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財産 - Wikipedia

財産ざいさん

経済けいざいてき価値かちのある所有しょゆうぶつざい

財産ざいさん(ざいさん えい:Property)は、個人こじん団体だんたい帰属きぞくする経済けいざいてき価値かちがあるものの総称そうしょうで、有形ゆうけい無形むけいわず財産ざいさんけん対象たいしょうとなるもの[1]言葉ことばに「資産しさん」があるが、これは有形ゆうけい無形むけい財産ざいさんかんする会計かいけいうえ概念がいねん決算けっさんまつなどいち時点じてんにおける財産ざいさん評価ひょうかがく)である[2]

店舗てんぽ住居じゅうきょなどの建物たてものが、財産ざいさん不動産ふどうさん)の一般いっぱんてき形態けいたいである。建物たてものないにある家具かぐなどの什器じゅうきもまた、財産ざいさん動産どうさん)の一般いっぱんてき形態けいたいである。

概要がいよう

編集へんしゅう

経済けいざいがく政治せいじ経済けいざいがくにおいては、私有しゆう財産ざいさん公共こうきょう財産ざいさん[注釈ちゅうしゃく 1]組合くみあい財産ざいさん[注釈ちゅうしゃく 2]という財産ざいさんの3形態けいたいがある[4]

社会しゃかいがく人類じんるいがくでは、財産ざいさんがしばしば1つの対象たいしょうぶつ複数ふくすう個人こじんとの関係かんけいすくなくともこのうちだれ1人ひとりどう対象たいしょうぶつ財産ざいさん所有しょゆうけんゆうする)と定義ていぎされる。 ことなる個人こじんが1つの対象たいしょうぶつたいしてことなる権利けんりゆうすることがおおい「組合くみあい財産ざいさん」と「私的してき財産ざいさん」の区別くべつ混乱こんらんしがちである[5][6]

日本にっぽん民法みんぽう86じょうは、有形ゆうけい財産ざいさん不動産ふどうさん土地とちおよび土地とち定着ていちゃくしているもの)と動産どうさん不動産ふどうさん以外いがいもの)に大別たいべつしている[7]。これら有形ゆうけい財産ざいさんには、所有しょゆうしゃ直接的ちょくせつてき支配しはいする様々さまざま物権ぶっけん所有しょゆうけん用益ようえき物権ぶっけん[注釈ちゅうしゃく 3]担保たんぽ物権ぶっけんなど)および債権さいけん付随ふずいする。無形むけい財産ざいさんは、発明はつめい芸術げいじゅつ音楽おんがく著作ちょさくといった創作そうさくしゃ経済けいざいてき利益りえき保護ほごする知的ちてき財産ざいさんけん特許とっきょけん商標しょうひょうけん著作ちょさくけんなど)が代表だいひょうてき[9]企業きぎょう個人こじん知名度ちめいど信用しんようなども無形むけい財産ざいさんにあたる。しかしながら、知的ちてき財産ざいさんけんかならずしも(とく開発途上国かいはつとじょうこくで)ひろ認識にんしきされているとはかぎらず、施行しこう保護ほごされていない場合ばあいがある[注釈ちゅうしゃく 4][10]。1つの財産ざいさんが、有形ゆうけい部分ぶぶん実物じつぶつ)と無形むけい部分ぶぶん付随ふずいする権利けんりとう)をっていてもかまわない。とりわけ所有しょゆうけんは、財産ざいさん他者たしゃとの関係かんけい確立かくりつしており、所有しょゆうしゃ適切てきせつかんがえる方法ほうほうでその財産ざいさん処分しょぶんする権利けんり所有しょゆうしゃ保証ほしょうしている[よう出典しゅってん]

財産ざいさん意味いみする英単語えいたんご「プロパティ(Property)」は、単体たんたいだととく不動産ふどうさんすのに使つかわれる[注釈ちゅうしゃく 5]。また歴史れきしてきても、資本しほん主義しゅぎ以前いぜん社会しゃかいにおける主要しゅよう財産ざいさん土地とちであり、財産ざいさん制度せいど土地とち所有しょゆうのありかたによっていた[11]

種類しゅるい

編集へんしゅう

日本にっぽんふく大半たいはん国家こっか地域ちいき法体ほうたいけい財産ざいさん複数ふくすう種類しゅるいけており、とりわけ「不動産ふどうさん」と「動産どうさん」とを区別くべつしている。またおおくの場合ばあい、それら法体ほうたいけいは「有形ゆうけい」と「無形むけい」の財産ざいさん区別くべつしている。

無形むけい財産ざいさん取扱とりあつかいについては、財物ざいぶつ相続そうぞく可能かのうでも法律ほうりつほか伝統でんとうてき概念がいねんによって期限切きげんぎれになる場合ばあいがあり、このてん有形ゆうけい財産ざいさんとのおおきなちがいである。有効ゆうこう期限きげんれると知的ちてき財産ざいさん創作そうさくしゃからはなれて、使用しようりょうはら義務ぎむもなくまんにん利用りよう可能かのうになる(パブリックドメインジェネリック医薬品いやくひんなどが典型てんけいれい)。

日本にっぽんでは、相続そうぞくさいして相続そうぞくじん遺産いさんを「積極せっきょく財産ざいさん」と「消極しょうきょく財産ざいさん」のふたつに分類ぶんるいすることがある。前者ぜんしゃ簿記ぼきじょう概念がいねんでいう「資産しさん」にあたるもの、後者こうしゃは「負債ふさい」にあたるもので、ここでの財産ざいさんとは一定いってい会計かいけい単位たんい組織そしきゆうする権利けんり義務ぎむすべてをふくむものとされる[12]相続そうぞくじん相続そうぞくじん財産ざいさんぞくするすべての権利けんり義務ぎむぐことになるため、消極しょうきょく財産ざいさんのほうがおお場合ばあい相続そうぞく放棄ほうきすることも可能かのうである。

債権さいけん回収かいしゅう実務じつむにおいては、債務さいむしゃゆうする差押さしおさ対象たいしょうとなる財産ざいさんことを「責任せきにん財産ざいさん」という。一方いっぽうで、民事みんじ執行しっこうほうにおいて差押さしおさえすることができない動産どうさん債権さいけんもあり[13]、こちらを「差押さしおさえ禁止きんし財産ざいさん」という。

おおくの社会しゃかいでは人体じんたいなんらかの財産ざいさんかんがえられている。自分じぶんからだ所有しょゆうけん各種かくしゅ権利けんり問題もんだいは、がいして人権じんけん議論ぎろんにおいてしょうじる[注釈ちゅうしゃく 6]。ビジネスかいにも「からだ資本しほん」という定型ていけいがあり[14]身体しんたい健康けんこう普段ふだんどおりに活動かつどうできることがそのひと財産ざいさんであることをいている。

