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戦争 - Wikipedia

戦争せんそう

国家こっかあいだ組織そしきてきかつ長期ちょうきてき衝突しょうとつ

戦争せんそう(せんそう、えい: war)とは、兵力へいりょくによる国家こっかあいだ闘争とうそうである[1]広義こうぎには内戦ないせん反乱はんらんふくむ(戦争せんそう一覧いちらん)。集団しゅうだん形成けいせいするようになる有史ゆうし以来いらい人類じんるいかえしてきたものである。戦争せんそうたいすのは国際こくさい紛争ふんそう平和へいわてき解決かいけつである[2]銀行ぎんこうなどが引受ひきうけた巨額きょがく戦費せんぴ慢性まんせいてき租税そぜい負担ふたんとなる。市民しみん生活せいかつたいする制限せいげん攻撃こうげき個人こじん尊厳そんげん蹂躙じゅうりんする。時代じだいごとのかんがかたによって、違法いほうせい認定にんていされてきた[3]

珊瑚さんごうみ海戦かいせん炎上えんじょうちゅう空母くうぼレキシントン。だい世界せかい大戦たいせん(1942ねん
かく戦争せんそうかく砲弾ほうだんによるテストがおこなわれたグレイブル実験じっけんアップショット・ノットホール作戦さくせん(1953ねん

21世紀せいきはいり、地球ちきゅう規模きぼ敷設ふせつされたITインフラをとおして膨大ぼうだい情報じょうほう世界中せかいじゅう流通りゅうつうするようになると、物理ぶつりてき攻撃こうげきともなわない国家こっかあいだあらそいが増加ぞうかした。そのようなあらそいの比喩ひゆとして、情報じょうほうせん経済けいざい戦争せんそう貿易ぼうえき戦争せんそうサイバー戦争せんそう受験じゅけん戦争せんそうなどという言葉ことばもちいられるようになった。

概説がいせつ

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フィンランド内戦ないせん, 1918ねんヴァーサ広場ひろばあつまったイェーガー大隊だいたい。マンネルハイムが視察しさつしている。

戦争せんそうとは軍事ぐんじりょくもちいて様々さまざま政治せいじ目的もくてき達成たっせいしようとする行為こうい行為こういせつ)、またはもちいた結果けっかしょうじる国家こっかあいだ対立たいりつ状態じょうたいである(状態じょうたいせつ)。一般いっぱんに、国家こっかもしくはそれにじゅんずる集団しゅうだんが、自衛じえい利益りえき確保かくほ目的もくてき武力ぶりょく行使こうしし、戦闘せんとうこすこと戦争せんそう太古たいこからつづ人類じんるいいとなみの側面そくめんであり、もっと原始げんしてきかつ暴力ぼうりょくてき紛争ふんそう解決かいけつ手段しゅだんであるとえる。

政治せいじだけでなく、経済けいざい地理ちり文化ぶんか技術ぎじゅつなど広範こうはんにわたる人間にんげん活動かつどう密接みっせつかかわっており、その歴史れきしてき影響えいきょう非常ひじょうおおきい。近代きんだい以降いこう戦争せんそう陸海空りくかいくうぐんとう軍隊ぐんたいのみの武力ぶりょくせんだけでなく、一般いっぱん国民こくみんひろそう力戦りきせん様相ようそうていすることもあり、外交がいこうせん宣伝せんでんせん謀略ぼうりゃくせん経済けいざいせん貿易ぼうえきせん補給ほきゅうせん技術ぎじゅつせん精神せいしんせんなどの闘争とうそう本質ほんしつてき包括ほうかつしており、相互そうご関係かんけいしている[4]。そして結果けっかてきには、その規模きぼにもよるが、国際こくさい関係かんけい社会しゃかい経済けいざいなど幅広はばひろ分野ぶんや破壊はかいてき影響えいきょうあたえ、軍人ぐんじん民間みんかんじん人的じんてき被害ひがいからインフラ破壊はかい経済けいざい活動かつどう阻害そがいなど社会しゃかいのあらゆる部分ぶぶん物的ぶってき被害ひがいあたえることとなる。一方いっぽうで、科学かがく技術ぎじゅつ外交がいこう戦略せんりゃくろん組織そしきろん戦術せんじゅつろん兵器へいき武器ぶき発展はってんをもたらしてきた側面そくめんもある。また、軍需ぐんじゅ景気けいきにより生産せいさん設備せつび被害ひがいけなかった戦勝せんしょうこく第三国だいさんごく経済けいざいうるお場合ばあいもある(れいだいいち世界せかい大戦たいせんだい世界せかい大戦たいせん米国べいこくだいいち世界せかい大戦たいせんこう朝鮮ちょうせん戦争せんそう日本にっぽん)。また、戦争せんそう敗北はいぼくにより近代きんだいオリンピックFIFAワールドカップひとしのスポーツ国際こくさい大会たいかいへの参加さんかきんじられるケースもある。

いまでは、だい規模きぼ戦争せんそうおおくがそう力戦りきせんかく戦争せんそうとなり、勝敗しょうはいかかわらず国家こっか国民こくみんをいたずらに消耗しょうもうさせることからこりにくくなっている。帝国ていこく主義しゅぎのような戦争せんそうによる国家こっか成長せいちょう過去かこのものとなり、人道じんどう主義しゅぎ観点かんてんからも忌避きひされる傾向けいこうとなっている。1928ねんのパリ不戦ふせん条約じょうやく締結ていけつ以降いこう国際こくさいほうてき自衛じえい戦争せんそう以外いがい侵略しんりゃく戦争せんそう禁止きんしされている。2001ねんアメリカ同時どうじ多発たはつテロ事件じけん以降いこう世界せかいてきにはたいテロ戦争せんそう主流しゅりゅうとなった。

その発展はってん勝敗しょうはいには原則げんそくてき法則ほうそくてき事象じしょう関連かんれんしているとかんがえられており、軍事ぐんじがくにおいてせん戦略せんりゃく戦術せんじゅつ理論りろん研究けんきゅう戦闘せんとう教義きょうぎ開発かいはつ兵器へいき開発かいはつ定量ていりょうてき作戦さくせん研究けんきゅう戦史せんし研究けんきゅうなどがおこなわれている。国連こくれん憲章けんしょう2じょう4こう戦争せんそうだけでなく武力ぶりょく行使こうし一般いっぱんてき禁止きんしした(武力ぶりょく行使こうし原則げんそく)。

戦争せんそうという概念がいねん国際こくさいほううえ概念がいねん軍事ぐんじうえ概念がいねんでは差異さいがあるため、区別くべつしてもちいなければならない。

軍事ぐんじてき観点かんてんから、戦争せんそう軍事ぐんじりょく実質じっしつてき戦闘せんとう行動こうどう実行じっこうされている状態じょうたいす。その軍事ぐんじりょく主体しゅたいはしばしば国家こっかであるが、ほうてき定義ていぎとはことなり、その実質じっしつてき能力のうりょく重視じゅうしするため、国家こっかではなく武装ぶそう勢力せいりょくたいしても使用しようされている軍事ぐんじりょく規模きぼによってはもちいる場合ばあいがある。べいぐんでは武力ぶりょく衝突しょうとつのレベルを、比較的ひかくてき危機きき程度ていどひくく、平和へいわ維持いじ活動かつどうたいテロリズム作戦さくせんなどを展開てんかいする「紛争ふんそう」と、比較的ひかくてき危機きき程度ていどたかく、だい規模きぼ武力ぶりょく行使こうしともな戦闘せんとう作戦さくせん展開てんかいする「戦争せんそう」と区別くべつしている[5]。またべいぐん紛争ふんそう規模きぼによってさん段階だんかい分類ぶんるいしており、そのなかの「こう強度きょうど紛争ふんそう」は伝統でんとうてき戦争せんそうのレベルに該当がいとうする。

国際こくさいほうにおいて、戦争せんそう当事とうじしゃ一般いっぱんてき国家こっかであるとかんがえられており、伝統でんとうてき慣習かんしゅう国際こくさいほう観点かんてんからは宣戦せんせん布告ふこくによってはじまり、講和こうわによって終結しゅうけつするものであるとかんがえられる。しかし、歴史れきしじょう宣戦せんせん布告ふこくおこなわれず「実質じっしつ戦争せんそう状態じょうたい」に突入とつにゅうした事例じれい存在そんざいするため、現在げんざいではこの形式けいしき重要じゅうようされていない。また国家こっか以外いがい武装ぶそう集団しゅうだんあいだでの武力ぶりょく衝突しょうとつ紛争ふんそうばれ、たとえば民族みんぞくあいだであれば「民族みんぞく紛争ふんそう」とばれる。

ただし、国家こっかでない集団しゅうだん対立たいりつにも「戦争せんそう」というかたりもちいられることはある。たとえば、南北戦争なんぼくせんそうにおいて1861ねんイギリスみなみぐんたいして交戦こうせん団体だんたい承認しょうにんおこなっている。以下いか具体ぐたいてきれいげる。

  • 内戦ないせん当事とうじしゃいち国内こくないにおける政府せいふ反逆はんぎゃくしゃはん政府せいふ勢力せいりょくや、革命かくめいなどによりしん政権せいけん樹立じゅりつ目指めざ勢力せいりょく政治せいじ団体だんたいとうふくまれる)である。厳密げんみつには国際こくさいほううえの「戦争せんそう」ではない。ただし、既存きそん政府せいふがわによる交戦こうせんしゃ承認しょうにんがあれば国際こくさいほうじょう戦争せんそう法規ほうき適用てきようされる。
  • 独立どくりつ戦争せんそう当事とうじしゃ全体ぜんたいとしての国家こっか部分ぶぶんとしての地域ちいき植民しょくみんである。これは内戦ないせん一種いっしゅであるという見方みかたと、独立どくりつしようとする勢力せいりょく暫定ざんていてき国家こっかとみなして国家こっかあいだ対立たいりつとする見方みかた可能かのうである。ただし、現代げんだいにおいては国連こくれん憲章けんしょうにもうたわれている人民じんみん自決じけつけん概念がいねん国際こくさい社会しゃかい根本こんぽんてき価値かちとしてみとめられたことからも、植民しょくみん支配しはいおよ外国がいこくによる占領せんりょうたいならびに人種じんしゅ差別さべつ体制たいせいたいする武力ぶりょく紛争ふんそう場合ばあい内戦ないせん国際こくさい武力ぶりょく紛争ふんそう)ではなく国際こくさいてき武力ぶりょく紛争ふんそうとしてあつかわれる。これにともない、国家こっかあいだ適用てきようされる国際こくさい人道じんどうほうならびに戦争せんそう法規ほうき適用てきようされることになる。

歴史れきしがく関連かんれんでは、戦争せんそう定義ていぎ共有きょうゆうすることはむずかしい。たとえば、文化ぶんか人類じんるいがく戦争せんそう定義ていぎいちれいは、組織そしきがあって命令めいれい指揮しき)と服従ふくじゅう関係かんけい集団しゅうだん集団しゅうだんとのたたか[よう出典しゅってん]考古学こうこがくでは、考古こうこ資料しりょうにもとづいてみとめることのできる多数たすう殺傷さっしょうともないうる集団しゅうだんあいだ武力ぶりょく衝突しょうとつとしている[6]

 
こうむ襲来しゅうらい絵詞えことば』から、もと高麗こうらいぐん白兵はくへい攻撃こうげき仕掛しかける日本にっぽんぐん左端ひだりはしくびっている武士ぶし竹崎たけざきちょう[7]


さるじん原人げんじんしょくじんせつが、オーストラリアの考古こうこ学者がくしゃレイモンド・ダートによって1960年代ねんだいまでかえ主張しゅちょうされた。また、1930年代ねんだい北京ぺきん原人げんじんしょくじんせつがドイツの人類じんるい学者がくしゃフランツ・ワイデンライヒによってうたがわれた。しかし、世間せけんでは北京ぺきん原人げんじんしょくじんせつはいよいよ有名ゆうめいになってしまった。これらのことから、さるじん原人げんじんいが人類じんるい歴史れきしとともにあったと解釈かいしゃくし、ひろめたのがアメリカの作家さっかロバート・アードリーであった。さらに動物どうぶつ行動こうどうがくおこしてノーベルしょうけたオーストリアのコンラート・ローレンツは『攻撃こうげき』という、人類じんるい攻撃こうげきてき本能ほんのういた。この本能ほんのうせつがさらにひろがった。というせつてている。

ただし、さるじん殺人さつじんしょくじんうたがいを考古こうこ学者がくしゃボブ・ブレインがしめしている。また、北京ぺきん原人げんじんしょくじんせつについては、その研究けんきゅう世界せかい人類じんるい学者がくしゃうたがいをしめしている[8]

判明はんめいしている情報じょうほうでは、3400ねんまえから今日きょうまで、世界せかい戦争せんそうがなく平和へいわだった期間きかんはわずか268ねんである[9]

先史せんし時代じだい

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文字もじ記録きろくのこっていない先史せんし時代じだい戦争せんそう形態けいたいについて正確せいかくることはできないが、太古たいこから紛争ふんそう形態けいたいいでいるアフリカオセアニア地域ちいきから、その形態けいたい推察すいさつすることができる。狩猟しゅりょう採集さいしゅう社会しゃかい観察かんさつからは、原初げんしょのヒトがかれた環境かんきょうにおいても資源しげん獲得かくとく縄張なわばあらそいによって集団しゅうだんたい集団しゅうだん戦争せんそうおこなわれることを示唆しさしている。

イラクのシャニダール洞窟どうくつほうむられた男性だんせいネアンデルタールじんは、5まんねんまえやりきずけてんだひとだった。殺人さつじん事故じこかはからないが、ひとひところした最古さいこ証拠しょうこである[10]

縄文じょうもん時代じだい暴力ぼうりょくによる死亡しぼうりつは1.8パーセントである。この結果けっか地域ちいき狩猟しゅりょう採集さいしゅう時代じだい死亡しぼうりつじゅうすうパーセントよりひくいという。[11]

