ であると主張 しゅちょう している。総力 そうりょく 政治 せいじ は総 そう 力戦 りきせん に関 かか わるあらゆる要素 ようそ を統制 とうせい する機能 きのう を担 にな っており、単独 たんどく の指導 しどう 者 しゃ によって総力 そうりょく 政治 せいじ は実践 じっせん されなければならない。つまり総 そう 力戦 りきせん とは従来 じゅうらい の武力 ぶりょく 紛争 ふんそう だけではなく、経済 けいざい 紛争 ふんそう や情報 じょうほう 紛争 ふんそう が結合 けつごう した複 ふく 合 あい 的 てき な戦争 せんそう のあり方 かた であり、核兵器 かくへいき が存在 そんざい する現代 げんだい においては核 かく 戦争 せんそう を意味 いみ するものである。
制限 せいげん 戦争 せんそう (Limited war) とは軍事 ぐんじ 力 りょく を抑制 よくせい 的 てき に行使 こうし することで、戦争 せんそう のエスカレーションを制御 せいぎょ することを可能 かのう とする戦争 せんそう の形態 けいたい の一種 いっしゅ である。アメリカの外交 がいこう 官 かん ヘンリー・キッシンジャー は『核兵器 かくへいき と外交 がいこう 政策 せいさく 』このような戦争 せんそう を「特定 とくてい の政治 せいじ 目的 もくてき のため(中略 ちゅうりゃく )相手 あいて の意志 いし を押 お しつぶすのではなく、影響 えいきょう を及 およ ぼし、課 か せられる条件 じょうけん で抵抗 ていこう するより魅力 みりょく 的 てき であると思 おも わせ、特定 とくてい の目標 もくひょう を達成 たっせい せんとする」戦争 せんそう と描写 びょうしゃ した。つまり限定 げんてい 戦争 せんそう の主眼 しゅがん とは、軍事 ぐんじ 力 りょく だけで敵 てき に我 が の意志 いし を全面 ぜんめん 的 てき に強制 きょうせい するのではなく、外交 がいこう 交渉 こうしょう を交 まじ えながら軍事 ぐんじ 作戦 さくせん を遂行 すいこう することで、目標 もくひょう を達成 たっせい する手段 しゅだん として戦争 せんそう の規模 きぼ や程度 ていど を抑制 よくせい することにある。キッシンジャーは核兵器 かくへいき の登場 とうじょう によって戦争 せんそう そのものが遂行 すいこう 不可能 ふかのう になるという見解 けんかい を退 しりぞ け、この限定 げんてい 戦争 せんそう に基 もと づいた限定 げんてい 核 かく 戦争 せんそう という戦争 せんそう 方式 ほうしき を提唱 ていしょう した[6] 。事実 じじつ 、核兵器 かくへいき が登場 とうじょう してからも朝鮮 ちょうせん 戦争 せんそう やインドシナ戦争 せんそう などの戦争 せんそう が勃発 ぼっぱつ しており、これらは限定 げんてい 戦争 せんそう の形式 けいしき に則 のっと って遂行 すいこう されている。限定 げんてい 戦争 せんそう を成 な りたせている外交 がいこう は通常 つうじょう の外交 がいこう と区別 くべつ されており、アメリカの政治 せいじ 学者 がくしゃ アレキサンダー・ジョージ などの研究 けんきゅう 者 しゃ たちによって強制 きょうせい 外交 がいこう と呼 よ ばれている[注釈 ちゅうしゃく 15] 。強制 きょうせい 外交 がいこう が敵 てき との間 あいだ で成立 せいりつ するためには、彼我 ひが 双方 そうほう にとって軍事 ぐんじ 行動 こうどう に伴 ともな う損害 そんがい を抑制 よくせい する意図 いと を共有 きょうゆう しなければならず、戦略 せんりゃく 防 ぼう 勢 ぜい の立場 たちば を採 と るために作戦 さくせん の主導 しゅどう 権 けん を喪失 そうしつ する危険 きけん が伴 ともな うが、総 そう 力戦 りきせん と比 くら べて最小限 さいしょうげん の費用 ひよう と危険 きけん で目的 もくてき を達成 たっせい する選択肢 せんたくし とされている。
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ゲリラ戦争 せんそう (Guerrilla Warfare)[注釈 ちゅうしゃく 16] または革命 かくめい 戦争 せんそう とは本質 ほんしつ 的 てき に国家 こっか に対 たい する非 ひ 国家 こっか 主体 しゅたい により遂行 すいこう される戦争 せんそう の形態 けいたい である。このような戦争 せんそう の形態 けいたい が成立 せいりつ した背景 はいけい にはマルクス主義 まるくすしゅぎ を指向 しこう する政治 せいじ 運動 うんどう があり、ロシア革命 かくめい 、キューバ革命 かくめい 、国共 こっきょう 内戦 ないせん などの革命 かくめい が勃発 ぼっぱつ したことで、ゲリラ戦争 せんそう のあり方 かた が研究 けんきゅう されてきた。革命 かくめい 家 か でありながらゲリラ戦争 せんそう の理論 りろん を確立 かくりつ した毛沢東 もうたくとう はゲリラ戦争 せんそう には正規 せいき 軍 ぐん によって遂行 すいこう される在来 ざいらい 戦争 せんそう とは異 こと なる背景 はいけい を持 も った固有 こゆう の領域 りょういき があることを指摘 してき し、『遊 ゆう 撃 げき 戦 せん 論 ろん 』でこの問題 もんだい を論考 ろんこう している。ゲリラ戦争 せんそう の特徴 とくちょう とは戦略 せんりゃく 防 ぼう 勢 ぜい の立場 たちば に置 お かれながらも、分散 ぶんさん された小規模 しょうきぼ な部隊 ぶたい による急襲 きゅうしゅう で敵 てき に連続 れんぞく 的 てき に損害 そんがい を強 し いることで戦争 せんそう そのものを主導 しゅどう することにある。したがって、ゲリラ戦争 せんそう において短期 たんき 決戦 けっせん は発生 はっせい せず、決戦 けっせん を想定 そうてい した戦闘 せんとう 部隊 ぶたい は必 かなら ずしも優位 ゆうい ではなくなる[注釈 ちゅうしゃく 17] 。革命 かくめい 家 か チェ・ゲバラ は『ゲリラ戦争 せんそう 』においてゲリラ戦争 せんそう を成立 せいりつ させるための戦略 せんりゃく と戦術 せんじゅつ について論 ろん じている。そこでは負 ま ける戦 たたか いを避 さ け、常 つね に遊 ゆう 撃 げき し、敵 てき から武器 ぶき を略取 りゃくしゅ し、行動 こうどう は秘匿 ひとく し、奇襲 きしゅう を活用 かつよう するというゲリラ戦 せん の原則 げんそく が示 しめ されている。ゲリラ戦争 せんそう は戦略 せんりゃく 的 てき には防 ぼう 勢 ぜい に置 お かれるが、しかし一 いち 撃 げき 離脱 りだつ を繰 く り返 かえ すゲリラ戦士 せんし は決 けっ して包囲 ほうい 殲滅 せんめつ されることはないために、戦争 せんそう の主導 しゅどう 権 けん を維持 いじ することができる[注釈 ちゅうしゃく 18] 。
この節 ふし には独自 どくじ 研究 けんきゅう が含 ふく まれているおそれがあります。 問題 もんだい 箇所 かしょ を検証 けんしょう し出典 しゅってん を追加 ついか して、記事 きじ の改善 かいぜん にご協力 きょうりょく ください。議論 ぎろん はノート を参照 さんしょう してください。(2022年 ねん 2月 がつ )
戦争 せんそう 法 ほう とは戦争 せんそう 行為 こうい を規制 きせい する戦時 せんじ における国際 こくさい 法 ほう である。これは今日 きょう では武力 ぶりょく 紛争 ふんそう 法 ほう や人道 じんどう 国際 こくさい 法 ほう とも呼 よ ばれる場合 ばあい がある。現実 げんじつ 主義 しゅぎ の立場 たちば に立 た つならば、戦争 せんそう は本質 ほんしつ 的 てき には道徳 どうとく や法律 ほうりつ によって規制 きせい することはできるものではない。したがって戦争 せんそう 法 ほう が存在 そんざい する価値 かち を認 みと めることはできないものである。しかしながら、国際 こくさい 政治 せいじ 学 がく におけるもう一 ひと つの立場 たちば である理想 りそう 主義 しゅぎ に立脚 りっきゃく するならば、戦争 せんそう は決 けっ して許容 きょよう できないものである。このような考 かんが え方 かた は人文 じんぶん 主義 しゅぎ 者 もの エラスムス が『平和 へいわ の訴 うった え』において「およそいかなる平和 へいわ も、たとえそれがどんなに正 ただ しくないものであろうと、最 もっと も正 ただ しいとされる戦争 せんそう よりは良 よ いものなのです」と論 ろん じたことで表現 ひょうげん される[7] 。戦争 せんそう を回避 かいひ するためにあらゆる戦争 せんそう 行為 こうい は禁 きん じられなければならない。しかしこの現実 げんじつ 主義 しゅぎ と理想 りそう 主義 しゅぎ のような全面 ぜんめん 的 てき な肯定 こうてい と否定 ひてい の間 あいだ に立 た つもう一 ひと つの立場 たちば がある。それは国際 こくさい 法学 ほうがく 者 しゃ フーゴー・グロティウス が「二 ふた つの極端 きょくたん な説 せつ に治療 ちりょう を施 ほどこ し、なにも許 ゆる されないとか、すべてが許 ゆる される、などと信 しん じ込 こ むことがないようにしなければならない」と表現 ひょうげん した、条件 じょうけん 付 つ きで戦争 せんそう 行為 こうい を許容 きょよう する立場 たちば である[8] 。その条件 じょうけん を法的 ほうてき 理論 りろん として発展 はってん させたものが戦争 せんそう 法 ほう であると言 い える。
戦争 せんそう 法 ほう には開戦 かいせん 法規 ほうき と交戦 こうせん 法規 ほうき という二 ふた つの基本 きほん 的 てき な部門 ぶもん がある。開戦 かいせん 法規 ほうき とはどのような場合 ばあい において戦争 せんそう を開始 かいし することができるのかを定 さだ めた法 ほう であり、交戦 こうせん 法規 ほうき はどのような手段 しゅだん によって戦争 せんそう を遂行 すいこう することができるのかを定 さだ める法 ほう である。開戦 かいせん 法規 ほうき に関 かん しては主権 しゅけん 国家 こっか は政策 せいさく の手段 しゅだん として戦争 せんそう に訴 うった える権利 けんり を持 も っていたが、1929年 ねん の「戦争 せんそう 放棄 ほうき ニ関 せき スル条約 じょうやく 」によって武力 ぶりょく 行使 こうし の違法 いほう 化 か が進 すす み、現在 げんざい では国連 こくれん 憲章 けんしょう の下 した で他国 たこく の領土 りょうど 保全 ほぜん や政治 せいじ 的 てき 独立 どくりつ に対 たい する武力 ぶりょく 行使 こうし や国連 こくれん の国際 こくさい 平和 へいわ の維持 いじ するという目的 もくてき と相反 あいはん する武力 ぶりょく 行使 こうし を違法 いほう 化 か した。もし国家 こっか が侵略 しんりゃく を受 う けた場合 ばあい には個別 こべつ 的 てき 、集団 しゅうだん 的 てき 自衛 じえい 権 けん を行使 こうし して防衛 ぼうえい することができるが、同時 どうじ に国連 こくれん は侵略 しんりゃく 国 こく に対 たい して集団 しゅうだん 安全 あんぜん 保障 ほしょう に基 もと づいて武力 ぶりょく 制裁 せいさい を含 ふく めた制裁 せいさい 措置 そち が可能 かのう である。ただし自衛 じえい 権 けん を行使 こうし する判断 はんだん は国家 こっか が判断 はんだん することができるが、国連 こくれん が制裁 せいさい 措置 そち を行 おこな う場合 ばあい には安全 あんぜん 保障 ほしょう 理事 りじ 会 かい による決議 けつぎ が必要 ひつよう であり、常任 じょうにん 理事 りじ 国 こく の全員 ぜんいん の同意 どうい が必要 ひつよう である。
交戦 こうせん 法規 ほうき に関 かん しては、もともとは騎士 きし 道 どう の規範 きはん に基 もと づいて非 ひ 人道的 じんどうてき な殺戮 さつりく ・破壊 はかい 活動 かつどう を規制 きせい していたが、近代 きんだい の軍事 ぐんじ 技術 ぎじゅつ の発達 はったつ によって戦闘 せんとう の様相 ようそう が変化 へんか すると新 あたら しく交戦 こうせん 法規 ほうき を確立 かくりつ しなければならなくなった。交戦 こうせん 法規 ほうき の一般 いっぱん 的 てき な原則 げんそく は効率 こうりつ 性 せい と人道 じんどう 性 せい の均衡 きんこう ある両立 りょうりつ であり、これは攻撃 こうげき 目標 もくひょう を選定 せんてい する場合 ばあい において、任務 にんむ の達成 たっせい のために市街地 しがいち と軍事 ぐんじ 基地 きち の二 ふた つが選択 せんたく 可能 かのう であるならば、不 ふ 必要 ひつよう な犠牲 ぎせい が出 で る可能 かのう 性 せい がより少 すく ない軍事 ぐんじ 基地 きち を攻撃 こうげき するべきであるという原則 げんそく である。交戦 こうせん 法規 ほうき の大系 たいけい においては攻撃 こうげき 目標 もくひょう や攻撃 こうげき 禁止 きんし 目標 もくひょう 、合法 ごうほう 的 てき な戦闘 せんとう 手段 しゅだん や方法 ほうほう 、非 ひ 戦闘 せんとう 員 いん の保護 ほご 、中立 ちゅうりつ 国 こく の権利 けんり 保護 ほご などの細目 さいもく があり、これらの規則 きそく は作戦 さくせん 行動 こうどう において指揮 しき 官 かん の責任 せきにん を以って遵守 じゅんしゅ しなければならない。この戦時 せんじ 国際 こくさい 法 ほう に対 たい する違反 いはん があり、その行為 こうい の責任 せきにん 者 しゃ がいる場合 ばあい には、戦争 せんそう 犯罪 はんざい として裁 さば かれなければならない。1990年代 ねんだい に戦争 せんそう 犯罪 はんざい への措置 そち は強化 きょうか され、ボスニア・ヘルツェゴビナで非 ひ 人道的 じんどうてき な紛争 ふんそう が発生 はっせい した際 さい には国連 こくれん 安全 あんぜん 保障 ほしょう 理事 りじ 会 かい は国際 こくさい 裁判所 さいばんしょ を設立 せつりつ して戦犯 せんぱん を裁 さば き、1998年 ねん には常設 じょうせつ の国際 こくさい 刑事 けいじ 裁判所 さいばんしょ 既定 きてい が国連 こくれん の外交 がいこう 会議 かいぎ で採択 さいたく された。