経済けいざい体制たいせい財産ざいさん

編集へんしゅう

財産ざいさんたいするとらかたは、その社会しゃかい経済けいざい体制たいせいによってちがいがられる。

  • 資本しほん主義しゅぎには、財産ざいさんけんがその所有しょゆうしゃ財産ざいさんしょうじさせてとみし、市場いちば運営うんえいもとづいて効率こうりつてき経済けいざい資源しげん[注釈ちゅうしゃく 7]配分はいぶんうながされるという中核ちゅうかくてき前提ぜんていがある。ここから財産ざいさん現代げんだいてき概念がいねんは、財産ざいさんがよりおおくのとみとより生活せいかつ水準すいじゅんすことを期待きたいして発展はってんした。しかし、アダム・スミス財産ざいさん不平等ふびょうどうおよぼす影響えいきょうについて批判ひはんてき見解けんかい以下いかのようにべている。
おおきな財産ざいさん存在そんざいするところにはどこでもおおきな不平等ふびょうどう存在そんざいする...[中略ちゅうりゃく]市民しみん政府せいふは、財産ざいさん保全ほぜんのために制定せいていされるかぎり、実際じっさいには富裕ふゆうそう貧困ひんこんそうからまもるためだったり、若干じゃっかん財産ざいさん人々ひとびとまった財産ざいさんたぬものからまもるために制定せいていされている。(アダム・スミスちょ国富こくふろん[15]
  • 古典こてんてき自由じゆう主義しゅぎ財産ざいさん労働ろうどうせつ支持しじしている。かれらは、個人こじんがそれぞれ自分じぶん生命せいめい身体しんたい所有しょゆうしているとの見解けんかいいており、したがってひとはその生命せいめい身体しんたい使つか労働ろうどうでの生産せいさんぶつ認知にんちする必要ひつようがあり、それは他者たしゃ自由じゆう交換こうかんして取引とりひきできるという見解けんかいである。
だれしもが自分じぶんからだという財産ざいさんっている。これは本人ほんにん自身じしんだけのものでだれ権利けんりたない。(ジョン・ロックちょ統治とうちろん』)
人々ひとびと社会しゃかい参画さんかくしている理由りゆうは、自分じぶん財産ざいさん保護ほごである。(ジョン・ロックちょ統治とうちろん』)
生命せいめい自由じゆう財産ざいさん存在そんざいするのは人間にんげん法律ほうりつつくったからではない。ぎゃくであって、以前いぜんから生命せいめい自由じゆう財産ざいさん存在そんざいしていた事実じじつが、人間にんげん法律ほうりつつくらせたのである。(フレデリック・バスティアちょほう』)
  • 保守ほしゅ主義しゅぎは、自由じゆう財産ざいさん密接みっせつむすびついているという概念がいねん支持しじしている。私有しゆう財産ざいさん所有しょゆうひろがればひろがるほど、国家こっか国民こくみんはより安定あんていして生産せいさんてきになる。保守ほしゅ主義しゅぎしゃは、財産ざいさん経済けいざいてき平準へいじゅんとく強制きょうせいてきなもの)は経済けいざいてき進歩しんぽではないと主張しゅちょうしている。
財産ざいさん私的してき所有しょゆうから隔離かくりして、全体ぜんたい主義しゅぎ国家こっか(Leviathan)がすべての支配しはいしゃになる...[中略ちゅうりゃく]私有しゆう財産ざいさん基盤きばんうえ偉大いだい文明ぶんめいきずかれる。保守ほしゅ主義しゅぎしゃは、財産ざいさん所有しょゆう所有しょゆうしゃ特定とくてい義務ぎむすことをみとめている。かれはこれらの道徳どうとくてき法的ほうてき義務ぎむよろこんでれる。(ラッセル・カークちょ慎重しんちょうさの政治せいじがく(The Politics of Prudence)』)
  • 社会しゃかい主義しゅぎ基本きほん原則げんそくはこの概念がいねん批判ひはん中心ちゅうしんとしており、(とりわけ)財産ざいさんまもるコストは私有しゆう財産ざいさん所有しょゆうけんからのリターンを上回うわまわり、財産ざいさんけんがその所有しょゆうしゃかれらの財産ざいさん発展はってんさせたりとみすことを奨励しょうれいしたとしても、かれらは自分じぶんたち利益りえきのためにそうしているだけで、それは人々ひとびと社会しゃかい全体ぜんたいへの利益りえき一致いっちしない場合ばあいがある、とべている。
  • 自由じゆう主義しゅぎてき社会しゃかい主義しゅぎは、一般いっぱんてきみじか放棄ほうき期間きかん財産ざいさんけんれる。いいかえると、ひと物品ぶっぴんを(おおかれすくなかれ)継続けいぞくてき使用しようする必要ひつようがあり、さもなければ所有しょゆうけんうしなう。これは一般いっぱんに「所有しょゆう財産ざいさん」または「用益ようえきけん」とばれる。したがってこの用益ようえきけんシステムにおける不在ふざいしゃ所有しょゆうけん違法いほうであり、労働ろうどうしゃ自分じぶんともはたら機械きかいまたは機器きき所有しょゆうしている。
  • 共産きょうさん主義しゅぎは、生産せいさん手段しゅだん共有きょうゆうせいだけが不平等ふびょうどうなり不当ふとう結果けっか最小さいしょう利益りえき最大さいだい保証ほしょうすると主張しゅちょうしている。それゆえ、人間にんげんは(財産ざいさんとは対照たいしょうてきである)資本しほん私的してき所有しょゆう廃止はいしすべきだと主張しゅちょうする。

共産きょうさん主義しゅぎ一部いちぶ社会しゃかい主義しゅぎも、資本しほん私的してき所有しょゆう本質ほんしつてき非合法ひごうほうという思想しそう支持しじしている。この議論ぎろんは、資本しほん私的してき所有しょゆうがいつもある階級かいきゅう階級かいきゅうよりおおくの利益りえきして、この私有しゆう資本しほんかいして支配しはいこる、という思想しそう中核ちゅうかくである。共産きょうさん主義しゅぎしゃは、無産むさん階級かいきゅう人達ひとたちによる「苦労くろうして獲得かくとくし、独力どくりょく獲得かくとくし、独力どくりょくかせいだ」個人こじん財産ざいさん反対はんたいしない。社会しゃかい主義しゅぎ共産きょうさん主義しゅぎも、資本しほん私的してき所有しょゆう土地とち工場こうじょう資源しげんなど)と私有しゆう財産ざいさんいえ物質ぶっしつてきものなど)を慎重しんちょう区別くべつしている。

関連かんれんする概念がいねん

編集へんしゅう

合法ごうほう契約けいやく取引とりひきとう

編集へんしゅう
一般いっぱんてき意味いみ説明せつめい 行為こういしゃ
販売はんばい 金銭きんせんえに、動産どうさん不動産ふどうさんやその所有しょゆうけんあたえる。対比たいひ概念がいねん購入こうにゅう
共有きょうゆう 複数ふくすう当事とうじしゃによる共同きょうどう運営うんえいとして動産どうさん不動産ふどうさん使用しよう許可きょかする。 所有しょゆうけんしゃ
賃貸ちんたい 補償ほしょうきんえに、動産どうさん不動産ふどうさん限定げんていてきかつ一時いちじてき(ただし潜在せんざいてき更新こうしん可能かのう)な独占どくせんてき使用しよう許可きょかする ぬし
許諾きょだく うえおなじだが、おも知的ちてき財産ざいさんでの利用りようりょうはらうライセンス契約けいやくについてう。 許諾きょだくしゃ
無形むけいざい 無形むけいざい 他人たにん所有しょゆう財産ざいさん一定いってい目的もくてきのために使用しよう収益しゅうえきする用益ようえき物権ぶっけんやそれにるいするもの。この特定とくてい権益けんえきは、同一どういつ当事とうじしゃによって権益けんえき対象たいしょう財産ざいさん所有しょゆうされると、容易ようい破棄はきされる場合ばあいがある。 N/A
分与ぶんよ 財産ざいさんからしょうじるすべての財産ざいさんけんについて特定とくてい部分ぶぶん所有しょゆうけんないし持分もちぶんべつ当事とうじしゃあたえられるのが特徴とくちょうで、それ自体じたい財産ざいさん実体じったいてきかたちであるもの。具体ぐたいれいとして株式かぶしきなど。
地役ちえきけん 一定いってい目的もくてき範囲はんいで、他人たにん土地とち自分じぶん土地とちのために利用りようできる権利けんり賃借ちんしゃくけんちがい、その効力こうりょく目的もくてき達成たっせいする必要ひつよう最小さいしょう限度げんどにとどまる。
先取せんしゅ特権とっけん 先取せんしゅ特権とっけん 法律ほうりつさだめる一定いってい債権さいけんゆうするものが、債権さいけんしゃ優先ゆうせんして弁済べんさいけられる権利けんり特定とくてい動産どうさん先取せんしゅ特権とっけん民法みんぽう311じょう)と不動産ふどうさん先取せんしゅ特権とっけん民法みんぽう325じょう)をわせて、特別とくべつ先取せんしゅ特権とっけんという。 先取せんしゅ特権とっけんしゃ
抵当ていとうけん 債務さいむ担保たんぽきょうしたものについてほか債権さいけんしゃ先立さきだって自己じこ債権さいけん弁済べんさいける権利けんりしつけんちがって引渡ひきわたしをようしないため所有しょゆうしゃ抵当ていとうけん成立せいりつつづ使用しよう可能かのう 抵当ていとうけん設定せっていしゃ
しつけん担保たんぽ 債務さいむ不履行ふりこうそなえて債権さいけんしゃわたしておく債務さいむしゃ所有しょゆうぶつで、債権さいけん弁済べんさい確保かくほするためのもの。融資ゆうし返済へんさいとどこおったときなどに融資ゆうしさき金融きんゆう機関きかん財物ざいぶつ[16] 債務さいむしゃ
利害りがい衝突しょうとつ
利益りえき相反あいはん
僅少きんしょうないし矛盾むじゅんのため財産ざいさん適切てきせつ使用しよう占有せんゆうできずにいる、事実じじつじょう共有きょうゆう不能ふのう状態じょうたい不動産ふどうさんでその解決かいけついたった場合ばあい当事とうじしゃ一方いっぽうがその場所ばしょから退いたりする可能かのうせいがある。 N/A
警備けいび 警備けいび 危害きがい使用しよう奪取だっしゅへの対抗たいこう手段しゅだん保護ほご程度ていどかく場所ばしょ戸締とじまりから各種かくしゅ警報けいほう装置そうち人員じんいん配置はいちいたるまで、警備けいび対象たいしょうぶつ規模きぼおよび重要じゅうようせいによってその手法しゅほう様々さまざまである。 警備けいびいん
保全ほぜん管理かんり うえおなじだが、おも破産はさん手続てつづきにおける責任せきにん財産ざいさん保護ほごかんしていう。 保全ほぜん管理人かんりにん[注釈ちゅうしゃく 8]

侵害しんがい行為こうい

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一般いっぱんてき意味いみ説明せつめい 実行じっこうはん
不法ふほう侵入しんにゅう 正当せいとう理由りゆうなく他人たにん所有しょゆうする不動産ふどうさん侵入しんにゅうしたり使用しようする、または要求ようきゅうされても他人たにん不動産ふどうさんから退かない。 不法ふほう侵入しんにゅうもの
破壊はかい行為こうい 有形ゆうけい財産ざいさんまたはその外観がいかんたいする破壊はかい損傷そんしょう改変かいへん 破壊はかいしゃ
窃盗せっとう 他人たにん財物ざいぶつ所有しょゆうしゃ意思いしはんして取得しゅとくすること、または所有しょゆうしゃ意思いしはんする財産ざいさん所有しょゆうけん機能きのうてき変更へんこう 泥棒どろぼう
著作ちょさくけん侵害しんがい 故意こいまたは過失かしつによる知的ちてき財産ざいさん無断むだん複製ふくせいおよび配布はいふ、またぜん段階だんかいでその複製ふくせい公開こうかいされた知的ちてき財産ざいさん所有しょゆう 海賊版かいぞくばん
所有しょゆうしゃ逸失いっしつ利益りえき影響えいきょうによる侵害しんがい、または利益りえきまたは個人こじんてき利益りえきともな侵害しんがい
剽窃ひょうせつ 知的ちてき財産ざいさんおそらく著作ちょさくけん保護ほごされている)かパブリックドメインかに関係かんけいなく、実際じっさい著作ちょさくしゃめいしるさずに自分じぶん創作そうさくであるかのように作品さくひん発表はっぴょうすること。 盗作とうさくもの

