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資本主義 - Wikipedia

資本しほん主義しゅぎ

自由じゆう主義しゅぎもとづいて生産せいさん手段しゅだん私有しゆうする資本しほんが、利益りえき獲得かくとくのために労働ろうどうしゃはたらかせて商品しょうひん生産せいさんする経済けいざいてき政治せいじてきシステム

資本しほん主義しゅぎ(しほんしゅぎ、えい: capitalism)または資本しほんせいは、国政こくせいによってよりも営利えいり目的もくてき個人こじんてき所有しょゆうものたちによって貿易ぼうえき産業さんぎょう制御せいぎょコントロール)されている、経済けいざいてき政治せいじてきシステム[1][注釈ちゅうしゃく 1]とくきん現代げんだい資本しほん主義しゅぎ根幹こんかんは、自由じゆう資本しほん主義しゅぎ・リベラルキャピタリズム(liberal capitalism)とばれており[2]資本しほん主義しゅぎ肯定こうてい擁護ようご推進すいしんする思想しそう主張しゅちょうは、普通ふつう自由じゆう主義しゅぎとされる[3][注釈ちゅうしゃく 2]資本しほん主義しゅぎもとづく社会しゃかいは「資本しほん主義しゅぎ社会しゃかい」「市民しみん社会しゃかい」「近代きんだい社会しゃかい」「ブルジョア社会しゃかいとうという[4][5]

ブラジルでのサンパウロ証券しょうけん取引とりひきしょ(2007ねん4がつ)。

資本しほん主義しゅぎ封建ほうけん主義しゅぎのちあらわれた体制たいせいである[6]産業さんぎょう革命かくめいおよび、アメリカ独立どくりつ革命かくめいフランス革命かくめいひとし資本しほん主義しゅぎ革命かくめい市民しみん革命かくめい)によって確立かくりつされた[6][7]資本しほん主義しゅぎは、一切いっさいすべてを商品しょうひんしていく「市場いちばシステム」であり、かつ、諸々もろもろ近代きんだい国家こっか蓄積ちくせき競合きょうごうをさせる「世界せかいシステム」でもあるという[8]。その主体しゅたい企業きぎょうであり、これがものざいサービス生産せいさん流通りゅうつうさせている[3]構造こうぞうてきには、資本しほん(としての生産せいさん手段しゅだん)を私有しゆうする資本しほんが、労働ろうどうしゃから労働ろうどうりょくい、それを上回うわまわ価値かちのある商品しょうひん生産せいさんし、利潤りじゅんている[6]

資本しほん主義しゅぎでは資本しほんなかうごかすおおきな権限けんげんつことになる[9][10]たいして、労働ろうどうしゃには上位じょういしゃからけた指示しじたいする諾否だくひ自由じゆうく、労働ろうどう場所ばしょ拘束こうそくされている[11]したがって、資本しほん主義しゅぎでは、資本しほんほう立場たちばつよく、資本しほん使つかわれる立場たちばである労働ろうどうしゃ立場たちばよわ[12]資本しほん主義しゅぎ弊害へいがいたいし、修正しゅうせい反対はんたいをする概念がいねん立場たちばには修正しゅうせい資本しほん主義しゅぎはん資本しほん主義しゅぎ社会しゃかい主義しゅぎ共産きょうさん主義しゅぎ経済けいざいてき国家こっか主義しゅぎ経済けいざいてきナショナリズム)[13][14][注釈ちゅうしゃく 3]国家こっか社会しゃかい主義しゅぎナチズム[15]結束けっそく主義しゅぎ(ファシズム)[15][注釈ちゅうしゃく 4]だいさんみちだいさん位置いちひとしがある。一方いっぽうで、資本しほん主義しゅぎてき自由じゆう競争きょうそうさら推進すいしんする概念がいねん立場たちばにはしん自由じゆう主義しゅぎリバタリアニズムひとしがある。

資本しほん」(英語えいご: capital)の語源ごげんは、ラテン語らてんごで「あたま」の意味いみつ「caput」で、12世紀せいきから13世紀せいきにかけて動産どうさん意味いみするようになり、さらに「資本しほん」や「資本しほん主義しゅぎ」との言葉ことば派生はせいした[17][18][19]。「資本しほん」という用語ようごは、17世紀せいきに「資本しほん所有しょゆうしゃ」との意味いみ使用しようされるようになった[20]

資本しほん主義しゅぎ」という用語ようごは、1850ねんフランス社会しゃかい主義しゅぎものルイ・ブランによって現代げんだい意味いみ使用しようされ、「わたし資本しほん主義しゅぎぶものは、あるもの他者たしゃことによる、資本しほん占有せんゆうである」としるした。また1861ねんピエール・ジョゼフ・プルードンは「資本しほん主義しゅぎ経済けいざい社会しゃかい体制たいせいでは、資本しほん労働ろうどうするものには所属しょぞくしない」としるした[21]。1867ねんより発行はっこうされたカール・マルクスフリードリヒ・エンゲルスによる著書ちょしょ資本しほんろん』での用語ようご資本しほんシステム」および「資本しほん生産せいさん様式ようしき」も、日本語にほんごやくでは「資本しほん主義しゅぎ」とされた場合ばあいおお[22]

労働ろうどうしゃ労働ろうどうりょく価値かち相当そうとうするものを生産せいさんし、余剰よじょう労働ろうどう資本しほん充当じゅうとうした時点じてんえた労働ろうどうは、絶対ぜったいてき剰余じょうよ価値かち生産せいさんである。それは「資本しほんシステム」の一般いっぱんてき土台どだい形成けいせいし、相対そうたいてき剰余じょうよ価値かち生産せいさん出発しゅっぱつてんとなる。 — 『資本しほんろん』、(カール・マルクスフリードリヒ・エンゲルス

資本しほん主義しゅぎ経済けいざい体制たいせい肯定こうていする立場たちばからは、通常つうじょうは「自由じゆう主義しゅぎ」や「自由じゆう経済けいざい」などの用語ようご使用しようされている[22]

類語るいご辞典じてんにおいて、「資本しほん主義しゅぎ」の語義ごぎは「私有しゆうけん経済けいざいシステム」であり、その類義語るいぎご商業しょうぎょう主義しゅぎ競争きょうそう民主みんしゅ主義しゅぎ産業さんぎょう主義しゅぎじゅうしょう主義しゅぎ自由じゆう企業きぎょうせい)、自由じゆう市場いちば自由じゆう放任ほうにん経済けいざい政策せいさく民間みんかん企業きぎょうなど[23]

また「資本しほん主義しゅぎ」の同義語どうぎごまたは類義語るいぎごには、以下いかもある。

概要がいよう

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生産せいさん手段しゅだん私的してき所有しょゆう利益りえきのための運用うんよう基本きほんとする経済けいざいシステムである[28] [29] [30] [31]資本しほん主義しゅぎ中心ちゅうしんてき特徴とくちょうは、私有しゆう財産ざいさん財産ざいさんけん承認しょうにん資本しほん蓄積ちくせき賃金ちんぎん労働ろうどう自発じはつてき交換こうかん価格かかく制度せいど競争きょうそう市場いちばなどである[32] [33]資本しほん主義しゅぎ市場いちば経済けいざいでは、意思いし決定けってい投資とうしは、金融きんゆう資本しほん市場いちばにおけるとみ財産ざいさん生産せいさん能力のうりょくのすべての所有しょゆうしゃによって決定けっていされるが、ざい・サービスの価格かかく分配ぶんぱいは、おもざい・サービス市場いちばにおける競争きょうそうによって決定けっていされる[34]資本しほん主義しゅぎシステムでは、権力けんりょく構造こうぞうとみ分配ぶんぱいもとづいている [35] [36]

経済けいざい学者がくしゃ政治せいじ経済けいざい学者がくしゃ社会しゃかい学者がくしゃ歴史れきしは、資本しほん主義しゅぎ分析ぶんせきにおいてことなる視点してん採用さいようし、実際じっさい資本しほん主義しゅぎ様々さまざま形態けいたい認識にんしきしてきた。これらには、自由じゆう放任ほうにん主義しゅぎ自由じゆう市場いちば資本しほん主義しゅぎ福祉ふくし資本しほん主義しゅぎ国家こっか資本しほん主義しゅぎなどがふくまれる。資本しほん主義しゅぎ様々さまざま形態けいたいは、自由じゆう市場いちば公的こうてき所有しょゆう[37]自由じゆう競争きょうそう障害しょうがい国家こっかによる社会しゃかい政策せいさく程度ていどちがいを特徴とくちょうとしている。市場いちばにおける競争きょうそう程度ていど介入かいにゅう規制きせい役割やくわり、および国家こっか所有しょゆう範囲はんいは、資本しほん主義しゅぎのモデルによってことなる[38]ことなる市場いちば自由じゆうや、また私有しゆう財産ざいさん定義ていぎする規則きそく程度ていどは、政治せいじ政策せいさく問題もんだいである。既存きそん資本しほん主義しゅぎ経済けいざいのほとんどは、自由じゆう市場いちば要素ようそ国家こっか介入かいにゅう場合ばあいによっては経済けいざい計画けいかくわせた混合こんごう経済けいざいである[39]