この節 ふし には独自 どくじ 研究 けんきゅう が含 ふく まれているおそれがあります。 問題 もんだい 箇所 かしょ を検証 けんしょう し出典 しゅってん を追加 ついか して、記事 きじ の改善 かいぜん にご協力 きょうりょく ください。議論 ぎろん はノート を参照 さんしょう してください。(2022年 ねん 2月 がつ )
国防 こくぼう とは脅威 きょうい に対 たい して国家 こっか の安全 あんぜん を確保 かくほ することであり、幅広 はばひろ い範囲 はんい で捉 とら えられる国家 こっか 安全 あんぜん 保障 ほしょう の意味 いみ で用 もち いられる場合 ばあい と軍事 ぐんじ 力 りょく による防衛 ぼうえい の意味 いみ で用 もち いられる場合 ばあい がある。ここでの国家 こっか とは領域 りょういき 、国民 こくみん 、主権 しゅけん の三 さん 要素 ようそ から成 な り立 た っている政治 せいじ 的 てき な共同 きょうどう 体 たい である。領域 りょういき は国家 こっか の排他 はいた 的 てき な支配 しはい 権 けん が及 およ ぶ地理 ちり 的 てき 範囲 はんい であり、領土 りょうど 、領海 りょうかい 、領空 りょうくう に区別 くべつ される。領域 りょういき において生活 せいかつ する国家 こっか の構成 こうせい 員 いん とは国民 こくみん であり、国民 こくみん はその国家 こっか の主権 しゅけん に服従 ふくじゅう する。国家 こっか の主権 しゅけん とは国家 こっか のあり方 かた を国家 こっか の構成 こうせい 員 いん が政治 せいじ 決定 けってい する権利 けんり であり、その具体 ぐたい 的 てき な構成 こうせい は国家 こっか 体制 たいせい によって国 こく ごとに異 こと なっている。このように成立 せいりつ している国家 こっか の内部 ないぶ 的 てき 構成 こうせい を概観 がいかん すれば、国家 こっか は物理 ぶつり 的 てき な手段 しゅだん によって打撃 だげき を与 あた えることができることが分 わ かる。国家 こっか は領域 りょういき の奪取 だっしゅ や国民 こくみん の殺傷 さっしょう によってその統治 とうち 能力 のうりょく を低下 ていか させる可能 かのう 性 せい がありうるのであり、そのような事態 じたい に対処 たいしょ するために国防 こくぼう の準備 じゅんび が必要 ひつよう となる[注釈 ちゅうしゃく 19] 。
国防 こくぼう は国家 こっか を単 たん に守 まも ることではなく、脅威 きょうい から国家 こっか を守 まも ることである。国防 こくぼう において脅威 きょうい とは国家 こっか の存続 そんぞく や利益 りえき を脅 おびや かす他者 たしゃ の存在 そんざい や能力 のうりょく 、行動 こうどう を指 さ す。それは武力 ぶりょく による威嚇 いかく 、領空 りょうくう 侵犯 しんぱん 、領海 りょうかい 侵犯 しんぱん 、海上 かいじょう 交通 こうつう 路 ろ での通商 つうしょう 破壊 はかい 、ミサイル や航空機 こうくうき による攻撃 こうげき 、全面 ぜんめん 的 てき な武力 ぶりょく 行使 こうし 、などの軍事 ぐんじ 的 てき 脅威 きょうい が主 おも なものである。ただし、海上 かいじょう 封鎖 ふうさ などによる経済 けいざい 制裁 せいさい は経済 けいざい 的 てき 脅威 きょうい 、大 だい 規模 きぼ な内乱 ないらん などの政治 せいじ 的 てき 脅威 きょうい などの存在 そんざい を指摘 してき することもできるが[注釈 ちゅうしゃく 20] 、ここでは軍事 ぐんじ 的 てき 脅威 きょうい について述 の べる。軍事 ぐんじ 的 てき 脅威 きょうい の程度 ていど を判断 はんだん する基礎 きそ は軍事 ぐんじ 力 りょく とそれを行使 こうし する意志 いし である。軍事 ぐんじ 力 りょく は現有 げんゆう 兵力 へいりょく と動員 どういん 兵力 へいりょく 、装備 そうび と兵員 へいいん の配備 はいび 状 じょう 況 きょう などから定量 ていりょう 的 てき に評価 ひょうか することが可能 かのう である。しかし意志 いし については相手 あいて 国 こく の政策 せいさく 決定 けってい 者 しゃ の思考 しこう から評価 ひょうか するしかなく、そのために国家 こっか 政策 せいさく や作戦 さくせん 計画 けいかく などから定性的 ていせいてき に推測 すいそく することになり、判断 はんだん が難 むずか しい。また環境 かんきょう 条件 じょうけん が相手 あいて 国 こく にとって有利 ゆうり かどうかも重要 じゅうよう な判断 はんだん 材料 ざいりょう となる。国際 こくさい 環境 かんきょう の不安定 ふあんてい 化 か や国家 こっか の内部 ないぶ 分裂 ぶんれつ による外部 がいぶ 勢力 せいりょく の介入 かいにゅう などは進攻 しんこう を決定 けってい する際 さい に有利 ゆうり な一般 いっぱん 情勢 じょうせい である。
国防 こくぼう は脅威 きょうい から国家 こっか を守 まも ることであるが、そのためには手段 しゅだん が必要 ひつよう である。その手段 しゅだん として軍事 ぐんじ 力 りょく が中心 ちゅうしん であると考 かんが えられているが、非 ひ 軍事 ぐんじ 的 てき 要素 ようそ についても注目 ちゅうもく されている。政治 せいじ 学者 がくしゃ モーゲンソーは国家 こっか の国力 こくりょく の構成 こうせい 要素 ようそ として軍備 ぐんび 以外 いがい に地理 ちり 、人口 じんこう 、工業 こうぎょう 力 ちから 、資源 しげん 、国民 こくみん 性 せい 、国民 こくみん 士気 しき 、政府 せいふ や外交 がいこう の性質 せいしつ を上 あ げており、また政治 せいじ 学者 がくしゃ クラインも領土 りょうど 、人口 じんこう 、経済 けいざい 力 りょく 、国家 こっか 戦略 せんりゃく を遂行 すいこう する意志 いし 、戦略 せんりゃく 目的 もくてき という構成 こうせい 要素 ようそ を列挙 れっきょ している。このような幅広 はばひろ い国力 こくりょく 要素 ようそ が出現 しゅつげん した背景 はいけい には総 そう 力戦 りきせん や革命 かくめい 戦争 せんそう 、核 かく 戦争 せんそう に特徴付 とくちょうづ けられるように、戦争 せんそう の範囲 はんい が戦闘 せんとう だけでない社会 しゃかい 全体 ぜんたい に及 およ ぶように変化 へんか したことが理由 りゆう として挙 あ げられる。このような国防 こくぼう 能力 のうりょく を使用 しよう する国防 こくぼう 政策 せいさく として単独 たんどく による国防 こくぼう だけではなく、同盟 どうめい による共同 きょうどう 防衛 ぼうえい や集団 しゅうだん 的 てき 安全 あんぜん 保障 ほしょう 、中立 ちゅうりつ 政策 せいさく などがある。
この節 ふし には独自 どくじ 研究 けんきゅう が含 ふく まれているおそれがあります。 問題 もんだい 箇所 かしょ を検証 けんしょう し出典 しゅってん を追加 ついか して、記事 きじ の改善 かいぜん にご協力 きょうりょく ください。議論 ぎろん はノート を参照 さんしょう してください。(2022年 ねん 2月 がつ )
軍隊 ぐんたい は一定 いってい の規律 きりつ ・組織 そしき に基 もと づいて編制 へんせい された武装 ぶそう 組織 そしき である。しかし今日 きょう の軍隊 ぐんたい はそれ自体 じたい で独立 どくりつ した組織 そしき ではなく、国家 こっか の枠組 わくぐ みに基 もと づいて政府 せいふ 組織 そしき の権力 けんりょく の下 した で組織 そしき されている。したがってその組織 そしき のあり方 かた は国 くに によってさまざまであり、その社会 しゃかい 事情 じじょう に関連 かんれん して社会 しゃかい 階層 かいそう が部隊 ぶたい 編制 へんせい に反映 はんえい されている場合 ばあい や、政治 せいじ 権力 けんりょく と一体化 いったいか している場合 ばあい もある。アケメネス朝 あさ の軍隊 ぐんたい は貴族 きぞく である騎兵 きへい 部隊 ぶたい が主力 しゅりょく となり、農奴 のうど から構成 こうせい される歩兵 ほへい 部隊 ぶたい が補助 ほじょ 的 てき 役割 やくわり を任 まか せられていたが、始皇帝 しこうてい は一般 いっぱん 公募 こうぼ に応募 おうぼ した人々 ひとびと で編制 へんせい された軍隊 ぐんたい で中国 ちゅうごく を統一 とういつ した。中世 ちゅうせい ヨーロッパでは封建 ほうけん 制 せい を背景 はいけい とした騎士 きし 階級 かいきゅう が軍事 ぐんじ 的 てき 義務 ぎむ を果 は たし、名誉 めいよ を認 みと められていた。しかし近代 きんだい において新 あたら しい軍事 ぐんじ 技術 ぎじゅつ である小銃 しょうじゅう や火砲 かほう が戦闘 せんとう に導入 どうにゅう され、フランスの軍人 ぐんじん ギベールが『戦術 せんじゅつ 一般 いっぱん 論 ろん 』が述 の べたような国民 こくみん 軍 ぐん がフランス革命 かくめい を契機 けいき に成立 せいりつ すると、その後 ご ヨーロッパ諸国 しょこく もその軍制 ぐんせい へ移行 いこう していく[注釈 ちゅうしゃく 21] 。近代 きんだい ヨーロッパの情勢 じょうせい を背景 はいけい とした軍事 ぐんじ 制度 せいど についてスイスの軍人 ぐんじん ジョミニ は軍隊 ぐんたい の構成 こうせい 要素 ようそ を列挙 れっきょ している。それは徴募 ちょうぼ 組織 そしき 、部隊 ぶたい 編成 へんせい 、予備 よび 役 やく 、行政 ぎょうせい 管理 かんり 、軍紀 ぐんき 、報酬 ほうしゅう 制度 せいど 、砲兵 ほうへい や工兵 こうへい などの特技 とくぎ 兵科 へいか 、攻防 こうぼう 両面 りょうめん における装備 そうび 、戦術 せんじゅつ 教育 きょういく の機能 きのう を備 そな えた参謀 さんぼう 本部 ほんぶ 、兵站 へいたん 組織 そしき 、指揮 しき 系統 けいとう の制度 せいど 、国民 こくみん の戦闘 せんとう 精神 せいしん を喚起 かんき することである[注釈 ちゅうしゃく 22] 。これら要素 ようそ を備 そな えていることが、ジョミニが強調 きょうちょう しているように近代 きんだい 軍 ぐん として不可欠 ふかけつ の要素 ようそ であると考 かんが えられる。
軍隊 ぐんたい 組織 そしき の理論 りろん の観点 かんてん から見 み るならば、軍隊 ぐんたい は組織 そしき としてはドイツの社会 しゃかい 学者 がくしゃ マックス・ヴェーバー が定式 ていしき 化 か した官僚 かんりょう 制 せい のモデルの典型 てんけい 例 れい である。つまり規則 きそく による職務 しょくむ 権限 けんげん の配分 はいぶん 、階級 かいきゅう 制度 せいど に基 もと づいた指揮 しき 系統 けいとう 、文章 ぶんしょう による事務 じむ 処理 しょり 、専門 せんもん 性 せい を備 そな えた職員 しょくいん の公平 こうへい な選抜 せんばつ などの合理 ごうり 的 てき な組織 そしき 運営 うんえい が行 おこな われている組織 そしき である。同時 どうじ に軍隊 ぐんたい は専門 せんもん 的 てき な職業 しょくぎょう 団体 だんたい でもあり、アメリカの政治 せいじ 学者 がくしゃ サミュエル・ハンチントン は軍隊 ぐんたい が暴力 ぼうりょく の管理 かんり に関 かん する専門 せんもん 知識 ちしき と責任 せきにん 、団体 だんたい 性 せい を備 そな えた職業 しょくぎょう 集団 しゅうだん であることを将校 しょうこう 団 だん の分析 ぶんせき から論証 ろんしょう した。独自 どくじ の行動 こうどう 様式 ようしき や参加 さんか 手続 てつづき 、共通 きょうつう 経験 けいけん を持 も つ職業 しょくぎょう 集団 しゅうだん であるために軍事 ぐんじ 問題 もんだい に特 とく 化 か した組織 そしき 的 てき 能力 のうりょく を派 は 発揮 はっき することが可能 かのう であり、このような軍隊 ぐんたい の職業 しょくぎょう 的 てき 性格 せいかく こそが近代 きんだい 軍 ぐん の基礎 きそ となった。プロイセンが創設 そうせつ した軍事 ぐんじ 学 がく の研究 けんきゅう 機関 きかん である陸軍 りくぐん 大学 だいがく と参謀 さんぼう 本部 ほんぶ は職業 しょくぎょう 軍人 ぐんじん を育成 いくせい するための機関 きかん であり、ドイツの軍人 ぐんじん モルトケ とシュリーフェン の職業 しょくぎょう 軍人 ぐんじん としての立場 たちば は政治 せいじ 野心 やしん を持 も つべきではないという軍人 ぐんじん の職業 しょくぎょう 倫理 りんり の模範 もはん を示 しめ した[注釈 ちゅうしゃく 23] 。