その行動こうどう

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一般いっぱんてき意味いみまたは説明せつめい 行為こういしゃ
不法ふほう占拠せんきょ その不動産ふどうさん所有しょゆうけんがあろうとなかろうと、使つかわれていなかったり放棄ほうきされた不動産ふどうさん占有せんゆうすること(当該とうがい不動産ふどうさん他人たにん所有しょゆうけんがあって、要求ようきゅうされても退かないような場合ばあい、この行為こうい不法ふほう侵入しんにゅうとなる)。 スコッター
リバースエンジニアリング 既存きそん他社たしゃ製品せいひん分解ぶんかい解析かいせきして、その製造せいぞう方法ほうほう動作どうさ原理げんり、ソースコードといった技術ぎじゅつ情報じょうほうを(知的ちてき財産ざいさん保護ほごされている部分ぶぶんもいない部分ぶぶんも)開発かいはつ手法しゅほう リバースエンジニア
代作だいさく 出版しゅっぱん当事とうじしゃ著作ちょさくしゃとしてしるされることが明示めいじてき許可きょかされている文筆ぶんぴつ作品さくひん創作そうさく ゴーストライター

構成こうせい要件ようけん

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労力ろうりょく希少きしょうせい

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よう東西とうざいわず、権力けんりょくしゃ古墳こふんからは貴石たかいし貴金属ききんぞくつくられた装飾そうしょくひんがしばしば発見はっけんされる。すなわち、なんらかの特定とくてい要件ようけんたすもの人々ひとびと古代こだいより財産ざいさんかんがえてきたわけで、その本来ほんらいてき財産ざいさんとしてかんがえられるおもな2つの根拠こんきょが、「労力ろうりょく」と「希少きしょうせい」である。ジョン・ロックは、対象たいしょうぶつに「自分じぶん労働ろうどうぜる」[18](すなわち生産せいさんしたり加工かこうする)労力ろうりょくや、処女しょじょ開墾かいこんして耕作こうさくする労力ろうりょく強調きょうちょうした。ベンジャミン・タッカーは、財産ざいさんテロス(すなわち財産ざいさん目的もくてきなになのか)を見定みさだめようとして、希少きしょうせいという解決かいけつさく辿たどいた。人々ひとびと要望ようぼうくらべて物品ぶっぴん不足ふそくしているときにだけ、その物品ぶっぴん財産ざいさんになる[19]たとえば、狩猟しゅりょう採集さいしゅう社会しゃかいだと土地とち狩猟しゅりょう場所ばしょであってることがないため、土地とち財産ざいさんとはかんがえなかった。農耕のうこう社会しゃかいでは耕作こうさくてきした場所ばしょてきさない場所ばしょという区別くべつまれ、人々ひとびと耕作こうさくてきした希少きしょう場所ばしょもとめてその土地とち財産ざいさんかんがえるようになった。なにかが経済けいざいてき希少きしょうとなるには、あるひと使用しようすると他人たにんがそれを使用しようできなくなる「排他はいたせい」が必要ひつよう不可欠ふかけつである。

知的ちてき財産ざいさんは、先述せんじゅつした根拠こんきょ2つのうちおも労力ろうりょく根拠こんきょとするものである。ひとからだは、双方そうほう基準きじゅんからも当人とうにん財産ざいさんにあたる[注釈ちゅうしゃく 9]からだという財産ざいさんかんしては、中絶ちゅうぜつ麻薬まやく安楽あんらく問題もんだいでもろんじられる。

だれ所有しょゆうにもぞくさないものを西洋せいようではコモンズ社会しゃかいのあらゆる人達ひとたち使用しようできる文化ぶんかてき資源しげんおよび天然てんねん資源しげん)とぶことがある[注釈ちゅうしゃく 10]所有しょゆうけんほかの法律ほうりつ明確めいかく所有しょゆうしゃのいないコモンズのかずらす傾向けいこうがあり、これがコモンズの悲劇ひげきによってこる稀少きしょう資源しげん枯渇こかつたいする保護ほご可能かのうにする、と財産ざいさんけん支持しじしゃ主張しゅちょうしている。

なお、公海こうかい深海しんかいそこつきなどの天体てんたい宇宙うちゅう空間くうかん南極なんきょく大陸たいりくなどは(先進せんしんこく中心ちゅうしん調査ちょうさ探査たんさすすめられているものの)明確めいかく所有しょゆうしゃさだめられていない。これは1970ねん国連こくれん総会そうかいにて、特定とくてい空間くうかん資源しげん人類じんるい共通きょうつうした財産ざいさんであると決議けつぎされたためで、これらは「人類じんるい共同きょうどう財産ざいさん(common heritage of mankind)」ともばれている[20]米国べいこくとカナダでは、野生やせい生物せいぶつ一般いっぱんてき法律ほうりつくにしゅう財産ざいさん定義ていぎされており、この野生やせい生物せいぶつ公的こうてき所有しょゆうけん野生やせい生物せいぶつ保護ほご北米ほくべいモデルとばれている[21]

所有しょゆう

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たとえば、国立こくりつ印刷いんさつきょくられた直後ちょくごの(だれのものでもない)紙幣しへいを、ひと財産ざいさんばない。中央ちゅうおう銀行ぎんこう市中しちゅう流通りゅうつうされ、その紙幣しへいだれかが「所有しょゆう」することで財産ざいさんばれるようになる。

所有しょゆうかんする法律ほうりつは、対象たいしょうとなる財産ざいさん銃器じゅうき不動産ふどうさん動産どうさん動物どうぶつなど)の性質せいしつによりくにによっておおきくことなる場合ばあいがある。個人こじん財産ざいさん直接ちょくせつ所有しょゆうできる。大半たいはん社会しゃかいでは、企業きぎょう信託しんたく機関きかん国家こっか政府せいふといった法人ほうじん財産ざいさん所有しょゆうしている。

おおくのくにでは、制限せいげんてき相続そうぞく家族かぞくほうによって女性じょせい遺産いさん相続そうぞく制限せいげんがあり、男性だんせいだけが完全かんぜん相続そうぞく権利けんりゆうしている。

古代こだいおおくのほう制度せいどたとえば初期しょきローマほう)では、神殿しんでんひとし宗教しゅうきょうてき場所ばしょがそこにまつられたかみないしかみ々の財産ざいさんだとなされた。インカ帝国ていこくでは、かみ々となされた逝去せいきょ皇帝こうてい死後しご財産ざいさん支配しはいしていた[22]

日本にっぽん財産ざいさん制度せいど

編集へんしゅう

先述せんじゅつのとおり、農耕のうこう社会しゃかい形成けいせいによって日照ひでりみずはけなど耕作こうさくてきした土地とち人々ひとびと財産ざいさんかんがえるようになったのであれば、世界せかい観点かんてんでは農耕のうこう生活せいかつやく1まんねんまえしん石器せっき時代じだいさかのぼることができ[23]日本にっぽんにおいては水田すいでん稲作いなさく中国ちゅうごくより伝播でんぱする縄文じょうもん時代じだいこう晩期ばんきやく3000-4000ねんまえ[24]から弥生やよい時代じだいまでに、土地とち財産ざいさんなすようになったとかんがえられる。

弥生やよい時代じだいはいると、権力けんりょくしゃ同士どうしくにえて(使者ししゃかいして)財物ざいぶつをやりとりするようになった。きむしるしとしてられるかんやつ国王こくおうしるしは、光武みつたけみかどが57ねんやつこく朝賀ちょうが使わたしたものと『こう漢書かんしょ』にしるされている。また239ねんには、卑弥呼ひみこ使者ししゃおくってなまくち10にんはんぬのたかし皇帝こうていけんじたと『こころざし倭人わじんでん』にしるされているので[25]ひとからだ財産ざいさんなす思想しそうもこの時代じだいまでには確立かくりつしていたようである。権力けんりょくしゃ同士どうしみついによって国力こくりょく一端いったんしめすようになったことにともない、国家こっか人民じんみんから財産ざいさん一部いちぶ当時とうじ地産ちさんぶつ)を徴収ちょうしゅうする「ぜい」という仕組しくみも弥生やよい時代じだい誕生たんじょうしたとされている[26]