12,000 - 10,000ねんまえごろ後期こうき旧石器時代きゅうせっきじだいすえ)のナイルがわ上流じょうりゅうにあるジェベル=サハバ117遺跡いせき墓地ぼち遺跡いせきであるが、幼児ようじから老人ろうじんまでの58たい遺体いたい埋葬まいそうされている。これらのうちの24たいあたまむねはらのそばに116もの石器せっきほそ石器せっき)がのこっていた。またほねさった状況じょうきょう石器せっきおおい。この遺跡いせき農耕のうこう社会しゃかい出現しゅつげんまえ食料しょくりょう採集さいしゅうみん戦争せんそう確実かくじつれいとされている[12]

古代こだい文明ぶんめい戦争せんそう

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古代こだいローマ英雄えいゆうカエサルえがいた戦争せんそう

古代こだいでは、農業のうぎょう発達はったつにより人口じんこう増加ぞうか経済けいざいてきとみたくわえられたことで、国家こっか体制たいせいととのえられていき通信つうしん整備せいびされた。このため戦争せんそう規模きぼ軍事ぐんじ組織そしき拡大かくだいした。それぞれの文明ぶんめい自己じこ安全あんぜん保障ほしょうし、また自己じこ勢力せいりょく拡大かくだいするために闘争とうそうし、集団しゅうだんてき利益りえきのために征服せいふく戦争せんそうすらおこなわれた。

また土器どき石器せっきから青銅器せいどうき鉄器てっき利用りようした兵器へいき武器ぶき開発かいはつすすみ、軍事ぐんじりょく能力のうりょく飛躍ひやくてき発展はってんして大国たいこくする国家こっかあらわはじめる。部族ぶぞく集団しゅうだん都市とし国家こっかへと成長せいちょうし、ペルシアローマのような帝国ていこく発展はってんしたのがれいとしてげられる。またこの時代じだいには科学かがく技術ぎじゅつ発達はったつして、戦車せんしゃりん)や投石とうせき弓矢ゆみやなどがしん兵器へいきとして登場とうじょうし、戦争せんそう形態けいたいをかつての儀式ぎしき形式けいしきから会戦かいせんという形態けいたい移行いこうしていった。

中世ちゅうせいヨーロッパ

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552ねんきたひがしマ帝国まていこくひがしゴート王国おうこくたたか

古代こだい西にしマ帝国まていこくゲルマン同盟どうめい部族ぶぞく戦力せんりょく提供ていきょうさせていたことによりしょ部族ぶぞく文化ぶんか伝播でんぱしてゆき、フランク王国おうこく欧州おうしゅう北西ほくせい)、西にしゴート王国おうこくイベリア半島はんとう)、ブルグント王国おうこく欧州おうしゅう東部とうぶ)などが成立せいりつしていった。中世ちゅうせい前期ぜんき成立せいりつしたかみきよしマ帝国まていこくは8世紀せいきから15世紀せいきいたるまでイスラムの王朝おうちょうレコンキスタたたかいをおこなった。

中世ちゅうせい盛期せいきには、フランクとモンゴルの同盟どうめいうしたてとして、カトリック教会きょうかいそのものがびかけてすうにわたる十字軍じゅうじぐん戦争せんそうおこなわれたが成果せいかとぼしかった。また、西にしフランク王国おうこくフランドルブルッヘハンザ同盟どうめい在外ざいがい商館しょうかん取引とりひきしょ国際こくさい貿易ぼうえき拡大かくだいさせていたが、14世紀せいきになるとフランス王国おうこくイングランド王国おうこくとのあいだでひゃくねん戦争せんそうあらそわれた。この戦費せんぴ調達ちょうたつにおいてフランスはジェノヴァ共和きょうわこく、イングランドはヴェネツィア共和きょうわこくせんさい英語えいごばんけさせている。

中世ちゅうせいヨーロッパにおいては儀式ぎしきてき要素ようそ根強ねづよのこっており、カトリック教会きょうかいによる世俗せぞく権力けんりょくへの政治せいじてき統制とうせい戦争せんそう発生はっせい抑制よくせいしていた。ただし中世ちゅうせいにもおおくの軍人ぐんじんらが存在そんざいし、また技術ぎじゅつてきには甲冑かっちゅう装備そうびした騎兵きへい有力ゆうりょくであったが、たとえばイギリスプランタジネットあさフランスバロアあさによるひゃくねん戦争せんそう王位おういをめぐって長期間ちょうきかんにわたってフランスにおいておこなわれたものの、フランス社会しゃかい全体ぜんたい作戦さくせん期間きかん相応そうおう壊滅かいめつてき被害ひがいをもたらすことはなく、断続だんぞくてきかつ散発さんぱつてき戦闘せんとう休戦きゅうせんはさみながらおこなわれていた。これは長期間ちょうきかんにわたってだい規模きぼ戦力せんりょく維持いじすることが当時とうじ軍隊ぐんたいには能力のうりょくてき困難こんなんであったことや、キリストきょう世界せかいとしての政治せいじてき団結だんけつ保持ほじしていたこと、また軍事ぐんじ技術ぎじゅつ制約せいやくから作戦さくせん行動こうどう長期ちょうきだい規模きぼむずかしかったことなどが理由りゆうとしてげられる。戦争せんそう恐怖きょうふはむしろ作戦さくせん部隊ぶたい兵站へいたん物資ぶっし補給ほきゅう業務ぎょうむ不在ふざいであり、また規律きりつ不十分ふじゅうぶん兵士へいしたちがみずからの糧食りょうしょく確保かくほするために勝手かって現地げんち略奪りゃくだつおこなうため、現地げんち住民じゅうみんはそのたびに被害ひがいけていた。

中世ちゅうせい後期こうき、イベリア半島はんとうのスペインは遠洋えんよう航海こうかい可能かのうとするキャラックせん発明はつめいし、15世紀せいき初頭しょとうからポルトガルとともにだい航海こうかい時代じだいもたらし、アフリカ、インド、東南とうなんアジア、みなみアメリカに進出しんしゅつするが、こうした貿易ぼうえきせん海賊かいぞく対策たいさくのため軍船ぐんせんとしても発達はったつし、スペイン帝国ていこくポルトガル海上かいじょう帝国ていこく形成けいせいされる。1440年代ねんだいには商人しょうにん日本にっぽんにも到達とうたつ鉄砲てっぽうつたえる。

近世きんせいヨーロッパ

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1453ねんオスマン帝国ていこくひがしマ帝国まていこく(ギリシャ)を滅亡めつぼうさせ地中海ちちゅうかい制海権せいかいけん獲得かくとくし、地中海ちちゅうかい交易こうえきたか関税かんぜいがかかるようになる。1496ねんにイタリアをめぐってきたイタリア戦争せんそう欧州おうしゅうのほとんどのくにみ、のちの1557ねんにスペインとフランスが破産はさん宣言せんげんするにいたって終結しゅうけつした。この戦争せんそうでは軍事ぐんじ技術ぎじゅつ戦術せんじゅつおおきな進歩しんぽがあった[13]

一方いっぽうハプスブルク神聖しんせいローマ皇帝こうていは1477ねんヴァロワ・ブルゴーニュネーデルラント承継しょうけいし、1516ねんにはスペインおうねるようになり、1528ねんユトレヒトカトリック司教しきょうりょう没収ぼっしゅうし、1531ねんにはオスマンとのあらそいやイタリア戦争せんそう戦費せんぴ調達ちょうたつとうのためブラバント公国こうこくアントワープ証券しょうけん取引とりひきしょ設立せつりつし、ガレオンせん造船ぞうせんなどにより経済けいざい貿易ぼうえき発達はったつさせた。欧州おうしゅう各国かっこくも、これにならって証券しょうけん取引とりひきしょ設立せつりつした。

1534ねんイギリス国教こっきょうかいカトリック教会きょうかいから離脱りだつしプロテスタントの思想しそうひろまりはじめ、このながれから宗教しゅうきょう改革かいかく進行しんこうしてゆき、フランスはユグノー戦争せんそうはいり、かみきよしマ帝国まていこくではネーデルラント17しゅうフランドルのオランダじん蜂起ほうきによりはちじゅうねん戦争せんそう勃発ぼっぱつし、またさらにえい西にし戦争せんそうはじまる。スペイン・ハプスブルグは1580ねんにポルトガルを承継しょうけいするが、プロテスタント勢力せいりょく支配しはいてきになったネーデルラント北部ほくぶはハプスブルクから独立どくりつしたかたちになり、1602ねんアムステルダム証券しょうけん取引とりひきしょオランダひがしインド会社かいしゃ設立せつりつして植民しょくみん拡大かくだいし、オランダ海上かいじょう帝国ていこく形成けいせいしていく。また同時どうじオランダ・ポルトガル戦争せんそう英語えいごばんはじまる。

欧州おうしゅうはちじゅうねん戦争せんそうは、1648ねんヴェストファーレン条約じょうやくにより北部ほくぶネーデルラント連邦れんぽう共和きょうわこく正式せいしき独立どくりつしたことにより終結しゅうけつしたが、1651ねんからは4わたえいらん戦争せんそうしょうじ1784ねんまでつづいた。神聖しんせい同盟どうめいはオスマントルコとだいトルコ戦争せんそうあらそい、そのハプスブルク帝国ていこくうちにおける継承けいしょう戦争せんそうもあった。こうしたなか戦列せんれつかん発達はったつした。

これらの戦争せんそう並行へいこうして、フランスやイングランドがアジアやアメリカ大陸あめりかたいりく植民しょくみんおこなったが、きたアメリカでは16世紀せいきから18世紀せいきにかけて、植民しょくみん造営ぞうえいめぐインディアン戦争せんそうフレンチ・インディアン戦争せんそうアメリカ独立どくりつ戦争せんそうしょうじた。

戦争せんそう近代きんだい

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ナポレオン戦争せんそうにおける1812ねんロシア戦役せんえき

帝国ていこく主義しゅぎもとづく植民しょくみん支配しはいとみ集積しゅうせき実現じつげんし、英国えいこく産業さんぎょう革命かくめい実現じつげんできた。それによって工業こうぎょう発達はったつ軍艦ぐんかん銃器じゅうき性能せいのうげた。軍事ぐんじ技術ぎじゅつ発達はったつ戦争せんそう形態けいたいおおきく変化へんかさせる。グスタフ2せいアドルフ (スウェーデンおう)軍事ぐんじ改革かいかくなか常備じょうびぐん制度せいど確立かくりつし、その戦争せんそうのありかた基礎きそけた。また計画けいかくてき兵站へいたん規律きりつたもつための軍事ぐんじ教育きょういくなどもこのころに整備せいびされ、各国かっこく同様どうよう制度せいど採用さいようされるようになる。とく歩兵ほへい重要じゅうようせい小銃しょうじゅう開発かいはつによりたかまったことは、完璧かんぺき陣形じんけい規律きりつただしさを軍隊ぐんたいかく兵員へいいんもとめることになる。また火砲かほう登場とうじょうにより砲兵ほうへいという兵科へいか確立かくりつされたのもこの時代じだいであり、戦略せんりゃく戦術せんじゅつ軍事ぐんじ土木どぼく工学こうがくなどの分野ぶんやおおきな前進ぜんしんる。近代きんだいが、さらなる戦争せんそう拡大かくだいにつながるとかんがえるひとが、非常ひじょう多数たすうである。

アメリカ大陸あめりかたいりくでは19世紀せいき前半ぜんはんにはべいえい戦争せんそう、19世紀せいき後半こうはんにはべいぼく戦争せんそう南北戦争なんぼくせんそうべい西にし戦争せんそうべい戦争せんそうがあった。

ナポレオン戦争せんそう

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フランスこったフランス革命かくめい国民こくみん国家こっか体制たいせいをもたらして中央ちゅうおう集権しゅうけんもとづく徴兵ちょうへいせいによって、軍隊ぐんたいだい規模きぼ可能かのうとした。そしてナポレオン・ボナパルトはこれまでの戦略せんりゃく作戦さくせん戦術せんじゅつ抜本ばっぽんてき合理ごうりおこな改革かいかくみ、国家こっかそう力戦りきせん体制たいせい原型げんけいととのえた。さらに銃器じゅうき火砲かほうなどの兵器へいき発展はってん被害ひがいしゃすう甚大じんだいなものとし、ナポレオンはこのような高度こうど軍事ぐんじりょく運用うんようして殲滅せんめつせん[注釈ちゅうしゃく 1]おこない、ナポレオン戦争せんそうにおいてはヨーロッパ大陸たいりくのほとんどを支配しはいするにいたった。このナポレオンの戦争せんそう指導しどうはアメリカ南北戦争なんぼくせんそうやその軍事ぐんじ研究けんきゅうおおきな影響えいきょうのこす。

世界せかい大戦たいせん

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ノルマンディー上陸じょうりく作戦さくせん

だいいち世界せかい大戦たいせんだい世界せかい大戦たいせんでは戦争せんそうはただの武力ぶりょくせんではなくなり、国家こっかがその経済けいざいりょく技術ぎじゅつりょくなどの国力こくりょく総動員そうどういんし、非常ひじょう多大ただい消費しょうひ長期間ちょうきかんにわたるというあたらしい戦争せんそう形態けいたいである国家こっかそう力戦りきせん発生はっせいした。その戦争せんそう形態けいたい維持いじする必要ひつようせいから「国家こっかそう力戦りきせん体制たいせい」とばれる戦時せんじ体制たいせい出現しゅつげんすることになる。