軍隊 ぐんたい の組織 そしき 構造 こうぞう は地域 ちいき や時代 じだい によってそれぞれ異 こと なるが、軍隊 ぐんたい は他 た の文民 ぶんみん 組織 そしき とは異 こと なる固有 こゆう の組織 そしき 構造 こうぞう を形成 けいせい している。軍隊 ぐんたい の体制 たいせい は軍事 ぐんじ 作戦 さくせん の部門 ぶもん 、軍事 ぐんじ 行政 ぎょうせい の部門 ぶもん 、そして軍事 ぐんじ 司法 しほう の部門 ぶもん に大別 たいべつ することができる[注釈 ちゅうしゃく 24] 。軍隊 ぐんたい において軍事 ぐんじ 作戦 さくせん は最 もっと も基本 きほん 的 てき な部門 ぶもん であり、幕僚 ばくりょう によって補佐 ほさ された指揮 しき 官 かん が任務 にんむ を達成 たっせい するために部隊 ぶたい を指揮 しき する。各 かく 部隊 ぶたい にはさらに下級 かきゅう 部隊 ぶたい が組織 そしき されていることによって指揮 しき 系統 けいとう が形成 けいせい されている。軍事 ぐんじ 行政 ぎょうせい の部門 ぶもん においては、部隊 ぶたい に予算 よさん や兵員 へいいん 、装備 そうび を提供 ていきょう することは軍隊 ぐんたい ではなく国防省 こくぼうしょう や防衛 ぼうえい 省 しょう などの行政 ぎょうせい 機関 きかん によって実施 じっし される。軍事 ぐんじ 行政 ぎょうせい は政府 せいふ の一員 いちいん である大臣 だいじん が指導 しどう する官僚 かんりょう によって軍事 ぐんじ 力 りょく を開発 かいはつ 、維持 いじ 、管理 かんり する。加 くわ えて軍事 ぐんじ 司法 しほう の部門 ぶもん においては立法府 りっぽうふ によって制定 せいてい された軍法 ぐんぽう に部隊 ぶたい は服従 ふくじゅう しなければならない。フランスの軍人 ぐんじん マルモンは軍隊 ぐんたい で起 お こった犯罪 はんざい は国家 こっか の司法 しほう 権 けん と軍隊 ぐんたい の指揮 しき 権 けん を調整 ちょうせい しながら法 ほう に基 もと づいて裁 さば かなければならないと『軍制 ぐんせい 要 よう 論 ろん 』で論 ろん じている。軍法 ぐんぽう は任務 にんむ の放棄 ほうき や敵前 てきぜん 逃亡 とうぼう 、利敵 りてき 行為 こうい などの行為 こうい を軍事 ぐんじ 犯罪 はんざい と定 さだ めており、軽微 けいび な犯罪 はんざい であればその部隊 ぶたい の指揮 しき 官 かん が決裁 けっさい によって処罰 しょばつ することができるが、重大 じゅうだい な軍事 ぐんじ 犯罪 はんざい であると見 み なされれば軍法 ぐんぽう 会議 かいぎ が召集 しょうしゅう され、その判決 はんけつ に基 もと づいて刑 けい が執行 しっこう されることになる[注釈 ちゅうしゃく 25] 。
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軍事 ぐんじ システムにおいて指揮 しき 統制 とうせい とは指揮 しき 官 かん が任務 にんむ を達成 たっせい するために隷下 れいか の部隊 ぶたい の作戦 さくせん 運用 うんよう を指導 しどう するために必要 ひつよう な施設 しせつ 、通信 つうしん 、人員 じんいん 、そして手順 てじゅん の総体 そうたい であり、軍隊 ぐんたい の神経 しんけい 系 けい と言 い うべき機能 きのう を果 は たしている。この指揮 しき 統制 とうせい の複 ふく 合 あい 的 てき 機能 きのう を整理 せいり すると、それは指揮 しき 、統制 とうせい 、通信 つうしん 、コンピュータ そして諜報 ちょうほう の機能 きのう から成 な り立 た っており、英語 えいご の頭文字 かしらもじ からC4Iシステム と要約 ようやく される。このシステムに基 もと づいて情報 じょうほう 資料 しりょう を諜報 ちょうほう により獲得 かくとく し、コンピュータにより情報処理 じょうほうしょり を行 おこな った上 うえ で指揮 しき 官 かん はそれを通信 つうしん で知 し らされる。そして意思 いし 決定 けってい が下 くだ った後 のち には再 ふたた び通信 つうしん によって各 かく 部隊 ぶたい に対 たい して指揮 しき 権 けん に基 もと づいて命令 めいれい が各 かく 部隊 ぶたい に発 はっ せられる。これは必 かなら ずしも近代 きんだい 以後 いご の軍事 ぐんじ 技術 ぎじゅつ だけに合致 がっち する概念 がいねん ではなく、古代 こだい の軍事 ぐんじ 組織 そしき においても指揮 しき 官 かん は歩哨 ほしょう や間諜 かんちょう がもたらす報告 ほうこく を、伝令 でんれい や狼煙 のろし 、音響 おんきょう によって通信 つうしん 伝達 でんたつ され、幕僚 ばくりょう や軍師 ぐんし による状況 じょうきょう 分析 ぶんせき を参考 さんこう にしながら状況 じょうきょう 判断 はんだん を行 おこな って命令 めいれい を発 はっ していた。現代 げんだい ではこの情報 じょうほう のやり取 と りをさらに発展 はってん させ、国防 こくぼう 体制 たいせい において指揮 しき 統制 とうせい の体系 たいけい は早期 そうき 警戒 けいかい 衛星 えいせい システムや長距離 ちょうきょり レーダーなどの諜報 ちょうほう 活動 かつどう の手段 しゅだん を活用 かつよう し、専門 せんもん 化 か された情報 じょうほう 分析 ぶんせき 官 かん から成 な る情報 じょうほう 機関 きかん が情報 じょうほう 資料 しりょう を分析 ぶんせき し、幕僚 ばくりょう 本部 ほんぶ や安全 あんぜん 保障 ほしょう 会議 かいぎ が指揮 しき 官 かん を補佐 ほさ し、しかも無線 むせん 中継 ちゅうけい システムにより通信 つうしん 網 もう を確保 かくほ しているために、より迅速 じんそく で詳細 しょうさい な意思 いし 決定 けってい と大量 たいりょう の情報 じょうほう 伝達 でんたつ が可能 かのう となっている。
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軍事 ぐんじ 教育 きょういく とは軍人 ぐんじん に必要 ひつよう な能力 のうりょく を付与 ふよ するための教育 きょういく 、訓練 くんれん 、演習 えんしゅう の体系 たいけい である。軍事 ぐんじ 教育 きょういく の重要 じゅうよう 性 せい は古代 こだい ギリシアから認識 にんしき されており、体力 たいりょく と戦闘 せんとう 技術 ぎじゅつ を練 ねり 成 な し、部隊 ぶたい の団結 だんけつ と規律 きりつ を高 たか めることで戦闘 せんとう 力 りょく を改善 かいぜん することが軍隊 ぐんたい で行 おこな われていた。マキアヴェッリは国民 こくみん 軍 ぐん の創設 そうせつ にあたって軍事 ぐんじ 教育 きょういく の重要 じゅうよう 性 せい を指摘 してき し、部隊 ぶたい の錬 ね 度 たび に応 おう じて教育 きょういく 水準 すいじゅん を段階 だんかい 的 てき に高 たか めることを示 しめ している。オランダ軍 ぐん のマウリッツ 公 おおやけ は基本 きほん 教練 きょうれん を教範 きょうはん 類 るい としてまとめたことで、規律 きりつ 正 ただ しく部隊 ぶたい に行動 こうどう させる操典 そうてん が各国 かっこく 軍 ぐん で確立 かくりつ されていった。またプロイセン軍 ぐん ではシャルンホルスト などの功績 こうせき により高級 こうきゅう 指揮 しき 官 かん を育成 いくせい する陸軍 りくぐん 大 だい 学校 がっこう が創設 そうせつ され、高級 こうきゅう 将校 しょうこう 教育 きょういく の原型 げんけい を確立 かくりつ している。このような軍事 ぐんじ 教育 きょういく の整備 せいび がなされるようになった背景 はいけい には18世紀 せいき における軍事 ぐんじ 科学 かがく の成立 せいりつ があり、ビューロー 、ロイド 、ギベール などが展開 てんかい した科学 かがく 的 てき 方法 ほうほう を重要 じゅうよう 視 し した軍事 ぐんじ 思想 しそう によって、それまで断片 だんぺん 的 てき であった経験 けいけん や知識 ちしき が概念 がいねん 、モデル 、理論 りろん に基 もと づいて体系 たいけい 化 か されていった。軍隊 ぐんたい で行 おこな われている教育 きょういく 体系 たいけい はまず陸海空 りくかいくう 軍 ぐん に設置 せっち された教育 きょういく 部隊 ぶたい で基本 きほん 教練 きょうれん 、基礎 きそ 的 てき な歩兵 ほへい としての戦闘 せんとう 訓練 くんれん などを新兵 しんぺい 教育 きょういく の課程 かてい で受 う けることになる。しかし陸海空 りくかいくう 軍 ぐん の軍 ぐん 種 しゅ 、そして兵卒 へいそつ 、下士官 かしかん 、将校 しょうこう という階級 かいきゅう によってその後 ご の訓練 くんれん 内容 ないよう は細分 さいぶん 化 か されており、小銃 しょうじゅう 射撃 しゃげき の能力 のうりょく を付与 ふよ する射撃 しゃげき 訓練 くんれん から大 だい 規模 きぼ な戦力 せんりょく を運用 うんよう する能力 のうりょく を付与 ふよ する図上 ずじょう 戦術 せんじゅつ まで分 わ かれている。これら教育 きょういく 訓練 くんれん で付与 ふよ された能力 のうりょく を評価 ひょうか する方法 ほうほう として閲兵 えっぺい や想定 そうてい された状況 じょうきょう で実際 じっさい に行動 こうどう する軍事 ぐんじ 演習 えんしゅう を実施 じっし することが行 おこな われている。
政 せい 軍 ぐん 関係 かんけい とは政府 せいふ と軍隊 ぐんたい の関係 かんけい のあり方 かた であり、政治 せいじ はあらゆる軍事 ぐんじ 行動 こうどう の上位 じょうい に位置 いち して目標 もくひょう を規定 きてい するべきであると考 かんが えられている。その理由 りゆう としてクラウゼヴィッツ の「戦争 せんそう は他 た の手段 しゅだん を以ってする政治 せいじ の延長 えんちょう である」という命題 めいだい が引用 いんよう できる。軍事 ぐんじ 力 りょく は侵略 しんりゃく ・防衛 ぼうえい のために運用 うんよう されるものであるが、それは政治 せいじ の意志 いし に従属 じゅうぞく するものであり、このことは文民 ぶんみん 統制 とうせい の理念 りねん として知 し られている。ハンチントンは『軍人 ぐんじん と国家 こっか 』において軍隊 ぐんたい の本来 ほんらい 的 てき なあり方 かた について職業 しょくぎょう 主義 しゅぎ の概念 がいねん を使用 しよう して分析 ぶんせき している。そして軍隊 ぐんたい は軍事 ぐんじ 的 てき な職業 しょくぎょう 主義 しゅぎ を最大限 さいだいげん に発揮 はっき することで軍隊 ぐんたい は軍事 ぐんじ に専門 せんもん 化 か し、政治 せいじ に介入 かいにゅう する動機 どうき や機会 きかい は失 うしな われると論 ろん じた。このような職掌 しょくしょう 主義 しゅぎ を最大 さいだい 化 か する政 せい 軍 ぐん 関係 かんけい をもたらすための文民 ぶんみん 統制 とうせい を客体 かくたい 的 てき 文民 ぶんみん 統制 とうせい と呼 よ んでおり、これは主体 しゅたい 的 てき に政府 せいふ が軍隊 ぐんたい に介入 かいにゅう するのではなく、政府 せいふ と軍隊 ぐんたい を分離 ぶんり した上 うえ で客体 かくたい として統制 とうせい する方式 ほうしき である[9] 。
ただしこのハンチントンの客体 かくたい 的 てき 文民 ぶんみん 統制 とうせい とそれによりもたらされる職業 しょくぎょう 主義 しゅぎ の概念 がいねん は批判 ひはん を受 う けている。社会 しゃかい 学者 がくしゃ ジャノヴィッツはそもそも軍人 ぐんじん が政治 せいじ 化 か することは不可避 ふかひ 的 てき な事態 じたい であり、軍人 ぐんじん は国益 こくえき の保護 ほご 者 しゃ である以上 いじょう 、政治 せいじ 決定 けってい に対 たい して国益 こくえき を保護 ほご するように介入 かいにゅう する権利 けんり を持 も っていると考 かんが える。そのため、軍人 ぐんじん が文民 ぶんみん の価値 かち 観 かん を持 も つことで文民 ぶんみん 統制 とうせい が実現 じつげん されると主張 しゅちょう した。そして具体 ぐたい 的 てき には軍隊 ぐんたい に対 たい して行政 ぎょうせい や立法府 りっぽうふ の監視 かんし を強 つよ め、軍隊 ぐんたい の職業 しょくぎょう 訓練 くんれん に文民 ぶんみん が介入 かいにゅう すること有効 ゆうこう 性 せい を述 の べている。またファイナー はさまざまな軍 ぐん によるクーデタ の事例 じれい を示 しめ しながら軍隊 ぐんたい の政治 せいじ 介入 かいにゅう を防止 ぼうし するために文民 ぶんみん の絶対 ぜったい 的 てき な優位 ゆうい 性 せい に軍人 ぐんじん が従属 じゅうぞく しなければならないと論 ろん じた。ファイナーも『馬上 もうえ の人 ひと 』において軍人 ぐんじん が政治 せいじ に介入 かいにゅう することは軍人 ぐんじん の宿命 しゅくめい であり、特 とく に政治 せいじ 文化 ぶんか が未熟 みじゅく な国家 こっか においては文民 ぶんみん 政治 せいじ 家 か にはそれほど正統 せいとう 性 せい が認 みと められないために政治 せいじ 介入 かいにゅう に至 いた る傾向 けいこう があると考 かんが えた[10] 。
軍事 ぐんじ 力 りょく とは平時 へいじ 、戦時 せんじ において国家 こっか の政策 せいさく の目標 もくひょう を達成 たっせい または支援 しえん するために活用 かつよう される能力 のうりょく であり、これは政治 せいじ 的 てき 、経済 けいざい 的 てき 、社会 しゃかい 的 てき 、軍事 ぐんじ 的 てき な資源 しげん から構成 こうせい されている。根本 こんぽん 的 てき に軍事 ぐんじ 力 りょく とは人間 にんげん や装備 そうび から組織 そしき 化 か された暴力 ぼうりょく であり、この組織 そしき 的 てき 、技術 ぎじゅつ 的 てき な組合 くみあわ せや計画 けいかく 的 てき 運用 うんよう によって平時 へいじ での抑止 よくし 、危機 きき 管理 かんり 、戦争 せんそう での攻撃 こうげき や防御 ぼうぎょ などの能力 のうりょく が左右 さゆう される。軍事 ぐんじ 力 りょく の機能 きのう は基本 きほん 的 てき には安全 あんぜん 保障 ほしょう に関 かん する、抑止 よくし 、強制 きょうせい および抵抗 ていこう の三 さん 種類 しゅるい にまとめることができる。抑止 よくし とは敵 てき の軍事 ぐんじ 行動 こうどう を思 おも いとどまらせる機能 きのう であり、これは敵 てき に対抗 たいこう 可能 かのう な軍事 ぐんじ 力 りょく を準備 じゅんび することで果 は たすことができる機能 きのう である。一方 いっぽう で強制 きょうせい や抵抗 ていこう はより直接的 ちょくせつてき な機能 きのう である。強制 きょうせい は自分 じぶん の意志 いし を相手 あいて に強制 きょうせい する機能 きのう であり、威嚇 いかく 的 てき な軍事 ぐんじ 力 りょく から全面 ぜんめん 的 てき な攻撃 こうげき など幅広 はばひろ い軍事 ぐんじ 行動 こうどう の機能 きのう に該当 がいとう する。逆 ぎゃく に抵抗 ていこう は相手 あいて の強制 きょうせい を退 しりぞ ける機能 きのう であり、威嚇 いかく 的 てき な軍事 ぐんじ 行動 こうどう への対処 たいしょ や徹底 てってい 抗戦 こうせん にわたる軍事 ぐんじ 行動 こうどう の機能 きのう が該当 がいとう する[注釈 ちゅうしゃく 26] 。