市場いちば経済けいざいは、様々さまざま形態けいたい政府せいふもとで、様々さまざま時代じだい場所ばしょ文化ぶんかした存在そんざいしてきた。現代げんだい資本しほん主義しゅぎ社会しゃかいは、貨幣かへいもとづく社会しゃかい関係かんけい普遍ふへん賃金ちんぎんのためにはたらかなければならない一貫いっかんしてだい規模きぼでシステム全体ぜんたいにわたる労働ろうどうしゃ階級かいきゅう生産せいさん手段しゅだん所有しょゆうする資本しほん階級かいきゅうによって特徴とくちょうづけられ、産業さんぎょう革命かくめいにつながった過程かてい西にしヨーロッパ発展はってんした。その政府せいふ直接ちょくせつ介入かいにゅう程度ていどことなる資本しほん主義しゅぎ体制たいせい西欧せいおう世界せかい支配しはいてきになり、ひろがりつづけている。時間じかん経過けいかとともに、すべての資本しほん主義しゅぎこく一貫いっかんした経済けいざい成長せいちょう生活せいかつ水準すいじゅん向上こうじょう経験けいけんしてきた[40]

資本しほん主義しゅぎ批判ひはんしゃは、資本しほん主義しゅぎは、多数たすう労働ろうどうしゃ階級かいきゅうとその労働ろうどうりょく搾取さくしゅすることによって存在そんざいする少数しょうすう資本しほん階級かいきゅう権力けんりょく確立かくりつし、社会しゃかいてき利益りえき天然てんねん資源しげん環境かんきょうよりも利益りえき優先ゆうせんし、不平等ふびょうどう腐敗ふはい経済けいざいてき不安定ふあんていせいのエンジンであると主張しゅちょうしている。支持しじしゃは、競争きょうそうつうじてより製品せいひんイノベーション提供ていきょうし、多元たげん主義しゅぎ権力けんりょく分散ぶんさん促進そくしんし、市場いちば要求ようきゅうもとづいて有用ゆうよう企業きぎょう投資とうしできる人々ひとびととみ分散ぶんさんさせ、資本しほん保護ほごするために効率こうりつせい持続じぞく可能かのうせい優先ゆうせんされる柔軟じゅうなんインセンティブシステムを可能かのうにし、つよ経済けいざい成長せいちょうし、社会しゃかいおおきな利益りえきをもたらす生産せいさんせい繁栄はんえいをもたらすと主張しゅちょうしている。

類型るいけい

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資本しほん主義しゅぎ類型るいけいには、時代じだい立場たちば観点かんてんなどにより、以下いかなどが主張しゅちょうされている。

特徴とくちょう

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一般いっぱんてきに、経済けいざいシステムおよび生産せいさん様式ようしきとしての資本しほん主義しゅぎは、つぎのように要約ようやくできる[41]

  • 資本しほん蓄積ちくせき[42]利益りえきのための生産せいさんと、生産せいさんのすべてまたはだい部分ぶぶん暗黙あんもく目的もくてきとしての蓄積ちくせき以前いぜん共通きょうつう社会しゃかいてきまたは私的してき家庭かていベースでおこなわれていた生産せいさん縮小しゅくしょうまたは排除はいじょ[43]
  • 商品しょうひん生産せいさん市場いちばでの交換こうかんのための生産せいさん使用しよう価値かちではなく交換こうかん価値かち最大さいだいすること。
  • 生産せいさん手段しゅだん私的してき所有しょゆう[44]
  • たかいレベルのちん労働ろうどう[45]
  • 利益りえきるためのおかね投資とうし[46]
  • 競合きょうごうする使用しようあいだ資源しげんてるために価格かかくメカニズムの使用しよう[44]
  • 生産せいさんプロセスの付加ふか価値かち最大さいだいによる生産せいさん要素ようそおよび原材料げんざいりょう経済けいざいてき効率こうりつてき使用しよう[47] [48]
  • 事業じぎょう投資とうし管理かんりするじょうでの資本しほん自己じこ利益りえき行動こうどうする自由じゆう[49]

自由じゆう市場いちば自由じゆう放任ほうにんかた放任ほうにん主義しゅぎ形態けいたいでは、市場いちばもっとひろ使用しようされており、価格かかく設定せっていのメカニズムにたいする規制きせい最小限さいしょうげんまたはまったくない状態じょうたいである。今日きょうではほぼ普遍ふへんてきになっている混合こんごう経済けいざい[50]では、市場いちばつづ支配しはいてき役割やくわりたしているが、市場いちば失敗しっぱい是正ぜせいし、社会しゃかい福祉ふくし促進そくしんし、天然てんねん資源しげん保護ほごし、国防こくぼう公共こうきょう安全あんぜん資金しきん供給きょうきゅうしたり、その合理ごうりてき理由りゆうのために、国家こっかによってある程度ていど規制きせいされている。国家こっか資本しほん主義しゅぎ体制たいせいでは、市場いちばへの依存いぞんもっとひくく、国家こっか資本しほん蓄積ちくせきするために国有こくゆう企業きぎょう間接かんせつてき経済けいざい計画けいかくおおきく依存いぞんしている。

供給きょうきゅうとは、購入こうにゅうまたは販売はんばいのために利用りよう可能かのうざいまたはサービスのりょうである。需要じゅようとは、人々ひとびとがある時点じてん購入こうにゅうしたいとおもっている商品しょうひん価値かち尺度しゃくどである。価格かかくは、利用りよう可能かのう資源しげんたいする需要じゅよう増加ぞうかするか、その供給きょうきゅう減少げんしょうすると上昇じょうしょうし、需要じゅようとともに下落げらくするか、または供給きょうきゅう増加ぞうかすると下落げらくする傾向けいこうがある。

複数ふくすう生産せいさんしゃおなじバイヤーにおなじかおなじようなプロダクトを販売はんばいしようとしているとき競争きょうそうこる。資本しほん主義しゅぎ理論りろん支持しじしゃ競争きょうそう革新かくしんおよびより現実げんじつてき価格かかくみちびくことをしんじる。独占どくせんカルテルは、とく競争きょうそうがない場合ばあい発展はってんする可能かのうせいがある。独占どくせん会社かいしゃ市場いちばじょう独占どくせんあたえられるときこる。それゆえに、会社かいしゃ競争きょうそうおそれがないので、出力しゅつりょく制限せいげんし、価格かかくげるなどの行動こうどうもとめてレントシーク行動こうどう従事じゅうじすることができる。カルテルは、出力しゅつりょく価格かかく制御せいぎょするために独占どくせんてき方法ほうほう一緒いっしょ行動こうどうする企業きぎょうのグループである。

政府せいふは、独占どくせんとカルテルの創造そうぞう防止ぼうしする目的もくてき法律ほうりつ実施じっししてきた。1890ねん、シャーマン独禁法どっきんほうは、独占どくせん制限せいげんするために米国べいこく議会ぎかい可決かけつされた最初さいしょ法律ほうりつとなった[51]

利益りえき動機どうき

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利益りえき動機どうきとは、資本しほん主義しゅぎ理論りろんでは、利益りえきというかたち収入しゅうにゅうたいという欲求よっきゅうのことである。いいかえれば、事業じぎょう存在そんざい理由りゆう利益りえきげることである。この利益りえき動機どうきは、合理ごうりてき選択せんたく理論りろん、すなわち個人こじん自分じぶん最善さいぜん利益りえき追求ついきゅうする傾向けいこうがあるという理論りろんもとづいて機能きのうしている。したがって、企業きぎょうは、利益りえき最大さいだいすることによって、自分じぶん自身じしん株主かぶぬし利益りえき追求ついきゅうすることになる。