日本にっぽんにおいて、国家こっか政府せいふ土地とちという財産ざいさん直接ちょくせつ干渉かんしょうするようになったのは、大化たいか改新かいしんよく646ねんしめされた「改新かいしんみことのり」が発端ほったんとされる。それまで皇族こうぞく各地かくち豪族ごうぞく私的してき各々おのおの所有しょゆうしていた土地とち人民じんみん支配しはいから、朝廷ちょうてい管理かんりするおおやけ公民こうみんせいへの転換てんかんはじまったのである。奈良なら時代じだいはんでんおさむ授法では、国家こっか農地のうちはん)が人民じんみんへとあたえられ、人民じんみんはそこの収穫しゅうかくぶつから一定いってい割合わりあいを「田租でんそ」としてくにおさめ、のこりをみずからの食料しょくりょうにできた。なお、人民じんみんはんでん売買ばいばい譲渡じょうと権利けんりたず、死亡しぼうしゃ朝廷ちょうてい返却へんきゃくされた[27]。ただし、租庸調そようちょうられる各種かくしゅおもぜい負担ふたんから人民じんみんしてしまい、おおやけ公民こうみんせい長続ながつづきしなかった。灌漑かんがい施設しせつ開墾かいこん条件じょうけんにその土地とちを3世代せだい所有しょゆうできる制度せいどさんせい一身いっしんほう、723ねん)もつくられたが事態じたい好転こうてんせず、743ねん墾田こんでん永年えいねん私財しざいほう発布はっぷされた。これは、はんでん以外いがい自分じぶん開墾かいこんした土地とちについては私有しゆう永年えいねんみとめるというものである[28]ただ開墾かいこんした土地とち輸租とされ、くにへの納税のうぜい義務ぎむともなった)。かくしておおやけ公民こうみんせいひゃくねんたぬうちに形骸けいがいしてしまう。

土地とち私有しゆうみとめる法律ほうりつができたことで、それまで蓄財ちくざいしていた豪族ごうぞく[注釈ちゅうしゃく 11]開発かいはつ領主りょうしゅ転換てんかんして土地とち開墾かいこん所有しょゆうした(所有しょゆうする田畑たはたとその農民のうみんたいしては強力きょうりょくすすむとめけん公的こうてきあたえられた)。とはいえその私有地しゆうち国衙こくがからおおやけりょうとして接収せっしゅうされることがあり、かれらは寺社じしゃ上級じょうきゅう貴族きぞく自分じぶん所有しょゆう荘園しょうえんとして「寄進きしん」し、その庇護ひごけることで国家こっか権力けんりょく干渉かんしょうからのがれようとした[29]上級じょうきゅう貴族きぞく朝廷ちょうていでの政治せいじりょく駆使くしして自分じぶん荘園しょうえん不入ふにゅうけんみとめさせ、開発かいはつ領主りょうしゅ自分じぶん開墾かいこんした土地とち実質じっしつてき支配しはいしゃとしてその荘園しょうえん管理かんりした。この寄進きしんけい荘園しょうえん平安へいあん時代じだいつづけ、当時とうじ栄華えいがほこった藤原ふじわら財産ざいさん基盤きばんとなった。

輸不いれけんくに干渉かんしょう対抗たいこうした荘園しょうえんだが、勢力せいりょくから実力じつりょく行使こうし侵害しんがいされた場合ばあい現地げんちでそこをまも必要ひつようがあった。自分じぶんちから荘園しょうえんまもるために武装ぶそうしたのが武士ぶしはじまりであり[29]武士ぶしだん棟梁とうりょうとなったみなもと頼朝よりともによって12世紀せいきまつ鎌倉かまくら幕府ばくふひらかれると、土地とちかいしたおん奉公ほうこうという主従しゅうじゅう関係かんけいによる統治とうち確立かくりつする[30]日本にっぽん中世ちゅうせい確立かくりつした土地とち財産ざいさんもとづくこの封建ほうけん制度せいどは、19世紀せいき江戸えど幕府ばくふ終焉しゅうえん(1868ねん)までじつに700ねんちかつづいた。当時とうじ日本にっぽんでは、べい収穫しゅうかくりょうもとづくぬきだかせい石高こくだかせい土地とち評価ひょうかされていたてん特筆とくひつあたいする。これが農民のうみんおさめるべき年貢ねんぐめる役割やくわりであったのは無論むろんだが、諸国しょこく大名だいみょう国力こくりょく土地とち農耕のうこう収穫しゅうかくりょく)をしめ指標しひょうでもあり、農耕のうこう社会しゃかいといういしずえがあって土地とち財産ざいさん価値かち鑑定かんていされていた証拠しょうこだとえる。

稀少きしょうせいによる財物ざいぶつについては、中国ちゅうごくふくユーラシア大陸たいりくからの伝来でんらいひんおも珍重ちんちょうされた。奈良なら時代じだいせいくらいん宝物ほうもつにもシルクロード渡来とらいしたとおもわれるガラス工芸こうげいはく瑠璃るりわんをはじめ、インドイランギリシャローマエジプトにまでおよぶ当時とうじ主要しゅよう文化ぶんかけん宝物ほうもつつかっている[31]中世ちゅうせいはいると、鉄砲てっぽうなどを伝来でんらいさせたポルトガルとの南蛮なんばん貿易ぼうえきかいして、様々さまざま舶来はくらいひん戦国せんごく大名だいみょうにもたらされた。当時とうじ日本にっぽんぎん輸出ゆしゅつ主力しゅりょくひんであり、とく中国ちゅうごくとの貿易ぼうえき銀本位ぎんほんいせい発達はったつした。なお、異国いこく舶来はくらいひんたか財産ざいさん価値かちいだすのは日本にっぽんかぎったはなしではない。ヨーロッパでもだい航海こうかい時代じだい以降いこう自国じこく入手にゅうしゅむずかしい東南とうなんアジアの香辛料こうしんりょう中国ちゅうごく青磁せいじ日本にっぽん浮世絵うきよえなどがたか評価ひょうかされた。

近代きんだいはいると1872ねん明治めいじ5ねん)に田畑たはた勝手かってさく許可きょかたことで、江戸えど時代じだいまでの封建ほうけんてき土地とち所有しょゆう制限せいげん[注釈ちゅうしゃく 12]解除かいじょされ、土地とち私的してき所有しょゆうけんひろみとめられるようになる。ほぼどう時期じきおこなわれた地租ちそ改正かいせいでは従来じゅうらい石高こくだかから地価ちか課税かぜい基準きじゅんとしたため、豊凶ほうきょうさく関係かんけいなく税収ぜいしゅう安定あんていし、明治めいじ政府せいふ財政ざいせい基盤きばん確立かくりつすることとなった。なお、この改正かいせいにより田畑たはただけでなく江戸えど時代じだい年貢ねんぐ免除めんじょされていた武家ぶけまちなども課税かぜい対象たいしょうとなった[33]。このときおおやけのために民有みんゆう収用しゅうようする制度せいどまれ、河川かせん改修かいしゅう鉄道てつどう電気でんき港湾こうわん病院びょういん学校がっこう建設けんせつなど、明治めいじ近代きんだいささえることになった[34]

財産ざいさんかんする近代きんだいてき法的ほうてき整備せいび明治めいじ時代じだいおこなわれた。1896ねん現在げんざいの「民法みんぽう」が公布こうふされ、所有しょゆうけん民法みんぽうだい270じょう)をはじめ物権ぶっけん債権さいけんなどの基本きほん法規ほうきさだめられた。また、財産ざいさん相続そうぞくについては1898ねん民法みんぽう公布こうふされ、施行しこうされた[35]財産ざいさんゆうするがわ各種かくしゅ権利けんりがこうして保護ほごされる一方いっぽうたざるがわ保護ほごおくれた。土地とち所有しょゆうけんたいする小作こさくけんはきわめてよわく、小作こさくりょう土地とち使用しよう賃貸ちんたいりょう)にくるしむ農民のうみん困窮こんきゅうするなか一部いちぶ地主じぬしへの土地とち集中しゅうちゅうすすみ、寄生きせい地主じぬしせい広範こうはん確立かくりつした[36]

1921ねん大正たいしょう10ねん)になると、だいいち世界せかい大戦たいせんきょうけてりるがわ借地しゃくちほう借家しゃくやほう制定せいていされる。また、1930年代ねんだい後半こうはんからの戦時せんじ体制たいせいでは、食糧しょくりょう確保かくほ必要ひつようせいから耕作こうさくけんほう重視じゅうしされ[36]農地のうち地主じぬしせい縮小しゅくしょうしていった。

だい世界せかい大戦たいせんやぶれた日本にっぽんは、よく1946ねん昭和しょうわ21ねん)からおこなわれた農地のうち改革かいかくで、政府せいふ各地かくち小作こさく強制きょうせい買収ばいしゅうし、これを実際じっさい耕作こうさくしている小作こさくじんてい価格かかく優先ゆうせんてきわたした[37]。これにより従来じゅうらい地主じぬしせい事実じじつじょう解体かいたいされ、戦後せんご日本にっぽんでは土地とち所有しょゆうする自作農じさくのう大半たいはんとなった。農地のうち改革かいかくならび、戦後せんご日本にっぽん経済けいざい体制たいせい変革へんかくさせる転機てんきとなったのがGHQ主導しゅどうによる財閥ざいばつ解体かいたいである。戦前せんぜん寡占かせんてき地位ちいきずいていたかく産業さんぎょう巨大きょだい企業きぎょう解体かいたいされたことで、従来じゅうらい参入さんにゅうむずかしかった分野ぶんやにも新興しんこう企業きぎょう進出しんしゅつできるようになり[38]日本にっぽんがより競争きょうそうてき民主みんしゅてき市場いちば経済けいざい発達はったつさせるきっかけとなった。国内こくないでの市場いちば競争きょうそう戦後せんご高度こうど経済けいざい成長せいちょうささえ、1960ねん池田いけだ内閣ないかくした「所得しょとく倍増ばいぞう計画けいかく」によって日本にっぽん国民こくみん所得しょとく生活せいかつ水準すいじゅんがり、1968ねんには国民総生産こくみんそうせいさん世界せかい2たっするほどの戦後せんご復興ふっこうたした[39]