軍事 ぐんじ 力 りょく の構成 こうせい 要素 ようそ を理解 りかい するためには物質 ぶっしつ 的 てき 要素 ようそ だけではなく精神 せいしん 的 てき 要素 ようそ を考慮 こうりょ することが重要 じゅうよう であることが論 ろん じられている。フランスの軍人 ぐんじん モーリス・ド・サックス は軍隊 ぐんたい の精神 せいしん 的 てき 要素 ようそ を発見 はっけん した軍人 ぐんじん であり、著作 ちょさく 『我 わ が瞑想 めいそう 』の中 なか で「戦争 せんそう にまつわる、あらゆる事柄 ことがら は人間 にんげん の「こころ」に端 はし を発 はっ する」と述 の べている。サックスは自 みずか らの軍務 ぐんむ 経験 けいけん から軍隊 ぐんたい の士気 しき が重要 じゅうよう な働 はたら きを持 も つことを軍事 ぐんじ 思想 しそう として展開 てんかい した。したがって軍事 ぐんじ 力 りょく の構成 こうせい 要素 ようそ には軍用 ぐんよう 車両 しゃりょう 、軍艦 ぐんかん 、軍用 ぐんよう 機 き などの有形 ゆうけい の戦力 せんりょく だけではなく、指揮 しき 統制 とうせい 能力 のうりょく 、兵站 へいたん 能力 のうりょく 、錬 ね 度 たび や士気 しき などの無形 むけい の戦力 せんりょく から成 な り立 た っていると考 かんが えられている[11] 。さらに軍事 ぐんじ 力 りょく の潜在 せんざい 的 てき な構成 こうせい 要素 ようそ である政府 せいふ の指導 しどう 力 りょく や外交 がいこう 力 りょく などの政治 せいじ 力 りょく 、軍需 ぐんじゅ 産業 さんぎょう や備蓄 びちく 資源 しげん などの経済 けいざい 力 りょく 、技術 ぎじゅつ 革新 かくしん を進 すす めるための科学 かがく 技術 ぎじゅつ 力 りょく 、軍隊 ぐんたい に対 たい する国民 こくみん 的 てき 支持 しじ などを考慮 こうりょ することも可能 かのう である。
軍事 ぐんじ 力 りょく の構成 こうせい 要素 ようそ は単 たん に集合 しゅうごう しているのではなく、戦闘 せんとう 教義 きょうぎ の下 した で有機 ゆうき 的 てき に統合 とうごう された能力 のうりょく である。戦闘 せんとう 教義 きょうぎ は軍事 ぐんじ 史 し において装備 そうび の革新 かくしん や部隊 ぶたい 編成 へんせい を伴 ともな いながら変革 へんかく されてきた。古代 こだい ローマの軍事 ぐんじ 学者 がくしゃ ヴェゲティウス は古代 こだい ローマ の軍制 ぐんせい についての研究 けんきゅう を通 つう じてレギオン と呼 よ ばれた戦闘 せんとう 教義 きょうぎ を記 しる している。レギオンは120名 めい の中隊 ちゅうたい を三 さん 列 れつ で間隔 かんかく を保 たも って横隊 おうたい に戦闘 せんとう 展開 てんかい して作戦 さくせん するものであり、必要 ひつよう に応 おう じた疎開 そかい や密集 みっしゅう 、機動 きどう が可能 かのう となっている。レギオンは古代 こだい ローマの戦闘 せんとう 教義 きょうぎ であっただけでなく、近世 きんせい における軍事 ぐんじ 思想 しそう 史 し でマキアヴェリの『戦術 せんじゅつ 論 ろん 』によって模範 もはん として参照 さんしょう されている。現代 げんだい のアメリカの軍事 ぐんじ 学者 がくしゃ ビドルは『軍事 ぐんじ 力 りょく (ビドル) 』の中 なか で軍事 ぐんじ 力 りょく の運用 うんよう 方法 ほうほう に注目 ちゅうもく して近代 きんだい 的 てき 軍事 ぐんじ 力 りょく の特徴 とくちょう を近代 きんだい システムであると主張 しゅちょう する。近代 きんだい システムとは射撃 しゃげき と運動 うんどう の組織 そしき 的 てき な連携 れんけい であり、第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん でドイツ軍 ぐん により本格 ほんかく 的 てき に導入 どうにゅう されて戦果 せんか を挙 あ げた[12] 。現在 げんざい では、軍事 ぐんじ 力 りょく はDOTMLPF(ドクトリン、オーガニゼーション、トレーニング、軍需 ぐんじゅ 品 ひん 、ロジスティックス、リーダーシップ、人事 じんじ 、施設 しせつ の略 りゃく )の総合 そうごう 力 りょく としてのケイパビリティとして把握 はあく するのが、アメリカを中心 ちゅうしん とした西側 にしがわ 先進 せんしん 国 こく で常識 じょうしき 化 か しており、望 のぞ ましい軍事 ぐんじ ケイパビリティを達成 たっせい するための軍事 ぐんじ 能力 のうりょく の分野 ぶんや 別 べつ の軍事 ぐんじ 能力 のうりょく の不足 ふそく (ケイパビリティギャップ)の数量 すうりょう 的 てき 把握 はあく とそれに対 たい する合理 ごうり 的 てき な対処 たいしょ が制度 せいど 化 か されている。
陸上 りくじょう 戦力 せんりょく とは陸上 りくじょう において作戦 さくせん 行動 こうどう する能力 のうりょく を持 も つ戦力 せんりょく である。陸上 りくじょう 戦力 せんりょく の役割 やくわり とは人間 にんげん の本来 ほんらい 的 てき な生活 せいかつ 領域 りょういき である陸上 りくじょう において軍事 ぐんじ 作戦 さくせん を展開 てんかい することであり、陸上 りくじょう 戦力 せんりょく を代表 だいひょう する軍事 ぐんじ 組織 そしき としては陸軍 りくぐん がある。ただし治安 ちあん 部隊 ぶたい や国境警備隊 こっきょうけいびたい 、また場合 ばあい によっては海兵 かいへい 隊 たい や陸戦 りくせん 隊 たい も陸上 りくじょう 戦力 せんりょく として機能 きのう することができる。陸上 りくじょう 戦力 せんりょく が活動 かつどう する陸上 りくじょう には土地 とち 、資源 しげん 、そして住民 じゅうみん の三 みっ つの基本 きほん 的 てき 要素 ようそ が存在 そんざい するが、陸上 りくじょう 戦力 せんりょく はそれらを統制 とうせい 下 か に置 お くことが可能 かのう である。これら三 みっ つの要素 ようそ はいずれも密接 みっせつ に関連 かんれん しており、土地 とち を支配 しはい することはその地域 ちいき の交通 こうつう を管制 かんせい することになるため、天然 てんねん 資源 しげん の使用 しよう を制約 せいやく することが可能 かのう となり、同時 どうじ にそれは住民 じゅうみん 生活 せいかつ に必要 ひつよう な物資 ぶっし を統制 とうせい することをも可能 かのう とする。陸上 りくじょう 戦力 せんりょく はその特性 とくせい から地形 ちけい と密接 みっせつ に関係 かんけい するものであり、運用 うんよう によって地形 ちけい を戦力 せんりょく 化 か することが可能 かのう である一方 いっぽう で、森林 しんりん 、市街 しがい 、砂漠 さばく 、山岳 さんがく などの地形 ちけい によって弱体 じゃくたい 化 か される可能 かのう 性 せい もある[注釈 ちゅうしゃく 27] 。
陸上 りくじょう 戦力 せんりょく の戦略 せんりゃく 的 てき 役割 やくわり を表現 ひょうげん するランドパワー と呼 よ ばれる概念 がいねん がある。イギリスの地政学 ちせいがく 者 しゃ ハルフォード・マッキンダー は『デモクラシーの理想 りそう と現実 げんじつ 』においてランドパワーとは海洋 かいよう に対 たい して大陸 たいりく に根拠地 こんきょち を持 も つ勢力 せいりょく を指 さ す地政学 ちせいがく の概念 がいねん である。マッキンダーによれば世界 せかい の覇権 はけん を獲得 かくとく するためにはユーラシア大陸 たいりく の内陸 ないりく 部 ぶ に位置 いち するハートランド を支配 しはい することが重要 じゅうよう であると論 ろん じた。つまりハートランドから投射 とうしゃ されるランドパワーは全 ぜん 世界 せかい 的 てき な支配 しはい 権 けん を確立 かくりつ することができる[注釈 ちゅうしゃく 28] 。加 くわ えてこの大陸 たいりく に基 もと づいた戦略 せんりゃく 思想 しそう を展開 てんかい したドイツの地政学 ちせいがく 者 しゃ には『太平洋 たいへいよう 地政学 ちせいがく 』の著者 ちょしゃ であるカール・ハウスホーファー がいる。ハウスホーファーは第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん で敗北 はいぼく したドイツが自給自足 じきゅうじそく するために必要 ひつよう な生存 せいぞん 圏 けん をユーラシアからアフリカに至 いた る地域 ちいき と定 さだ め、アメリカ、日本 にっぽん 、ロシアとともに世界 せかい を分割 ぶんかつ する統合 とうごう 地域 ちいき 理論 りろん を主張 しゅちょう した[13] 。
陸上 りくじょう 戦力 せんりょく の具体 ぐたい 的 てき な組成 そせい について観察 かんさつ すれば、その最小 さいしょう 単位 たんい の部隊 ぶたい である分隊 ぶんたい から出発 しゅっぱつ し、小隊 しょうたい 、中隊 ちゅうたい 、大隊 だいたい 、連隊 れんたい そして師団 しだん という部隊 ぶたい 編制 へんせい が採用 さいよう されている。これは師団 しだん 制度 せいど と呼 よ ばれる部隊 ぶたい 編制 へんせい であり、この師団 しだん 制度 せいど に基 もと づいて歩兵 ほへい 、砲兵 ほうへい 、機構 きこう などの戦闘 せんとう 兵科 へいか を担 にな う各 かく 部隊 ぶたい が師団 しだん の中 なか で組織 そしき されている。近代 きんだい 的 てき な師団 しだん 制度 せいど は歴史 れきし 的 てき にはスウェーデン の国王 こくおう グスタフ・アドルフ によって確立 かくりつ されたものであり[独自 どくじ 研究 けんきゅう ? ] 、今日 きょう の陸軍 りくぐん の部隊 ぶたい 編制 へんせい でも広 ひろ く採用 さいよう されている[注釈 ちゅうしゃく 29] 。また近代 きんだい 以後 いご では火器 かき の破壊 はかい 力 りょく が向上 こうじょう したために要塞 ようさい を使用 しよう する効率 こうりつ 性 せい が失 うしな われ、機動 きどう 力 りょく を活用 かつよう することが重視 じゅうし されるようになっている。ドイツの軍人 ぐんじん ハインツ・グデーリアン によって実践 じっせん された電撃 でんげき 戦 せん は近代 きんだい 陸上 りくじょう 作戦 さくせん において戦車 せんしゃ の最大限 さいだいげん に活用 かつよう した戦闘 せんとう 教義 きょうぎ であり[注釈 ちゅうしゃく 30] 、現在 げんざい でも陸上 りくじょう 戦力 せんりょく にとって機甲 きこう 部隊 ぶたい の重要 じゅうよう 性 せい は変 か わっていない。
海上 かいじょう 戦力 せんりょく とは海洋 かいよう において戦闘 せんとう 力 りょく を発揮 はっき する戦力 せんりょく の形態 けいたい であり、海軍 かいぐん によって海上 かいじょう 戦力 せんりょく は造成 ぞうせい 、運用 うんよう されている。しかし海軍 かいぐん だけでなく沿岸 えんがん 警備 けいび 隊 たい も海上 かいじょう 戦力 せんりょく として把握 はあく することは可能 かのう である。人間 にんげん の生活 せいかつ にとって海洋 かいよう という地理 ちり 的 てき 環境 かんきょう は陸地 りくち の住民 じゅうみん にとっては障害 しょうがい となるが、船舶 せんぱく や港湾 こうわん などの交通 こうつう 手段 しゅだん が確立 かくりつ されれば広大 こうだい な交通 こうつう 路 ろ となるものである。海上 かいじょう 交通 こうつう によって大量 たいりょう の物資 ぶっし の輸送 ゆそう やその輸送 ゆそう を通 つう じた沿岸 えんがん 地域 ちいき または海外 かいがい 地域 ちいき との交易 こうえき で得 え られる経済 けいざい 的 てき 便益 べんえき がもたらされる。海上 かいじょう 戦力 せんりょく とはこの海上 かいじょう 交通 こうつう 路 ろ を保持 ほじ して管制 かんせい する意義 いぎ があり、さらに敵 てき の海上 かいじょう 交通 こうつう を防止 ぼうし する意味 いみ もある。海洋 かいよう の環境 かんきょう は気象 きしょう や海象 せいうち によって変化 へんか するが、それを戦力 せんりょく として活用 かつよう することは困難 こんなん であり、戦力 せんりょく の優劣 ゆうれつ がそのまま戦闘 せんとう 結果 けっか に反映 はんえい されやすい[注釈 ちゅうしゃく 31] 。
海上 かいじょう 戦力 せんりょく の戦略 せんりゃく 家 か として代表 だいひょう 的 てき な人物 じんぶつ にアメリカの戦略 せんりゃく 家 か アルフレッド・セイヤー・マハン がいる。マハンは『海上 かいじょう 権力 けんりょく 史論 しろん 』や『海軍 かいぐん 戦略 せんりゃく 』などの著作 ちょさく があり、海洋 かいよう が巨大 きょだい な公道 こうどう であり、海上 かいじょう 交通 こうつう の防衛 ぼうえい が海軍 かいぐん の最 さい 重要 じゅうよう 目的 もくてき であると指摘 してき した。そして生産 せいさん 、海運 かいうん 、植民 しょくみん 地 ち を連環 れんかん として繋 つな ぐ能力 のうりょく としてシーパワー の概念 がいねん を提起 ていき する。シーパワーは海上 かいじょう 戦力 せんりょく だけでなく、地理 ちり 的 てき 位置 いち や自然 しぜん 的 てき 形態 けいたい 、領土 りょうど 範囲 はんい 、人口 じんこう 、国民 こくみん 性 せい 、政府 せいふ の性格 せいかく など海洋 かいよう に関 かん する総合 そうごう 能力 のうりょく である[注釈 ちゅうしゃく 32] 。マハンと同 おな じく海上 かいじょう 戦力 せんりょく の戦略 せんりゃく 的 てき 意義 いぎ を論 ろん じたイギリスの戦略 せんりゃく 家 か にジュリアン・コーベットがいる。コーベットは『海洋 かいよう 戦略 せんりゃく の諸 しょ 原則 げんそく 』で海軍 かいぐん だけでなく陸軍 りくぐん との連携 れんけい を位置 いち づける制限 せいげん 戦争 せんそう の戦略 せんりゃく を研究 けんきゅう しており、僅 わず かな陸上 りくじょう 戦力 せんりょく でも戦争 せんそう 目的 もくてき を制限 せいげん し、敵 てき を海上 かいじょう 戦力 せんりょく で孤立 こりつ 化 か できる地域 ちいき に派遣 はけん するならば、勝利 しょうり することが可能 かのう であると論 ろん じた[注釈 ちゅうしゃく 33] 。