資本しほん主義しゅぎ理論りろんでは、利益りえき動機どうき資源しげん効率こうりつてき配分はいぶんされていることを保証ほしょうするとわれている。たとえば、オーストリアの経済けいざい学者がくしゃヘンリー・ハズリットはつぎのように説明せつめいする。「ある記事きじつくることに利益りえきがなければ、それは生産せいさんささげられる労働ろうどうおよび資本しほんあやまって方向ほうこうづけられている兆候ちょうこうである: 記事きじつくることに使つかられなければならない資源しげん価値かち記事きじ自体じたい価値かちよりおおきい」[52]。つまり、利益りえきは、その商品しょうひん生産せいさんする価値かちがあるかどうかを企業きぎょうらせてくれるのである。理論りろんてきには、自由じゆう競争きょうそうてき市場いちば利益りえき最大さいだいすることは、資源しげん無駄むだにならないことを保証ほしょうする。

私有しゆう財産ざいさん

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国家こっかとその形式けいしきてきメカニズムと資本しほん主義しゅぎ社会しゃかいとの関係かんけいは、19世紀せいきから活発かっぱつ議論ぎろんおこなわれ、社会しゃかい理論りろん政治せいじ理論りろんおおくの分野ぶんや議論ぎろんされてきた。エルナンド・デ・ソトは、現代げんだいペルーの経済けいざい学者がくしゃであり、資本しほん主義しゅぎ重要じゅうよう特徴とくちょうは、所有しょゆうけん取引とりひき明確めいかく記録きろくされた形式けいしきてき財産ざいさん制度せいどなかで、国家こっかによる財産ざいさんけん保護ほご機能きのうしていることにあると主張しゅちょうしている[53]

デ・ソトによれば、これは、物理ぶつりてき資産しさん資本しほん変換へんかんされる過程かていであり、市場いちば経済けいざいにおいて、よりおおくの方法ほうほうで、より効率こうりつてき利用りようされる可能かのうせいがある。おおくのマルクス経済けいざい学者がくしゃは、イギリスのかこほう地域ちいきでの同様どうよう法律ほうりつは、資本しほん主義しゅぎ原始げんしてき蓄積ちくせき不可欠ふかけつ部分ぶぶんであり、私有地しゆうち所有しょゆう特定とくてい法的ほうてき枠組わくぐみは、資本しほん主義しゅぎ発展はってん不可欠ふかけつであったと主張しゅちょうしてきた[54] [55]

市場いちば競争きょうそう

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資本しほん主義しゅぎ経済けいざいがくでは、市場いちば競争きょうそうとは、価格かかく製品せいひん流通りゅうつう、プロモーションなどのマーケティングミックス要素ようそ変化へんかさせることで、利益りえき市場いちばシェア、販売はんばいりょう増加ぞうかなどの目標もくひょう達成たっせいしようとするあいだ競争きょうそうである。メリアム-ウェブスターは、ビジネスにおける競争きょうそうを「もっと有利ゆうり条件じょうけん提供ていきょうすることによって、第三者だいさんしゃのビジネスを確保かくほするために独立どくりつして行動こうどうする2つ以上いじょう当事とうじしゃ努力どりょく」と定義ていぎしている[56]。それは、アダム・スミスの『国富こくふろん』(1776ねん)とのち経済けいざい学者がくしゃによって、生産せいさんてき資源しげんもっとたか評価ひょうかされた用途ようと配分はいぶんすることが効率こうりつたかめるするものとして説明せつめいされた。スミスをはじめとするアントワーヌ・オーギュスタン・クールノー以前いぜん古典こてんてき経済けいざい学者がくしゃは、入札にゅうさつによる最良さいりょう条件じょうけん商品しょうひん販売はんばいするための生産せいさんしゃあいだ価格かかく価格かかく競争きょうそう言及げんきゅうしていたが、これはかならずしも多数たすうがいるわけでもなく、また最終さいしゅうてき均衡きんこう状態じょうたいにある市場いちばでもない[57]競争きょうそうは、市場いちばのプロセス全体ぜんたい蔓延まんえんしている。それは、「競争きょうそうし、競争きょうそうする傾向けいこうがある」状態じょうたいである[58]交換こうかんのために商品しょうひん提供ていきょうするさいに、は、がそのような商品しょうひん提供ていきょうすることを選択せんたくした場合ばあい利用りよう可能かのうであるか、または利用りよう可能かのうであるかもしれない特定とくてい商品しょうひん特定とくていりょう購入こうにゅうするために競争きょうそうてき入札にゅうさつする。同様どうように、は、市場いちば商品しょうひん提供ていきょうするさいに、たいして入札にゅうさつおこない、注目ちゅうもく交換こうかん資源しげんきそう。競争きょうそう希少きしょうせいからしょうじる-かんがえられるすべての人間にんげん欲求よっきゅうたすのに十分じゅうぶんなことはけっしてない-そして「人々ひとびとだれなにるかを決定けっていするのに使用しようされている基準きじゅんたすために努力どりょくするとき」こる[58]

経済けいざい成長せいちょう

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世界せかい一人ひとりたりのGDPは、産業さんぎょう革命かくめい開始かいし以来いらい指数しすう関数かんすうてき成長せいちょうしめしている[59]
 
資本しほん主義しゅぎ中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく経済けいざい

歴史れきしてきに、資本しほん主義しゅぎは、国内こくないそう生産せいさん(GDP)、生産せいさん能力のうりょく利用りようりつ、または生活せいかつ水準すいじゅんによって測定そくていされる経済けいざい成長せいちょう促進そくしんする能力のうりょくっている。この議論ぎろんは、たとえばアダム・スミスが自由じゆう市場いちば生産せいさん価格かかくをコントロールさせ、資源しげん配分はいぶんすることを提唱ていしょうしたさいに、中心ちゅうしんとなったものである。おおくの理論りろんは、世界せかいのGDPが時間じかん経過けいかとともに増加ぞうかしたことは、近代きんだいてき世界せかい資本しほん主義しゅぎシステムの出現しゅつげん一致いっちしていると指摘してきしている[60] [61]

1000ねんから1820ねんあいだに、世界せかい経済けいざい人口じんこう増加ぞうかりつの6ばいはやさで成長せいちょうしたため、個人こじん所得しょとく平均へいきんして50%増加ぞうかした。1820ねんから1998ねんあいだに、世界せかい経済けいざいは50ばい成長せいちょうし、人口じんこう増加ぞうかよりもはるかにはや速度そくど成長せいちょうしたため、個人こじん平均へいきんで9ばい所得しょとく増加ぞうか享受きょうじゅした[62]。このあいだ、ヨーロッパ、北米ほくべいオーストラレーシアでは、これらの地域ちいきではすでに物価ぶっか水準すいじゅんたかかったにもかかわらず、一人ひとりたりの経済けいざい成長せいちょうりつは19ばい、1820ねんまずしかった日本にっぽんでは一人ひとりたりの経済けいざい成長せいちょうりつは31ばいとなっている。だいさん世界せかいでは、増加ぞうかはあったが、一人ひとりたりの増加ぞうかは5ばいぎなかった[62]

生産せいさん形態けいたいとして

編集へんしゅう

資本しほん主義しゅぎてき生産せいさん様式ようしきとは、資本しほん主義しゅぎ社会しゃかいうち生産せいさん分配ぶんぱい組織そしきするシステムをす。資本しほん主義しゅぎてき生産せいさん様式ようしき発展はってん先立さきだって、様々さまざま形態けいたい私的してき金儲かねもうけ(賃貸ちんたい銀行ぎんこう商人しょうにん貿易ぼうえき利益りえきのための生産せいさんなど)がおこなわれていた。賃金ちんぎん労働ろうどう生産せいさん手段しゅだん私有しゆう工業こうぎょう技術ぎじゅつもとづく資本しほん主義しゅぎてき生産せいさん様式ようしきは、産業さんぎょう革命かくめいから西欧せいおう急速きゅうそく成長せいちょうはじめ、のち世界せかいだい部分ぶぶん拡大かくだいした。

資本しほん主義しゅぎてき生産せいさん様式ようしきという用語ようごは、生産せいさん手段しゅだん私的してき所有しょゆう資本しほん蓄積ちくせき目的もくてきとした所有しょゆう階級かいきゅうによる余剰よじょう価値かち抽出ちゅうしゅつ賃金ちんぎんベースの労働ろうどうすくなくとも商品しょうひんかんしては市場いちばベースであることによって定義ていぎされる[63]