だいいち世界せかい大戦たいせんはナポレオンてき攻撃こうげきによる短期たんき決戦けっせん目指めざして、りょう勢力せいりょくやく200まんというだい兵力へいりょく動員どういんしたものの、塹壕ざんごう機関きかんじゅうによる防衛ぼうえいせん突破とっぱすることができず、戦争せんそう長期ちょうきだい規模きぼ決定けっていけられた。結果けっかてきにはこのようなだい戦争せんそうによりもたらされる経済けいざいてきまたは心理しんりてき損害そんがいにより、各国かっこく深刻しんこく社会しゃかいてき混乱こんらん政治せいじてき打撃だげきこうむった。このような戦争せんそうかえさないためにも国際こくさい連盟れんめいつうじた戦争せんそう抑制よくせい企図きとされたがアメリカは参加さんかせず、またドイツは莫大ばくだい賠償金ばいしょうきんにより経済けいざいてき打撃だげきける。だい世界せかい大戦たいせんにおいてはふたただい規模きぼ戦争せんそうかえされ、この大戦たいせんではせんめつてき長期ちょうきせん展開てんかいしていち世界せかい大戦たいせんばい戦死せんししゃた。また航空機こうくうき発達はったつによって航空こうくう作戦さくせん実施じっしされるようになり、航空機こうくうきによる戦略せんりゃく爆撃ばくげき戦闘せんとういんだけでなく民間みんかんじんにも多数たすう被害ひがいしゃることとなり、政治せいじてきまたは経済けいざいてき混乱こんらん長期間ちょうきかんにわたってつづいた。

冷戦れいせん

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世界せかい大戦たいせん反省はんせいから国際こくさい連合れんごうなどの国際こくさい機関きかん発展はってんして戦争せんそう抑制よくせいはかられるものの、アメリカとソビエト台頭たいとう、さらに大量たいりょう破壊はかい兵器へいき登場とうじょうによって核兵器かくへいきミサイルによるかく戦争せんそう可能かのうせいした。また現代げんだいてき軍事ぐんじ技術ぎじゅつ開発かいはつ躍進やくしんてきすすんだことから現代げんだい戦争せんそう勝敗しょうはい科学かがく技術ぎじゅつ開発かいはつおおきく左右さゆうされるようになっている。しかし同時どうじ従来じゅうらい正規せいきぐんによる軍事ぐんじ作戦さくせんとはことなる革命かくめいまたは反乱はんらんという“非対称ひたいしょう戦争せんそう”がおこなわれるようになり不正規ふせいき戦争せんそうばれるようになる。かく戦争せんそうへと発展はってんしないように限定げんていてきかつ段階だんかいてき軍事ぐんじりょく行使こうしされる戦争せんそうとして限定げんてい戦争せんそう朝鮮ちょうせん戦争せんそうベトナム戦争せんそうソ連それんによるアフガン侵攻しんこうなど)がおこなわれるにいたっている。

冷戦れいせん

編集へんしゅう
 
イラク戦争せんそうにおけるべいぐん

冷戦れいせんイデオロギー対立たいりつというよりも民族みんぞく宗教しゅうきょう対立たいりつによる内戦ないせん世界せかい各地かくち勃発ぼっぱつするようになり、形態けいたいはかつての伝統でんとうてき戦争せんそうよりも複雑ふくざつ多様たようしている(ボスニア紛争ふんそうなど)。とくイスラム原理げんり主義しゅぎ民族みんぞく主義しゅぎによるテロ先進せんしんこくなやませ、それにたいする報復ほうふく戦争せんそう内戦ないせんきる事態じたいとなっている(アメリカによるアフガン侵攻しんこうイラク戦争せんそうチェチェン紛争ふんそうなど)。

2つの世界せかい大戦たいせん以後いごから冷戦れいせんにかけて、領土りょうど占有せんゆう最終さいしゅう目的もくてきとする形態けいたい戦争せんそう減少げんしょうし、とく冷戦れいせんは、政治せいじ体制たいせい宗教しゅうきょう体制たいせい自陣じじんのぞむものとするための戦争せんそう紛争ふんそう主体しゅたいとなっている[14]

2020ねんから2021ねんにかけて、インド中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく両国りょうこく兵士へいしがヒマラヤの国境こっきょう付近ふきん戦闘せんとう状態じょうたいおちいったが、核兵器かくへいき両国りょうこく戦闘せんとう戦争せんそうレベルに発展はってんさせないために、あえて火器かき使用しようせずにクギったぼう素手すで攻撃こうげきをするものとなった。かずじゅうにん単位たんい死者ししゃるというおだやかなものではなかったが、あらたな戦争せんそう形態けいたい抑止よくしかた示唆しさするものとなった[15]

2022ねん2がつ24にちロシアによるウクライナ侵攻しんこうおこなわれ、ロシアの領土りょうど拡大かくだい目的もくてきとした本格ほんかくてき侵略しんりゃく戦争せんそう勃発ぼっぱつした。20世紀せいききた2世界せかい大戦たいせん反省はんせいまえて、国際こくさい協調きょうちょうすすめられていた21世紀せいきにおいてはめずらしい形態けいたい戦争せんそうであり、国際こくさい社会しゃかい秩序ちつじょおおきくるがす事態じたいとなった[16]SNS時代じだい到来とうらいにより、SNSでもリアルタイムに戦況せんきょうほうじられるようになった[17]

分類ぶんるい

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戦争せんそう類型るいけいかんしては、時代じだい戦術せんじゅつ戦略せんりゃく変化へんかともなって多様たようしており、また観察かんさつする視点してんによってもさまざまな見方みかたができるため、断定だんていてきおこなうことはむずかしい。

規模きぼによる分類ぶんるい

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  • そう力戦りきせんとは国家こっか軍事ぐんじりょく増強ぞうきょう人的じんてき物的ぶってき資源しげんすべてを投入とうにゅうする形態けいたい戦争せんそうであり、だい世界せかい大戦たいせんがこの代表だいひょうれいである。全面ぜんめん戦争せんそうともう。
  • 限定げんてい戦争せんそうとは全面ぜんめんてき戦争せんそうけ、外交がいこう手段しゅだん限定げんていてき軍事ぐんじりょくもちいることによって政治せいじ目的もくてき達成たっせいする戦争せんそう形態けいたいである。局地きょくちせん制限せいげん戦争せんそうともう。

期間きかんによる分類ぶんるい

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  • 長期ちょうきせんとは長期間ちょうきかんにわたっておこなわれる戦争せんそうである。作戦さくせん戦略せんりゃくてき両者りょうしゃぼうぜいまたは一方いっぽうぼうぜいている状態じょうたいである場合ばあいおおく、戦術せんじゅつてきには陣地じんち防御ぼうぎょ後退こうたい行動こうどうている場合ばあいおおい。歴史れきしれば、だいいち世界せかい大戦たいせんにちちゅう戦争せんそう典型てんけいてき長期ちょうきせんであった。
  • 短期たんきせんとは短期間たんきかんにわたっておこなわれる戦争せんそうである。作戦さくせん戦略せんりゃくてき両者りょうしゃ攻勢こうせいている状態じょうたいである場合ばあいおおく、戦術せんじゅつてきには機動きどう攻撃こうげきている場合ばあいおおい。実際じっさいには発生はっせいしていないが、かく戦争せんそう勃発ぼっぱつすれば短期たんきせんとなるとかんがえられている。

戦法せんぽうによる分類ぶんるい

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  • 殲滅せんめつせんとは短期間たんきかんにおいててき戦力せんりょく徹底的てっていてき撃滅げきめつ目指めざしておこなたたかかた、またはそのたたかいをうものであり、核兵器かくへいきもちいないかぎりこれは局地きょくち戦闘せんとうにおいてのみ適用てきようされ、戦争せんそう全体ぜんたいうことは厳密げんみつにはできない。
  • 消耗しょうもうせんとは長期間ちょうきかんにおいててき戦力せんりょく徐々じょじょ減殺げんさいすることを目指めざしておこなたたかかた、またはそのたたかいである。現実げんじつ戦争せんそうでは遅滞ちたい作戦さくせんなどで消耗しょうもうせんとなることがおおい。

正規せいきせいによる分類ぶんるい

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  • 正規せいきせんとは国家こっかあいだ遂行すいこうされる伝統でんとうてき戦争せんそう形態けいたいであり、近代きんだいとくおおられる形態けいたい戦争せんそうである。堂々どうどう部隊ぶたい戦闘せんとう展開てんかいし、攻撃こうげき防御ぼうぎょおこなって勝敗しょうはいきそうものであり、だいいち世界せかい大戦たいせんだい世界せかい大戦たいせんがその代表だいひょうれいである。ただし、戦争せんそう違法いほう世界せかい複雑ふくざつなどにともな国家こっか正規せいきせん遂行すいこうするには莫大ばくだいなコストと膨大ぼうだい犠牲ぎせいともなうようになったため、現代げんだいにおいてこの形態けいたい戦争せんそうフォークランド紛争ふんそうげられる程度ていどで、国家こっかあいだ直接ちょくせつ衝突しょうとつする戦争せんそう非常ひじょうすくなくなっていたが、2022ねんにはロシアがウクライナに侵攻しんこうし、フォークランド紛争ふんそうはるかに上回うわまわだい規模きぼ全面ぜんめん戦争せんそう勃発ぼっぱつしている。
  • 不正規ふせいきせんとは、伝統でんとうてき国家こっかあいだ戦争せんそうではなく、国家こっか武装ぶそう勢力せいりょく国家こっか軍隊ぐんたいという非対称ひたいしょうてき構図こうずもとおこなわれるあらそいのことであり、近年きんねんこの形態けいたい戦争せんそう増加ぞうかしつつある。おもテロゲリラせん展開てんかいされ、長期ちょうきする傾向けいこうにあることが特徴とくちょうえる。ベトナム戦争せんそうチェチェン紛争ふんそうアフガニスタン紛争ふんそう (2001ねん-2021ねん)などがれいとしてげられる。
  • 双方そうほうによる宣戦せんせん布告ふこくなしになしくずてきだい規模きぼ戦闘せんとう発展はってんした満州まんしゅう事変じへんにちちゅう戦争せんそう当時とうじは「ささえ事変じへん」とばれた)はいずれの範疇はんちゅうはいるか微妙びみょうである。

強度きょうどによる分類ぶんるい

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  • こう強度きょうど紛争ふんそうまたは戦争せんそうとは国家こっかあいだによる軍事ぐんじりょく行使こうしであり、伝統でんとうてき戦争せんそう形態けいたいである。
  • ちゅう強度きょうど紛争ふんそうまたは紛争ふんそうとは武装ぶそう勢力せいりょく同士どうし武力ぶりょく衝突しょうとつ、もしくは国家こっかあいだ比較的ひかくてき小規模しょうきぼ武力ぶりょく衝突しょうとつなどをす。国際こくさいほうにおいては厳密げんみつ意味いみにおいて、国家こっか主体しゅたいとなる戦争せんそうよりも包括ほうかつてき概念がいねんである。またべいぐんにおいては全面ぜんめんてき戦争せんそうと、平時へいじにおける混乱こんらんなかあいだ段階だんかいだと認識にんしきされている。内戦ないせん代理だいり戦争せんそうとならないかぎり、しばしばこれに分類ぶんるいされる。
    • 内戦ないせんしょ勢力せいりょくいち国内こくないにおいてあらそ形態けいたい戦争せんそうである。はん政府せいふ運動うんどう独立どくりつ運動うんどう反乱はんらんなどがふくまれ、国民こくみん能動のうどうてき組織そしきてき政府せいふぐんたいする作戦さくせん行動こうどうをとる。フランス革命かくめい国共こっきょう内戦ないせんズールー戦争せんそうなどがげられる。だい規模きぼすることはすくないが、現代げんだいにおける戦争せんそうのほとんどが内戦ないせん形態けいたいである。
  • てい強度きょうど紛争ふんそう国内こくない混乱こんらんからちゅう強度きょうど紛争ふんそうまでの過程かていす。組織そしきてきテロ謀略ぼうりゃくせん反乱はんらん活動かつどう恐怖きょうふ政治せいじなどがこれにあたる。
    • 恐怖きょうふ政治せいじとは国家こっか国民こくみんたいしておこな武力ぶりょく積極せっきょくてきもちいる政治せいじであり、はん政府せいふ武装ぶそう勢力せいりょく組織そしきされていない場合ばあいは、内乱ないらん形態けいたい非常ひじょう類似るいじしている。おおむ国民こくみん戦争せんそう自体じたいのぞんでいるわけではなく、組織そしきてき作戦さくせん行動こうどう限定げんていてきである。近代きんだい以降いこう国家こっか制度せいどてき法律ほうりつてき中央ちゅうおう集権しゅうけん急速きゅうそくすすみ、恐怖きょうふ政治せいじはより一層いっそう高度こうどすることが可能かのうとなった。恐怖きょうふ政治せいじにおいては、通常つうじょう戦争せんそうよりもはるかに虐殺ぎゃくさつてき攻撃こうげき政府せいふによっておこなわれる。スターリン中国共産党ちゅうごくきょうさんとうなどは恐怖きょうふ政治せいじおこなった代表だいひょうかくとしてかんがえられている。

手段しゅだんによる分類ぶんるい

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かく戦争せんそう核兵器かくへいき使用しようした戦争せんそう広島ひろしま(1945ねん

目的もくてきによる分類ぶんるい

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  • 侵略しんりゃく戦争せんそうてき領土りょうど侵攻しんこうし、積極せっきょくてきてきもとめてこれを攻撃こうげき獲得かくとくした都市とし領域りょういき占領せんりょうする攻勢こうせい作戦さくせん方式ほうしきをとった戦争せんそうである。戦術せんじゅつてきには機動きどう攻撃こうげきおこない、獲得かくとくした地域ちいき拠点きょてんはこれを占領せんりょうする。
  • 防衛ぼうえい戦争せんそう侵略しんりゃくしてくるてきたいしてこれを破砕はさいし、みずからの領土りょうど財産ざいさんなどをまもるためのぼうぜい作戦さくせん方式ほうしきをとった戦争せんそうである。戦術せんじゅつてきには各種かくしゅ防御ぼうぎょおこない、進攻しんこうするてき排除はいじょする。
  • 宗教しゅうきょう戦争せんそうとはおも宗教しゅうきょうてき理念りねんてき)な組織そしきによる戦争せんそうである。熱狂ねっきょうてき信仰しんこうしゃはしばしば確信かくしんてき動機どうきつため、政治せいじてき外交がいこう交渉こうしょうによる解決かいけつ不可能ふかのう場合ばあいがある。また殉教じゅんきょう思想しそう戦闘せんとういん普及ふきゅうしている場合ばあいは、より積極せっきょくてき好戦こうせんてきになる傾向けいこうがあるため、敵対てきたい勢力せいりょくたいする攻撃こうげき差別さべつテロなどにむすびつく危険きけんせいがある。