海上 かいじょう 戦力 せんりょく は基本 きほん 的 てき に洋上 ようじょう 展開 てんかい 能力 のうりょく を持 も つ艦艇 かんてい 、航空機 こうくうき を単位 たんい として組織 そしき される戦力 せんりょく である。艦艇 かんてい は船舶 せんぱく 工学 こうがく の発達 はったつ にともなってさまざまな艦 かん 種 しゅ が開発 かいはつ されてきたが、現代 げんだい においては潜水 せんすい 艦 かん 、航空 こうくう 母艦 ぼかん 、巡洋艦 じゅんようかん 、駆逐 くちく 艦 かん 、フリゲート 、掃海 そうかい 艇 てい 、給油 きゅうゆ 艦 かん などの艦 かん 種 しゅ がある。これらの艦 かん 種 しゅ は排水 はいすい 量 りょう が異 こと なるだけでなく、それに応 おう じて火砲 かほう やミサイル などの兵 へい 装 そう も異 こと なる。しかも航空 こうくう 母艦 ぼかん の航空 こうくう 戦力 せんりょく を運用 うんよう する能力 のうりょく や潜水 せんすい 艦 かん の潜水 せんすい 能力 のうりょく は他 た の水上 すいじょう 艦艇 かんてい とは異 こと なる能力 のうりょく として特別 とくべつ に設計 せっけい されている。これら艦艇 かんてい は艦隊 かんたい として編制 へんせい され、艦隊 かんたい は各 かく 艦艇 かんてい が保有 ほゆう する水上 すいじょう 戦闘 せんとう 、対戦 たいせん 戦闘 せんとう 、対空 たいくう 戦闘 せんとう などの戦闘 せんとう 機能 きのう を組 く み合 あ わせて総合 そうごう 的 てき 戦闘 せんとう 力 りょく を発揮 はっき できなければならない。海軍 かいぐん の航空機 こうくうき は哨戒 しょうかい 機 き が哨戒 しょうかい 任務 にんむ に就 つ き、機動 きどう 力 りょく を駆使 くし して広大 こうだい な海域 かいいき のパトロールを行 おこ なう。海軍 かいぐん はその水域 すいいき の制海権 せいかいけん を確保 かくほ するために艦隊 かんたい 決戦 けっせん や航空 こうくう 打撃 だげき 戦 せん 、海上 かいじょう 封鎖 ふうさ などによって敵 てき の艦隊 かんたい を妨 さまた げ、自国 じこく のシーレーン を保護 ほご し、敵 てき のシーレーンを封殺 ふうさつ する。
航空 こうくう 戦力 せんりょく は空中 くうちゅう で戦闘 せんとう 力 りょく を発揮 はっき することが可能 かのう な戦力 せんりょく であり、空軍 くうぐん がこの航空 こうくう 戦力 せんりょく を組織 そしき している。航空 こうくう 戦力 せんりょく が経由 けいゆ する空中 くうちゅう には陸地 りくち や海洋 かいよう とは異 こと なる地理 ちり 的 てき 特性 とくせい があり、地球 ちきゅう 上 じょう あらゆる地点 ちてん に直接的 ちょくせつてき に接触 せっしょく することが可能 かのう な唯一 ゆいいつ の空間 くうかん である。また航空機 こうくうき は陸上 りくじょう や海上 かいじょう の交通 こうつう 手段 しゅだん と比較 ひかく して短時間 たんじかん で広範囲 こうはんい に及 およ ぶ移動 いどう ・輸送 ゆそう 能力 のうりょく を発揮 はっき することが可能 かのう である。さらに現代 げんだい 社会 しゃかい において飛行場 ひこうじょう と航空機 こうくうき などによって形成 けいせい されている航空 こうくう 路 ろ は海上 かいじょう 交通 こうつう 路 ろ と並 なら ぶ重要 じゅうよう な交通 こうつう 手段 しゅだん である。ただし航空 こうくう 戦力 せんりょく は迅速 じんそく に機動 きどう することが可能 かのう であるものの、その戦闘 せんとう 力 りょく は他 た の戦力 せんりょく と比 くら べて短時間 たんじかん で消耗 しょうもう してしまう。なぜならば、航空 こうくう 戦力 せんりょく の本質 ほんしつ 的 てき 要素 ようそ は航空機 こうくうき であるために、滞空 たいくう するだけでも燃料 ねんりょう を消費 しょうひ し、また搭載 とうさい 可能 かのう な兵 へい 装 そう も制約 せいやく されている。したがって地上 ちじょう また空中 くうちゅう での燃料 ねんりょう や弾薬 だんやく の補給 ほきゅう 、航空 こうくう 要員 よういん の交替 こうたい を行 おこな う必要 ひつよう が出 で てくるのである[注釈 ちゅうしゃく 34] 。
航空 こうくう 戦力 せんりょく の戦略 せんりゃく 的 てき 効果 こうか について論 ろん じたイタリアの軍人 ぐんじん ジュリオ・ドゥーエ は第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん で航空機 こうくうき の軍事 ぐんじ 的 てき な可能 かのう 性 せい を発見 はっけん し、『制 せい 空 そら 』において独立 どくりつ 空軍 くうぐん の効率 こうりつ 性 せい を主張 しゅちょう した。その理由 りゆう として航空機 こうくうき が持 も つ飛 ひ 距離 きょり が拡大 かくだい したことで敵 てき の前線 ぜんせん を超 こ えて後方 こうほう 地域 ちいき に戦略 せんりゃく 爆 ばく 撃 げき を行 おこな うことが可能 かのう になったためであり、そのため制空権 せいくうけん の争奪 そうだつ がこれからの戦争 せんそう の主要 しゅよう な基軸 きじく となるためであった[14] 。同様 どうよう にアメリカの軍人 ぐんじん ウィリアム・ミッチェル も『空軍 くうぐん による防衛 ぼうえい 』においてこれからの戦争 せんそう の主力 しゅりょく は航空 こうくう 戦力 せんりょく であり、独立 どくりつ 空軍 くうぐん の創設 そうせつ を主張 しゅちょう している。彼 かれ らの主張 しゅちょう は当初 とうしょ は支持 しじ されなかったが、第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん で航空 こうくう 戦力 せんりょく の有効 ゆうこう 性 せい は認識 にんしき されるようになる[15] 。イギリスの軍人 ぐんじん ウィリアム・テッダー は第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん での航空 こうくう 戦力 せんりょく の働 はたら きを踏 ふ まえて、『戦争 せんそう における空軍 くうぐん 力 りょく 』で航空 こうくう 優勢 ゆうせい が陸海空 りくかいくう いずれの作戦 さくせん にとっても不可欠 ふかけつ であると述 の べて航空 こうくう 戦力 せんりょく の普遍 ふへん 的 てき な重要 じゅうよう 性 せい を論 ろん じた。
航空 こうくう 戦力 せんりょく の本質 ほんしつ にあるものは航空機 こうくうき であるが、この航空機 こうくうき もその偵察 ていさつ 、戦闘 せんとう 、爆 ばく 撃 げき などの目的 もくてき からさまざまな設計 せっけい が施 ほどこ される。軍用 ぐんよう 機 き の種類 しゅるい としては偵察 ていさつ 機 き 、戦闘 せんとう 機 き 、攻撃 こうげき 機 き 、爆 ばく 撃 げき 機 き 、電子 でんし 戦機 せんき 、空中 くうちゅう 給油 きゅうゆ 機 き などの種類 しゅるい がある。しかし航空機 こうくうき の航空 こうくう 能力 のうりょく を継続 けいぞく 的 てき に発揮 はっき するために必要 ひつよう な航空 こうくう 基地 きち も不可欠 ふかけつ な要素 ようそ である。航空 こうくう 基地 きち での航空 こうくう 管制 かんせい や後方 こうほう 支援 しえん の機能 きのう により航空機 こうくうき は航行 こうこう が可能 かのう となる。航空機 こうくうき は戦術 せんじゅつ 的 てき 機能 きのう を統合 とうごう した航空 こうくう 団 だん などに編制 へんせい され、航空 こうくう 偵察 ていさつ 、対 たい 航空 こうくう 作戦 さくせん 、航空 こうくう 阻止 そし 、近接 きんせつ 航空 こうくう 支援 しえん 、戦略 せんりゃく 爆撃 ばくげき などの航空 こうくう 作戦 さくせん で運用 うんよう される。
戦争 せんそう 能力 のうりょく は軍事 ぐんじ 力 りょく だけでなく経済 けいざい 的 てき 要素 ようそ は国力 こくりょく の重要 じゅうよう な構成 こうせい 要素 ようそ である。なぜならば、経済 けいざい が成長 せいちょう していれば政府 せいふ は増加 ぞうか する税収 ぜいしゅう から財政 ざいせい における軍事 ぐんじ 費 ひ の割合 わりあい を拡大 かくだい することが容易 ようい となるからである。ただし財政 ざいせい における軍事 ぐんじ 費 ひ の問題 もんだい はいわゆる大砲 たいほう とバターの支出 ししゅつ がトレードオフ の関係 かんけい にある問題 もんだい として把握 はあく されており、したがって自由 じゆう 主義 しゅぎ の観点 かんてん からしばしば軍備 ぐんび は民生 みんせい を圧迫 あっぱく する危険 きけん 性 せい が指摘 してき される。一方 いっぽう でケインズ主義 しゅぎ の立場 たちば に立 た てば軍拡 ぐんかく は公共 こうきょう 事業 じぎょう の一環 いっかん として考 かんが えることも可能 かのう であり、このように拡大 かくだい する軍需 ぐんじゅ で成長 せいちょう した軍需 ぐんじゅ 産業 さんぎょう の構造 こうぞう は軍 ぐん 産 さん 複 ふく 合体 がったい と呼 よ ばれる。戦争 せんそう 能力 のうりょく における経済 けいざい 力 りょく とは軍事 ぐんじ 力 りょく の要素 ようそ である兵器 へいき を供給 きょうきゅう するための労働 ろうどう 力 りょく や資源 しげん 、生産 せいさん 設備 せつび 、資本 しほん などから判断 はんだん できる。戦争 せんそう に必要 ひつよう な経済 けいざい 力 りょく を獲得 かくとく するために社会 しゃかい 主義 しゅぎ 的 てき な経済 けいざい 統制 とうせい が実施 じっし される場合 ばあい があり、戦時 せんじ 動員 どういん や配給 はいきゅう 制 せい が具体 ぐたい 的 てき な施策 しさく として導入 どうにゅう することができる。逆 ぎゃく に敵 てき の経済 けいざい 力 りょく を低下 ていか させるための政府 せいふ や軍隊 ぐんたい の経済 けいざい 対策 たいさく として、経済 けいざい 制裁 せいさい 、通商 つうしょう 破壊 はかい 、海上 かいじょう 封鎖 ふうさ 、航空 こうくう 封鎖 ふうさ 、市場 いちば 価格 かかく への介入 かいにゅう などが実施 じっし することが可能 かのう である[注釈 ちゅうしゃく 35] 。
経済 けいざい と軍備 ぐんび の関係 かんけい について検討 けんとう した経済 けいざい 学者 がくしゃ にイギリスの経済 けいざい 学者 がくしゃ アダム・スミス がいる。スミスは『国富 こくふ 論 ろん 』で市場 いちば 経済 けいざい の自由 じゆう 放任 ほうにん が財 ざい を適切 てきせつ に配分 はいぶん する原理 げんり を論 ろん じた。そして経済 けいざい の自然 しぜん な成長 せいちょう や植民 しょくみん 地 ち の運営 うんえい のためには軍事 ぐんじ 力 りょく や行政 ぎょうせい 能力 のうりょく が必要 ひつよう であり、またこれらは政府 せいふ の財政 ざいせい 状況 じょうきょう に応 おう じた規模 きぼ に調整 ちょうせい することを主張 しゅちょう している。軍事 ぐんじ 力 りょく の造成 ぞうせい のために必要 ひつよう な産業 さんぎょう 政策 せいさく を論 ろん じたアメリカの政治 せいじ 家 か アレクサンダー・ハミルトン は軍務 ぐんむ 経験 けいけん に基 もと づいてアメリカの工業 こうぎょう の保護 ほご を主張 しゅちょう する『製造 せいぞう 業 ぎょう に関 かん する報告 ほうこく 』を著 あらわ している。この考 かんが えた方 ほう は後 のち にドイツの経済 けいざい 学者 がくしゃ フリードリヒ・リスト に受 う け継 つ がれ、ドイツが自給自足 じきゅうじそく をするために必要 ひつよう な産業 さんぎょう を育成 いくせい しなければ、戦争 せんそう には対応 たいおう できない危険 きけん 性 せい を指摘 してき している。このような戦争 せんそう に必要 ひつよう な産業 さんぎょう を育成 いくせい する経済 けいざい 政策 せいさく は世界 せかい 大戦 たいせん 中 ちゅう に各国 かっこく で総動員 そうどういん 体制 たいせい の導入 どうにゅう に伴 ともな って遂行 すいこう されることになる。
安全 あんぜん 保障 ほしょう の概念 がいねん とは、これはある主体 しゅたい が自 みずか らにとってかけがえのない何 なん らかの価値 かち を、何 なん らかの脅威 きょうい から何 なん らかの手段 しゅだん によって守 まも る、と定義 ていぎ できる[注釈 ちゅうしゃく 36] 。安全 あんぜん 保障 ほしょう 政策 せいさく には大別 たいべつ して三 みっ つの主要 しゅよう な学派 がくは があり、それは軍備 ぐんび の維持 いじ 増進 ぞうしん によって敵対 てきたい 勢力 せいりょく との勢力 せいりょく 均衡 きんこう を維持 いじ する重要 じゅうよう 性 せい を強調 きょうちょう する現実 げんじつ 主義 しゅぎ の学派 がくは 、経済 けいざい 的 てき な交流 こうりゅう を通 つう じて彼我 ひが の相互 そうご 依存 いぞん を高 たか めることを重要 じゅうよう 視 し する自由 じゆう 主義 しゅぎ の学派 がくは 、そして地球 ちきゅう 全体 ぜんたい を統合 とうごう された国際 こくさい 共同 きょうどう 体 たい と見 み なし、紛争 ふんそう 予防 よぼう と平和 へいわ 維持 いじ のシステムを準備 じゅんび し、人間 にんげん と地球 ちきゅう の安全 あんぜん を保障 ほしょう することの意義 いぎ を主張 しゅちょう するグローバリズムの学派 がくは の三 みっ つがある。つまり安全 あんぜん 保障 ほしょう 政策 せいさく は何 なん の価値 かち を重要 じゅうよう 視 し するのか、またどの方法 ほうほう が適切 てきせつ であるかに関 かん して論争 ろんそう 的 てき でありうる複雑 ふくざつ な問題 もんだい である。したがって、安全 あんぜん 保障 ほしょう 政策 せいさく は軍事 ぐんじ 戦略 せんりゃく の政治 せいじ 的 てき コンテクストを形成 けいせい するものであり、その方針 ほうしん によって兵員 へいいん や兵器 へいき の定数 ていすう 、指揮 しき 系統 けいとう や部隊 ぶたい 編制 へんせい の内容 ないよう 、また戦争 せんそう における軍事 ぐんじ 戦略 せんりゃく や作戦 さくせん 計画 けいかく などが決定 けってい される。