金儲かねもう活動かつどうかたちをした資本しほん主義しゅぎは、文明ぶんめい誕生たんじょう以来いらい単純たんじゅん商品しょうひん生産せいさん従事じゅうじする消費しょうひしゃ生産せいさんしゃあいだ仲介ちゅうかいしゃとして行動こうどうする商人しょうにん貸金かしきん業者ぎょうしゃかたち存在そんざいしてきた(それゆえ、「商人しょうにん資本しほん主義しゅぎ」とばれている)。「資本しほん主義しゅぎてき生産せいさん様式ようしき」に特有とくゆうなのは、生産せいさんのインプットとアウトプットのだい部分ぶぶん市場いちばつうじて供給きょうきゅうされ(すなわち、それらは商品しょうひんである)、本質ほんしつてきにすべての生産せいさんがこの様式ようしきであるということである[64]対照たいしょうてきに、繁栄はんえいしている封建ほうけん主義しゅぎでは、労働ろうどうふく生産せいさん要因よういんのほとんどまたはすべてが、封建ほうけんてき支配しはいかいきゅうによって完全かんぜん所有しょゆうされ、プロダクトはまた、いかなる種類しゅるい市場いちばなしで消費しょうひされるかもしれず、それは封建ほうけんてき社会しゃかいてき単位たんいない使用しようのための生産せいさんであり、かぎられた貿易ぼうえきのためのものである[65]。このことは、資本しほん主義しゅぎしたでは、生産せいさんプロセスの組織そしき全体ぜんたいが、社会しゃかい全体ぜんたい直面ちょくめんしているよりおおきな合理ごうりてき文脈ぶんみゃくよりも、投入とうにゅうぶつ出力しゅつりょくぶつ賃金ちんぎん労働ろうどう要素ようそコスト、売上うりあげだか利益りえき)のあいだ価格かかく関係かんけい表現ひょうげんされる資本しほん主義しゅぎ制限せいげんされた経済けいざい合理ごうりせい適合てきごうするように、さい編成へんせいされ、さい編成へんせいされるという重要じゅうよう結果けっかをもたらすのである。本質ほんしつてきに、資本しほん蓄積ちくせきは、資本しほん主義しゅぎ生産せいさんにおける経済けいざいてき合理ごうりせい定義ていぎするようになる[66]

社会しゃかい地域ちいき国家こっかは、分配ぶんぱいされている所得しょとく製品せいひん主要しゅよう供給きょうきゅうげん資本しほん主義しゅぎてき活動かつどうであれば資本しほん主義しゅぎてきであるが、そうであっても資本しほん主義しゅぎてき生産せいさん様式ようしきがその社会しゃかい支配しはいてきであることをかならずしも意味いみするものではない。

近代きんだいとの関連かんれん

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近代きんだい」とは「封建ほうけんてきなものをはいして、物事ものごと科学かがくてき合理ごうりてきおこなうようにすること」であり、「産業さんぎょう資本しほん主義しゅぎ民主みんしゅとうとして認識にんしきされる[67]

合理ごうり主義しゅぎ法治ほうち主義しゅぎ世俗せぞく主義しゅぎ

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バード大学だいがく教授きょうじゅイアン・ブルマおよびヘブライ大学だいがく名誉めいよ教授きょうじゅアヴィシャイ・マルガリートによれば、19世紀せいきロンドンのような都市とし文明ぶんめいでは、過大かだいとみ均衡きんこうがあったと同時どうじに、都市とし個人こじん自由じゆう相当そうとう保証ほしょうされてもいた[68]。そのたね自由じゆう起源きげんマグナ・カルタだい憲章けんしょう)までさかのぼるが、啓蒙けいもう主義しゅぎうところもおおきい[68]

啓蒙けいもう主義しゅぎしゃ合理ごうり主義しゅぎものヴォルテールは、1726ねんイギリス亡命ぼうめいし、自由じゆうたたえ、専制せんせい主義しゅぎへの攻撃こうげき開始かいしした[68]。ヴォルテールは当代とうだい随一ずいいち論客ろんかくであり、議論ぎろんじょういくらかの誇張こちょういなめないが、するど観察かんさつのこしたことは確実視かくじつしされている[68]。ヴォルテールが賞賛しょうさんしたもののなかには、科学かがく探求たんきゅう自由じゆう思想家しそうかたか地位ちいならんで「王立おうりつ証券しょうけん取引とりひきしょ」もあった[69]。それは

すべてのくに代表だいひょう人類じんるい利益りえきのためにあつまってくる、大抵たいてい裁判所さいばんしょよりもたっとばれるべき場所ばしょ

だとヴォルテールはべた[70]フランス商人しょうにん階級かいきゅうブルジョア階級かいきゅう)は、貴族きぞく文化ぶんかじんから見下みくだされていたが、ヴォルテールは商業しょうぎょうこそ人間にんげん自由じゆう確保かくほするための重要じゅうよう条件じょうけんなした[70]王立おうりつ証券しょうけん取引とりひきしょについてヴォルテールは

ユダヤじんかい教徒きょうとムスリム]、キリスト教徒きりすときょうとが、まるでおなかみ崇拝すうはいするかのようにたがいにせっしている。この不信心ふしんじんしゃとされるのは破産はさんものだけだ。

ともしるした[70]。ヴォルテールがったように、金銭きんせん信条しんじょう人種じんしゅといったちがいを解消かいしょうする[70]市場いちばではだれもが、共通きょうつう規則きそく契約けいやく法律ほうりつむすけられている[70]。そのような共通きょうつう制度せいどは(先祖せんぞ代々だいだいからのかみによって啓示けいじされたものではなく)、個々ここ所有しょゆうぶつまもり、他人たにんあざむかれるリスク削減さくげんのために人間にんげんつくったものである[70]市場いちばでは、まれはあまり重要じゅうようではなく、村落そんらく氏族しぞくあいだではある程度ていど有効ゆうこうだった慣習かんしゅうにも、たよることはできない[70]合理ごうりせい重視じゅうしすることにより、世俗せぞくてき通商つうしょうほう絶賛ぜっさんされた[70]

世界せかいてきに、近代きんだい世俗せぞくともなっている[71]。そのため通念つうねんじょう産業さんぎょう革命かくめい経験けいけんした西洋せいよう地域ちいきくらべて劇的げきてきゆたかになった一方いっぽう過去かこ伝統でんとう農業のうぎょうはなされた、とわれる[71]産業さんぎょうには科学かがく技術ぎじゅつえざる応用おうようともない、それは必然ひつぜんてき世俗せぞくつながっている[71]何故なぜなら、産業さんぎょう社会しゃかいにおける合理ごうりてき生産せいさんは、物事ものごとがどのように機能きのうするのかといういかけや、原因げんいん結果けっかえざる探求たんきゅうくしては成立せいりつしないからである[71]。それは、因果いんが関係かんけい曖昧あいまいする宗教しゅうきょうの「呪縛じゅばく」を除去じょきょし、マックス・ヴェーバーぶところの「世界せかい覚醒かくせい」(だつ宗教しゅうきょう)をもたらした[72]

だつ伝統でんとうだつ宗教しゅうきょう経済けいざい成長せいちょうむすびつける近代きんだいイメージは、とく西洋せいよう世界せかい改革かいかく推進すいしん勢力せいりょくあいだ説得せっとくりょくった[73]。そのイメージは完全かんぜんには間違まちがっていなかったが、はん改革かいかく宗教しゅうきょうてき勢力せいりょく同様どうように、改革かいかく結論けつろん極端きょくたん方向ほうこうはしりがちだった[73]

自由じゆう主義しゅぎ民主みんしゅ主義しゅぎ平和へいわ主義しゅぎ

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自由じゆう民主みんしゅ主義しゅぎは、商業しょうぎょうくに最適さいてき政治せいじ制度せいどとされている[74]。このシステムでは競争きょうそうい、利益りえき相違そうい交渉こうしょう妥協だきょうつうじて解決かいけつすることが前提ぜんていとなっている[74]当然とうぜん、そのような制度せいどは「英雄えいゆうまと」ではなく、はん民主みんしゅ主義しゅぎからは「卑劣ひれつ」「軟弱なんじゃく」「凡庸ぼんよう」「腐敗ふはいとうなされてきた[75])。いちれいはアメリカの民主みんしゅ主義しゅぎであり、アレクシ・ド・トクヴィル以下いかのようにろんじている[76]