 ※「自衛じえい戦争せんそう」「防戦ぼうせんそう」「制裁せいさい戦争せんそう」などと類別るいべつされることもあるが、これには当事とうじしゃ主観しゅかんはい余地よちおおきく、客観きゃっかんせいける分類ぶんるいになる傾向けいこうがある。

  • 覇権はけん戦争せんそうとは世界せかい覇権はけんせいしている覇権はけん国家こっかたいして、覇権はけんろうとすることによってきる戦争せんそうである。[18]覇権はけん戦争せんそうをするのは大国たいこく同士どうしであることがおおいため、戦争せんそう規模きぼおおきくなりやすい。現在げんざいではべいちゅう覇権はけん戦争せんそうひろげられているが、どちらもかく武装ぶそうしており武力ぶりょく使つかうと被害ひがいすこしではすまないとかっているため、経済けいざい戦争せんそうきている。

歴史れきしによる分類ぶんるい

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フランスの歴史れきしがくものジョルジュ・カステランフランス語ふらんすごばんによると、戦争せんそう歴史れきしてき観点かんてんから以下いかのように分類ぶんるいされる。

人類じんるい黎明れいめい戦争せんそう

戦争せんそう本性ほんしょう

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戦争せんそうにどのように勝利しょうりするのかではなく、戦争せんそうとはなになのかという問題もんだい考察こうさつするためには戦争せんそう内部ないぶ構造こうぞうがどのようになっており、どのような原理げんりみとめられるのかをあきらかにすることが必要ひつようである。古代こだい戦争せんそうがくてき論考ろんこうに、哲学てつがくしゃプラトンの『国家こっか』があり、そのなか哲学てつがくしゃソクラテスはさまざまな領域りょういき職人しょくにん専門せんもんによって構成こうせいされた自足じそくてき国家こっか想定そうていしているが、国家こっか成立せいりつしたとしても人間にんげん欲求よっきゅう際限さいげんなく拡大かくだいつづけるために、自足じそくする以上いじょう資源しげんもとめて共同きょうどうたいたいして戦争せんそう発生はっせいするとろんじている。これは戦争せんそう根本こんぽん国家こっかもとめる見方みかたであり、実際じっさい軍事ぐんじにおいても国家こっか戦争せんそう主要しゅよう行為こうい主体しゅたいであった。しかし、これは戦争せんそう限定げんていされた本質ほんしつあきらかにしているにぎない。戦争せんそうがランダムにこったわけではないことは留意りゅういすべきだから、おや社会しゃかいてき行動こうどうなどが戦争せんそうふせぐのに役立やくだつかどうかは、やはり興味きょうみがあるところである[19]

闘争とうそう

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そもそも戦争せんそう以前いぜんに、人間にんげんがなぜ対立たいりつするのかという問題もんだいがある。社会しゃかい学者がくしゃヴェーバーの『社会しゃかいがく根本こんぽん概念がいねん』によれば、ある主体しゅたい相手あいて抵抗ていこう排除はいじょしてでも自分じぶん自身じしん意志いし達成たっせいしようとする意図いと方向付ほうこうづけられた社会しゃかいてき関係かんけい闘争とうそうであると定義ていぎする。またこの闘争とうそう物理ぶつりてき暴力ぼうりょくもとづいた闘争とうそう闘争とうそう手段しゅだん暴力ぼうりょくてきなものに限定げんていした平和へいわてき闘争とうそう分類ぶんるいできる。このような闘争とうそう社会しゃかいなか発生はっせいする根本こんぽんてき理由りゆうについて政治せいじ思想家しそうかホッブズは『リヴァイアサン』において国家こっか政治せいじ団体だんたい存在そんざいしない自然しぜん状態じょうたい想定そうていしている。つまりかく個人こじんがそれぞれひとしく自己じこ保存ほぞん法則ほうそくしたがって生活せいかつ資源しげん獲得かくとくするため、またてき攻撃こうげき予防よぼうするために、結果けっかとしてまんにんまんにんたいする闘争とうそうしょうじることになる。闘争とうそうにおいてつね暴力ぼうりょく使用しようされるとはかぎらない。暴力ぼうりょくによって相手あいて抹消まっしょうしなくとも、交渉こうしょう協力きょうりょくによって争点そうてん解決かいけつすることは原理げんりてき不可能ふかのうではない。しかし経済けいざい学者がくしゃマルサスが『人口じんこうろん』でべているように、人口じんこう生活せいかつ手段しゅだん分量ぶんりょうえてつね増大ぞうだいされるため、その過剰かじょう人口じんこう出現しゅつげん疫病えきびょう飢餓きが戦争せんそうなどの積極せっきょくてき制限せいげんによって調整ちょうせいされるために闘争とうそう流血りゅうけつ事態じたいにまで発展はってんすることになる。なぜなら生存せいぞんおびやかされる事態じたい人間にんげんにとってつね極限きょくげん状況じょうきょうであり、社会しゃかい全体ぜんたいにとっても闘争とうそう暴力ぼうりょくさせる重大じゅうだい動機どうきでありうるものである。

暴力ぼうりょく

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暴力ぼうりょくとはまんにん個人こじん身体しんたいてき精神せいしんてきしょちからなかでも他者たしゃたいして強制きょうせいてきはたらきかけるちから限定げんていすることができる。これは政治せいじ思想家しそうかアーレント定義ていぎであり、暴力ぼうりょく他者たしゃとの相互そうご作用さようつうじて行使こうしする必要ひつようはなく、その機能きのう相手あいて殺害さつがいすることである。しかし戦争せんそうにおける暴力ぼうりょく論考ろんこうした研究けんきゅうでは、暴力ぼうりょくつうじてあるしゅ相互そうご作用さよう発生はっせいすることが論考ろんこうされている。この領域りょういきにおける古典こてんてき著作ちょさく軍事ぐんじ学者がくしゃクラウゼヴィッツの『戦争せんそうろん』がある。戦争せんそう特徴付とくちょうづけるもっと重要じゅうよう要素ようそとして着目ちゃくもくされるべきは暴力ぼうりょくである。クラウゼヴィッツによれば暴力ぼうりょくさん種類しゅるい相互そうご作用さようをもたらすものであり、それは相互そうご敵対てきたいてき感情かんじょう敵対てきたいてき意図いと拡大かくだいさせるだい1の相互そうご作用さよう相手あいて撃滅げきめつしようとするだい2の相互そうご作用さよう、そして戦闘せんとう手段しゅだんてき拮抗きっこうさせようとするだい3の相互そうご作用さようである。これら相互そうご作用さよう前提ぜんていとしてかんがえれば、戦争せんそうにおける暴力ぼうりょく無制限むせいげん拡大かくだいする理論りろんてき必然ひつぜんせいがある。つまり集団しゅうだんあいだ戦争せんそう想定そうていすれば、それは暴力ぼうりょく性質せいしつしたがって相互そうご暴力ぼうりょく手段しゅだん拡大かくだいつづけながら相手あいて攻撃こうげきつづけ、またそのための敵意てきい増大ぞうだいさせつづけることになる。クラウゼヴィッツはこのような戦争せんそう理念りねんがた絶対ぜったい戦争せんそうんだ。しかし同時どうじにこのような形態けいたい戦争せんそう現実げんじつ戦争せんそう出現しゅつげんしているわけではない。その理由りゆうとして絶対ぜったい戦争せんそうならんで提起ていきされているものが政治せいじ目的もくてき着眼ちゃくがんてんである。つまり戦争せんそう制限せいげんてき暴力ぼうりょく抑制よくせいするものとして政治せいじてき制約せいやく作用さようしており、戦争せんそう性質せいしつ規定きていしているというものである。このことを端的たんてき表現ひょうげんするクラウゼヴィッツの命題めいだいが「戦争せんそうとは手段しゅだんを以ってする政治せいじ延長えんちょうである」というものである。

戦争せんそうたんなる暴力ぼうりょくてき闘争とうそうじょうきょうであるだけでなく、本質ほんしつてき政治せいじ連関れんかんしているというクラウゼヴィッツの考察こうさつ政治せいじ学者がくしゃシュミットによってより思想しそうてき発展はってんされた。シュミットは独自どくじともてき理論りろん展開てんかいするなか政治せいじてき概念がいねんにはつね闘争とうそうてき意味いみがあり、不可避ふかひてきてき味方みかた区分くぶんされるとろんじる。このような政治せいじかんマキアヴェッリ政治せいじ思想しそうマルクス階級かいきゅう闘争とうそうなどにもみとめられるものである。シュミットによれば政治せいじ内在ないざいするてき味方みかた二分にぶんほうはさらにてき概念がいねん詳細しょうさい注意ちゅういすることでふかめることができる。シュミットは『パルチザンの理論りろん』においてさん種類しゅるいてき導入どうにゅうしており、すなわち因習いんしゅうてき形式けいしきてき性質せいしつ在来ざいらいてきてき実際じっさいてき性質せいしつともな現実げんじつてき犯罪はんざいしゃという性格せいかく絶対ぜったいてきてきである。在来ざいらいてきてき人道的じんどうてきなルールにもとづいた国家こっかあいだ戦争せんそうにおけるてきであり、現実げんじつてきとはみずからの実存じつぞんにとって脅威きょういとなるてき、そして絶対ぜったいてきてきとは相手あいて文明ぶんめい階級かいきゅう民族みんぞくたいする犯罪はんざいしゃとして差別さべつされるてきである。戦争せんそうにおいて相手あいてがどのような特性とくせいてきなのかによって、政治せいじ目的もくてき相手あいてわずかな制裁せいさいくわえるように軍事ぐんじてき手段しゅだん制限せいげんすることも、また相手あいて存在そんざい根本こんぽんてき抹消まっしょうさせる軍事ぐんじてき手段しゅだん拡大かくだいさせることも可能かのうにするのである。戦争せんそうにとって政治せいじ重要じゅうようせい普遍ふへんてきなものであり、戦争せんそう規模きぼ期間きかんれつ、その影響えいきょう政治せいじ状況じょうきょう機能きのうによって左右さゆうされるとかんがえられる。

戦争せんそう構成こうせい

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戦争せんそうにおけるしょ活動かつどう高度こうど複雑ふくざつであり、量的りょうてきには以下いかのように分類ぶんるいすることができる。

  1. 戦争せんそう (war)
  2. 会戦かいせん (campaign)
  3. 戦闘せんとう (battle, combat)
  4. 交戦こうせん (engagement)
  5. 合戦かっせん (action)
  6. 決闘けっとう (duel)

兵士へいし単位たんいでのたたかいである「決闘けっとう」が複数ふくすうあつまって、「合戦かっせん」が構成こうせいされ、複数ふくすう合戦かっせんから交戦こうせん構成こうせいされている[20]。ただしこのような個々ここ兵士へいし活動かつどう師団しだん活動かつどう国家こっか活動かつどうなどで戦争せんそう全体ぜんたいぞう区分くぶんすることはできない。交戦こうせん単位たんい艦艇かんてい航空機こうくうきとなれば戦闘せんとう決闘けっとうあいだ区分くぶん消失しょうしつするものであり、またそう力戦りきせんいたらない戦争せんそうにおいてはより事態じたい複雑ふくざつである。

戦死せんししゃすうおおかった戦争せんそう

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戦死せんししゃ
単位たんいひゃくまんにん
とし 戦争せんそうめい
60.7〜84.6 1939〜1945ねん だい世界せかい大戦たいせんだい世界せかい大戦たいせん犠牲ぎせいしゃ[21][22]
60 13世紀せいき モンゴルの征服せいふく (Mongol invasionsTatar invasions)[23][24][25]
40 1850〜1864ねん 太平たいへい天国てんごくらん (かいみん蜂起ほうき)[26]
39 1914〜1918ねん だいいち世界せかい大戦たいせんだいいち世界せかい大戦たいせん犠牲ぎせいしゃ[27]
36 755〜763ねん 安史やすしらん確実かくじつな)[28]
25 1616〜1662ねん きよしあきら征服せいふく[29]
20 1937〜1945ねん にちちゅう戦争せんそう[30]
20 1370〜1405ねん ティムール征服せいふく[31][32]
16 1862〜1877ねん かいみん蜂起ほうき[よう出典しゅってん]
5–9 1917〜1922ねん ロシア内戦ないせんForeign Intervention[33]

戦争せんそう原因げんいん

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戦争せんそう人間にんげん社会しゃかいにおける対立たいりつによってしょうじるものであり、なんらかの意志いし理由りゆうともなう。しかし戦争せんそう原因げんいんについての一般いっぱん理論りろんいま完成かんせいされていない。その発生はっせい過程かていにはさまざまな要因よういん誘因ゆういん環境かんきょう有機ゆうきてき起因きいんするはたしかであり、政府せいふ状態じょうたい勢力せいりょく均衡きんこう攻撃こうげき防御ぼうぎょバランス、好戦こうせんてきイデオロギーナショナリズム誤認ごにんなどのおおくの理論りろん提唱ていしょうされている。ここではいくつかの戦争せんそう原因げんいんとしてかんがえられている学術がくじゅつ考察こうさつまたは理論りろんについてべる。(戦争せんそう哲学てつがくをも参照さんしょう