戦略 せんりゃく とは戦争 せんそう において目的 もくてき を達成 たっせい するためにどのように行動 こうどう すべきかを指 さ しした準備 じゅんび 、運用 うんよう 、計画 けいかく であり、またそれを策定 さくてい するための理論 りろん または技術 ぎじゅつ を言 い う[注釈 ちゅうしゃく 37] 。しかしながら、戦略 せんりゃく の概念 がいねん は軍事 ぐんじ 思想 しそう 史 し において論争 ろんそう 的 てき であったために画一 かくいつ 的 てき な定義 ていぎ が定 さだ まっているわけではない。その時代 じだい や地域 ちいき の情勢 じょうせい によって戦略 せんりゃく の概念 がいねん はさまざまな文脈 ぶんみゃく で用 もち いられてきており、論者 ろんしゃ によってその内容 ないよう は異 こと なっている。しかしながら、戦略 せんりゃく に基 もと づいた思考 しこう は単 たん に局地 きょくち 的 てき な戦闘 せんとう に勝利 しょうり するだけでなく、より幅広 はばひろ い視野 しや から戦争 せんそう に勝利 しょうり する意義 いぎ があることは戦略 せんりゃく 家 か によって認 みと められている。戦略 せんりゃく という用語 ようご が普及 ふきゅう する以前 いぜん からそのような思考 しこう 法 ほう の重要 じゅうよう 性 せい は指摘 してき されてきた。古代 こだい 中国 ちゅうごく の戦略 せんりゃく 家 か 孫 まご 武 たけし が著 あらわ した『孫子 まごこ 』では、戦争 せんそう がもたらすさまざまな弊害 へいがい を認識 にんしき した上 うえ で、可能 かのう な限 かぎ り非 ひ 軍事 ぐんじ 的 てき 手段 しゅだん によって目的 もくてき を達成 たっせい することを優先 ゆうせん すべきであり、もし開戦 かいせん したとしても不敗 ふはい の態勢 たいせい を確立 かくりつ した後 のち に短期 たんき 決戦 けっせん で勝利 しょうり すべきであると論 ろん じた[注釈 ちゅうしゃく 38] 。このような戦略 せんりゃく 的 てき 思考 しこう は現代 げんだい の研究 けんきゅう 者 しゃ によって戦略 せんりゃく の原点 げんてん として参照 さんしょう されている。
軍事 ぐんじ 思想 しそう 史 し において近代 きんだい の戦略 せんりゃく 理論 りろん を体系 たいけい 化 か した戦略 せんりゃく 家 か として挙 あ げられる人物 じんぶつ は『戦争 せんそう 論 ろん 』を著 あらわ したクラウゼヴィッツである。クラウゼヴィッツが残 のこ した戦略 せんりゃく 学 がく の業績 ぎょうせき とは政治 せいじ に対 たい する戦争 せんそう の従属 じゅうぞく 的 てき 関係 かんけい を明 あき らかにしたことである。理論 りろん 的 てき 観点 かんてん から見 み れば、戦争 せんそう とは暴力 ぼうりょく 行為 こうい であり、敵対 てきたい 関係 かんけい の結果 けっか として戦争 せんそう の暴力 ぼうりょく 性 せい は無制限 むせいげん に増大 ぞうだい し続 つづ ける法則 ほうそく がある。つまり戦争 せんそう の本来 ほんらい の目標 もくひょう とは敵 てき の戦闘 せんとう 力 りょく を破壊 はかい することに他 た ならないと考 かんが えられる。しかし現実 げんじつ の戦争 せんそう を観察 かんさつ すれば、戦争 せんそう には常 つね に政治 せいじ 的 てき 目的 もくてき が与 あた えられており、戦争 せんそう の暴力 ぼうりょく 性 せい を合理 ごうり 的 てき に調整 ちょうせい することができることが分 わ かる。しかも戦争 せんそう 計画 けいかく を実施 じっし に移 うつ す際 さい に直面 ちょくめん するさまざまな不測 ふそく 事態 じたい や不 ふ 確実 かくじつ 性 せい などの摩擦 まさつ によって戦争 せんそう 行為 こうい は妨 さまた げられる。このようにクラウゼヴィッツが論 ろん じた戦略 せんりゃく 理論 りろん とは戦争 せんそう の本質 ほんしつ に立脚 りっきゃく した理論 りろん であり、現代 げんだい においても戦争 せんそう の本性 ほんしょう と政治 せいじ 目的 もくてき に合致 がっち した軍事 ぐんじ 戦略 せんりゃく の在 あ り方 かた を示 しめ している。
現代 げんだい の戦略 せんりゃく 家 か として知 し られているイギリスの戦略 せんりゃく 家 か リデル=ハート はそれまでの戦略 せんりゃく の概念 がいねん をより包括 ほうかつ 的 てき な概念 がいねん として発展 はってん させた。彼 かれ の著作 ちょさく 『戦略 せんりゃく 論 ろん 』では大 だい 戦略 せんりゃく の概念 がいねん と間接 かんせつ アプローチ戦略 せんりゃく の概念 がいねん が提唱 ていしょう されている。大 だい 戦略 せんりゃく とは政治 せいじ 目的 もくてき を達成 たっせい するために軍事 ぐんじ 的 てき 手段 しゅだん を適用 てきよう する技術 ぎじゅつ であり、軍事 ぐんじ 戦略 せんりゃく の上位 じょうい に立 た った包括 ほうかつ 的 てき な戦略 せんりゃく の概念 がいねん として整理 せいり される。大 だい 戦略 せんりゃく の概念 がいねん によって戦争 せんそう を軍事 ぐんじ 作戦 さくせん の成否 せいひ だけではなく、より総合 そうごう 的 てき な観点 かんてん に基 もと づいて戦争 せんそう を指導 しどう することの意義 いぎ が戦略 せんりゃく 理論 りろん に表現 ひょうげん されることになった。さらに間接 かんせつ アプローチ戦略 せんりゃく は敵 てき 軍 ぐん に対 たい して直接 ちょくせつ 対決 たいけつ することを回避 かいひ し、敵 てき の弱点 じゃくてん に対 たい して接近 せっきん する戦略 せんりゃく の理念 りねん である。ここでの敵 てき 軍 ぐん の弱点 じゃくてん とは物理 ぶつり 的 てき な戦力 せんりょく が希薄 きはく な方面 ほうめん であるだけでなく、心理 しんり 的 てき な警戒 けいかい が希薄 きはく な方面 ほうめん を指 さ す用語 ようご である。リデル=ハートは優勢 ゆうせい な戦力 せんりょく を以って正面 しょうめん から敵 てき を圧倒 あっとう するのではなく、このような戦略 せんりゃく 的 てき な機動 きどう を重要 じゅうよう 視 し していた[16] 。リデル=ハートの戦略 せんりゃく 理論 りろん には導入 どうにゅう された大 だい 戦略 せんりゃく の概念 がいねん や間接 かんせつ アプローチの軍事 ぐんじ 思想 しそう は最小限 さいしょうげん の戦力 せんりょく で戦争 せんそう に勝利 しょうり することの可能 かのう 性 せい を示 しめ している。
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戦術 せんじゅつ (Tactics) とは戦闘 せんとう において戦闘 せんとう 力 りょく を効果 こうか 的 てき に運用 うんよう するための科学 かがく 、または技術 ぎじゅつ であると考 かんが えられている[注釈 ちゅうしゃく 39] 。その作戦 さくせん の形態 けいたい の相違 そうい から戦術 せんじゅつ 学 がく では陸軍 りくぐん の戦術 せんじゅつ 、海軍 かいぐん の海戦 かいせん 術 じゅつ 、空軍 くうぐん の航空 こうくう 戦術 せんじゅつ に分類 ぶんるい されて研究 けんきゅう される。どれほど優 すぐ れた戦略 せんりゃく であっても、その実行 じっこう には優 すぐ れた戦術 せんじゅつ をも必要 ひつよう とする。戦闘 せんとう を効率 こうりつ 的 てき に指導 しどう するためには優勢 ゆうせい な戦力 せんりょく を投入 とうにゅう するだけではなく、それら戦力 せんりょく を状況 じょうきょう に応 おう じて適切 てきせつ に運用 うんよう することの重要 じゅうよう 性 せい が知 し られている。戦術 せんじゅつ の黎明 れいめい 期 き においては戦闘 せんとう 隊形 たいけい の重要 じゅうよう 性 せい や戦場 せんじょう 機動 きどう の方式 ほうしき が研究 けんきゅう されていなかった。しかし古代 こだい ギリシアのファランクス と呼 よ ばれる歩兵 ほへい の密集 みっしゅう 隊形 たいけい を活用 かつよう した戦闘 せんとう 法 ほう が導入 どうにゅう され、また騎兵 きへい 部隊 ぶたい が決定的 けっていてき な打撃 だげき 力 りょく として戦場 せんじょう に登場 とうじょう すると戦闘 せんとう 陣形 じんけい の選定 せんてい や防御 ぼうぎょ 戦闘 せんとう と攻撃 こうげき 戦闘 せんとう の連携 れんけい などの戦術 せんじゅつ 的 てき な選択肢 せんたくし が広 ひろ がることになった。
劣勢 れっせい でありながらも優 すぐ れた戦術 せんじゅつ 家 か の力量 りきりょう によって勝利 しょうり した有名 ゆうめい な戦史 せんし がある。マケドニアの国王 こくおう アレクサンドロス3世 せい (大王 だいおう )はその戦術 せんじゅつ 家 か の一人 ひとり であり、ペルシア遠征 えんせい でのガウガメラの戦 たたか い においてはペルシア軍 ぐん に対 たい して劣勢 れっせい でありながらも敵 てき 部隊 ぶたい を誘致 ゆうち することで敵 てき 中央 ちゅうおう の戦力 せんりょく を希薄 きはく 化 か させ、その地点 ちてん に対 たい して突破 とっぱ を実施 じっし したことで勝利 しょうり することができた。またポエニ戦争 せんそう においてはカルタゴの将軍 しょうぐん ハンニバル がカンナエの戦 たたか い で采配 さいはい を発揮 はっき し、優勢 ゆうせい なローマ軍 ぐん に対 たい して歩兵 ほへい 部隊 ぶたい の防御 ぼうぎょ 戦闘 せんとう と騎兵 きへい 部隊 ぶたい の包囲 ほうい 機動 きどう を組 く み合 あ わせて模範 もはん 的 てき な包囲 ほうい 殲滅 せんめつ を実践 じっせん してみせた。またプロイセンの国王 こくおう フリードリヒ2世 せい は七 なな 年 ねん 戦争 せんそう のロイテンの戦 たたか い で優勢 ゆうせい なオーストリア軍 ぐん の横 よこ 陣 じん に対 たい し、地形 ちけい で部隊 ぶたい を隠匿 いんとく しながら迅速 じんそく に側面 そくめん に接近 せっきん し、側面 そくめん 攻撃 こうげき をしかけることで勝利 しょうり することができた。ナポレオン戦争 せんそう ではフランスの国王 こくおう ナポレオン1世 せい は優勢 ゆうせい なオーストリア軍 ぐん とアウステルリッツの戦 たたか い で衝突 しょうとつ したが、意図 いと 的 てき な防御 ぼうぎょ と後退 こうたい 行動 こうどう を組 く み合 あ わせて敵 てき 部隊 ぶたい を誘致 ゆうち した後 のち にその中央 ちゅうおう を突破 とっぱ することで勝利 しょうり を収 おさ めた。これらの戦史 せんし はいずれも戦力 せんりょく の劣勢 れっせい を運用 うんよう によって補 おぎな っており、またその実施 じっし が成功 せいこう したことから戦術 せんじゅつ 的 てき に高 たか く評価 ひょうか されている。
スイスの軍人 ぐんじん アントワーヌ・アンリ・ジョミニ が『戦争 せんそう 概論 がいろん 』で示 しめ した戦術 せんじゅつ 理論 りろん の体系 たいけい は近代 きんだい における戦術 せんじゅつ 学 がく の起源 きげん として示 しめ すことができる。なぜならば、ジョミニは戦場 せんじょう での勝利 しょうり にとって不可欠 ふかけつ な行動 こうどう の原則 げんそく が戦術 せんじゅつ には存在 そんざい すると捉 とら えることで、その原則 げんそく をさまざまな戦闘 せんとう 状 じょう 況 きょう に適用 てきよう する方法 ほうほう を理論 りろん 化 か した。ジョミニの学説 がくせつ は世界 せかい 各地 かくち の士官 しかん 学校 がっこう の教範 きょうはん 類 るい で採用 さいよう されており、戦力 せんりょく の集中 しゅうちゅう や戦場 せんじょう での機動 きどう などの原則 げんそく に関 かん しては戦術 せんじゅつ 学 がく の基礎 きそ 知識 ちしき として普及 ふきゅう した。このような原則 げんそく はイギリスの軍人 ぐんじん ジョン・フレデリック・チャールズ・フラー によってさらに発展 はってん させられ、目的 もくてき 、主導 しゅどう 、統一 とういつ 、集中 しゅうちゅう 、機動 きどう 、節約 せつやく 、警戒 けいかい 、奇襲 きしゅう 、簡明 かんめい から成 な る戦 たたか いの諸 しょ 原則 げんそく として整理 せいり された。戦術 せんじゅつ 的 てき な戦闘 せんとう 行動 こうどう である攻撃 こうげき と防御 ぼうぎょ についても、攻撃 こうげき が主導 しゅどう 的 てき で能動 のうどう 的 てき な戦闘 せんとう 行動 こうどう である一方 いっぽう で戦力 せんりょく の消耗 しょうもう が激 はげ しく、逆 ぎゃく に防御 ぼうぎょ は従属 じゅうぞく 的 てき で受動 じゅどう 的 てき な戦闘 せんとう 行動 こうどう でありながらも、消耗 しょうもう が少 すく ないなどの特性 とくせい が明 あき らかにされていった。そして戦術 せんじゅつ 研究 けんきゅう が進 すす むにつれてさらに戦闘 せんとう 陣形 じんけい や戦闘 せんとう 行動 こうどう を表 あらわ す戦術 せんじゅつ 用語 ようご や戦術 せんじゅつ 的 てき 決心 けっしん に求 もと められる状況 じょうきょう 判断 はんだん の思考 しこう 法 ほう が確立 かくりつ されていった。