もしも人間にんげんてき道徳どうとくてき活動かつどう現実げんじつ生活せいかつ必要ひつようせいみ、生活せいかつ向上こうじょう役立やくだてたいのならば、
もしも理性りせいほう天才てんさいよりもひとやくつとかんがえるならば、
もしも英雄えいゆうてき美徳びとくではなくおだやかな習慣しゅうかん創造そうぞうのぞむならば、
もしも政府せいふおも目的もくてきが、最強さいきょうちから国家こっか全体ぜんたい栄光えいこう獲得かくとくではなく、すべての個人こじん最大さいだい幸福こうふく提供ていきょうすることであるならば、

条件じょうけん平等びょうどうととのえて民主みんしゅてき政府せいふ確立かくりつするのがいだろう。

19世紀せいき中頃なかごろのアメリカ訪問ほうもんちゅうには、こうべている[77]

すべてのひと積極せっきょくてき野心やしんにみなぎるこのくにでは、崇高すうこう理想りそう希薄きはくである。

実際じっさいには民主みんしゅ主義しゅぎ戦争せんそう相性あいしょうわるくなく、近代きんだいでは、民主みんしゅ主義しゅぎ国家こっか独裁どくさい政権せいけんにことごとく勝利しょうりしている[78]。しかしトクヴィルの見解けんかいによると、民主みんしゅ主義しゅぎ市民しみんゾンバルトう「ブルジョア」や「商人しょうにん」)は、生命せいめいをかけて戦闘せんとうすることを簡単かんたんには受容じゅようしない[78]

自由じゆう民主みんしゅ主義しゅぎ資本しほん主義しゅぎは、「英雄えいゆうまと信条しんじょうとはことなり、自由じゆう思想しそうリベラリズム)にちか[79]観点かんてんによっては、自由じゆう社会しゃかいリベラル社会しゃかい)は「凡庸ぼんようさ」を奨励しょうれいさえしている[79]ナチス・ドイツ国家こっか主義しゅぎものアルトゥール・メラー・ファン・デン・ブルックは、リベラル社会しゃかいでは自由じゆうあたえられ、「際立きわだった人生じんせいよりもありふれた日常にちじょう」におもきがかれるとており、そのてんではトクヴィルも類似るいじしている[79]。すなわちリベラルな資本しほん主義しゅぎ社会しゃかいでは、だい多数たすう人々ひとびとは「普通ふつう生活せいかつ」をおく[80]ピューリタン伝統でんとうのっとり、自由じゆう主義しゅぎしゃ(リベラル)は普通ふつうきることをれた[80]。そして17世紀せいきオランダ絵画かいがイギリス文学ぶんがくジェーン・オースティン小説しょうせつ)がえがいたように、凡庸ぼんよう日常にちじょう生活せいかつにも威厳いげんがあり、それは嘲笑ちょうしょうするのではなく大切たいせつはぐくむべきだというかんがえも確立かくりつされていった[80]英雄えいゆう主義しゅぎ結束けっそく主義しゅぎ(ファシズム)とうは、これに対立たいりつする[80]

すべての近代きんだいヨーロッパ思想しそうなかで、西洋せいよう知識ちしきじんもっと受容じゅようされたのはドイツナショナリズムだとかんがえられる[81]たとえばナチズム国家こっか社会しゃかい主義しゅぎ)は、ス党すとう(アラブ社会しゃかい主義しゅぎ復興ふっこうとう)へ多大ただい影響えいきょうあたえている[82]。その理由りゆうとしてはドイツのナショナリズムが、近代きんだい西洋せいよう普遍ふへんせい主張しゅちょう反発はんぱつするものだったことがげられている[82]

たんなる私有しゆう財産ざいさんせい古代こだいアテナイローマにも存在そんざいしたものの、近代きんだい資本しほん主義しゅぎ形成けいせいは、ルネサンス初期しょきフィレンツェのような都市とし国家こっかにおける農耕のうこう資本しほん主義しゅぎじゅうしょう主義しゅぎ出現しゅつげんさかのぼることができる[83]。「資本しほん」は商人しょうにん賃貸ちんたいじん貸出かしだしじん賃金ちんぎん労働ろうどうしゃやそれにともな小規模しょうきぼ工業こうぎょうなどにおいて、なに世紀せいきにもわたり小規模しょうきぼながら存在そんざいしていたが[84]、そのなかこる単純たんじゅん商品しょうひん交換こうかん生産せいさんは、貿易ぼうえきから資本しほん成長せいちょうしてゆく最初さいしょ過程かていであり、その歴史れきし非常ひじょうながい。たとえばイスラーム黄金おうごん時代じだい、アラブじん自由じゆう貿易ぼうえき銀行ぎんこうぎょうなどの資本しほん主義しゅぎ経済けいざい政策せいさくひろめ、またインド・アラビア数字すうじ使用しよう簿記ぼき容易よういにし、これらの技術ぎじゅつ革新かくしんはヴェネツィアやピサといった都市とし貿易ぼうえき相手あいてつうじてヨーロッパにつたわった[85]

農奴のうどせい崩壊ほうかい

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16世紀せいきイングランドでは、荘園しょうえん制度せいど崩壊ほうかいし、すで広大こうだい領地りょうち少数しょうすう地主じぬし土地とち集中しゅうちゅうはじめた。これによって農奴のうどせいわりに、労働ろうどうしゃ拡大かくだいする貨幣かへい経済けいざい一部いちぶとして雇用こようされるようになった。この制度せいどは、地主じぬし借地しゃくちじん双方そうほうに、農業のうぎょう生産せいさんせいたかめて利益りえきげるよう圧力あつりょくをかけることとになる。農民のうみん余剰よじょう利益りえき貴族きぞく強制きょうせいりょくよわまったことで、農民のうみんはより効率こうりつてき方法ほうほうためすようになり、借地しゃくちじんもまた、競争きょうそうはげしい労働ろうどう市場いちば利益りえきもうとする動機どうきた。これらの発展はってんから、土地とち賃貸ちんたい条件じょうけんはそれまでの慣習かんしゅう封建ほうけんてき義務ぎむによる停滞ていたいしたシステムではなく、経済けいざい市場いちばちからしたがうようになった[86][87]

産業さんぎょう革命かくめい初期しょき資本しほん主義しゅぎ

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18世紀せいきなかイギリスより産業さんぎょう革命かくめい発生はっせいし、デイヴィッド・ヒュームアダム・スミスらのあたらしい経済けいざい理論りろんグループは、従来じゅうらいじゅうしょう主義しゅぎ異議いぎとなえ、市場いちば経済けいざいでは自己じこ利益りえきのための投資とうしが「えざる」により全体ぜんたい効率こうりつ成長せいちょうみちびかれる、とした(古典こてん経済けいざいがく)。他方たほう手工業しゅこうぎょう生産せいさん衰退すいたいかこなどにより、伝統でんとうてき共同きょうどうたい崩壊ほうかいし、都市とし労働ろうどうしゃ増大ぞうだいして労働ろうどうしゃ階級かいきゅうプロレタリアート)が形成けいせいされ、劣悪れつあく労働ろうどう条件じょうけんてい賃金ちんぎん拡大かくだいした。このためシャルル・フーリエらは社会しゃかい改革かいかく提唱ていしょうした(空想くうそうてき社会しゃかい主義しゅぎ)。

1780年代ねんだいからのフランス革命かくめいなどの市民しみん革命かくめい(ブルジョア革命かくめい)では、私有しゆう財産ざいさんせい確立かくりつして経済けいざいてき自由じゆう主義しゅぎ拡大かくだいした一方いっぽう経済けいざいてき平等びょうどう重視じゅうしする立場たちばから社会しゃかい主義しゅぎ登場とうじょうした。1867ねんカール・マルクスフリードリヒ・エンゲルスらは『資本しほんろん』で、資本しほん主義しゅぎ拡大かくだいにより国家こっか役割やくわり縮小しゅくしょうするが、資本しほん主義しゅぎ本質ほんしつ資本しほんによる労働ろうどうしゃからの搾取さくしゅであり、資本しほんとみ蓄積ちくせき労働ろうどうしゃ貧困ひんこん蓄積ちくせきするため、必然ひつぜんてき革命かくめい発生はっせいして、資本しほん主義しゅぎ社会しゃかい生産せいさん手段しゅだん私的してき所有しょゆう)から社会しゃかい主義しゅぎ社会しゃかい生産せいさん手段しゅだん社会しゃかいてき所有しょゆう)に移行いこうするとした(マルクス経済けいざいがく)。

18世紀せいき後半こうはんアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく独立どくりつ以降いこうロックフェラーモルガンメロンさんだい財閥ざいばつ市場いちば独占どくせんし、自由じゆう競争きょうそうさまたげているとして独占どくせん禁止きんしほうはんトラストほう)が制定せいていされ、法廷ほうてい闘争とうそうおこなわれた。