国際こくさい政治せいじ

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国際こくさい政治せいじがくではまず国際こくさい社会しゃかいにおいて戦争せんそうしょうじる理由りゆうは、国際こくさい政治せいじ政府せいふ状態じょうたい(アナーキー)であることがまずげられる。すなわち国際こくさい政治せいじには国内こくない政治せいじのように中央ちゅうおう政府せいふのような集権しゅうけん体制たいせい不在ふざいであり、紛争ふんそう平和へいわてき解決かいけつ強制きょうせいできない。したがって各国かっこく自助じじょ努力どりょくおこな必要ひつようせいせまられる。だい情報じょうほう不完全性ふかんぜんせいがある。つまり戦争せんそう回避かいひするために必要ひつよう情報じょうほうかならずしも入手にゅうしゅできず、たとえば軍事ぐんじ情報じょうほうについてはしばしば軍事ぐんじ機密きみつによって秘匿ひとくされるために合意ごうい達成たっせい確認かくにんできず、ここに猜疑心さいぎしんしょうじる可能かのうせいがある。そしてみっ原因げんいんとして国内こくない政治せいじ国際こくさい政治せいじ相互そうご作用さよう関係かんけいげられる。

歴史れきし統計とうけい

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軍事ぐんじ史上しじょう戦争せんそう調しらべて、その戦争せんそう開始かいしする直接的ちょくせつてき要因よういん注目ちゅうもくして統計とうけいすればおおまかに長期ちょうきてき不満ふまん国内こくないてき混乱こんらん軍事ぐんじてき優位ゆうい軍事ぐんじてき劣位れつい以上いじょうよっつに分類ぶんるいできるとわれる[34]

  • 長期ちょうきてき不満ふまんとは領土りょうど問題もんだい国境こっきょう問題もんだい地方ちほう独立どくりつ要求ようきゅうなど、長期ちょうきてき慢性まんせいした不満ふまんす。このれいとしてはにち戦争せんそうパレスティナ問題もんだい中東ちゅうとう戦争せんそうなどがげられる。
  • 国内こくないてき混乱こんらんとは国内こくない民族みんぞくあいだ対立たいりつはん政府せいふ運動うんどうなど、国内こくないにおけるしょ勢力せいりょく対立たいりつによる収集しゅうしゅう不可能ふかのう事態じたいす。このれいとしてフランス革命かくめいルワンダ内戦ないせんなどがげられる。
  • 軍事ぐんじてき優位ゆういとは、軍事ぐんじりょく非常ひじょう優位ゆういにあると認識にんしきし、戦争せんそう簡単かんたん解決かいけつできるとかんがえることである。政府せいふ世論せろんにとってその認識にんしき戦争せんそう開始かいし判断はんだん材料ざいりょうとなる場合ばあいがあるが、その優位ゆうい認識にんしき実際じっさい軍事ぐんじりょく把握はあくしていない現実げんじつせいのないものであった場合ばあい開戦かいせんしても予想よそうどおりの戦果せんかげることができず、戦争せんそう長期ちょうき悪化あっかする可能かのうせいたかい。このれいとしてふゆ戦争せんそうどくせん朝鮮ちょうせん戦争せんそうイラン・イラク戦争せんそうげられる。
  • 軍事ぐんじてき劣位れついとは、軍事ぐんじりょく非常ひじょう劣位れついにあると認識にんしきし、先制せんせい攻撃こうげきだけがのこされた手段しゅだんであるとかんがえることである。この認識にんしきによって政府せいふ国民こくみん恐怖きょうふあせりに支配しはいされ、軍事ぐんじてき優劣ゆうれつ戦争せんそう遂行すいこう見通みとおしをわすれてしまい、戦争せんそう開始かいし決断けつだんする場合ばあいがある。このれいとして奴隷どれい反乱はんらんインディアン戦争せんそう太平洋戦争たいへいようせんそうなどがげられる。

勢力せいりょく分布ぶんぷ

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世界せかいてき大国たいこく存在そんざいすることによってその統一とういつてき影響えいきょうりょくもちいて国際こくさい秩序ちつじょ安定あんていさせる「たんきょく平和へいわろん」が存在そんざいする。このような国際こくさい体制たいせいにおいては反抗はんこうできる勢力せいりょくがそもそも存在そんざいしないため、戦争せんそう発生はっせいする可能かのうせいおおきく低減ていげんできる。また反抗はんこう勢力せいりょく圧倒あっとうすることによって覇権はけん国家こっか政治せいじてき目的もくてき達成たっせいするために軍事ぐんじりょく行使こうしする必要ひつようがなくなる。ただしこの場合ばあい属国ぞっこくぐん長期ちょうきてき不満ふまん覇権はけん国家こっかたいして形成けいせいする危険きけんせいがある。平和へいわ主義しゅぎなかかたられる世界せかい連邦れんぽう政府せいふ構想こうそう国連こくれん常備じょうびぐん構想こうそう世界せかい全体ぜんたいたんきょく平和へいわろん志向しこうしたものとえ、現在げんざいパックス・アメリカーナ完全かんぜんではないがたんきょく勢力せいりょく構造こうぞうちか形態けいたいとされる。日本にっぽん江戸えど時代じだい中国ちゅうごく統一とういつ王朝おうちょう時代じだい米国べいこく新大陸しんたいりくにおいてアメリカ先住民せんじゅうみん掃討そうとう専念せんねんする一方いっぽうべいぼく戦争せんそう南北戦争なんぼくせんそうがあった孤立こりつ主義しゅぎモンロー主義しゅぎ時代じだいなどはおおむ平和へいわたもたれており、地域ちいきにおけるたんきょく平和へいわろん支持しじするれいとされる。

また勢力せいりょく均衡きんこうするふたつの大国たいこくたがいに拮抗きっこうする場合ばあい戦争せんそう発生はっせいしにくいとする「双極そうきょく平和へいわろん」もろんじられる。この理論りろん確実かくじつせいによる誤認ごにん誤算ごさんによって戦争せんそう勃発ぼっぱつするてん注目ちゅうもくし、双極そうきょくであれば相互そうご相手あいて動向どうこうにより的確てきかく対応たいおうできるようになるため、安定あんていてき勢力せいりょく均衡きんこうする可能かのうせいろんじている。べい冷戦れいせん時代じだい双極そうきょく勢力せいりょく分布ぶんぷかりやすいれいであり、現実げんじつには双方そうほう軍拡ぐんかく競争きょうそうベトナム戦争せんそう朝鮮ちょうせん戦争せんそうといった代理だいり戦争せんそうこったが、恐怖きょうふ均衡きんこうによりべいソの直接ちょくせつ戦争せんそうこらなかった。

また複数ふくすう大国たいこく存在そんざいする場合ばあい戦争せんそう発生はっせいしにくいとする「きょく平和へいわろん」もある。複数ふくすう国家こっかがより柔軟じゅうなんかつ適切てきせつ同盟どうめい勢力せいりょくけん形成けいせいすることが可能かのうとなるので、対立たいりつ関係かんけい硬直こうちょくしにくいとし、勢力せいりょく均衡きんこう維持いじしやすいとろんじている。現実げんじつれいとしては戦前せんぜんべいえいどくふつソ連それん(ロシア)・イタリア・日本にっぽん世界せかいにおける列強れっきょうとして君臨くんりんした時代じだいがある。だい世界せかい大戦たいせんまえヨーロッパ中国ちゅうごく三国志さんごくし時代じだい日本にっぽん戦国せんごく時代じだいなどは地域ちいきない複数ふくすう勢力せいりょく存在そんざいしていた。

しかし、どの勢力せいりょく分布ぶんぷ歴史れきしてきれば戦争せんそう頻度ひんど規模きぼ最小さいしょうすることについて最適さいてきわせではないと一般いっぱんてきにはかんがえられている[35]勢力せいりょく均衡きんこう参照さんしょう)。なお、国連こくれん憲章けんしょう目指めざすところは国連こくれん常備じょうびぐんによるたんきょく平和へいわろんであり、1きょく覇権はけん国家こっか専有せんゆう武力ぶりょくではなく国連こくれん加盟かめいこく共同きょうどう武力ぶりょくとすることで覇権はけんこくせんよこふせぎつつ平和へいわ目指めざかんがかたである。

地政学ちせいがくてき安全あんぜん保障ほしょう要因よういん

編集へんしゅう
  • 遠交近攻えんこうきんこう国境こっきょうせっせず、領土りょうど紛争ふんそうのない遠国おんごく同盟どうめいして、国境こっきょうせっする隣国りんごく軍事ぐんじてき圧迫あっぱくして領土りょうど紛争ふんそう有利ゆうり解決かいけつしようとすることは2000ねん以上いじょうまえから現在げんざいおこなわれている
  • 合従連衡がっしょうれんこう強大きょうだいこく複数ふくすうじゃく小国しょうこく構図こうずになった場合ばあいじゃく小国しょうこくがわ個別こべつでは各個かっこ撃破げきはされてしまうので小国しょうこく同盟どうめい合従がっしょう)をむすんで強大きょうだいこくから自衛じえいしたほうがよい。強大きょうだいこくがわ小国しょうこくの「対岸たいがん火事かじ心理しんり」を利用りようしてAをのぞいたBCDと同盟どうめいむすんで(連衡れんこう)Aを併呑へいどんし、いでCDと同盟どうめいむすんでBを侵略しんりゃく併呑へいどんし、合従がっしょう同盟どうめい破壊はかいして、各個かっこ撃破げきはしてゆくのが合理ごうりてきであり、現在げんざいでも使つかわれている。
  • 孤立こりつによる併合へいごう:軍事ぐんじりょく直接ちょくせつ行使こうし大国たいこくにとっても損害そんがいおおきいので、第三国だいさんごくたいして併呑へいどん対象たいしょうくに同盟どうめいむすばないよう圧力あつりょくをかけて併呑へいどん対象たいしょう孤立こりつさせ、いで併呑へいどん対象たいしょう武器ぶき物資ぶっし援助えんじょしないように圧力あつりょくをかけて武装ぶそう解除かいじょみ、同時どうじ併呑へいどん対象たいしょう経済けいざいてき依存いぞんさせることで、抵抗ていこう意思いしくじき、軍事ぐんじりょく経済けいざい制裁せいさいによる恫喝どうかつだけで併呑へいどんする
  • 新興しんこう覇権はけん国家こっかは、自国じこく安全あんぜん保障ほしょうのため周囲しゅうい衛星えいせいこくかためることを志向しこうする傾向けいこう歴史れきしじょう頻繁ひんぱんられる。
  • 自然しぜん国境こっきょうをはさんでろう大国たいこくがわ(または衛星えいせいこく)が新興しんこう大国たいこくがわにあるときは、新興しんこう大国たいこくがわはそれを奪取だっしゅして勢力せいりょく境界きょうかいせん自然しぜん国境こっきょうこうとしてしばしば戦争せんそうがおきる原因げんいんとなってきた。

国家こっか主義しゅぎ民族みんぞくてき要因よういん

編集へんしゅう
  • よく「現代げんだいでは戦争せんそう利益りえきられることはないので戦争せんそうこらない」とする意見いけんがあるが、実際じっさいには「利益りえき」をかかげて戦争せんそうおこなわれたのはかならずしも多数たすうとはいえない。また「国際こくさい社会しゃかい制裁せいさいかんがえれば戦争せんそうなどするはずがない」とする意見いけんもあるが、国際こくさい社会しゃかい制裁せいさい国民こくみん餓死がしをものともせずかくミサイルの開発かいはつにひたはし国家こっかすうれいある。とく近代きんだい以降いこうにおいては大衆たいしゅう動員どういん必要ひつようせいもあって、国家こっか主義しゅぎうったえる戦争せんそう目的もくてきかかげられる場合ばあいおおい。たとえてえば、日本にっぽんきた日本にっぽんみなみ日本にっぽん分断ぶんだんされていた場合ばあい民族みんぞく統一とういつもとめる心情しんじょう金銭きんせんてき利得りとくとはなんら関係かんけいがないし、国際こくさいてき制裁せいさいにせず武力ぶりょく統一とういつにひたはし人々ひとびと発生はっせいしても不自然ふしぜんではない。ちいさな島嶼とうしょですら、その奪還だっかんのためににたくないとおも国民こくみんだけでなく、けても奪還だっかんしたいという国民こくみん発生はっせいするが、それは金銭きんせんてき利得りとくというよりも国家こっか主義しゅぎによる。中国ちゅうごく北朝鮮きたちょうせん統一とういつもとめるのも、台湾たいわん韓国かんこく併合へいごうされるのをいやがるのも国家こっか主義しゅぎによるところがおおきく、ソ連それん崩壊ほうかい極東きょくとうける冷戦れいせん継続けいぞくちゅう軍縮ぐんしゅく交渉こうしょう困難こんなん原因げんいんとなっている。
  • 一方いっぽうで、バルカン半島ばるかんはんとうのような民族みんぞく混在こんざい民族みんぞく分布ぶんぷによって国境こっきょうせんくことがむずかしいために、戦争せんそう少数しょうすう民族みんぞく虐殺ぎゃくさつ頻発ひんぱつする原因げんいんとなっている。
  • また、併合へいごうしようとする土地とち少数しょうすう民族みんぞく国家こっか主義しゅぎあおり、一旦いったん分離ぶんり独立どくりつさせてから保護ほごこくするという手口てぐちもパナマ独立どくりつ米国べいこく保護ほごこく)やひがしティモール独立どくりつ豪州ごうしゅう保護ほごこく)など史上しじょう散見さんけんされる。
  • また、経済けいざい困難こんなん貧民ひんみん増大ぞうだいは「閉塞へいそくかん」を増加ぞうかさせ、国家こっか主義しゅぎ蔓延まんえんしやすい。国家こっか主義しゅぎかれた国民こくみん対外たいがい強硬きょうこう排外はいがい主義しゅぎはしりやすく、そのような国民こくみん支持しじて、対外たいがい強硬きょうこうはし政治せいじ発生はっせいしたれいおおい。尊王そんのう攘夷じょういナチスロシア自由民主党じゆうみんしゅとうネオナチ)の勃興ぼっこうなどのれいられる。