戦後せんご各国かっこく国際こくさい貿易ぼうえき経済けいざい成長せいちょうかせなくなり、特許とっきょ著作ちょさくぶつといった知的ちてき財産ざいさん世界せかいてき観点かんてんから保護ほごする必要ひつようせいしたことから、1970ねん世界せかい知的ちてき所有しょゆうけん機関きかん設立せつりつされた。なお、日本にっぽんでは知的ちてき財産ざいさんけん明治めいじ時代じだい文明開化ぶんめいかいかによってもたらされ、1885ねん明治めいじ18ねん)には特許とっきょ制度せいどかんする「専売せんばい特許とっきょ条例じょうれい」が公布こうふされた[40]意外いがいなことに、日本にっぽんでは財産ざいさん所有しょゆうけん規定きていする民法みんぽうよりも、知的ちてき財産ざいさん特許とっきょやく10ねんはや法的ほうてきうしたてけたのである。楽譜がくふ写真しゃしんふくきゅう著作ちょさくけんほう制定せいてい明治めいじ時代じだい後期こうきの1899ねんであるが、図書としょ版権はんけんかんしてえば1869ねん明治めいじ2ねん)の出版しゅっぱん条例じょうれいはやくも保護ほご規定きていつくられている。

西洋せいよう宗教しゅうきょう哲学てつがくてき視点してん

編集へんしゅう

宗教しゅうきょう指導しどうしゃが「財産ざいさん沢山たくさん保有ほゆうしなさい」と信者しんじゃけてくことは滅多めったい。むしろぎゃくで、私財しざいたくわえることは宗教しゅうきょうてき解脱げだつさまたげになると古代こだいからかんがえられてきた。たとえば新約しんやく聖書せいしょにはつぎのようにかれている。

イエスは弟子でしたちにわれた、「よくきなさい。んでいるもの天国てんごくはいるのは、むずかしいものである。また、あなたがたにうが、んでいるものかみくににはいるよりは、らくだがはりあなとおほうが、もっとやさしい」
イエスはをあげ、弟子でしたちをわれた、「あなたがたまずしいひとたちは、さいわいだ。かみくにはあなたがたのものである」

とく宗教しゅうきょう権威けんいローマ教皇きょうこう影響えいきょう歴史れきしてきおおきい西洋せいようでは、この禁欲きんよくてきキリスト教きりすときょう思想しそうまえた哲学てつがくてき観点かんてんからしばしば財産ざいさんろんじられてきた。なお、資本しほん主義しゅぎ成立せいりつ以前いぜん中世ちゅうせいおよびルネッサンスあたりまでは「財産ざいさん(property)」というかたり本質ほんしつてき土地とちしていた。

古代こだい哲学てつがく

編集へんしゅう

シュメールおうウルイニムギナは、土地とち(property)の強制きょうせい売却ばいきゃくきんじる最初さいしょ法律ほうりつ制定せいていした[41]

旧約きゅうやく聖書せいしょレビ19:11およびどう19:13には「あなたがたはぬすんではならない」とかれている。

アリストテレスは『政治せいじがく』において「私有しゆう財産ざいさん」という概念がいねん提唱ていしょうしている[42]かれ自己じこ利益りえき共同きょうどうたい無視むしにつながるとして「だれもが自分じぶん自身じしんのことをだいいちかんがえ、共同きょうどうたい利益りえきほとんかんがえない」[43]ろんじた。さらに、財産ざいさん共同きょうどう場合ばあい労働ろうどうちがいからしょうじる先天的せんてんてき問題もんだいがある、とつぎのようにべている。

「もし人々ひとびと平等びょうどう苦楽くらく共有きょうゆうしないなら、おおはたらいてかせぎのすくない人々ひとびとほとんはたらかずに沢山たくさんもらったり沢山たくさん消費しょうひする人達ひとたち必然ひつぜんてき不平ふへいうだろう。しかし実際じっさいのところ、複数ふくすう人達ひとたち一緒いっしょ生活せいかつしてその全員ぜんいん共同きょうどう関係かんけいになること、とく共同きょうどう財産ざいさんつことはつね困難こんなんである。
アリストテレス、『政治せいじがく』1261b[44]

キケロは、自然しぜんほうのもとに私有しゆう財産ざいさん存在そんざいせず人定じんていほうのもとでのみ存在そんざいするとかんがえた[45]しょうセネカは、人間にんげん強欲ごうよくになってはじめて必要ひつようになるものを財産ざいさんかんがえた[46]のちアンブロジウスがこの見解けんかい採用さいようし、ヒッポのアウグスティヌスでさえ異教徒いきょうと労働ろうどうしたことによる財産ざいさん唯一ゆいいつ皇帝こうてい没収ぼっしゅうできないことに不平ふへいらした[47]

中世ちゅうせい哲学てつがく

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欧州おうしゅう全体ぜんたいキリスト教きりすときょう伝播でんぱし、教皇きょうこうりょう形成けいせいされて教会きょうかい権力けんりょく絶大ぜつだいとなる中世ちゅうせいなかばまで、私有しゆう財産ざいさん否定ひていてき初期しょきキリスト教きりすときょう思想しそうつづおおきな影響えいきょうりょくっていた。一方いっぽうで、キリストきょう権威けんい土地とち封建ほうけん支配しはいをする諸国しょこく王権おうけんとの権力けんりょくあらそいも目立めだはじめ、中世ちゅうせい後期こうきには従来じゅうらいキリスト教きりすときょう思想しそう一部いちぶ修正しゅうせいする哲学てつがくしゃあらわれるようになる。

トマス・アクィナス (13世紀せいき)

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グラティアヌスきょうれいしゅうという12世紀せいきカノンほうは、人定じんていほう財産ざいさん創造そうぞうしているにぎないと主張しゅちょうし、ヒッポのアウグスティヌスによって使つかわれたフレーズをかえした[48]トマス・アクィナス財産ざいさん個人こじん消費しょうひかんして同意どういしたが、財産ざいさん私的してき所有しょゆう必要ひつようだといだすさいに(初期しょきキリスト教きりすときょうの)教父きょうふがくてき理論りろん修正しゅうせいした[49]。トマス・アクィナスは特定とくてい詳細しょうさい規定きていがあれば、以下いかこと結論けつろんけている[50]

  • 外的がいてき事物じぶつ所有しょゆうするのは人間にんげんにとって自然しぜんである
  • 自分じぶんのものとしてもの所有しょゆうすることは人間にんげんにとって合法ごうほうである
  • 窃盗せっとう本質ほんしつは、他人たにんものひそかにることである
  • 窃盗せっとう強盗ごうとう別種べっしゅつみであり、強盗ごうとう窃盗せっとうよりも重大じゅうだいつみである
  • 窃盗せっとうつみであり、また大罪だいざいでもある
  • しかし、必要ひつようせい圧迫あっぱくかいしてぬすむ(収用しゅうようする)ことは合法ごうほうである:「必要ひつよう場合ばあいすべてのもの共同きょうどうたい[注釈ちゅうしゃく 13]財産ざいさんである」

近代きんだい哲学てつがく

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西欧せいおう諸国しょこくが17世紀せいきにアフリカほか新大陸しんたいりくへの植民しょくみん次々つぎつぎたすと、貿易ぼうえき商業しょうぎょう)を重視じゅうしして輸出ゆしゅつ超過ちょうか差額さがくによって相手あいてこく金銀きんぎん流入りゅうにゅうさせ、自国じこくとみげようとするじゅうしょう主義しゅぎ形成けいせいされた。初期しょき資本しほん主義しゅぎにあたるじゅうしょう主義しゅぎは、経済けいざい現象げんしょうをいたずらに宗教しゅうきょうてき倫理りんりてき価値かちづけたりせず、それを客観きゃっかんてき因果いんがろんてき観察かんさつした。また、中世ちゅうせいまでキリスト教きりすときょう権威けんいによっていやしいものだと非難ひなんされていた金儲かねもうけや商業しょうぎょうを、経済けいざい中心ちゅうしん振興しんこうさせていくことになった[51]

資本しほん主義しゅぎ台頭たいとうともなって法人ほうじん個人こじんによる財産ざいさん所有しょゆう意義いぎしてくると、中世ちゅうせいまでの批判ひはんてき観点かんてんではなく、キリストきょうさい解釈かいしゃくから財産ざいさん妥当だとうせい説明せつめいしようとするこころみがられるのも、近代きんだい西洋せいよう哲学てつがく特徴とくちょうである。たとえばジョン・ロック所有しょゆうけん考察こうさつした『統治とうちろん』では、だいいちろん大半たいはんがアダムの主権しゅけん・アダムの君主くんしゅけん考察こうさつかれている[52]。 

トマス・ホッブズ (17世紀せいき)