日本にっぽんでは幕末ばくまつ開港かいこう貿易ぼうえき契機けいき商業しょうぎょう高利貸こうりかし資本しほん蓄積ちくせきおこなわれるようになり、明治維新めいじいしん明治めいじ政府せいふによるうえからの殖産しょくさん興業こうぎょう政策せいさくうながされて成長せいちょうげ、政商せいしょう資本しほん銀行ぎんこう資本しほん形成けいせいするようになり、官営かんえい事業じぎょう払下はらいさげや紙幣しへい整理せいりつうじて、それらが産業さんぎょう資本しほん変化へんかしたことで資本しほん主義しゅぎ日本にっぽんにおいて成立せいりつして軌道きどうにのったというのが一般いっぱんてき評価ひょうかである。欧米おうべいで18世紀せいききた産業さんぎょう革命かくめい日本にっぽんでは1870年代ねんだいからはじまったとかんがえられている。にちしん戦争せんそうをはさむ1880年代ねんだいから1890年代ねんだい軽工業けいこうぎょう中心ちゅうしんとするだい産業さんぎょう革命かくめいにち戦争せんそうをはさむ1890年代ねんだいから1900年代ねんだいには重工業じゅうこうぎょう中心ちゅうしんとするだい産業さんぎょう革命かくめいおこなわれた[88]

他方たほう原始げんし社会しゃかい奴隷どれいせい封建ほうけん主義しゅぎ資本しほん主義しゅぎ社会しゃかい主義しゅぎ」という歴史れきし発展はってん段階だんかいろんマルクス主義まるくすしゅぎしゃあいだでは日本にっぽんにいつ資本しほん主義しゅぎ成立せいりつしたのか、あるいはしていないのかが、とく戦前せんぜん論争ろんそうになった。労農ろうのう明治維新めいじいしん不徹底ふてっていながらブルジョア革命かくめいなし維新いしん日本にっぽん封建ほうけん主義しゅぎてき部分ぶぶんのこしながらも近代きんだい資本しほん主義しゅぎ社会しゃかい評価ひょうかすることは可能かのうであり、したがって社会しゃかい主義しゅぎ革命かくめい可能かのうとする立場たちばだったが、共産党きょうさんとうけい講座こうざはそれに反対はんたいし、「はん封建ほうけんてき絶対ぜったい主義しゅぎ天皇てんのうせい」の支配しはい強調きょうちょうして、まずブルジョア民主みんしゅ主義しゅぎ革命かくめいこす必要ひつようがあり、それを社会しゃかい主義しゅぎ革命かくめい転化てんかする段階だんかい革命かくめい必要ひつよう主張しゅちょうしていた(日本にっぽん資本しほん主義しゅぎ論争ろんそう[89]

だいいち世界せかい大戦たいせん世界せかい恐慌きょうこう修正しゅうせい資本しほん主義しゅぎ

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1914ねんだいいち世界せかい大戦たいせん、1917ねんロシア革命かくめい発生はっせいして社会しゃかい主義しゅぎこく誕生たんじょうし、産業さんぎょう公有こうゆう計画けいかく経済けいざいおこなった。1917ねん ウラジーミル・レーニンは『帝国ていこく主義しゅぎろん』で、現在げんざい資本しほん主義しゅぎ独占どくせん資本しほん主義しゅぎ転化てんかし、植民しょくみん搾取さくしゅにより延命えんめいする帝国ていこく主義しゅぎである、とした。各国かっこく社会しゃかい主義しゅぎ運動うんどう分裂ぶんれつし、資本しほん主義しゅぎわくないでの社会しゃかい改良かいりょう目指めざものは「社会しゃかい民主みんしゅ主義しゅぎ」、レーニンりゅう革命かくめい目指めざものは「共産きょうさん主義しゅぎ」とばれるようになった。

1929ねん世界せかい恐慌きょうこうにより大量たいりょう失業しつぎょうしゃ発生はっせいして社会しゃかい不安ふあん増大ぞうだいし、従来じゅうらい資本しほん主義しゅぎ理論りろんレッセフェール景気けいき循環じゅんかん理論りろん)への懐疑かいぎひろがった。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくケインズ経済けいざいがく有効ゆうこう需要じゅよう理論りろん採用さいようニューディール政策せいさく実施じっしした(修正しゅうせい資本しほん主義しゅぎ)。イギリスフランスブロック経済けいざい政策せいさくにより自由じゆう貿易ぼうえき制限せいげんした。広大こうだい植民しょくみんたない諸国しょこくでは、イタリアファシズム結束けっそく主義しゅぎ)はだいさん位置いちとしてコーポラティズムによる経済けいざい提唱ていしょうし、ドイツナチズム国家こっか社会しゃかい主義しゅぎ)はだい規模きぼ雇用こよう創出そうしゅつおこなって生存せいぞんけん主張しゅちょうし、日本にっぽんでは統制とうせいにより統制とうせい経済けいざい大陸たいりく侵出しんしゅつすすめられた(あつまりさん主義しゅぎ軍事ぐんじケインズ主義しゅぎ国家こっか総動員そうどういん体制たいせい)。

だい世界せかい大戦たいせん

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冷戦れいせん発生はっせいにより、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく西にしヨーロッパは「西側にしがわ自由じゆう主義しゅぎ資本しほん主義しゅぎ陣営じんえい」、ソビエト連邦れんぽうひがしヨーロッパなどは「東側ひがしがわ社会しゃかい主義しゅぎ共産きょうさん主義しゅぎ陣営じんえい」などとばれ、体制たいせい競争きょうそうおこなわれた。とくにヨーロッパの資本しほん主義しゅぎ諸国しょこくでは労働ろうどう条件じょうけん改善かいぜん労働ろうどう組合くみあい重視じゅうし社会しゃかい保障ほしょうなどのとみさい分配ぶんぱい主要しゅよう産業さんぎょう国営こくえいなどがすすめられ、混合こんごう経済けいざいすすんだ(社会しゃかいてき市場いちば経済けいざい福祉ふくし国家こっかろん)。まただい世界せかい大戦たいせんこした経済けいざい対立たいりつ原因げんいんにブロック経済けいざいがあったとの反省はんせいにより、GATTWTO協定きょうていなどの世界せかい自由じゆう貿易ぼうえき推進すいしんされた。アメリカでは大量たいりょう生産せいさん大量たいりょう消費しょうひ経済けいざい拡大かくだいした(フォーディズム)。社会しゃかい主義しゅぎこくでは、西側にしがわ諸国しょこくによる経済けいざい封鎖ふうさ軍事ぐんじ負担ふたん技術ぎじゅつ革新かくしんおくれ、官僚かんりょう主義しゅぎによる効率こうりつなどもあり、1991ねん ソビエト連邦れんぽう崩壊ほうかい発生はっせいし、中国ちゅうごくでは改革かいかく開放かいほう、ベトナムではドイモイ政策せいさくすすめられた(社会しゃかい主義しゅぎ市場いちば経済けいざい)。

1970ねん以降いこうミルトン・フリードマンらはケインズ主義しゅぎ批判ひはんし、市場いちば原理げんり拡大かくだい提唱ていしょうした(しん古典こてん経済けいざいがくマネタリズムしん自由じゆう主義しゅぎ)。チリではチリの奇跡きせき、イギリスではサッチャリズム、アメリカではレーガノミクス日本にっぽんでは小泉こいずみ改革かいかくなどの規制きせい緩和かんわ民営みんえいなどがすすめられた。グローバリゼーション拡大かくだいにより、各国かっこく政府せいふ権限けんげん国籍こくせき企業きぎょうへの規制きせい縮小しゅくしょうによる雇用こよう安全あんぜんへの脅威きょういや、格差かくさ社会しゃかい拡大かくだい主張しゅちょうされた(はんグローバリズム)。また1990年代ねんだいインターネット普及ふきゅうは、IT革命かくめいによる経済けいざい効率こうりつ情報じょうほう格差かくさ主張しゅちょうされた。

2013ねんトマ・ピケティ著書ちょしょ21世紀せいき資本しほん』で、長期ちょうきてきには資本しほん収益しゅうえきりつ経済けいざい成長せいちょうりつよりおおきく、とみ蓄積ちくせきされ格差かくさ拡大かくだいするため、格差かくさ是正ぜせいには世界せかいてき政治せいじてきさい配分はいぶん必要ひつようとした。