兵站 へいたん とは作戦 さくせん 中 ちゅう の部隊 ぶたい の活動 かつどう を後方 こうほう から支援 しえん する方法 ほうほう であり、具体 ぐたい 的 てき には物資 ぶっし の補給 ほきゅう 、兵器 へいき の整備 せいび 、輸送 ゆそう の管理 かんり 、衛生 えいせい 業務 ぎょうむ などの業務 ぎょうむ を指 さ す。兵站 へいたん は古来 こらい から戦争 せんそう の勝敗 しょうはい を左右 さゆう する重大 じゅうだい な考慮 こうりょ 事項 じこう であり、その基本 きほん 的 てき 問題 もんだい とは後方 こうほう における根拠地 こんきょち の補給 ほきゅう 物資 ぶっし により、後方 こうほう 連絡 れんらく 線 せん の輸送 ゆそう 力 りょく を通 つう じて、前線 ぜんせん における部隊 ぶたい の補給 ほきゅう 所要 しょよう を充足 じゅうそく させることである。しかし根拠地 こんきょち での補給 ほきゅう 物資 ぶっし の不足 ふそく 、敵 てき による後方 こうほう 連絡 れんらく 線 せん の遮断 しゃだん 、戦闘 せんとう での戦力 せんりょく の消耗 しょうもう の増加 ぞうか などによって兵站 へいたん の現実 げんじつ はより複雑 ふくざつ である。したがって兵站 へいたん とは単 たん なる輸送 ゆそう 計画 けいかく ではなく、融通 ゆうずう 性 せい 、継続 けいぞく 性 せい 、強靭 きょうじん 性 せい 、効率 こうりつ 性 せい 、創造 そうぞう 性 せい が求 もと められる活動 かつどう であると捉 とら えなければならない。戦争 せんそう において生 しょう じる不測 ふそく 事態 じたい に兵站 へいたん は臨機応変 りんきおうへん に対処 たいしょ しなければならず、敵 てき の妨害 ぼうがい に直面 ちょくめん してもその活動 かつどう を維持 いじ しなければならない。さらに兵站 へいたん 問題 もんだい として有限 ゆうげん な物資 ぶっし を部隊 ぶたい にどのように配分 はいぶん するかという効率 こうりつ 化 か の問題 もんだい もある。しかも兵站 へいたん は戦場 せんじょう の突発 とっぱつ 的 てき な障害 しょうがい に即応 そくおう するために創造 そうぞう 的 てき な問題 もんだい 解決 かいけつ が迫 せま られる場合 ばあい もある[注釈 ちゅうしゃく 40] 。
軍隊 ぐんたい において兵站 へいたん が体系 たいけい 化 か された背景 はいけい には作戦 さくせん や装備 そうび の複雑 ふくざつ 化 か がある。ジョミニは軍 ぐん が行軍 こうぐん する際 さい に兵站 へいたん 監 かん が考慮 こうりょ しなければならない事項 じこう を列挙 れっきょ しており、それは交通 こうつう 路 ろ の選定 せんてい 、補給 ほきゅう 処 しょ の警戒 けいかい 、行軍 こうぐん の管制 かんせい 、輸送 ゆそう 手段 しゅだん の確保 かくほ 、宿営 しゅくえい の計画 けいかく など細部 さいぶ に渡 わた っている。図上 ずじょう での軍事 ぐんじ 作戦 さくせん を具体 ぐたい 化 か するためにはこのような緻密 ちみつ な兵站 へいたん 活動 かつどう が必要 ひつよう であり、ジョミニは兵站 へいたん 学 がく をあらゆる軍事 ぐんじ 知識 ちしき を応用 おうよう する科学 かがく であると捉 とら えている。兵站 へいたん の重要 じゅうよう 性 せい については戦略 せんりゃく 、戦術 せんじゅつ との関係 かんけい 性 せい からも検討 けんとう することができる。アメリカの軍人 ぐんじん ジョージ・C・ソープは『純粋 じゅんすい 兵站 へいたん 学 がく 』において戦争 せんそう を演劇 えんげき に例 たと えて論 ろん じており、戦略 せんりゃく が演技 えんぎ を指導 しどう する脚本 きゃくほん であり、戦術 せんじゅつ が役者 やくしゃ の役割 やくわり であるならば、兵站 へいたん とは舞台 ぶたい や備品 びひん 、小道具 こどうぐ を準備 じゅんび することであると位置 いち づけた。つまり卓越 たくえつ した戦略 せんりゃく や優 すぐ れた戦術 せんじゅつ は兵站 へいたん によって根拠 こんきょ 付 つ けられていると考 かんが えることができる。しかし兵站 へいたん が重要 じゅうよう であることがわかったとしても、軍事 ぐんじ 史 し において現実 げんじつ の兵站 へいたん が計画 けいかく 通 どお りいかなかった事例 じれい は数多 かずおお い。この歴史 れきし 的 てき 事実 じじつ はマーチン・ファン・クレフェルト は『補給 ほきゅう 戦 せん 』において明 あき らかにしており、つまり知性 ちせい を活用 かつよう したどれほど綿密 めんみつ な兵站 へいたん の計画 けいかく であったとしても、クラウゼヴィッツが提起 ていき した戦争 せんそう での摩擦 まさつ の力 ちから で常 つね に破壊 はかい されるのである。兵站 へいたん の使命 しめい とはそのような障害 しょうがい を克服 こくふく して部隊 ぶたい を支援 しえん することであり、軍事 ぐんじ にとって末端 まったん の研究 けんきゅう 領域 りょういき ではなく、むしろ本質 ほんしつ 的 てき な研究 けんきゅう 領域 りょういき と見 み なすことができる。
兵站 へいたん の活動 かつどう を機能 きのう 別 べつ で分類 ぶんるい すると補給 ほきゅう 、輸送 ゆそう 、整備 せいび 、衛生 えいせい に大別 たいべつ することができる。後方 こうほう 地域 ちいき で遂行 すいこう される支援 しえん はさらに多種 たしゅ 多様 たよう であるが、これら四 よん 種類 しゅるい の業務 ぎょうむ は部隊 ぶたい の戦闘 せんとう 力 りょく を維持 いじ する上 じょう で特 とく に緊要 きんよう なものであると言 い える。補給 ほきゅう とは部隊 ぶたい に対 たい して行 おこな われる食糧 しょくりょう 、燃料 ねんりょう 、弾薬 だんやく 、医薬品 いやくひん 等 とう の消耗 しょうもう を提供 ていきょう することであり、補給 ほきゅう 所要 しょよう の算定 さんてい 、補給 ほきゅう 物資 ぶっし の入手 にゅうしゅ 、補給 ほきゅう 物資 ぶっし の配分 はいぶん などの段階 だんかい を踏 ふ んで行 おこな われる。また整備 せいび は車両 しゃりょう や航空機 こうくうき 、艦艇 かんてい の状態 じょうたい を使用 しよう 可能 かのう な状態 じょうたい に維持 いじ することであり、装備 そうび の破損 はそん 状 じょう 況 きょう によって使用 しよう 部隊 ぶたい の整備 せいび 、整備 せいび 部隊 ぶたい の整備 せいび 、外部 がいぶ 委託 いたく の整備 せいび が行 おこな われる。輸送 ゆそう は人員 じんいん や装備 そうび 、物資 ぶっし の位置 いち を適時 てきじ において適所 てきしょ に移動 いどう させることであり、その地形 ちけい や敵情 てきじょう に応 おう じて陸海空 りくかいくう の交通 こうつう 手段 しゅだん が選定 せんてい され、安全 あんぜん 性 せい と秘匿 ひとく 性 せい 、迅速 じんそく 性 せい と輸送 ゆそう 力 りょく などの観点 かんてん から判断 はんだん されることになる。衛生 えいせい は戦闘 せんとう などで生 しょう じた人的 じんてき 戦闘 せんとう 力 りょく の消耗 しょうもう を回復 かいふく するための活動 かつどう であり、前線 ぜんせん の部隊 ぶたい での処置 しょち 、または後方 こうほう の野戦 やせん 病院 びょういん での処置 しょち などが行 おこな われ、回復 かいふく した兵員 へいいん を復帰 ふっき させる機能 きのう がある。このような兵站 へいたん の複 ふく 合 あい 的 てき な業務 ぎょうむ は陸軍 りくぐん 、海軍 かいぐん 、空軍 くうぐん によってそれぞれ別個 べっこ に体系 たいけい 化 か されている。例 たと えば陸軍 りくぐん の兵站 へいたん は基地 きち の外部 がいぶ においても兵站 へいたん 機能 きのう を維持 いじ しなければならないが、海軍 かいぐん や空軍 くうぐん の兵站 へいたん 機能 きのう は根拠地 こんきょち に集約 しゅうやく されており、また兵器 へいき 体系 たいけい が異 こと なるため必要 ひつよう な補給 ほきゅう 物資 ぶっし も異 こと なるものである。
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軍事 ぐんじ 作戦 さくせん は基本 きほん 的 てき に戦争 せんそう において実施 じっし されるものである。しかし、戦争 せんそう 以外 いがい でも軍事 ぐんじ 作戦 さくせん を実施 じっし することはあり得 え るものだと現在 げんざい では考 かんが えられている。これは冷戦 れいせん が終結 しゅうけつ してから地域 ちいき 紛争 ふんそう や人道 じんどう 危機 きき に軍隊 ぐんたい が対処 たいしょ する情勢 じょうせい が出現 しゅつげん したことに呼応 こおう して、アメリカの統合 とうごう 参謀 さんぼう 本部 ほんぶ により1995年 ねん に提唱 ていしょう された概念 がいねん である。この概念 がいねん について詳説 しょうせつ した書籍 しょせき に統合 とうごう 教義 きょうぎ 教範 きょうはん 3-07『戦争 せんそう 以外 いがい の軍事 ぐんじ 作戦 さくせん のための統合 とうごう 教義 きょうぎ 』があり、ここでは戦争 せんそう 以外 いがい の軍事 ぐんじ 作戦 さくせん は政治 せいじ 的 てき 考慮 こうりょ を踏 ふ まえて遂行 すいこう される戦争 せんそう に至 いた らない軍事 ぐんじ 力 りょく の使用 しよう として定義 ていぎ される。その具体 ぐたい 的 てき な内容 ないよう には戦争 せんそう の抑止 よくし や解決 かいけつ のための平和 へいわ 創造 そうぞう 活動 かつどう 、対 たい テロ作戦 さくせん 、部隊 ぶたい の予防 よぼう 的 てき 展開 てんかい 、平和 へいわ 維持 いじ 活動 かつどう 、非 ひ 戦闘 せんとう 員 いん 避難 ひなん 作戦 さくせん 、対 たい 暴動 ぼうどう 作戦 さくせん が含 ふく まれる。さらに平和 へいわ を促進 そくしん するための海上 かいじょう 交通 こうつう の確保 かくほ 、対 たい 麻薬 まやく 作戦 さくせん 、人道 じんどう 支援 しえん 、海上 かいじょう 護衛 ごえい 、文民 ぶんみん 支援 しえん などもその概念 がいねん に含 ふく まれている。このような軍隊 ぐんたい の新 あたら しい任務 にんむ について国連 こくれん 事務 じむ 総長 そうちょう のダグ・ハマーショルド は平和 へいわ 維持 いじ を取 と り上 あ げながら「平和 へいわ 維持 いじ 活動 かつどう は兵士 へいし の仕事 しごと ではないが、それをできるのは兵士 へいし しかいない」と述 の べている。戦争 せんそう 以外 いがい の軍事 ぐんじ 作戦 さくせん を遂行 すいこう するためには従来 じゅうらい のように計画 けいかく 性 せい や安全 あんぜん 性 せい 、戦闘 せんとう の効率 こうりつ 性 せい などを高 たか めるだけではなく、政治 せいじ ・社会 しゃかい 的 てき 影響 えいきょう に配慮 はいりょ しながら人道 じんどう 性 せい や公平 こうへい 性 せい の重視 じゅうし 、民事 みんじ 作戦 さくせん の円滑 えんかつ な実施 じっし 、文民 ぶんみん 機関 きかん の支援 しえん の確保 かくほ を行 おこな う必要 ひつよう がある。
^ この定義 ていぎ は決 けっ して厳密 げんみつ なものではない。
^ 英 えい : civil affairs
^ マキアヴェリは『君主 くんしゅ 論 ろん 』でも良 よ い法律 ほうりつ を良 よ い軍備 ぐんび によって基礎 きそ 付 つ けており、政治 せいじ 指導 しどう 者 しゃ は軍事 ぐんじ に精通 せいつう することを主張 しゅちょう している。
^ 軍事 ぐんじ の基本 きほん 的 てき 問題 もんだい が戦争 せんそう における戦闘 せんとう の勝利 しょうり であると限定 げんてい することは初歩 しょほ 的 てき な理解 りかい に過 す ぎない。軍事 ぐんじ 思想 しそう 史 し において勝利 しょうり の方法 ほうほう を追究 ついきゅう することは古来 こらい より重要 じゅうよう な検討 けんとう 課題 かだい であったが、後述 こうじゅつ するように戦争 せんそう の変化 へんか にともなって軍事 ぐんじ 問題 もんだい は複雑 ふくざつ 化 か 、多様 たよう 化 か している。
^ ここで示 しめ した諸 しょ 問題 もんだい については、それぞれ軍事 ぐんじ 地理 ちり 学 がく 、軍事 ぐんじ 工学 こうがく 、そしてオペレーションズ・リサーチ などの研究 けんきゅう を参照 さんしょう されたい。
^ これらの諸 しょ 問題 もんだい は国際 こくさい 政治 せいじ 学 がく 、戦時 せんじ 国際 こくさい 法 ほう 、軍事 ぐんじ 行政 ぎょうせい 学 がく 、戦略 せんりゃく 学 がく 、戦術 せんじゅつ 学 がく 、兵站 へいたん 学 がく などの研究 けんきゅう で取 と り扱 あつか われている。その一部 いちぶ は本 ほん 項目 こうもく で論 ろん じている。
^ 戦争 せんそう 文学 ぶんがく 、軍事 ぐんじ 史 し 、軍事 ぐんじ 心理 しんり 学 がく などの学問 がくもん で研究 けんきゅう の対象 たいしょう とされる問題 もんだい 群 ぐん である。
^ 著作 ちょさく の英訳 えいやく はIs War Now Impossible?: Being an Abridgment of the War of the Future in Its Technical, Economic, and Political Relations(Kessinger Pub Co)で読 よ むことができる。ブロッホの戦略 せんりゃく 思想 しそう はピーター・パレット編 へん 、防衛大学校 ぼうえいだいがくこう ・「戦争 せんそう ・戦略 せんりゃく の変遷 へんせん 」研究 けんきゅう 会 かい 訳 やく 『現代 げんだい 戦略 せんりゃく 思想 しそう の系譜 けいふ マキャヴェリから核 かく 時代 じだい まで』で取 と り上 あ げられており参考 さんこう になる。