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トマス・ホッブズおも著作ちょさくは1640ねんから1651ねんにかけて、清教徒せいきょうと革命かくめい時期じきかさなって執筆しっぴつされた。かれ自身じしん言葉ことばによると、ホッブズの省察せいさつはキケロの著作ちょさくから引用いんようしたフレーズ「まんにん自分じぶん所有しょゆうぶつあたえる」という思想しそうからはじまった。ところでかれは、どうやってまんにんなんらかの対象たいしょうぶつをそのひと所有しょゆうぶつびうるのか?に疑問ぎもんていすることで、以下いか結論けつろんいたった。自分じぶん所有しょゆうぶつとは、領域りょういきない明白めいはく最強さいきょう権力けんりょくが1つ存在そんざいしている場合ばあいにのみ、本当ほんとう自身じしん所有しょゆうぶつになること可能かのうで、(最強さいきょうの)権力けんりょくがそれをわたし所有しょゆうぶつとしてあつかい、その地位ちい保護ほごしている[53]

ジェームズ・ハリントン (17世紀せいき)

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ホッブズとどう時代じだいジェームズ・ハリントンおないにべつ見解けんかい反応はんのうし、かれ財産ざいさん自然しぜんだがけられないとかんがえていた。『オセアナ』の著者ちょしゃであるかれは、政治せいじ権力けんりょく財産ざいさん分配ぶんぱい結果けっかだ(原因げんいんではない)と主張しゅちょうした最初さいしょ政治せいじ理論りろんだった可能かのうせいがある。かれは、こりうる最悪さいあく状況じょうきょうとは平民へいみんたち国家こっか財産ざいさん半分はんぶんっていて王室おうしつ貴族きぞくのこりの半分はんぶんにぎっているときで、不安定ふあんていさと暴力ぼうりょくちた状況じょうきょうだとべた。かれは、財産ざいさんだい部分ぶぶん平民へいみん所有しょゆうすればはるかに状況じょうきょう安定あんていした共和きょうわこく)が出現しゅつげんするだろうと示唆しさした。

ロバート・フィルマー (17世紀せいき)

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上述じょうじゅつ2人ふたりどう世代せだいロバート・フィルマーは、聖書せいしょ釈義しゃくぎつうじてホッブズとよく結論けつろんたっした。フィルマーは、王権おうけん制度せいどが(キリストきょうく)父性ふせいているとべた。すると人民じんみん従順じゅうじゅんだろうと素行そこうわるかろうといまだにであり、財産ざいさんけんとはちちたちにあたえたりする家財かざいのようなもので、ちちのものは(あたえたのちでも)ちち希望きぼうおうじてもどしたり処分しょぶんできたりする、とべた。

ジョン・ロック (17世紀せいき)

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フィルマーの見解けんかいは17世紀せいき当時とうじ常識じょうしきからもはずれていて支持しじできないと、著書ちょしょ統治とうちろん前半ぜんはんでアダムの君主くんしゅけん考察こうさつしつつフィルマーに反論はんろんした次世代じせだい哲学てつがくしゃがジョン・ロックである。

ロックが同書どうしょだいろん提唱ていしょうした財産ざいさんけん自然しぜんけんという定義ていぎは、西洋せいようおそらくもっと普及ふきゅうした理論りろんひとつとされている。かれは、創世そうせいかみ自然しぜん支配しはいけんをアダムをかいして人間にんげんあたえた、というキリスト教きりすときょうてき自然しぜんかん[注釈ちゅうしゃく 14]発展はってんさせた。これによりロックは、ひと労働ろうどう自然しぜんとがざるとき所有しょゆう財産ざいさん価値かちという概念がいねんこることを、みず大地だいちれいげて説明せつめいしている。

いずみなかながれるみずまんにんのものであろうが、びんなかみずがそれを汲出くみだしたひとのものであることを一体いったいだれうたがうだろうか? 自然しぜん手許てもとにあってはそれは共有きょうゆうぶつであり、すべての自然しぜんとう平等びょうどうぞくしていたが、かれ労働ろうどうがそこから取出とりだしたことによって、それはかれ自身じしんのものとなったのである。」 「土地とち煙草たばこ砂糖さとうえられたり、小麦こむぎ大麦おおむぎかれているときと、おないちエーカーの土地とちなに耕作こうさくほどこされずに共有きょうゆうとしておかれてあるとき相違そういかんがえてみれば、労働ろうどうによる改良かいりょうがその土地とち価値かちだい過半かはん形成けいせいすることがわかるだろう。」[55]

またかれは、人々ひとびと社会しゃかい契約けいやくむすぶことになる以前いぜん社会しゃかい想定そうていして「こういう状態じょうたいしたかれ私有しゆう財産ざいさん享受きょうじゅすることは非常ひじょう危険きけんであり、不安ふあんなので」あり、したがって「人々ひとびと結合けつごうして国家こっか組織そしきし、政府せいふ支配しはいけようとするさい主要しゅようだい目的もくてきは、彼等かれら私有しゆう財産ざいさん保存ほぞんにある」とした[56]人々ひとびとは、ロックも是認ぜにんしていた君主くんしゅせい創設そうせつすることになるが、その任務にんむ選挙せんきょによってえらばれた立法府りっぽうふ意志いし実行じっこうすることであり、「人々ひとびと自然しぜん状態じょうたいした所有しょゆうした権力けんりょくを、自分じぶんたちくわわる社会しゃかい譲渡じょうとするのはこの目的もくてきのためである。また共同きょうどう社会しゃかい適当てきとうおもひと立法りっぽうけんゆだねるときには、彼等かれら自分じぶんたち公布こうふされた法律ほうりつ支配しはいされるべきであって、さもなければ自分じぶんたち平和へいわ安定あんてい私有しゆう財産ざいさん自然しぜん状態じょうたいしたにおいて経験けいけんしたおな不安ふあん状態じょうたい相変あいかわらずとどまることになるだろうという信頼しんらいかんいている」[57]かれべている。

デイヴィッド・ヒューム (18世紀せいき)

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これまでべたものたちとは対照たいしょうてきに、デイヴィッド・ヒューム比較的ひかくてき安定あんていした社会しゃかい構造こうぞうなか比較的ひかくてき平穏へいおんらしをしていた。ところが、宗教しゅうきょうかんするかれ論争ろんそうてき著作ちょさく経験けいけん主義しゅぎてられた懐疑かいぎろんてき認識にんしきろんのため、人々ひとびとほう財産ざいさんかんするヒュームの見解けんかい非常ひじょう保守ほしゅてきだとなすことがあった。

ヒュームの見解けんかいは、社会しゃかいてき慣習かんしゅう支持しじされた既存きそん法律ほうりつ保護ほごしているため、その範囲はんい財産ざいさんけん存在そんざいするというものだった[58]。しかし、かれ貪欲どんよくさを「産業さんぎょう拍車はくしゃ」と言及げんきゅうするなど一般いっぱんてき主題しゅだいいくつかの実用じつようてき助言じょげん提供ていきょうし、「絶望ぜつぼうむことで産業さんぎょう破壊はかいしてしまう」過度かど課税かぜい懸念けねん表明ひょうめいした。

アダム・スミス (18世紀せいき)

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市民しみん政府せいふは、財産ざいさん保全ほぜんのために制定せいていされるかぎり、実際じっさいのところは富裕ふゆうそう貧困ひんこんそうからまもるため、あるいは財産ざいさんっているものたちまったっていないものたちからまもるために制定せいていされたものである。
だれもが自分じぶん労働ろうどう財産ざいさんは、のあらゆる財産ざいさん起源きげんてき基盤きばんなので、それはもっと神聖しんせいかつ不可侵ふかしんである。まずしいひと相続そうぞく財産ざいさんかれ両手りょうてつよさと器用きようさにあり、隣人りんじんきずつけることなくかれがこのつよさと器用きようさをかれ適切てきせつだとおも方法ほうほう使つかうのをさまたげることは、このもっと神聖しんせい財産ざいさん明白めいはく違反いはんである。
アダム・スミス『国富こくふろん

19世紀せいきなかばまでに、産業さんぎょう革命かくめいはイギリスとアメリカを変革へんかくした。その結果けっか財産ざいさんかかわる従来じゅうらい概念がいねん土地とちだけでなく貴重きちょうひんふくむものへと拡張かくちょうされた。フランスでは1790年代ねんだい革命かくめいによって教会きょうかい国王こくおう従来じゅうらい所有しょゆうしていた土地とちだい規模きぼ没収ぼっしゅうされた。君主くんしゅせい復活ふっかつ王政おうせい復古ふっこ)は、以前いぜん土地とち返還へんかんすることで所有しょゆう喪失そうしつしたものたちからの不満ふまんをもたらした。

カール・マルクス (19世紀せいき)

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マルクスの著書ちょしょ資本しほんろん』のだい7へん資本しほん本源ほんげんてき蓄積ちくせき」にはリベラル(自由じゆう主義しゅぎ)な財産ざいさんけん理論りろん批判ひはんふくまれる。封建ほうけんほうしたでは、貴族きぞくがその領主りょうしゅにあったように、農民のうみん自分じぶん土地とち法的ほうてき権利けんりあたえられたとマルクスは指摘してきする。マルクスは、多数たすう農民のうみん自分じぶんたち土地とちから排除はいじょされて、つぎ貴族きぞくによって収用しゅうようされたいくつかの歴史れきしてき事例じれいげている。この収用しゅうようされた土地とちはその商業しょうぎょう事業じぎょうひつじい)に使つかわれた。マルクスはこの「本源ほんげんてき蓄積ちくせき」をイギリス資本しほん主義しゅぎ創造そうぞう不可欠ふかけつなものとなしている。この出来事できごとは、きていくのに賃金ちんぎんのためにはたらかざるをなくなった土地とちのない階級かいきゅうをかなりの規模きぼすことになった。マルクスは、財産ざいさん自由じゆう主義しゅぎ理論りろん暴力ぼうりょくてき歴史れきしてき過程かていかくす「牧歌ぼっかてきな」おとぎばなしだと主張しゅちょうしている。