資本しほん主義しゅぎかんする経済けいざい理論りろん学派がくはには以下いかがある。ただしおおくの学派がくはめい他称たしょうであり、その分類ぶんるいにも議論ぎろんがある。

古典こてん経済けいざいがく

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18世紀せいき後半こうはん以降いこうアダム・スミストマス・ロバート・マルサスデヴィッド・リカードなどのイギリス経済けいざい学者がくしゃ代表だいひょうされる。従来じゅうらいじゅうしょう主義しゅぎ批判ひはんし、労働ろうどう価値かちせつ提唱ていしょうした。またじゅうのう主義しゅぎによるレッセフェール自由じゆう放任ほうにん)の概念がいねん使用しようし、個人こじん利己りこてき経済けいざい活動かつどうが、自由じゆう市場いちばの「えざる」(需要じゅよう供給きょうきゅうによる価格かかく決定けっていメカニズム)によって、全体ぜんたいとして資源しげん最適さいてき配分はいぶんとなるとした。なおジョン・スチュアート・ミル功利こうり主義しゅぎもとづく自由じゆう主義しゅぎ重視じゅうしする一方いっぽう貧富ひんぷ植民しょくみん増大ぞうだい懸念けねんし、政府せいふさい分配ぶんぱい機能きのう重視じゅうしして社会しゃかい民主みんしゅ主義しゅぎなどの改良かいりょう主義しゅぎ影響えいきょうあたえた。

マルクス経済けいざいがく

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19世紀せいき後半こうはん以降いこうカール・マルクスフリードリヒ・エンゲルスらは、古典こてん経済けいざいがく労働ろうどう価値かちせつ批判ひはんてき継承けいしょうして剰余じょうよ価値かちせつ提唱ていしょうし、資本しほん主義しゅぎ本質ほんしつ資本しほんによる労働ろうどうしゃ搾取さくしゅとした。また資本しほん主義しゅぎ普遍ふへんてきなものではなく歴史れきしてきなものであり、資本しほん主義しゅぎ矛盾むじゅん累積るいせきすると最終さいしゅうてきには革命かくめい発生はっせいし、社会しゃかい主義しゅぎ社会しゃかい生産せいさん手段しゅだん社会しゃかいてき共有きょうゆう)に移行いこうするとした。ルドルフ・ヒルファーディング金融きんゆう資本しほんろん提唱ていしょうし、ウラジーミル・レーニン帝国ていこく主義しゅぎろん提唱ていしょうして帝国ていこく主義しゅぎ資本しほん主義しゅぎ最終さいしゅう段階だんかいであり植民しょくみん主義しゅぎにより延命えんめいしているとした。

オーストリア学派がくは

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19世紀せいき後半こうはん以降いこうカール・メンガーらは、古典こてん経済けいざいがく労働ろうどう価値かちせつ生産せいさんせつたいし、功利こうり主義しゅぎによる限界げんかい効用こうよう理論りろんもとづいて消費しょうひざい価格かかく説明せつめいした(限界げんかい革命かくめい)。またフリードリヒ・ハイエク経験けいけんろん重視じゅうしした自由じゆう主義しゅぎとなえ、理性りせい主義しゅぎ合理ごうり主義しゅぎ批判ひはんし、それらにもとづく計画けいかく経済けいざい社会しゃかい主義しゅぎファシズム全体ぜんたい主義しゅぎ)を批判ひはんした。

しん古典こてん経済けいざいがく

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19世紀せいき後半こうはん以降いこうしん古典こてん経済けいざいがく(ネオクラシカル)は、アルフレッド・マーシャルなど古典こてん経済けいざいがく伝統でんとう重視じゅうしする限界げんかい効用こうよう理論りろん以降いこう学派がくはであり、市場いちば経済けいざい重視じゅうしするが、市場いちば失敗しっぱいへの対応たいおうなど政府せいふ役割やくわりみとめる。なお1970年代ねんだい以降いこうあたらしい古典こてん(ニュー・クラシカル)は、ネオクラシカルの枠組わくぐみに、ミクロてき基礎きそづけを重視じゅうしする。

アメリカ学派がくは

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19世紀せいき後半こうはんから20世紀せいき前半ぜんはんアレクサンダー・ハミルトンらのアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくのマクロ経済けいざいがくてき政策せいさく製造せいぞうぎょう支援しえんするために保護ほご貿易ぼうえき主義しゅぎ提唱ていしょうし、交通こうつう機関きかんなどインフラ建設けんせつ政府せいふ投資とうしし、国営こくえい銀行ぎんこう投資とうし投機とうきよりも商業しょうぎょう経済けいざい成長せいちょう促進そくしんした。

ケインズ経済けいざいがく

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20世紀せいき前半ぜんはんジョン・メイナード・ケインズらは、古典こてん経済けいざいがくセイの法則ほうそく供給きょうきゅうはそれみずからの需要じゅようす)や古典こてん公準こうじゅん賃金ちんぎん変動へんどうにより雇用こよう調整ちょうせいされる)を中心ちゅうしんとした自由じゆう放任ほうにん経済けいざい批判ひはんし、有効ゆうこう需要じゅよう理論りろんにより政府せいふ需要じゅよう創出そうしゅつおこな経済けいざい拡大かくだいすることにより、実在じつざいしている自発じはつてき失業しつぎょうくせると提唱ていしょうして、ニューディール政策せいさくおおきな影響えいきょうあたえた。

シカゴ学派がくは

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1920年代ねんだい以降いこう、シカゴ学派がくはミクロ経済けいざいがくてき手法しゅほう多種たしゅ多様たよう分野ぶんや適用てきようした。オスカル・ランゲ世界せかい恐慌きょうこう市場いちば経済けいざい社会しゃかい主義しゅぎ導入どうにゅうした市場いちば社会しゃかい主義しゅぎ提唱ていしょうした。ミルトン・フリードマンらは実証じっしょう主義しゅぎ重視じゅうしし、ケインズ主義しゅぎ有効ゆうこう需要じゅよう理論りろん批判ひはんし、マネーサプライ重視じゅうししてマネタリズムばれ、さらしん自由じゆう主義しゅぎともばれた。またロナルド・コースらはしん制度せいど経済けいざいがくほう経済けいざいがくなどの分野ぶんや創始そうしした。

マネタリスト

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シカゴ学派がくはでもあるミルトン・フリードマン主唱しゅしょう貨幣かへい数量すうりょうせつさい評価ひょうかなどマネーサプライを重視じゅうしし、ケインズ主義しゅぎてき裁量さいりょうてき財政ざいせい政策せいさく批判ひはんして、ルールにもとづいた政策せいさく実行じっこう提唱ていしょうした。

ニュー・ケインジアン

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1990年代ねんだい以降いこうグレゴリー・マンキューらが提唱ていしょう。マネタリストやあたらしい古典こてん(ニュー・クラシカル)にたいして、裁量さいりょうてき財政ざいせい金融きんゆう政策せいさく有効ゆうこうせい提唱ていしょうした。

おも思想しそうによる批判ひはん

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1911ねん世界せかい産業さんぎょう労働ろうどう組合くみあいによるポスター『資本しほん主義しゅぎてきシステムのピラミッド構造こうぞうPyramid of Capitalist System)』。さい上層じょうそうにはかねぶくろかれ、各層かくそう文字もじうえから英語えいごフランス語ふらんすごで「資本しほん主義しゅぎ」「我々われわれはあなたを支配しはいする」「我々われわれはあなたをおろかにする」「我々われわれはあなたをつ」「我々われわれはあなたのためにべる」「我々われわれ全員ぜんいんのためにはたらく、我々われわれ全員ぜんいんやしなう」。最下さいかそうでは赤旗あかはたられている。

資本しほん主義しゅぎたいするおも思想しそうてき立場たちばからの見解けんかい批判ひはんには以下いかがある。

批判ひはん詳細しょうさい

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資本しほん主義しゅぎ支持しじしゃは、資本しほん主義しゅぎ過去かこつくられたいかなる経済けいざいシステムよりすぐれており、その利益りえきおも一般いっぱん人々ひとびとあたえられると主張しゅちょうする[90]一方いっぽう批判ひはんしゃは、多様たよう経済けいざいてき不安定ふあんていさがあり[91]すべての人々ひとびと幸福こうふく提供ていきょうすることはできず[92]自然しぜん環境かんきょう持続じぞく不可能ふかのう損害そんがいあたえる[93]、とろんじる。