^ スミスの著作 ちょさく はRupert Smith, The Utility of Force: The Art of War in the Modern World(London, ALLen lane,2005)で読 よ むことができる。
^ 『孫子 まごこ 』計 けい 篇 へん によれば「兵 へい とは国 くに の大事 だいじ なり、死生 しせい の道 みち 、存亡 そんぼう の道 みち 、察 さっ せざるべからざるなり」とされている[4] 。
^ 戦争 せんそう の複雑 ふくざつ 性 せい については後述 こうじゅつ するようにクラウゼヴィッツが『戦争 せんそう 論 ろん 』で論考 ろんこう している問題 もんだい であり、ここで取 と り上 あ げた戦争 せんそう の複雑 ふくざつ 性 せい は暴力 ぼうりょく の相互 そうご 作用 さよう 、戦争 せんそう の霧 きり 、摩擦 まさつ として概念 がいねん 化 か されている。
^ 政治 せいじ 学者 がくしゃ カール・シュミットは『パルチザンの理論 りろん 』(ちくま学芸 がくげい 文庫 ぶんこ 、2005年 ねん )でマルクス主義 まるくすしゅぎ 者 しゃ たちに与 あた えたクラウゼヴィッツの思想 しそう 的 てき 影響 えいきょう を論 ろん じている。
^ クラウゼヴィッツ批判 ひはん として位置 いち づけられるこの著作 ちょさく はMatin van Creveld, The Transformation of War: The Most Radical Reinterpretation of Armed Conflict since Clausewitz(New York: The Free Press, 1991)で読 よ むことができる。
^ この翻訳 ほんやく にはエーリヒ・ルーデンドルフ著 ちょ 、間野 まの 俊夫 としお 訳 やく 『国家 こっか 総 そう 力戦 りきせん 』(三笠 みかさ 書房 しょぼう )がある。
^ 強制 きょうせい 外交 がいこう の理論 りろん と事例 じれい についてはゴードン・A・クレイグ/アレキサンダー・L・ジョージ著 ちょ 『軍事 ぐんじ 力 りょく と現代 げんだい 外交 がいこう 歴史 れきし と理論 りろん で学 まな ぶ平和 へいわ の条件 じょうけん 』(有斐閣 ゆうひかく )などが参考 さんこう となる。
^ 英 えい : guerrilla war
^ この理論 りろん の詳細 しょうさい については遊 ゆう 撃 げき 戦 せん 論 ろん の項目 こうもく か、原書 げんしょ の翻訳 ほんやく である毛沢東 もうたくとう 著 ちょ 、藤田 ふじた 敬一 けいいち 、吉田 よしだ 富夫 とみお 訳 やく 『遊 ゆう 撃 げき 戦 せん 論 ろん 』(中央公論 ちゅうおうこうろん 新 しん 社 しゃ 、2001年 ねん )を参照 さんしょう されたい。
^ 甲斐 かい 美都里 みどり 訳 やく 『新訳 しんやく ゲリラ戦争 せんそう キューバ革命 かくめい 軍 ぐん の戦略 せんりゃく ・戦術 せんじゅつ 』(中央公論 ちゅうおうこうろん 新 しん 社 しゃ )を参照 さんしょう されたい。
^ 国防 こくぼう の概念 がいねん を概観 がいかん した研究 けんきゅう に服部 はっとり 実 みのる 『防衛 ぼうえい 学 がく 概論 がいろん 』(原 はら 書房 しょぼう 、1980年 ねん )などがある。
^ 対外 たいがい 的 てき 安全 あんぜん 保障 ほしょう だけでなく、対内 たいない 的 てき 安全 あんぜん 保障 ほしょう や状況 じょうきょう 的 てき 安全 あんぜん 保障 ほしょう の視角 しかく も考 かんが えることができる。
^ ギベールの著作 ちょさく はGatt, The Origins of Military Thought, (Oxford, 1989).で読 よ むことができる。
^ 佐藤 さとう 徳太郎 とくたろう 訳 やく 『戦争 せんそう 概論 がいろん 』(中央公論 ちゅうおうこうろん 新 しん 社 しゃ 、2001年 ねん )の軍事 ぐんじ 政策 せいさく の章 しょう を参照 さんしょう されたい。
^ 近代 きんだい 軍 ぐん のこのような成立 なりた ちとモルトケやシュリーフェンの位置 いち づけはサミュエル・ハンチントン著 ちょ 、市川 いちかわ 良一 りょういち 『新装 しんそう 版 ばん ハンチントン 軍人 ぐんじん と国家 こっか 上 うえ ・下 した 』(原 はら 書房 しょぼう 、2008年 ねん )で示 しめ されている。
^ この軍事 ぐんじ 制度 せいど の分類 ぶんるい は大学 だいがく 教育 きょういく 社 しゃ 編 へん 『現代 げんだい 政治 せいじ 学 がく 事典 じてん 』(ブレーン社 しゃ )の「軍制 ぐんせい 」の項目 こうもく を参考 さんこう にしている。
^ 軍制 ぐんせい 全般 ぜんぱん については旧 きゅう 日本 にっぽん 軍 ぐん の軍制 ぐんせい を概説 がいせつ した三浦 みうら 裕史 ゆうじ による『軍制 ぐんせい 講義 こうぎ 』(信 しん 山 やま 社 しゃ 出版 しゅっぱん 、1996年 ねん )が参考 さんこう になる。
^ 防衛大学校 ぼうえいだいがくこう ・防衛 ぼうえい 学 がく 研究 けんきゅう 会 かい 編 へん 『軍事 ぐんじ 学 がく 入門 にゅうもん 』(かや書房 しょぼう 、2000年 ねん )で軍事 ぐんじ 力 りょく の諸 しょ 機能 きのう について詳細 しょうさい に論 ろん じられている。
^ ここの記述 きじゅつ は防衛大学校 ぼうえいだいがくこう ・防衛 ぼうえい 学 がく 研究 けんきゅう 会 かい 編 へん 『軍事 ぐんじ 学 がく 入門 にゅうもん 』(かや書房 しょぼう 、2000年 ねん )の陸上 りくじょう 戦力 せんりょく の章 しょう を参考 さんこう としている。
^ この著作 ちょさく は曽 そ 村 むら 保信 やすのぶ 訳 やく 『デモクラシーの理想 りそう と現実 げんじつ 』(原 はら 書房 しょぼう 、1985年 ねん )で全訳 ぜんやく されている。
^ 一般 いっぱん 的 てき には師団 しだん divisionとは、言葉 ことば 通 どお り「(軍 ぐん を)分割 ぶんかつ したもの」であり、モーリス・ド・サックス の理論 りろん をヴィクトル=フランソワ (第 だい 2代 だい ブロイ公爵 こうしゃく ) が実践 じっせん したことに始 はじ まるとされる。
^ 正確 せいかく にはグデーリアンの前 まえ にイギリスの軍人 ぐんじん フラーによる機甲 きこう 戦 せん 研究 けんきゅう が存在 そんざい したが、グデーリアンは実戦 じっせん においてその有効 ゆうこう 性 せい を実証 じっしょう したことからも評価 ひょうか されている。電撃 でんげき 戦 せん の参考 さんこう となる彼 かれ の著作 ちょさく に本郷 ほんごう 健 けん 訳 やく 『電撃 でんげき 戦 せん -グデーリアン回想 かいそう 録 ろく 』(中央公論 ちゅうおうこうろん 新 しん 社 しゃ 、1999年 ねん )などがある。
^ ここの記述 きじゅつ は防衛大学校 ぼうえいだいがくこう ・防衛 ぼうえい 学 がく 研究 けんきゅう 会 かい 編 へん 『軍事 ぐんじ 学 がく 入門 にゅうもん 』(かや書房 しょぼう 、2000年 ねん )の海上 かいじょう 戦略 せんりゃく の章 しょう を参照 さんしょう している。
^ これはマハンの著作 ちょさく で論 ろん じられており、北村 きたむら 謙一 けんいち 訳 やく の『マハン海上 かいじょう 権力 けんりょく 史論 しろん 』(原 はら 書房 しょぼう 、2008年 ねん 新装 しんそう 版 ばん )を参照 さんしょう されたい。
^ 彼 かれ の著作 ちょさく では陸上 りくじょう 戦力 せんりょく と海上 かいじょう 戦力 せんりょく の相補 そうほ 性 せい がより詳細 しょうさい に論 ろん じられている。著作 ちょさく の全訳 ぜんやく は戦略 せんりゃく 研究 けんきゅう 学会 がっかい 編 へん 、高橋 たかはし 弘道 ひろみち 編著 へんちょ 『戦略 せんりゃく 論 ろん 大系 たいけい 8 コーベット』(芙蓉 ふよう 書房 しょぼう 出版 しゅっぱん 、2006年 ねん )で読 よ むことができる。
^ 防衛大学校 ぼうえいだいがくこう ・防衛 ぼうえい 学 がく 研究 けんきゅう 会 かい 編 へん 『軍事 ぐんじ 学 がく 入門 にゅうもん 』(かや書房 しょぼう 、2000年 ねん )の航空 こうくう 戦力 せんりょく の章 しょう を参照 さんしょう されたい。
^ 経済 けいざい 力 りょく が軍事 ぐんじ 力 りょく に与 あた える影響 えいきょう について論 ろん じた戦略 せんりゃく 思想家 しそうか はピーター・パレット編 へん 、防衛大学校 ぼうえいだいがくこう ・「戦争 せんそう ・戦略 せんりゃく の変遷 へんせん 」研究 けんきゅう 会 かい 訳 やく 『現代 げんだい 戦略 せんりゃく 思想 しそう の系譜 けいふ マキャヴェリから核 かく 時代 じだい まで』(ダイヤモンド社 だいやもんどしゃ 、1989年 ねん )で取 と り上 あ げられており、以下 いか の記述 きじゅつ も同書 どうしょ に依拠 いきょ している。
^ この定義 ていぎ は防衛大学校 ぼうえいだいがくこう 安全 あんぜん 保障 ほしょう 学 がく 研究 けんきゅう 会 かい 編著 へんちょ 『最新 さいしん 版 ばん 安全 あんぜん 保障 ほしょう 学 がく 入門 にゅうもん 』(亜紀 あき 書房 しょぼう 、2003年 ねん )で示 しめ されたものである。
^ 戦略 せんりゃく 学 がく を概説 がいせつ したものにJohn Baylis, James Wirtz, Colin S. Gray, and Eliot Cohen, Strategy in the Comtemprary World, (Oxford: Oxford University Press, 2007).や西村 にしむら 繁樹 しげき 編著 へんちょ 『「戦略 せんりゃく 」の教化 きょうか 書 しょ 』(芙蓉 ふよう 書房 しょぼう 出版 しゅっぱん 、2009年 ねん )などがある。
^ この問題 もんだい に関 かん する孫子 まごこ の戦略 せんりゃく 思想 しそう については金谷 かなや 治 おさむ 訳 やく 『新 しん 訂 てい 孫子 まごこ 』(岩波書店 いわなみしょてん 、2000年 ねん )の作戦 さくせん 篇 へん を参照 さんしょう されたい。
^ 戦術 せんじゅつ 学 がく を概説 がいせつ した書籍 しょせき で一般 いっぱん に入手 にゅうしゅ できるものにHeadquarters Department of the Army, Field Manual 3-90(Department of the Army, 2001)や松村 まつむら 劭『バトル・シミュレーション 戦術 せんじゅつ と指揮 しき 命令 めいれい の与 あた え方 かた ・集団 しゅうだん の動 うご かし方 かた 』(文藝春秋 ぶんげいしゅんじゅう 、2005年 ねん )などがある。
^ 防衛大学校 ぼうえいだいがくこう ・防衛 ぼうえい 学 がく 研究 けんきゅう 会 かい 編 へん 『軍事 ぐんじ 学 がく 入門 にゅうもん 』(かや書房 しょぼう 、2000年 ねん )の後方 こうほう 支援 しえん の章 しょう を参照 さんしょう している。
この
節 ふし で
示 しめ されている
出典 しゅってん について、
該当 がいとう する
記述 きじゅつ が
具体 ぐたい 的 てき にその文献 ぶんけん の何 なん ページあるいはどの章節 しょうせつ にあるのか、特定 とくてい が求 もと められています。
ご存知 ぞんじ の方 ほう は加筆 かひつ をお願 ねが いします。(2022年 ねん 2月 がつ )
^ “軍事 ぐんじ (ぐんじ)の意味 いみ - goo国語 こくご 辞書 じしょ ”. goo国語 こくご 辞書 じしょ . 2020年 ねん 11月5日 にち 閲覧 えつらん 。
^ 防衛大学校 ぼうえいだいがくこう ・防衛 ぼうえい 学 がく 研究 けんきゅう 会 かい 編 へん 『軍事 ぐんじ 学 がく 入門 にゅうもん 』(かや書房 しょぼう 、2000年 ねん )
^ ヘロドトス、 松平 まつだいら 千秋 ちあき 訳 やく 、『歴史 れきし 』(岩波 いわなみ 文庫 ぶんこ )
^ 金谷 かなや 治 おさむ 訳 やく 『孫子 まごこ 』(岩波書店 いわなみしょてん 、2000年 ねん )
^ クラウゼヴィッツ著 ちょ 、清水 しみず 多吉 たきち 訳 やく 『戦争 せんそう 論 ろん 』(上 うえ ・下 した ) 中公 ちゅうこう 文庫 ぶんこ
^ キッシンジャー著 ちょ 、田中 たなか 武 たけ 克 かつ ・桃井 ももい 真 しん 訳 やく 『核兵器 かくへいき と外交 がいこう 政策 せいさく 』(日本 にっぽん 外政 がいせい 学会 がっかい , 1958年 ねん /抄訳 しょうやく 版 ばん )
^ 『平和 へいわ の訴 うった え』(岩波書店 いわなみしょてん 、1961年 ねん )66
^ 『戦争 せんそう と平和 へいわ の法 ほう 』プロレゴメナ29
^ サミュエル・ハンチントン著 ちょ 、市川 いちかわ 良一 りょういち 『新装 しんそう 版 ばん ハンチントン 軍人 ぐんじん と国家 こっか 上 うえ ・下 した 』(原 はら 書房 しょぼう 、2008年 ねん )
^ Samuel E. Finer, The Man Horseback: The Role of the military in Politics, Second enlarged edition, first published by Pall mall Press 1962, Revised and published in Peregrine Books (Middlesex: Penguin Books, 1976).
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^ リデル・ハート著 ちょ 、森沢 もりさわ 亀鶴 きかく 訳 やく 『戦略 せんりゃく 論 ろん 間接 かんせつ 的 てき アプローチ』(原 はら 書房 しょぼう 、1986年 ねん )