動態どうたいせつ

編集へんしゅう

1970年代ねんだいになるとそれまでの勢力せいりょく均衡きんこう理論りろんによる静態せいたいてき国際こくさい情勢じょうせい理解りかいから転換てんかんして、世界せかい秩序ちつじょ構成こうせい要素ようそ国力こくりょくなどは可変かへんてきであるとかんがえる動態どうたいせつあらわれた。たとえばイマニュエル・ウォーラーステインは16世紀せいき以降いこう資本しほん主義しゅぎ発達はったつ世界せかい強国きょうこく弱国じゃっこく格差かくさみ、巨視的きょしてきには中核ちゅうかくじゅん周辺しゅうへん周辺しゅうへん世界せかいシステムを形成けいせいした。さらに中核ちゅうかくにおいても、時代じだいてきには長期ちょうきてき優勢ゆうせい中期ちゅうきてき優勢ゆうせい種類しゅるいがあることがみとめられ、長期ちょうきてき優勢ゆうせいでは生産せいさんりょく拡大かくだいからプロレタリアート政治せいじ運動うんどういで福祉ふくし国家こっかおよ社会しゃかい主義しゅぎてき世界せかい経済けいざいへと段階だんかいてきすすんでいき、中期ちゅうきてき優勢ゆうせいでは資本しほん主義しゅぎ矛盾むじゅん表面ひょうめん経済けいざい成長せいちょう停滞ていたい恐慌きょうこうなどにいでじゅん周辺しゅうへんこくへの技術ぎじゅつ移転いてんならびに相対そうたいてき優位ゆうい低下ていかという段階だんかいすすむとしている。また1987ねんにはジョージ・モデルスキーによってだい規模きぼ戦争せんそう大体だいたい100ねん周期しゅうき発生はっせいするてん注目ちゅうもくした100ねん周期しゅうきせつ提唱ていしょうされた。これはあらゆる秩序ちつじょエントロピーてき衰退すいたい国際こくさいてき秩序ちつじょ形成けいせい衝動しょうどうなどが理由りゆうとしてげられている[36]

国際こくさい経済けいざい動向どうこう

編集へんしゅう

経済けいざい戦争せんそう危機ききにはまった相反あいはんする視点してんがある。 まずだいいち国際こくさい経済けいざい停滞ていたい後退こうたいすれば戦争せんそう危機ききたかまるというかんがかたである。経済けいざい成長せいちょうきょう恐慌きょうこうなどによって悪化あっかすれば、その縮小しゅくしょうした利益りえきをめぐる利害りがい関係かんけい国内こくない経済けいざい国際こくさい経済けいざいにおいて悪化あっかし、それが戦争せんそう危機ききたかめることになるとかんがえられる。また軍事ぐんじ拡大かくだいによって市場いちば資本しほん投入とうにゅうし、経済けいざい成長せいちょううながすため、軍拡ぐんかく競争きょうそう激化げきかすることもかんがえられるからである。

一方いっぽうで、戦争せんそうにかかる膨大ぼうだいなコストに注目ちゅうもくし、経済けいざい成長せいちょう順調じゅんちょうでなければ戦争せんそうこせないため、成長せいちょうにむしろ戦争せんそう危機ききたかまるというかんがかた存在そんざいする。経済けいざい成長せいちょう目指めざして資源しげん戦略せんりゃくてき要所ようしょ必要ひつようせいたかまるため、競争きょうそう激化げきかしやすくなる。また経済けいざい成長せいちょうがあるからこそ軍事ぐんじ増大ぞうだいすることが可能かのうとなり、軍拡ぐんかく競争きょうそう発生はっせいし、経済けいざい成長せいちょう維持いじするために膨張ぼうちょう主義しゅぎてき世論せろん社会しゃかいてき心理しんり形成けいせいされるとかんがえられる[37]

ただし、経済けいざい戦争せんそう関係かんけいせいについてはデータや指標しひょう非対称ひたいしょうである場合ばあい研究けんきゅう途上とじょうであることもあって、完結かんけつ結論けつろんできない[38]

ゲーム理論りろん

編集へんしゅう

数学すうがくゲーム理論りろんにおいては囚人しゅうじんのジレンマ状況じょうきょうチキンゲーム状況じょうきょう理論りろん戦争せんそうのモデルとされている。

囚人しゅうじんのジレンマによると、たとえば核兵器かくへいき保有ほゆう両方りょうほう自制じせいするのがもっと平和へいわ安全あんぜんであるが、疑心暗鬼ぎしんあんき心理しんりはたらいて両方りょうほうとも核保有かくほゆう自国じこく安全あんぜん相手あいてこく支配しはいけんたいとかんがえる。しかしながら自国じこくだけ自制じせいして相手あいてこくかく保有ほゆうした場合ばあいにはみずか不利ふりになることをえらぶことになる。ただし両国りょうこくとも核保有かくほゆうするとかく戦争せんそう勃発ぼっぱつ危険きけん最大さいだいとなる。

チキンゲームによると、たとえば両国りょうこくとも利益りえき追求ついきゅう完全かんぜん放棄ほうきすればもっと平和へいわ安全あんぜんであり、またたがいにもうわせた妥協だきょう履行りこうすれば二分にぶんした利益りえき安全あんぜん確保かくほできる。一方いっぽう相手あいてこく譲歩じょうほすることを衝突しょうとつ直前ちょくぜんまで期待きたいして強硬きょうこうさく実施じっしして成功せいこうすれば半分はんぶん以上いじょう利益りえき確保かくほ出来できるが、失敗しっぱいすれば戦争せんそう勃発ぼっぱつすることになる[39]

戦争せんそう原因げんいん複雑ふくざつせい

編集へんしゅう

ただし戦争せんそうとはだい規模きぼになればなるほど、上記じょうきした要因よういん以外いがいに、さまざまな軍事ぐんじてき政治せいじてき要因よういんだけでなく、ほうてき経済けいざいてき社会しゃかいてき集団しゅうだん心理しんりてき文化ぶんかてき外的がいてき内的ないてき構造こうぞう誘因ゆういんがより高度こうど複雑ふくざつ関係かんけいして発生はっせいする重層じゅうそうてき事象じしょうであり、個人こじん人間にんげんせいいちこく内部ないぶ事情じじょうなどにのみその根本こんぽんてき原因げんいんもとめることは非常ひじょう現実げんじつてき歴史れきしてきかんがえと指摘してきできる[注釈ちゅうしゃく 2]

歴史れきしからまなび、国内こくないてき事情じじょう国外こくがいてき環境かんきょう関係かんけいさせ、個人こじん感情かんじょう意思いし内包ないほうした歴史れきしてき必然ひつぜんせい戦争せんそう原因げんいんというものはもとめられるべきものである。バターフィールドの『ウィッグ史観しかん批判ひはん』で「歴史れきし教訓きょうくんとは、人間にんげん変化へんかはかくも複雑ふくざつであり、人間にんげん行為こうい決断けつだん最終さいしゅうてき結果けっかけっして予言よげんできるような性質せいしつのものではないということである。歴史れきし教訓きょうくんは、ただ細部さいぶ研究けんきゅうにおいてのみまなぶことができ、歴史れきし簡略かんりゃくなかでは見失みうしなわれてしまう。歴史れきし簡略かんりゃくが、歴史れきしてき真理しんりせい反対はんたい宣伝せんでんのためくわだてられることがおおいのもそのためである」とろんじられているとおり[41]本質ほんしつてき戦争せんそうとく近代きんだいにおけるふくあいてき国際こくさい政治せいじ展開てんかいによって発生はっせいする戦争せんそう単一たんいつ誘因ゆういんによってこされたとするかんがえはきわめて側面そくめんてきかんがえである[注釈ちゅうしゃく 3]

侵略しんりゃく防衛ぼうえい

編集へんしゅう

軍事ぐんじがくにおいて戦争せんそうはその作戦さくせん戦略せんりゃく差異さい主体しゅたいべつ侵略しんりゃく防衛ぼうえいふたつの作用さよう衝突しょうとつして発生はっせいするものであるとかんがえられる。 まず侵略しんりゃくには法的ほうてき定義ていぎ存在そんざいするが、軍事ぐんじてき定義ていぎとしては外敵がいてきまたはうちてきによって軍事ぐんじりょく先制せんせい行使こうしされ、侵入しんにゅう(invasion)、攻撃こうげき(attack)などの攻勢こうせい作戦さくせん行動こうどう実行じっこうされることである[注釈ちゅうしゃく 4]一方いっぽう防衛ぼうえい狭義きょうぎには侵略しんりゃく反応はんのうしてこれを排除はいじょするために軍事ぐんじりょく使用しようされ、防御ぼうぎょ後退こうたいなどのぼうぜい作戦さくせん行動こうどう実行じっこうされることであり、広義こうぎには抑止よくし活動かつどうをもふくむ。

侵略しんりゃく

編集へんしゅう

侵略しんりゃくはその手段しゅだんから直接ちょくせつ侵略しんりゃく間接かんせつ侵略しんりゃく分類ぶんるいされる。直接ちょくせつ侵略しんりゃく外国がいこく軍事ぐんじりょく行使こうしおこな伝統でんとうてき侵略しんりゃく方式ほうしきであり、間接かんせつ侵略しんりゃく防衛ぼうえいがわ国家こっかないはん政府せいふ勢力せいりょくなどを教唆きょうさ指導しどうしたうえで反乱はんらん革命かくめいなどによって軍事ぐんじりょく間接かんせつてき行使こうしする侵略しんりゃく方式ほうしきである。実際じっさい侵略しんりゃくはこの種類しゅるい手段しゅだん同時どうじ使用しようする場合ばあいや、時間じかん使用しようする場合ばあいなどがある。 またてきうちてきであれば、これもまた区別くべつしてかんがえられる。うちてきとは国内こくない勢力せいりょく主体しゅたいとなり、政府せいふ転覆てんぷく国体こくたい破壊はかいなどを目的もくてきち、武力ぶりょく行使こうしするてきである。うちてき侵略しんりゃく外国がいこく一時いちじてき外国がいこくのがれ、外部がいぶから侵略しんりゃくする外部がいぶ侵略しんりゃくと、内部ないぶでゲリラせん反乱はんらんクーデターなどをおこな内部ないぶ侵略しんりゃく方式ほうしきがある。うちてき外敵がいてき軍事ぐんじ目的もくてきおなじであるので、結託けったくしやすい。

防衛ぼうえい

編集へんしゅう

防衛ぼうえい安全あんぜん保障ほしょう形態けいたいから集団しゅうだん安全あんぜん保障ほしょう個別こべつてき安全あんぜん保障ほしょう大別たいべつされる。集団しゅうだんてき安全あんぜん保障ほしょう集団しゅうだんない国家こっか侵略しんりゃくおこなった場合ばあいにその国々くにぐに侵略しんりゃくこく制裁せいさいおこなうことによって防衛ぼうえいこく援助えんじょすることで安全あんぜん保障ほしょうすることである。個別こべつてき安全あんぜん保障ほしょう防衛ぼうえいこく独力どくりょくで、または同盟どうめいこく援助えんじょによって安全あんぜん保障ほしょうすることである。 個別こべつてき安全あんぜん保障ほしょうはさらに単独たんどく防衛ぼうえい自主じしゅ防衛ぼうえい)、同盟どうめい集団しゅうだん防衛ぼうえい中立ちゅうりつ形態けいたいがある。集団しゅうだん防衛ぼうえい防衛ぼうえいてき性格せいかくのみをつために集団しゅうだん安全あんぜん保障ほしょう側面そくめんつ。同盟どうめいにはその作戦さくせん目標もくひょうから侵略しんりゃくてき場合ばあい防衛ぼうえいてき場合ばあいがある。自主じしゅ防衛ぼうえい防衛ぼうえいせん位置いちによって前方ぜんぽう防衛ぼうえい国境こっきょう防衛ぼうえい国土こくど防衛ぼうえい区分くぶんされる。前方ぜんぽう防衛ぼうえい国境こっきょうよりも遠隔えんかくにおいて侵略しんりゃくしてくるてき排除はいじょする防衛ぼうえい方式ほうしきであり、公海こうかいうえおこなわれることがおおい。国境こっきょう防衛ぼうえい国境こっきょうにおいて軍事ぐんじりょく準備じゅんびし、侵略しんりゃくするてきけてこれを排除はいじょする防衛ぼうえい方式ほうしきであり、国境こっきょうせん要塞ようさいすることがおおい。国土こくど防衛ぼうえい国境こっきょう突破とっぱして国土こくど侵略しんりゃくするてき国内こくないにおいて排除はいじょする防衛ぼうえい方式ほうしきである。しかし一般いっぱんてき兵法ひょうほうなどでは、侵略しんりゃくするがわは、防衛ぼうえいする戦力せんりょくの3ばい戦力せんりょくであることがのぞまれるので、小国しょうこく大国たいこく戦争せんそうでもないかぎり、完全かんぜん侵略しんりゃくされることはまずない。

戦争せんそう過程かてい

編集へんしゅう
 
黒船くろふね来航らいこう強制きょうせい外交がいこうよしみなが7ねん(1854ねん横浜よこはまへの黒船くろふね来航らいこう
マシュー・ペリー随行ずいこうした画家がかヴィルヘルム・ハイネによるリトグラフ

戦争せんそう永遠えいえんつづくものではなく、一定いってい段階だんかいぎれば収束しゅうそくしていく(ただし、ゲリラせん断続だんぞくてきテロ攻撃こうげき戦線せんせん維持いじする必要ひつようがないため、戦争せんそうとは本質ほんしつてき性質せいしつことなる)。兵力へいりょく軍需ぐんじゅ物資ぶっし補填ほてんなどの兵站へいたん能力のうりょくてき限界げんかいから、どのような国家こっか勢力せいりょくでもはげしい戦闘せんとう長期間ちょうきかんにわたって継続けいぞくすることは不可能ふかのうであるからである。その発展はってん過程かてい無秩序むちつじょえるが、ある程度ていど段階だんかい存在そんざいしているとかんがえられている[43]