資本しほん主義しゅぎへの批判ひはんには、経済けいざいシステムとしての社会しゃかいてき不平等ふびょうどう公正こうせいとみ権力けんりょく配分はいぶん物質ぶっしつ主義しゅぎ労働ろうどうしゃ労働ろうどう組合くみあいへの抑圧よくあつ社会しゃかいてき疎外そがい失業しつぎょう、そして経済けいざい不安定ふあんていさなどが関連かんれんする[94]おおくの社会しゃかい主義しゅぎものは、資本しほん主義しゅぎ非合理ひごうりてきで、生産せいさん経済けいざい方向ほうこうせい計画けいかくされず、多数たすう矛盾むじゅん内的ないてき整合せいごうがあるとかんがえている[95][96]資本しほん主義しゅぎ個人こじん主義しゅぎてき私有しゆうけんは、所有しょゆうしゃ賛同さんどうできないアンチコモンズの悲劇ひげきおちいっている。マルクス経済けいざいがくRichard D. Wolff は、資本しほん主義しゅぎ経済けいざいでは共同きょうどうたい社会しゃかいてき必要ひつようせいよりも利益りえき資本しほん蓄積ちくせき優先ゆうせんされ、資本しほん主義しゅぎ企業きぎょうでは企業きぎょう基本きほんてき方針ほうしん労働ろうどうしゃふくめることまれである、とした[97]

労働ろうどう関係かんけい一部いちぶ歴史れきし学者がくしゃは、奴隷どれい奉公ほうこう強制きょうせいされた囚人しゅうじんなどの強制きょうせい労働ろうどうは、資本しほん主義しゅぎにおける雇用こよう関係かんけい類似るいじせいがあるとろんじている。社会しゃかい学者がくしゃケンブリッジ大学けんぶりっじだいがくクイーンズカレッジ社会しゃかい政治せいじがく研究けんきゅう部長ぶちょうのトム・ブラス(en:Tom Brass)は強制きょうせい労働ろうどう資本しほん主義しゅぎ受容じゅよう可能かのうろんじた[98][99]

資本しほん主義しゅぎおおくの側面そくめんは、おも企業きぎょうによる資本しほん主義しゅぎ反対はんたいするはんグローバリゼーション批判ひはんけている。環境かんきょう主義しゅぎしゃらは、資本しほん主義しゅぎ継続けいぞくてき経済けいざい成長せいちょう必要ひつようとして、必然ひつぜんてき地球ちきゅう有限ゆうげん天然てんねん資源しげん枯渇こかつさせ、多数たすう動植物どうしょくぶつ絶滅ぜつめつさせているとろんじている[100][101]。また、しん自由じゆう主義しゅぎまたは現代げんだい資本しほん主義しゅぎは、世界せかい貿易ぼうえき拡大かくだいする半面はんめん伝統でんとうてき文化ぶんか様式ようしき破壊はかいし、不平等ふびょうどう悪化あっか世界せかいてき貧困ひんこん拡大かくだいまねいた結果けっか我々われわれしん自由じゆう主義しゅぎ以前いぜんよりも貧困ひんこん時代じだいきており、1970ねん以降いこう環境かんきょう指数しすう大幅おおはば環境かんきょう悪化あっかしめしている、とろんじている[102][103][104]

一部いちぶ学者がくしゃ2007ねん金融きんゆう危機きき責任せきにんしん自由じゆう主義しゅぎてき資本しほん主義しゅぎモデルにあると批判ひはんした[105][106][107][108][109]

おおくの宗教しゅうきょうは、資本しほん主義しゅぎ特定とくてい要素ようそ批判ひはんまたは反対はんたいしている。伝統でんとうてきユダヤきょうキリスト教きりすときょうイスラム教いすらむきょうなどでは利息りそくきの金貸かねかぎょうきんじているが[110][111]銀行ぎんこう設立せつりつされている。一部いちぶキリスト教徒きりすときょうと資本しほん主義しゅぎを、その物質ぶっしつ主義しゅぎ崇拝すうはいではぜん人類じんるい幸福こうふくはかことはできないと批判ひはんしている[112]カトリック学者がくしゃ聖職せいしょくしゃはしばしば、貧困ひんこんそう排除はいじょした分配ぶんぱいかんして免責めんせきされていると、資本しほん主義しゅぎ批判ひはんしてきた。ローマ教皇きょうこうフランシスコは、はなたれた資本しほん主義しゅぎは「あらたな専制せんせい」として、世界せかい指導しどうしゃたいして貧困ひんこん不平等ふびょうどうたいするたたかいをびかけた[113]

資本しほん主義しゅぎでは階級かいきゅうため自身じしん保身ほしんため賄賂わいろ解決かいけつすることから格差かくさ問題もんだいかか事実無根じじつむこんなプロパガンダを展開てんかいする。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 出典しゅってん原文げんぶん
    資本しほん主義しゅぎ 経済けいざいてきおよび政治せいじてきシステム。そのなかではくにカントリー国土こくど〕の貿易ぼうえき産業さんぎょうが、国政こくせいステート政府せいふ〕によってよりもむしろ営利えいり目的もくてき私的してき所有しょゆうしゃたちによって制御せいぎょコントロール〕されている。
    capitalism  An economic and political system in which a country's trade and industry are controlled by private owners for profit, rather than by the state.)[1]
  2. ^ 出典しゅってん原文げんぶん
    資本しほん主義しゅぎ capitalism

    この経済けいざい体制たいせい肯定こうていしたり擁護ようごしたり推進すいしんしたりする思想しそう主張しゅちょうをさすためには、「自由じゆう主義しゅぎ」という用語ようご使つかわれるのが普通ふつうである。[3]
  3. ^ 出典しゅってん原文げんぶん
    経済けいざいナショナリズムeconomic nationalism

    自国じこく経済けいざいたいする外国がいこく支配しはい排除はいじょして,経済けいざい自立じりつてき発展はってんをはかろうとする運動うんどうないしイデオロギーのこと。

    発展はってん途上とじょうこく自由じゆう差別さべつ相互そうご主義しゅぎ原則げんそくとするだい2世界せかい大戦たいせん国際こくさい通貨つうか基金ききん IMF=ガット GATT体制たいせいが,経済けいざいりょく弱体じゃくたい発展はってん途上とじょうこくにとってはむしろ実質じっしつてき不平等ふびょうどうをもたらすものであり,また国籍こくせき企業きぎょうなどの民間みんかん外資がいしによる基幹きかん部門ぶもんたいする支配しはい自立じりつてき発展はってんにとっての障害しょうがいであると認識にんしきするにいたった。[13]
    ナショナリズム nationalism

    19世紀せいき後半こうはんはいって先進せんしん資本しほん主義しゅぎこく経済けいざいじょう利益りえき確保かくほ至上しじょうのものとして対外たいがいてき膨張ぼうちょうさくはかり、アジア・アフリカなどの後進こうしんしょ地域ちいき支配しはい抑圧よくあつすると、支配しはいしょ民族みんぞくがそうした不当ふとう支配しはいから自己じこ解放かいほうし、自民じみんぞく自国じこく独立どくりつ主張しゅちょうする民族みんぞく主義しゅぎてきナショナリスティック)な思想しそう運動うんどうあらわれた[14]
  4. ^ 出典しゅってん原文げんぶん
    ファシズム fascism
    国家こっか主義しゅぎてき独裁どくさい政治せいじ形態けいたい思想しそう

    だいいち世界せかい大戦たいせんイタリアファシストとう運動うんどうドイツナチズム日本にっぽん軍国ぐんこく主義しゅぎなど,後進こうしん資本しほん主義しゅぎこく政権せいけんにぎったが,アメリカイギリスフランスなどでも一定いってい勢力せいりょくていた。…国家こっか主義しゅぎはん資本しほん主義しゅぎはん共産きょうさん主義しゅぎはん自由じゆう主義しゅぎそして議会ぎかいせい民主みんしゅ主義しゅぎ否定ひていとなえ,…労働ろうどうしゃ革命かくめい抑圧よくあつして基本きほんてき人権じんけん否定ひてい軍事ぐんじ独裁どくさいてきはん革命かくめい体制たいせいをつくった。[15]
    反共はんきょう主義しゅぎ

    反共はんきょう主義しゅぎ歴史れきし共産きょうさん主義しゅぎ歴史れきしとともにふるいが,事例じれいとしては,だい2世界せかい大戦たいせんまえファシズム国家こっか共産党きょうさんとう弾圧だんあつ1950年代ねんだいアメリカでのマッカーシズムによる「赤狩あかが」などがある。[16]

出典しゅってん

編集へんしゅう
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参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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