シャルル・コンテ: 合法ごうほうてき財産ざいさん起源きげん

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弁護士べんごしシャルル・コンテは1834ねん著書ちょしょ『Traité de la propriété(財産ざいさん協定きょうてい)』にて、フランス復古ふっこ王政おうせい反応はんのうして私有しゆう財産ざいさん合法ごうほうせい正当せいとうしようとした。ダヴィド・ハルトによれば、コンテには要点ようてんが3つあった。「だいいちに、なに世紀せいきにもおよ国家こっかによる財産ざいさん所有しょゆうへの干渉かんしょうは、正義せいぎ経済けいざいてき生産せいさんせい悲惨ひさん結果けっかをもたらしてきた。だいに、その財産ざいさんだれにもがいおよぼさないような方法ほうほう出現しゅつげんする場合ばあい合法ごうほうである。だいさんに、歴史れきしてきにはすべてではないが進化しんかしたいくつかの財産ざいさん合法ごうほうてきであり、現在げんざい財産ざいさん分配ぶんぱい合法ごうほうてきおよび非合法ひごうほうてき所有しょゆうけん複雑ふくざつからんだものである」[59]

コンテは古代こだい狩猟しゅりょう採集さいしゅう社会しゃかいにおける土地とちのような、希少きしょうでない物品ぶっぴんからなる共同きょうどうの「国家こっかてき財産ざいさん肯定こうていてきだった。農業のうぎょう狩猟しゅりょう採集さいしゅうよりもはるかに効率こうりつてきだったので、だれかが耕作こうさくけにてた私有しゆう財産ざいさん土地とち)はのこりの狩猟しゅりょう採集さいしゅうみん一人ひとりたりの土地とちをよりおおのこしており、それゆえかれらにがいおよぼさなかった。したがって、このたね土地とち収用しゅうようはロックのただ (Lockean provisoはんしておらず「まだ十分じゅうぶんに、いものがのこっていた」との主張しゅちょうである。後年こうねん理論りろんは、コンテの分析ぶんせき財産ざいさん社会しゃかい主義しゅぎてき批判ひはんたいして使用しようしている。

ピエール=ジョゼフ・プルードン: 財産ざいさん窃盗せっとう

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1840ねん論文ろんぶん財産ざいさんとはなにか?』のなかで、ピエール・ジョゼフ・プルードンは「財産ざいさん窃盗せっとうだ!」とこたえている。天然てんねん資源しげんにおいて、かれは「法律ほうりつじょう財産ざいさんと「事実じじつじょう財産ざいさんの2種類しゅるい判定はんていし、前者ぜんしゃ違法いほうだとろんじている。プルードンの結論けつろんは「財産ざいさん公正こうせいたるべきあり可能かのうならその状態じょうたいたいして必然ひつぜんてき平等びょうどうでなければならない」である。

天然てんねん資源しげんにおける労働ろうどう産物さんぶつ財産ざいさん用益ようえきけん)としたプルードンの分析ぶんせきはより微妙びみょうなものである。かれは、土地とち自体じたい財産ざいさんたり人類じんるい管財かんざいしゃとして個々ここ所有しょゆうしゃによって維持いじされるべきであり、労働ろうどう産物さんぶつ生産せいさんしゃ財産ざいさんたるべきだと主張しゅちょうしている。プルードンは、労働ろうどうなしにられたとみなにであれそのとみすのに労働ろうどうした人々ひとびとからぬすまれたもの、という道理どうりいた。プルードンによれば、労働ろうどう産物さんぶつ雇用こようぬしわたす(それで雇用こようぬし賃金ちんぎんはらう)という自発じはつてき契約けいやくでさえ盗難とうなんであった。

プルードンの財産ざいさんろんはじめた社会しゃかい主義しゅぎ運動うんどう多大ただい影響えいきょうあたえ、プルードンの思想しそう修正しゅうせいしたミハイル・バクーニンのような政府せいふ主義しゅぎ理論りろん啓蒙けいもうあたえた。

フレデリック・バスティア: 財産ざいさん価値かち

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フレデリック・バスティア財産ざいさんかんするおも論文ろんぶんは、1850ねん著書ちょしょ経済けいざい調和ちょうわろん』のだい8しょうられる[60]伝統でんとうてき財産ざいさん理論りろんから根本こんぽんてき見直みなおしをおこない、かれ財産ざいさん物理ぶつりてき対象たいしょうではなく、むしろ物事ものごと関連かんれんしている人々ひとびと関係かんけいだと定義ていぎした。したがって、コップいちはいみず所有しょゆうしているという発言はつげんは「わたしはこのみず正当せいとう他人たにん贈与ぞうよしたり交換こうかんしたりできる」の短縮形たんしゅくけいにすぎないという。本質ほんしつてきに、ひと所有しょゆうするものは対象たいしょうぶつではなく対象たいしょうぶつ価値かちである。「価値かち」についてバスティアは「市場いちば価値かち」を意味いみするとして、これは実用じつようせいとはまったことなるものだとつぎのように強調きょうちょうしている「相互そうご関係かんけいにおいて、我々われわれ物事ものごと実用じつようせい所有しょゆうしゃではなく価値かち所有しょゆうしゃであり、そして価値かちとは相互そうごてき役務えきむからされた評価ひょうかである」。

バスティアは、技術ぎじゅつ進歩しんぽ分業ぶんぎょう結果けっかとして共同きょうどうたいとみ在庫ざいこ時間じかん経過けいかとも増加ぞうかすると理論りろんづけた。熟練じゅくれん労働ろうどうしゃたとえば小麦こむぎ100リットルをうためについやす労働ろうどう時間じかんは、歳月さいげつつほど(じゅく練度れんど向上こうじょうにより)減少げんしょうし、したがって「無償むしょう」の満足まんぞくかんいた[61]。かくして、私有しゆう財産ざいさんなくみずからを破壊はかいし、共同きょうどうたいとみわっていく。 私有しゆう財産ざいさんたいする共同きょうどうたいとみ割合わりあい増加ぞうかは、人類じんるい平等びょうどうかう傾向けいこうむという。

このように私有しゆう財産ざいさん共同きょうどうたい領域りょういき変化へんかしたからといって、私有しゆう財産ざいさん完全かんぜん消滅しょうめつするわけではないとバスティアは指摘してきする。それどころか、このことは人間にんげん進歩しんぽするにつれてあらたにより洗練せんれんされた要望ようぼう欲求よっきゅう継続けいぞくてき理由りゆうであるとべている。

ローマ教皇きょうこうレオ13せい

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レオ13せい (ローマ教皇きょうこう)は、1891ねん発表はっぴょうしたレールム・ノヴァールムにて「ひと賃金ちんぎん労働ろうどう従事じゅうじするときひと仕事しごとてる理由りゆう動機どうき財産ざいさんること、そのそれを自分じぶん所有しょゆうぶつとして保持ほじすることであるのはたしかに否定ひていできない」としるした。

アンドリュー・J・ガランボス: 財産ざいさん精緻せいち定義ていぎ

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天体てんたい物理ぶつり学者がくしゃ哲学てつがくしゃアンドリュー・J・ガランボス(1924-1997)は、財産ざいさんひと生命せいめいとその人生じんせいにおける生殖せいしょくてきすべての派生はせいぶつ定義ていぎした。

ガランボスは、財産ざいさん強制きょうせいてき社会しゃかい構造こうぞう不可欠ふかけつだといた。かれ自由じゆうを「あらゆる個人こじん自分じぶん財産ざいさん完全かんぜんに(100%)支配しはいしているときに存在そんざいする社会しゃかいてき条件じょうけんである」と定義ていぎした。ガランボスは、財産ざいさんつぎ要素ようそつものと定義ていぎしている[62]

  • 原始げんし財産ざいさん、これは個人こじん生命せいめいである。
  • いち財産ざいさん、これには観念かんねん思考しこう行動こうどうふくまれる。
  • 財産ざいさんには、個人こじんいち財産ざいさん派生はせいぶつであるすべての有形ゆうけいおよび無形むけい所有しょゆうぶつふくまれる。

財産ざいさんとは、個人こじん人生じんせいにおける生殖せいしょくてきなあらゆる派生はせいぶつであり、これは子供こども両親りょうしん財産ざいさんではないことを意味いみする[63]うえ定義ていぎしたがえば、子供こども生命せいめい本人ほんにんの「原始げんし財産ざいさん」であり、おや保護ほごしゃ所有しょゆうする財産ざいさんではない。