安定あんていてき秩序ちつじょ維持いじされており、各国かっこく一部いちぶくにでは平時へいじにおいても国内こくない不安定ふあんていがある)は基本きほんてき平和へいわごしている。戦争せんそう危機きき認識にんしきされておらず、準備じゅんびもなされていない。

  • 艦隊かんたい部隊ぶたいなどの相互そうご訪問ほうもんなどの軍事ぐんじ交流こうりゅう独立記念日どくりつきねんびなどの国家こっか行事ぎょうじ支援しえんなど。
  • 災害さいがい救助きゅうじょ医療いりょう支援しえん測量そくりょう活動かつどう支援しえん調査ちょうさ活動かつどう支援しえんなど。
  • 同盟どうめいこく友好国ゆうこうこくとの共同きょうどう軍事ぐんじ訓練くんれんなどによる関係かんけい増進ぞうしん
  • 武器ぶき兵器へいき売却ばいきゃく教官きょうかん派遣はけん留学生りゅうがくせい交換こうかんなどによる友好ゆうこう関係かんけい勢力せいりょくけん増進ぞうしん

戦争せんそう勃発ぼっぱつ誘因ゆういんとなりうる事件じけん問題もんだい発生はっせい表面ひょうめんし、急速きゅうそく事態じたい緊張きんちょうしていく。奇襲きしゅうける場合ばあいはこの段階だんかい通過つうかしない場合ばあいもある。この時点じてんではまだ戦争せんそう未然みぜん防止ぼうしすることは外交がいこうによって可能かのうであるとかんがえられるが、不安定ふあんてい末期まっきからじゅん戦時せんじ外交がいこう交渉こうしょうはしばしば非常ひじょう切迫せっぱくしたものとなる。

じゅん戦時せんじ

編集へんしゅう

戦争せんそう危機ききたかまり、急速きゅうそく事態じたい緊張きんちょうして制御せいぎょ不能ふのうとなっていく。国家こっかとして戦時せんじ体制たいせいかれ、軍隊ぐんたい動員どういんされ、外交がいこう交渉こうしょう絶望ぜつぼうてきになっていく(最後さいご通牒つうちょう宣戦せんせん布告ふこく参照さんしょう)。この段階だんかいになればもはや事態じたい収拾しゅうしゅうしようとすることはきわめて困難こんなんとなる。この時点じてん戦争せんそう勃発ぼっぱつ阻止そししようとするのはおそすぎる。

  • 配給はいきゅうせい統制とうせい経済けいざいなどの戦時せんじ体制たいせい準備じゅんび
  • 予備よびやく動員どういん民間みんかん防衛ぼうえい準備じゅんび体勢たいせいへの移行いこう
  • 外交がいこう関係かんけい断交だんこう外交がいこう使節しせつだん召還しょうかん
  • 破壊はかい工作こうさくいんスパイ潜入せんにゅう謀略ぼうりゃく活動かつどう
  • 対象たいしょうこくにとって重要じゅうよう陸海空りくかいくう交通こうつう封鎖ふうさ
  • 対象たいしょうこくかう船舶せんぱくなどの臨検りんけん抑留よくりゅう拿捕だほ
  • 対象たいしょうこく主要しゅよう交通こうつう封鎖ふうさ口座こうざ凍結とうけつなどの金融きんゆう制裁せいさいなどの経済けいざい制裁せいさい
  • 交戦こうせん地域ちいき設定せってい

開戦かいせんげる宣戦せんせん布告ふこくおこなわれ(これは伝統でんとうてき国際こくさいほうもとづく行為こういであり、現代げんだいではおこなわれない場合ばあいもある)、軍隊ぐんたい戦場せんじょう展開てんかいし、てき戦力せんりょくとの戦闘せんとうはいる。また戦時せんじ体制たいせいもとづいてあらゆる経済けいざい情報じょうほう開示かいじ生活せいかつ軍事ぐんじじょう必要ひつようから統制とうせいされる。この段階だんかい戦争せんそう経過けいか当初とうしょ計画けいかくどおりにすすんでいるかなどを考慮こうりょし、いかに有利ゆうり戦争せんそう収束しゅうそくさせるかというてん注目ちゅうもくされる。

  • 戦時せんじ体制たいせい実施じっし予備よびやく民間みんかん防衛ぼうえい総動員そうどういん
  • 情報じょうほう統制とうせいスパイ摘発てきはつ相手あいてこく宣伝せんでん対策たいさくなどの防諜ぼうちょう政策せいさく展開てんかい
  • 相手あいてこくたいする世論せろん誘導ゆうどう目的もくてきとした広報こうほう政策せいさく展開てんかい
  • スパイ同調どうちょうしゃ協力きょうりょくしゃ獲得かくとく工作こうさく展開てんかい
  • テロリスト革命かくめい協力きょうりょくしゃ破壊はかい工作こうさくいんなどによる工作こうさく活動かつどう(ほとんどは政府せいふ判定はんていのみにもとづき、後日ごじつ冤罪えんざい政府せいふ特務とくむ機関きかん自演じえんだったと判明はんめいするれいもある)。
  • 限定げんてい地域ちいき海域かいいき)における軍事ぐんじ施設しせつ艦艇かんていなどにたいする攻撃こうげき占領せんりょう
  • 限定げんてい地域ちいき以外いがいにおける軍事ぐんじ施設しせつ艦艇かんていなどにたいする攻撃こうげき占領せんりょう
  • 軍事ぐんじ施設しせつなどにたいする攻撃こうげき占領せんりょう
  • 兵器へいき武器ぶき生産せいさん施設しせつとなっている工業こうぎょう地帯ちたいたいする攻撃こうげき占領せんりょう
  • 首都しゅと統治とうち機関きかん主要しゅよう都市としなど政経せいけい中枢ちゅうすうたいする攻撃こうげき占領せんりょう

終結しゅうけつ

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一方いっぽう圧倒的あっとうてき勝利しょうり獲得かくとくした場合ばあい、また戦況せんきょう双方そうほうにとって好転こうてんせず停滞ていたいてきになった場合ばあい対立たいりつしている両国りょうこく講和こうわおこなうことを決定けっていすれば、その戦争せんそう収束しゅうそくかう。このさい締結ていけつされるのが講和こうわ条約じょうやくばれるものである(休戦きゅうせん協定きょうてい戦闘せんとう一時いちじてき中断ちゅうだんであり、戦争せんそう終結しゅうけつではない)。しかし、講和こうわ交渉こうしょうとは外交がいこうかんにとってもっと困難こんなん外交がいこう交渉こうしょうひとつであり、その交渉こうしょう過程かていにはさまざまな不満ふまん問題もんだい発生はっせいすることもある。

  • 戦闘せんとう作戦さくせん長期ちょうきてき停滞ていたい
  • 戦争せんそう遂行すいこう外交がいこうてき内政ないせいてき問題もんだい発生はっせい
  • 攻撃こうげきてき戦闘せんとう行動こうどう停止ていし停戦ていせん)。
  • 和平わへい交渉こうしょう開始かいし暫定ざんていてき戦争せんそう休止きゅうしする休戦きゅうせん協定きょうてい締結ていけつ
  • 戦後せんご双方そうほう地位ちいさだめた講和こうわ条約じょうやく締結ていけつと、議会ぎかいでの批准ひじゅん
  • 敗戦はいせんした政府せいふ組織そしき亡命ぼうめい

戦争せんそう終結しゅうけつしてもその決着けっちゃくあらたな問題もんだい不満ふまんんでいれば、それが起因きいんしてあたらしい戦争せんそうをもたらすこととなる。外交がいこうてき解決かいけつ不可能ふかのうとなった場合ばあい戦争せんそう軍事ぐんじりょくを以って自国じこく利益りえき相手あいてからうばうことができる。ただしその過程かていうしなわれるものは人命じんめい経済けいざい基盤きばん生活せいかつ安全あんぜんだけでなく、勝敗しょうはいによっては国際こくさいてき信用しんよう政府せいふ国家こっか主権しゅけんうばわれる場合ばあいもある。なおきん現代げんだいにおいては敗北はいぼく民族みんぞく消滅しょうめつすることはない。

主権しゅけん国家こっか体制たいせいにおいてづけいさおこくつけいさおこく、ふようこく)、従属じゅうぞくこく(じゅうぞくこく)(えい: vassal state)とは、宗主そうしゅこくから一定いってい自治じちけんみとめられているが、その内政ないせい外交がいこう宗主そうしゅこく国内こくないほうにより制限せいげんける国家こっかす。[44]

主権しゅけん不完全ふかんぜんにしかたないため、保護ほごこくわせてはん主権しゅけんこくえい: semisovereign state)、従属じゅうぞくこくえい: dependent state[45]ともばれる。

傀儡かいらい政権せいけん(かいらいせいけん、英語えいご: puppet government)とは、ある領域りょういき統治とうちする政権せいけんが、名目めいもくじょうには独立どくりつしているが、実態じったいでは事実じじつじょう支配しはいしゃである外部がいぶ政権せいけん国家こっかによって管理かんり統制とうせい指揮しきされている政権せいけん[46][47]

戦争せんそうのさまざまな局面きょくめん

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戦争せんそうには武力ぶりょくもちいた戦闘せんとうから、諜報ちょうほう諜報ちょうほう活動かつどう輸送ゆそう外交がいこう交渉こうしょうなど非常ひじょうにさまざまな分野ぶんやあらそいが発生はっせいする。英語えいごではこのようなさまざまな闘争とうそう局面きょくめんwarfareぶ。ここでは戦争せんそうともなってこりうるさまざまな分野ぶんやにおける闘争とうそうについてべる[48]

政治せいじせん

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政治せいじせんとは戦争せんそうにおける政治せいじてき闘争とうそう局面きょくめんである。政治せいじせんには政府せいふ国民こくみんてき政府せいふ国民こくみん国際こくさい社会しゃかいというおもいつつの行為こうい主体しゅたいがあり、国際こくさい社会しゃかいはたらきかける政治せいじせん国際こくさい政治せいじせんてき政府せいふたいする政治せいじせん直接ちょくせつ当事とうじしゃ政治せいじせんてき国民こくみんたいする政治せいじせん間接かんせつ当事とうじしゃ政治せいじせん国民こくみん政府せいふ内部ないぶたいする政治せいじせん国内こくない政治せいじせんぶ。戦争せんそうによってられた戦果せんか外交がいこう交渉こうしょうつうじて政治せいじてき権力けんりょくまたは影響えいきょうりょくとして政治せいじせん貢献こうけんする。

たけ力戦りきせん

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武力ぶりょくせん戦争せんそうにおいてもっとはげしい闘争とうそう局面きょくめんであり、おも戦闘せんとうにおいておこなわれる。対立たいりつする戦力せんりょく同士どうしたがいに支配しはい領域りょういき制圧せいあつてき戦力せんりょく無力むりょく撃破げきはなどを目的もくてきとして作戦さくせんし、武力ぶりょく行使こうしして敵対てきたいする勢力せいりょく排除はいじょする。この過程かてい殺傷さっしょう破壊はかい活動かつどうおこなわれ損害そんがいしょうじる。戦闘せんとう遂行すいこうするためには兵士へいしたちの体力たいりょく技能ぎのうだけでなく、戦術せんじゅつ武器ぶき爆発ばくはつぶつ知識ちしき兵器へいき操作そうさ技能ぎのう戦術せんじゅつてき知能ちのう、チームワーク、軍事ぐんじてきリーダーシップ、また後方こうほうにおいては作戦さくせん戦略せんりゃく戦場せんじょう医療いりょう兵器へいき開発かいはつなどの総合そうごうてき国家こっか組織そしき個人こじん能力のうりょくもとめられる困難こんなん活動かつどうである。(戦闘せんとう参照さんしょう

情報じょうほうせん

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情報じょうほうせん戦争せんそうにおいて情報じょうほう優勢ゆうせいるために発生はっせいする闘争とうそうである。おも諜報ちょうほう諜報ちょうほう活動かつどうによっておこなわれ、相互そうご相手あいて軍事ぐんじてき情報じょうほうかぎらず、経済けいざいてき政治せいじてき状況じょうきょうかんする情報じょうほうるために合法ごうほうてき外交がいこうかん連絡れんらく将校しょうこうおくんだり、相手あいて国内こくない協力きょうりょくしゃ獲得かくとくするためにさまざまな活動かつどう展開てんかいする。同時どうじ防諜ぼうちょうとして相手あいてこくスパイ摘発てきはつするための国内こくないにおける捜査そうさおこなわれ、てき情報じょうほう活動かつどう妨害ぼうがいする。

補給ほきゅうせん

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補給ほきゅうせん後方こうほう支援しえんまたは兵站へいたんめぐ闘争とうそうであり、とく補給ほきゅう輸送ゆそうおこなさい発生はっせいする闘争とうそう局面きょくめんう。兵力へいりょく物資ぶっし補填ほてんがなければ前線ぜんせん部隊ぶたい戦闘せんとうりょく維持いじできず、また戦闘せんとう以外いがい被害ひがいによる損害そんがい戦闘せんとうによるものよりもときには非常ひじょうおおくなるため、戦闘せんとう活発かっぱつでない時期じきであっても物資ぶっしえず輸送ゆそうされなければならない。すなわち戦場せんじょうには常時じょうじ消費しょうひ物資ぶっしおくつづけなければ戦闘せんとうりょく低下ていかすることにつながるため、輸送ゆそう作戦さくせん確実かくじつ実施じっしすることは前線ぜんせん勝敗しょうはい左右さゆうする作戦さくせんである。この輸送ゆそう作戦さくせん的確てきかく実行じっこうするのに必要ひつよう経済けいざいてき軍事ぐんじてき事務じむてき努力どりょく非常ひじょう巨大きょだいなものである。また相手あいてこく航空こうくう阻止そし破壊はかい工作こうさく後方こうほう地域ちいきへの攻撃こうげきなどでこの輸送ゆそう作戦さくせん妨害ぼうがいしてくるため、輸送ゆそう部隊ぶたい司令しれいかん強行きょうこう輸送ゆそう強行きょうこう補給ほきゅうという手段しゅだんもちいて、これに対抗たいこうしなければならない場合ばあいもある。つまり戦争せんそうにおいてはどのようにして効率こうりつてき輸送ゆそう作戦さくせん遂行すいこうし、適量てきりょう物資ぶっし調達ちょうたつして、適地てきち輸送ゆそうし、的確てきかく分配ぶんぱいするかという兵站へいたんうえ困難こんなんつね直面ちょくめんすることになる。