ガランボスは、実際じっさいのところ行政府ぎょうせいふ財産ざいさん保護ほごするために存在そんざいしており、国家こっか財産ざいさん攻撃こうげきするとかえ強調きょうちょうした。たとえば、国家こっか人々ひとびとがそのようなサービスをのぞむかかにかかわらず、税金ぜいきんかたちでそのサービスへの支払しはらいを要求ようきゅうする[注釈ちゅうしゃく 15]個人こじんのおかね当人とうにん財産ざいさんなので、税金ぜいきんというかたちでのおかね没収ぼっしゅう財産ざいさんたいする攻撃こうげきである。徴兵ちょうへいせい同様どうように、ひと原始げんし財産ざいさんたいする攻撃こうげきである。

現代げんだいてき見解けんかい

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自然人しぜんじん財産ざいさん所有しょゆう契約けいやくむす権利けんり享受きょうじゅしているとかんがえている現代げんだい政治せいじ思想家しそうかは、ジョン・ロックについて2つの見方みかたがある。一方いっぽうはロック礼賛らいさんで、ウィリアム・H・ハット(1956ねん)のように、ロックが「個人こじん主義しゅぎ本質ほんしつ」の土台どだいつくったことを称賛しょうさんした。一方いっぽうリチャード・パイプスほかの人達ひとたちはロックの議論ぎろんよわいとなし、それへの過度かど依存いぞん近年きんねん個人こじん主義しゅぎ理念りねんよわめているとかんがえている。パイプスは、ロックの著作ちょさくがハリントンの社会しゃかいがくてき枠組わくぐみではなく「自然しぜんほう概念がいねん依拠いきょしていたため後戻あともどりが特徴とくちょうである」といている[よう出典しゅってん]

エルナンド・デ・ソト (経済けいざい学者がくしゃ)は、資本しほん主義しゅぎ市場いちば経済けいざい本質ほんしつてき特徴とくちょう所有しょゆうけん取引とりひき記録きろくする正式せいしき財産ざいさん体系たいけいにおける財産ざいさんけん国家こっか保護ほご機能きのうだとろんじている。これら財産ざいさんけん財産ざいさん法体ほうたいけい全体ぜんたいは、以下いかのことを可能かのうにしている。

  • 資産しさん保護ほごする地域ちいき社会しゃかい協定きょうていからの個人こじん独立どくりつ増大ぞうだい
  • 明確めいかくで、証明しょうめい可能かのうで、保護ほご可能かのう所有しょゆうけん
  • いちこく全体ぜんたいでの財産ざいさん規則きそく財産ざいさん情報じょうほう標準ひょうじゅんおよび統合とうごう
  • 経済けいざい取引とりひきでの不正ふせい行為こういたいする処罰しょばつ確実かくじつせい向上こうじょう由来ゆらいする信頼しんらいせい増加ぞうか
  • かく企業きぎょう共有きょうゆうリスクと所有しょゆうけんおよびどうリスクにたいする保険ほけんでのより直接的ちょくせつてき想定そうてい可能かのうにする、より公的こうてき複雑ふくざつ書面しょめんによる所有しょゆうけん声明せいめい
  • よりおおくのもの融資ゆうし担保たんぽとして機能きのうできるため、新規しんき事業じぎょう融資ゆうし活用かつようせい向上こうじょう
  • 信用しんよう履歴りれき資産しさん価値かちとうかんする情報じょうほうへの容易よういなアクセスと信頼しんらいせい向上こうじょう
  • 財産ざいさん所有しょゆうけん文書ぶんしょする声明せいめい代替だいたい可能かのうせい標準ひょうじゅん移動いどう可能かのうせい向上こうじょう(これによって、かく企業きぎょうにとっての国内こくない市場いちばや、個人こじんほかの主体しゅたいによる複雑ふくざつなネットワークをかいした財産ざいさん容易ようい移動いどうなどの構造こうぞうかんするみちひらかれる)。
  • 焼畑やきばた農業のうぎょう慣行かんこう最小さいしょうによる生物せいぶつ多様たようせい保護ほご強化きょうか

デ・ソトによると、上記じょうきのすべてが経済けいざい成長せいちょう促進そくしんする[64]学識がくしきしゃたちは、財産ざいさんまたは土地とち金銭きんせんてき価値かちてることによりコモディティすることが伝統でんとうてき文化ぶんか遺産いさんを(とく先住民せんじゅうみんぞくから)うばってしまうこと指摘してきして、財産ざいさん考慮こうりょされる資本しほん主義しゅぎ枠組わくぐみを批判ひはんしている[65][66]。これらの学者がくしゃたちは、財産ざいさん個人こじんてき性質せいしつ現代げんだい西洋せいよう社会しゃかい支持しじするとみ創造そうぞうとの相容あいいれないアイデンティティの関連かんれん指摘してきしている[65]

関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ とく日本にっぽんでは、このうちくに所有しょゆうするものを国有こくゆう財産ざいさん地方自治体ちほうじちたい所有しょゆうするものを公有こうゆう財産ざいさん区別くべつしている(前者ぜんしゃ国有こくゆう財産ざいさんほうで、後者こうしゃ地方ちほう自治じちほう238じょう規定きていされている)。
  2. ^ 組合くみあい制度せいどによる特殊とくしゅ共有きょうゆう制度せいどごうゆうばれる)で、日本にっぽんでは民法みんぽう668じょうなどで規定きていされている[3]
  3. ^ 他人たにん土地とち一定いってい目的もくてきのために使用しよう収益しゅうえきする権利けんりで、民法みんぽうじょう地上ちじょうけんえい小作こさくけん地役ちえきけん入会にゅうかいけんの4しゅ規定きていされている[8]
  4. ^ 海外かいがい散見さんけんされるにせブランドのコピー商品しょうひんや、著作ちょさくけん無視むしした海賊版かいぞくばんなどが顕著けんちょ違法いほう事案じあんれい後者こうしゃについては、動画どうが共有きょうゆうサイトへの違法いほうアップロードもたない。
  5. ^ 日本にっぽん国内こくないでも、三菱地所みつびしじしょプロパティマネジメントやプロパティエージェントなど不動産ふどうさん関連かんれん企業きぎょうめいでしばしば使つかわれている。
  6. ^ 具体ぐたいてきには、奴隷どれいせい徴兵ちょうへいせい成年せいねん以下いかどもの権利けんり結婚けっこん中絶ちゅうぜつ売春ばいしゅん麻薬まやく安楽あんらく臓器ぞうき提供ていきょう関連かんれんしたしょ問題もんだいがある。
  7. ^ ここでは土地とち労働ろうどう資本しほんす。詳細しょうさい生産せいさん要素ようそ参照さんしょう
  8. ^ 破産はさん手続てつづきにおいて裁判所さいばんしょ保全ほぜん管理かんり命令めいれいしたさいに、裁判所さいばんしょから選任せんにんされて債務さいむしゃ財産ざいさん管理かんりするものかれらは破産はさん管財かんざいじんちがい、当該とうがい財産ざいさん処分しょぶんして債権さいけんしゃ弁済べんさい配当はいとうする権限けんげんたない[17]
  9. ^ 自分じぶん身体しんたい貴重きちょうであることはうまでもない(義肢ぎし人工じんこう臓器ぞうきなどをのぞいて基本きほんてきえはない)。また、人体じんたい機能きのう長年ながねん維持いじするには健康けんこう管理かんりとう労力ろうりょく必要ひつようとなる。
  10. ^ ただしこの用語ようごは、特定とくてい集団しゅうだんによって所有しょゆう管理かんりされる組合くみあい財産ざいさん日本にっぽんでいう入会にゅうかい(いりあい)をすこともおおい。
  11. ^ 711ねん蓄銭叙位じょいれいで、一定いっていりょうぜにたくわえたものには位階いかいあたえられる仕組しくみがあり、こう位階いかい目的もくてき蓄財ちくざいする豪族ごうぞくがいた。
  12. ^ 寛永かんえいだい飢饉ききん困窮こんきゅうした農民のうみん田畑たはたって没落ぼつらくする事態じたい相次あいついだため、江戸えど幕府ばくふが1643ねん田畑たばた永代えいたい売買ばいばい禁止きんしれいして農民のうみん土地とち売買ばいばいできないようにした。これは年貢ねんぐから収入しゅうにゅう大名だいみょう幕府ばくふ財政ざいせい安定あんていさせることにつながったため[32]江戸えど時代じだいつうじてどう政策せいさく継続けいぞくされていた。
  13. ^ 教父きょうふ学理がくりろん修正しゅうせいというアクィナスの文脈ぶんみゃくにおいて、この共同きょうどうたいとはキリストしゃ共同きょうどうたいす。
  14. ^ かみ人間にんげん創造そうぞうして「これにうみさかなと、そらとりと、家畜かちくのすべてのししと、のすべてのうものをおさめさせ」ることにしたという聖書せいしょ内容ないようからしょうじた、人間にんげん自然しぜん支配しはいしゃという人間にんげん中心ちゅうしんてき自然しぜんかん[54]
  15. ^ ただし公的こうてきサービスを実施じっしするのも行政府ぎょうせいふなので、国家こっか行政府ぎょうせいふけてろんじることが妥当だとうではないという問題もんだいがある(はしてき矛盾むじゅんくなら、税金ぜいきん実際じっさい徴収ちょうしゅうすることも行政府ぎょうせいふ仕事しごとである)。ガランボスの理論りろんは、あくまで19世紀せいきの「西洋せいよう哲学てつがくてき考察こうさつ」からみちびかれた言説げんせつである。

出典しゅってん

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外部がいぶリンク

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