外交がいこう交渉こうしょう

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外交がいこう交渉こうしょう戦争せんそうちゅうにはおこなわれる場合ばあいおこなわれない場合ばあいがあるが、戦争せんそう収束しゅうそくさせるためには絶対ぜったいけてはとおれないあらそいである。講和こうわ休戦きゅうせんおこなうためには政府せいふあいだ利害りがい関係かんけい調整ちょうせいする実務じつむてき交渉こうしょう必要ひつようであり、またその過程かていには双方そうほう国益こくえき最大さいだいするための交渉こうしょうきがおこなわれる。また同盟どうめいやさまざまな支援しえんけるための外交がいこう戦争せんそう行方ゆくえおおきな影響えいきょうあたえる。(外交がいこう交渉こうしょう参照さんしょう

電子でんしせん

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電子でんしせんとは通信つうしん機器ききなどでもちいられる電磁波でんじはめぐあらそいである。平時へいじにおいても情報じょうほう収集しゅうしゅうなどを目的もくてきとした電波でんぱ傍受ぼうじゅ分析ぶんせきなどの電子でんしせんおこなわれているが、戦時せんじにおいては指揮しき組織そしき通信つうしん拠点きょてんSAM[よう曖昧あいまい回避かいひ] システムにたいしてより攻撃こうげきてきECM実施じっしされる。現代げんだい戦争せんそうにおいては非常ひじょう重要じゅうよう通信つうしん手段しゅだん電磁波でんじはもちいたものがおおく、また通信つうしん手段しゅだん指揮しき統率とうそつにおけるようであるため、その重要じゅうようせいおおきい。にち戦争せんそう以降いこう世界せかい各国かっこく軍隊ぐんたい電子でんしせん対応たいおうする部隊ぶたい保有ほゆうするようになっている。

謀略ぼうりゃくせん

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謀略ぼうりゃくとは敵国てきこく戦争せんそう指導しどうさまたげる活動かつどうであり、一般いっぱんてき極秘ごくひうら遂行すいこうされる。間接かんせつてきには政治せいじてき外交がいこうてき経済けいざいてき心理しんりてき妨害ぼうがい活動かつどうがあり、直接的ちょくせつてきには軍事ぐんじてき破壊はかい工作こうさくがある。破壊はかい工作こうさくとは交通こうつう拠点きょてん政府せいふ機関きかん生産せいさん施設しせつ堤防ていぼう国境こっきょうせんなどの重要じゅうよう拠点きょてんたいする爆発ばくはつぶつなどをもちいた放火ほうか爆破ばくはなどの活動かつどうのことである。しばしば敵国てきこく特殊とくしゅ部隊ぶたいスパイおくりこんで実行じっこうするが、秘密裏ひみつりにかつ迅速じんそくおこなわれるために無効むこうむずかしい。てき部隊ぶたい戦闘せんとうりょく無力むりょくなどを目的もくてきとした戦闘せんとうとは性格せいかくことなり、たい反乱はんらん作戦さくせんたいテロ作戦さくせん分類ぶんるいされる。

心理しんりせん

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心理しんりせんとは、テレビ新聞しんぶんなどをもちいた広報こうほう活動かつどう政党せいとう思想しそう団体だんたい政治せいじ活動かつどう学校がっこう教育きょういくなどによって情報じょうほう計画けいかくてき活用かつようし、民衆みんしゅう組織そしき思想しそうかんがえを誘導ゆうどうし、みずからに有利ゆうりうごくように間接かんせつてきはたらきかけるさまざまな活動かつどうと、てき同様どうよう手段しゅだん対抗たいこうする活動かつどう総称そうしょうである。戦争せんそう開始かいしされれば両国りょうこくとも自国じこく正統せいとうせい主張しゅちょうし、支持しじようとこころみる。また相手あいてこく国民こくみんたいして、自国じこく有利ゆうりになるようにはん政府せいふ活動かつどう支援しえんしたり、相手あいてこく人道じんどうせい宣伝せんでんすることによって政権せいけん行動こうどう制限せいげんすることなどが可能かのうである。これはたいゲリラ作戦さくせんたいテロ作戦さくせん政権せいけん転覆てんぷくなどさまざまな局面きょくめん実施じっしされる(心理しんりせん参照さんしょう)。

軍備ぐんび拡張かくちょう競争きょうそう

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軍備ぐんび拡張かくちょう競争きょうそう軍備ぐんび量的りょうてき拡張かくちょう軍事ぐんじ技術ぎじゅつ開発かいはつ競争きょうそうう。現代げんだい戦争せんそうにおいて勝利しょうりおさめるには、兵力へいりょく戦略せんりゃくのみならず、優秀ゆうしゅう兵器へいき不可欠ふかけつである。そのため、敵国てきこく対立たいりつこくよりすぐれた兵器へいきおお保持ほじすることが重要じゅうようになり、戦時せんじちゅうはもちろん平時へいじにおいても、その開発かいはつ生産せいさん活発かっぱつおこなわれている。

たとえば、東西とうざい冷戦れいせんにおいては、べいソの直接ちょくせつ対決たいけつこそなかったものの、核兵器かくへいき戦車せんしゃなどの熾烈しれつ開発かいはつ競争きょうそうおこなわれ(核兵器かくへいきについては、開発かいはつ競争きょうそうによりかく戦力せんりょく均衡きんこうたもたれていたからこそ現実げんじつかく戦争せんそうこらなかったとする見方みかたもある)、代理だいり戦争せんそうはそれらの兵器へいき実験じっけんじょうでもあった。また、人類じんるい宇宙うちゅうつきおくった宇宙うちゅう開発かいはつ競争きょうそうも、ロケット技術ぎじゅつ戦略せんりゃくかく搭載とうさいする大陸たいりくあいだ弾道だんどうミサイルなどのミサイル技術ぎじゅつ直結ちょっけつしていたことがおおきな推進すいしんりょくとなっていた。

国際こくさいほうにおける戦争せんそう

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戦争せんそうかんする国際こくさいほうにはおおきくふたつの体系たいけいがある。軍事ぐんじりょく行使こうし合法ごうほうかどうかをさだめている「開戦かいせん法規ほうき」 (jus ad bellum, ユス・アド・ベッルム)」と、戦争せんそうにおけるさまざまな行為こうい規律きりつする「交戦こうせん法規ほうき」 (jus ad bello, ユス・アド・ベッロ) のふたつである。前者ぜんしゃ国連こくれん憲章けんしょう基本きほんてき根拠こんきょになっており、後者こうしゃは「戦時せんじ国際こくさいほう」「武力ぶりょく紛争ふんそうほう」「国際こくさい人道じんどうほう」ともばれ、そのおも根拠こんきょとなっている条約じょうやくジュネーブ条約じょうやくなどがある。一般いっぱんてき戦争せんそう犯罪はんざいばれる行為こういとは、戦時せんじ国際こくさいほう違反いはんする行為こういす。(極東きょくとう国際こくさい軍事ぐんじ裁判さいばんにおけるAきゅう戦犯せんぱんはこの戦時せんじ国際こくさいほうとは無関係むかんけいである)また戦時せんじ国際こくさいほう作戦さくせん領域りょういきから、陸戦りくせん法規ほうき海戦かいせん法規ほうき空戦くうせん法規ほうき分類ぶんるいされることもある[49]

開戦かいせん法規ほうき

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伝統でんとうてき国際こくさいほうにおいては、戦争せんそう国家こっか権利けんりであったが、現代げんだい国際こくさいほうにおいては武力ぶりょく行使こうし禁止きんしともない、戦争せんそうそのものが禁止きんしされている。具体ぐたいてきには、1928ねんのパリ不戦ふせん条約じょうやくケロッグ=ブリアン条約じょうやく)および1945ねん国連こくれん憲章けんしょう2じょう4こうにより、武力ぶりょく行使こうし違法いほうされた。ただしパリ不戦ふせん条約じょうやくでは実質じっしつてき紛争ふんそう解決かいけつ機能きのうまれなかったためにだい世界せかい大戦たいせん勃発ぼっぱつし、そのため国連こくれん憲章けんしょうあらためてさだめられた。国連こくれん憲章けんしょうにおいて国際こくさい社会しゃかい平和へいわ安全あんぜん破壊はかいされる違法いほう行為こういがあれば、集団しゅうだん安全あんぜん保障ほしょう体制たいせい場合ばあいによっては軍事ぐんじてき措置そちこうずることもさだめられた。また国連こくれん加盟かめいこく個別こべつてき集団しゅうだんてき自衛じえいけん行使こうしみとめられている。すなわち現代げんだいにおける戦争せんそうおこな原則げんそく以下いかとおりとなる。

  1. 国家こっか自衛じえい場合ばあいどう51じょう)。
  2. 安全あんぜん保障ほしょう理事りじかいにおいて認定にんていされた「国際こくさい社会しゃかい平和へいわ秩序ちつじょへの脅威きょうい」にたいする強制きょうせい行動こうどうだいななしょう
  3. 地域ちいきてききょく地域ちいきてき安全あんぜん保障ほしょう枠組わくぐみにおける強制きょうせい行動こうどうだい八章はっしょう)。

戦時せんじ国際こくさいほう

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戦争せんそうにおいては制限せいげん暴力ぼうりょく交戦こうせんこくによって行使こうしされるが、しかし現代げんだい戦時せんじ国際こくさいほうにおいては「軍事ぐんじてき必要ひつようせい」と「人道じんどうせい」の原則げんそくがある。軍事ぐんじてき必要ひつようせいはさまざまな軍事ぐんじ作戦さくせん遂行すいこう不可欠ふかけつ行動こうどうなどを正当せいとうする原則げんそくであり、一方いっぽう人道じんどうせいとは最小限さいしょうげん人命じんめい損失そんしつ不要ふよう破壊はかい文民ぶんみんたいする攻撃こうげき過剰かじょう苦痛くつうなどの軍事ぐんじ作戦さくせんにとって不適切ふてきせつ行動こうどう禁止きんしする原則げんそくである。またこのほかにも戦時せんじ国際こくさいほうにおいては攻撃こうげき目標もくひょう戦闘せんとう方法ほうほう戦闘せんとういん対応たいおう中立ちゅうりつこくとの関係かんけいなどがさだめられており、軍隊ぐんたいかくきゅう指揮しきかん部隊ぶたい戦闘せんとう行動こうどう規定きていしている。この戦時せんじ国際こくさいほう違反いはんすることは、国際こくさい社会しゃかいからの非難ひなんけることや、責任せきにんしゃ戦争せんそう犯罪はんざいわれることなどによって処罰しょばつされることになりる(戦時せんじ国際こくさいほう参照さんしょう)。

比喩ひゆてき用法ようほう

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物品ぶっぴん・サービスのシェア・覇権はけんあらそいなどを、現実げんじつ戦争せんそうになぞらえて「○○戦争せんそう」とばれることがある(ビデオ戦争せんそうゲーム戦争せんそうブラウザ戦争せんそうHY戦争せんそうきのこたけのこ戦争せんそうなど)。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ てき完全かんぜん殲滅せんめつして敵国てきこく抵抗ていこうりょく徹底的てっていてき破壊はかいする戦略せんりゃく
  2. ^ ベイジル・リデル=ハートは『戦争せんそうかんする考察こうさつ(Thoghts on War)』において戦争せんそう原因げんいんめれば心理しんりてきなものであるとかんがえ、ぜん感覚かんかく(あらゆる方面ほうめんにおける知覚ちかく)をもちいて戦争せんそう理解りかいしなければ、戦争せんそう防止ぼうしする展望てんぼうないとろんじた[40]
  3. ^ 戦争せんそう哲学てつがく前提ぜんていとして戦争せんそう原因げんいんろんはその性質せいしつから観察かんさつしゃ哲学てつがくてき政治せいじてき歴史れきしがくてき法学ほうがくてき立場たちばバイアスなどにおおきくかかわる。たとえば決定けっていろん立場たちば戦争せんそう原因げんいんろん考察こうさつした場合ばあい、あらゆる要因よういんがその戦争せんそう発生はっせい決定けっていけているために人間にんげん本質ほんしつてき戦争せんそう責任せきにんつことができないということとなり、原因げんいん起因きいんしたそれらしょ要素ようそとなる。
  4. ^ 国際こくさい政治せいじがくにおいて侵略しんりゃく認定にんていする条件じょうけんとして、だいいち武力ぶりょく行使こうしだい先制せんせい攻撃こうげきだいさん武力ぶりょくによる目的もくてき達成たっせい意思いし、がげられており、自衛じえい制裁せいさいなどの免責めんせき理由りゆうがないこととして価値かち中立ちゅうりつてき定義ていぎとしている。ただし、侵略しんりゃく条件じょうけんに「意思いし」がげられていることはこの定義ていぎ法律ほうりつてき性質せいしつあらわすものであり、ある特定とくてい価値かちかん存在そんざいしていると指摘してきできる。そのため、軍事ぐんじじょう事実じじつてき行為こういとして侵略しんりゃく武力ぶりょく先制せんせい使用しようであるとかんがえられている[42]

出典しゅってん

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参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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